大川印刷は、1881年創業の横浜の印刷会社です。印刷工場の電力を再生可能エネルギー100%にし、CO2排出量を事前にオフセットする「CO2ゼロ印刷」を軸に、2026年7月には国際認証「B Corp」も取得しました。この記事では、大川印刷の環境印刷の中身、料金や依頼の流れ、受賞歴や事例を公式情報から整理し、同じ分野で取り組む印刷会社5社の比較表と、社会に与える影響も解説します。
この記事でわかること
- 大川印刷の会社概要と、公式サイトで確認できる受賞歴
- CO2ゼロ印刷と再生可能エネルギー100%工場の仕組み
- ノンVOCインキ、FSC森林認証紙、エコ配送の具体的な中身
- B Corp認証の取得内容と、依頼する際の料金・流れ
- 同分野の印刷会社5社を同じ基準で並べた比較表
- 大川印刷が環境と社会にもたらす影響と、公表数値の規模感
大川印刷とはどんな会社か|会社概要と特徴
大川印刷は、創業1881年の横浜の印刷会社で、環境印刷と社会課題の解決を事業の軸にしています。
自らを「ソーシャルプリンティングカンパニー」と位置づけ、本社工場は横浜市戸塚区にあります。
公式サイトの会社概要では、創業は1881年(明治14年)11月9日、資本金は2,000万円、従業員は29名(令和7年6月現在)と記載されています。本社・工場は横浜市戸塚区上矢部町、営業所は横浜駅東口から徒歩約3分の西区高島にあります。主なお取引先として、製薬会社や食品会社のほか、国連WFP協会、WWFジャパン、パタゴニア日本支社、神奈川県ユニセフ協会などが挙がっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | 株式会社大川印刷 |
| 創業 | 1881年(明治14年)11月9日 |
| 本社・工場 | 横浜市戸塚区上矢部町 |
| 営業所 | 横浜市西区高島(横浜駅東口から徒歩約3分) |
| 従業員 | 29名(令和7年6月現在) |
| 自社の位置づけ | ソーシャルプリンティングカンパニー |
大川印刷の主な受賞歴と認定
大川印刷の公式サイトには、環境や社会性に関する受賞歴が多数掲載されています。グリーン購入大賞の大賞・環境大臣賞や、ジャパンSDGsアワードのSDGsパートナーシップ賞(特別賞)など、国や公的機関に関わる表彰が目立ちます。主なものを時系列で整理します。
| 時期 | 受賞・表彰名(公式サイト掲載どおり) |
|---|---|
| 2023年12月 | 気候変動アクション環境大臣表彰(普及促進部門・緩和分野) |
| 2023年6月 | グリーン購入大賞 中小企業部門 大賞・環境大臣賞 |
| 2021年3月 | 印刷産業環境優良工場表彰 経済産業省商務情報政策局長賞 |
| 2018年12月 | 第2回ジャパンSDGsアワード SDGsパートナーシップ賞(特別賞) |
| 2018年3月 | 横浜市 横浜型地域貢献企業「プレミアム表彰」 |
大川印刷のCO2ゼロ印刷と再生可能エネルギー100%の仕組み

大川印刷のCO2ゼロ印刷は、年間のCO2を事前にオフセットし、電力も再エネ100%にする取り組みです。
2016年に始まり、2019年に再エネ100%の工場へ進みました。
2016年に始まったCO2ゼロ印刷と年間180tのオフセット
CO2ゼロ印刷は2016年に始まりました。自社の印刷事業で1年間に使う電気・ガス・車両燃料から出るCO2を算定し、その全量にあたる180tを、あらかじめJ-クレジット等でオフセットする仕組みです。印刷物を作ってから埋め合わせるのではなく、年間分を先に打ち消す点が大川印刷の特徴です。
オフセットとは、自社で減らしきれない排出量を、他の場所での削減や吸収で埋め合わせる考え方です。大川印刷はこの前提のうえで、次に述べる再エネ導入によって、排出そのものを減らす取り組みも進めています。
関連記事:カーボンニュートラルとは?意味・目的・企業が取り組むべき施策をわかりやすく解説
2019年から再エネ100%:太陽光20%と風力80%の組み合わせ
2019年、大川印刷は日本で初めてとされるPPAモデルで太陽光パネルを無償設置し、自家発電20%と、青森県横浜町の風力発電による電力80%を合わせて再生可能エネルギー100%の印刷工場を実現したと公表しています。風力の電力は、横浜市が連携都市協定を結ぶ横浜町から購入したもので、カーボンオフセット済みとされています。
2026年9月の公式発表でも、主力工場では2019年から再生可能エネルギー100%(太陽光PPA約20%、風力の再エネメニュー約80%)を導入し、FSC森林認証紙やノンVOCインキと組み合わせていると説明されています。
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Scope3のゼロ化にも対応|印刷物を買う側の排出量が下がる
2021年10月から、大川印刷は希望に応じて自社のScope3についてもゼロ化に対応しています。ただしScope3のゼロ化は有償と公式サイトに明記されています。
Scope3とは、事業者の活動に関連する他社の排出のことです。環境省は、サプライチェーン排出量をScope1、Scope2、Scope3の合計と整理しています。印刷物を発注する企業にとって、印刷物の製造は自社のScope3に含まれます。大川印刷に発注した印刷物のCO2排出量がゼロとカウントされれば、発注企業のScope3削減実績になる、というのが大川印刷の説明です。
参照:環境省 グリーン・バリューチェーンプラットフォーム「サプライチェーン排出量全般」
大川印刷の環境印刷でノンVOCインキとFSC紙はどう使われるか

大川印刷の環境印刷は、ノンVOCインキ、FSC紙、エコ配送で印刷物の環境負荷を下げる取り組みです。
電力だけでなく、インキや用紙、納品まで一貫して見直しています。
ノンVOCインキの使用率は2020年度に99.9%
VOC(揮発性有機化合物)は大気汚染や化学物質過敏症の原因となる物質です。大川印刷は石油系有機溶剤0%のノンVOCインキを積極的に使っており、2020年度のノンVOCインキ使用率は全体の99.9%と公表しています。残りは石油系有機溶剤を30%未満含むインキです。
働く人の安全面でも取り組みがあります。印刷機のローラー洗浄剤や湿し水添加剤について、労働安全衛生法の有機溶剤中毒予防規則に該当する有機溶剤は、2008年度から使用を中止したと説明されています。
費用面について、公式のよくある質問では、年間使用量を事前に計算してインキメーカーと単価契約しているため、通常のインキと同じ価格で提供できると答えています。
参照:大川印刷公式サイト「ノンVOCインキ」、大川印刷公式サイト「よくある質問」
FSC森林認証紙は通常の紙と変わらない価格
用紙は、FSC森林認証紙や間伐紙など環境に配慮した紙の中から、印刷物の目的に合わせて選ぶ方針です。FSC森林認証紙は、普及が進んだため認証紙以外の用紙と変わらない価格で提供できると、よくある質問に記載されています。環境配慮が割高になるのではという懸念に、公式が直接答えている点は依頼を検討する際の安心材料になります。
水あり印刷を採用する理由とプレートのリサイクル
印刷方式について、大川印刷は水あり印刷を採用しています。公式の説明では、水あり印刷は印刷プレートをリサイクルできるのに対し、水なし印刷のプレートはシリコンを含むため埋め立て処分になるとされています。水あり印刷では廃液が出ますが、回収して浄水処理を行い、安全に下水処理しているという説明です。
エコ配送|プラスチックコンテナ納品で段ボールを減らす
納品にも工夫があります。大川印刷は、より環境負荷の少ない電気自動車やディーゼル車を使って活動し、段ボールケースの回収や処分に伴う廃棄物を減らすため、プラスチックコンテナで納品していると公表しています。
大川印刷のB Corp認証とは|取得時期とScope3対応への意味
大川印刷は、国際認証「B Corp」を2026年7月に取得しました。発表は2026年7月17日です。
社会的・環境的パフォーマンスや透明性を評価する認証で、ESGやScope3対応の調達先としての信頼性を示す狙いがあります。
B Corpの概要と大川印刷の取得内容
B Corpは、非営利団体B Labが運営する国際認証で、企業の社会的・環境的パフォーマンス、透明性、説明責任を評価します。大川印刷は、2026年時点で世界100か国以上・150業種以上、1万社以上が取得しており、日本国内の認証取得企業は約90社(2026年6月末現在)と説明しています。
なお、認証スコアはプレスリリースに記載がありません。大川印刷はこの認証を、ESG・Scope3対応に使える印刷サービス、調達・監査対応の効率化、サプライチェーンの透明性確保につなげると説明しています。
参照:大川印刷 プレスリリース「B Corp認証取得について」(2026年7月17日)
SBT認定とCDP評価|脱炭素の外部評価
B Corp以外の外部評価として、同じ発表では2021年のSBT認定取得と、2025年のCDP「B」評価が挙げられています。SBTは企業の温室効果ガス削減目標が科学的根拠に基づくと認められる制度、CDPは企業の環境情報開示を評価する国際的な枠組みです。第三者の基準で評価を受けている点が、自己申告にとどまらない根拠になります。
関連記事:ESG経営とは?意味・メリットと中小企業の始め方を解説
大川印刷の料金と依頼の流れ|見積もりに必要な情報
大川印刷の公式サイトに、印刷料金の一覧表は掲載されていません。見積もりは問い合わせフォームで依頼します。
見積もりを依頼する手順
大川印刷は、価格帯・最低ロット・納期について、仕様(色数、サイズ、加工など)、データの形式、納品先が分かって初めて正確に案内できるとよくある質問で説明しています。次の順で進めます。
- 問い合わせフォームに、色数・サイズ・加工などの仕様を記入する
- PDF、InDesign、aiなどの入稿データの形式と、納品先を伝える
- 大川印刷が見積もりを作成して送付する(電話で詳細を確認する場合もあります)
価格の位置づけについて、公式は、印刷通販はデータチェックや色校正の出力を行わず多種同時印刷でコストを下げているのに対し、大川印刷はデータチェック、色管理、色校正の出力、製品ごとの印刷を行うため、価格帯が異なると説明しています。営業エリアは横浜・東京が中心ですが、遠方でもやり取りを工夫して対応する場合があるとされています。
工場見学の受け入れ
大川印刷は、小学生から大学生、企業、NPO、地域団体まで工場見学を受け入れています。教育目的の見学は相談に応じるとされ、料金などは別途問い合わせが必要です。申し込みは電話またはメールで、所属を明記して行います。
大川印刷を利用した団体の事例
大川印刷の事例は、公式サイトの印刷作品集で読めます。
環境印刷や、社会課題解決型スタジオ「with GREEN PRINTING」を使った団体の事例です。ここでは公式の事例ページに書かれている内容だけを紹介します。
一般社団法人Protect Our Winters Japan:サステナブルリゾートハンドブック
気候変動に取り組む一般社団法人Protect Our Winters Japanが、スキー場向けの冊子を大川印刷で印刷しました。大川印刷の事例ページでは、「グリーンなスキー場のためのサステナブルリゾートハンドブック」(62ページ)を再生可能エネルギー100%で印刷し、ノンVOCインキを使っています。同団体は、2023年12月に立ち上げた「サステナブル・リゾート・アライアンス」に現在34のスキー場が加盟していると述べています。
参照:大川印刷公式サイト「Protect Our Winters Japan様 サステナブルリゾートハンドブック」
いろおとひかり:煌・木版画 暦を再エネ100%で毎年印刷
山梨県の木版画家・小林煌さんのカレンダー「いろおとひかり 煌・木版画 暦」は、2019年の依頼をきっかけに、毎年、再生可能エネルギー100%の電力で印刷されています。2026年版はノンVOC(石油系溶剤0%)インキの4色刷り、28ページです。依頼の理由として、小林さんは環境に良い印刷会社を探していて大川印刷に出会ったと述べています。
参照:大川印刷公式サイト「いろおとひかり 煌・木版画 暦 2026」
福祉医療共済会:with GREEN PRINTINGでオンラインセミナーを配信
福祉・医療施設向けの保険を扱う株式会社福祉医療共済会は、SDGsをテーマに初めて主催したオンラインセミナー以来、毎年with GREEN PRINTINGを利用しています。同社のコメントでは、スタジオの電力がすべてカーボンオフセットされている点や、古民家の廃材を使った壁などアップサイクルの空間設計を評価したと紹介されています。
日本フィランソロピー協会:障がい者アート展と映画上映会を共催
2026年4月11日から19日まで、日本フィランソロピー協会主催の障がい者アート展と映画上映会が、with GREEN PRINTINGで開かれました。大川印刷が会場を無償提供する形での共催で、同スタジオ初の障がい者アート展だったと紹介されています。協会は、想定以上の反響があったと述べる一方、出展団体から発表機会の拡大を求める声もあったと報告しています。
環境配慮型の印刷に取り組む会社5社と大川印刷の比較
CO2排出量を実質ゼロにする印刷サービスは、大川印刷以外にも複数の会社が提供しています。
ここでは各社の公式ページで確認できた内容だけを、同じ項目で並べます。
掲載は五十音順で、順位や推奨の順ではありません。大川印刷を先頭に置き、他の5社を五十音順に並べています。公式ページに記載がない項目は「公表なし」としました。
| 会社 | 取り組みの対象 | 仕組み | 公表している実績 | 開始年 |
|---|---|---|---|---|
| 大川印刷 | 自社事業の電気・ガス・車両燃料のCO2(希望に応じてScope3) | 年間排出量を事前にJ-クレジット等でオフセット。再エネ100%工場 | Scope1・2の年間排出量180tを事前オフセット(2016年算定) | 2016年(CO2ゼロ印刷) |
| 研文社 | 印刷物のCO2排出量 | Scope1・2のCO2排出量が実質ゼロの工場。データシートとオフセット証書を発行 | 公表なし | 公表なし |
| 光陽社 | Scope1・2、印刷物のライフサイクルのGHG排出量 | 工場の排出量実質ゼロ化と、ライフサイクル排出量のカーボン・オフセット | 公表なし | 公表なし |
| 東京平版 | 印刷物のCO2排出量(LCAで算定) | J-クレジット制度でオフセット。3種類の証明書を発行 | 公表なし | 公表なし |
| 東洋美術印刷 | 印刷物のライフサイクルのCO2排出量 | PGGで算定し、J-クレジットでオフセット | 公表なし | 公表なし |
| ユーメディア | 印刷物のライフサイクルのCO2排出量 | 有償でカーボンオフセット。証明書を発行 | 公表なし | 公表なし |
研文社:カーボンゼロプリント工場で印刷物ごとにデータを出す
株式会社研文社は、印刷物のCO2排出量削減に取り組む印刷会社で、日本サステナブル印刷協会の協会員です。工場はScope1・2のCO2排出量が実質ゼロの「カーボンゼロプリント工場」として稼働しているとされ、案件ごとにCO2削減値を算出したデータシートや、カーボン・オフセット証書の発行が可能と説明されています。
光陽社:環境配慮型プリントで二つの認証マークに対応
株式会社光陽社は、東京、大阪、名古屋に拠点を持つ印刷会社です。サービス「環境配慮型プリント」では、印刷工場のGHG排出量の実質ゼロ化を進めたうえで、印刷物のライフサイクルにおけるGHG排出量をすべてカーボン・オフセットするサービスを提供しています。カーボンゼロエネルギーマークとカーボンニュートラルプリントマークの二つに関連する取り組みです。
東京平版:LCAで算定し三つの証明書を発行
東京平版は、環境配慮型印刷とカーボンニュートラル印刷を提供しています。CO2排出量をLCAに基づいて算定してデータシートで示し、日本サステナブル印刷協会を通じて国が認可するJ-クレジット制度でオフセットします。CO2排出量データシート、カーボンオフセット証書、無効化通知書の3種類の証明書を顧客に発行する点が、同社ページで説明されています。
東洋美術印刷:PGGで算定し日本WPA経由でオフセット
東洋美術印刷株式会社は、東京都千代田区の印刷会社です。「印刷のカーボンオフセット」では、印刷物が製造されてから廃棄されるまでのライフサイクルのCO2排出量を算定して相殺します。PGG(Printing Goes Green)というソフトウェアで算定し、J-クレジットを購入してオフセットする流れで、クレジットの売上は植林や再生可能エネルギー設備の導入などに充てられると説明されています。
ユーメディア:納品後にカーボンオフセット証明書を発行
株式会社ユーメディアは、名刺、ポスター、パンフレットなどを対象にカーボンニュートラルプリントを提供しています。印刷物のライフサイクル全体のCO2排出量を算定して有償でオフセットし、納品後にカーボンオフセット証明書を発行します。同社は、東北唯一の日本サステナブル印刷協会員で、輪転機設置工場はカーボンゼロプリント工場認定を取得していると記載しています。
大川印刷が環境と社会に与える良い影響
大川印刷の影響は、自社の排出削減に加え、発注企業の排出量や団体の発信活動にも広がります。
ここでは公表されている仕組みと数値に絞って整理します。
印刷物の発注企業のScope3削減につながる仕組み
環境省の整理では、Scope3のカテゴリ1「購入した製品・サービス」には、原材料の調達、パッケージングの外部委託、消耗品の調達などが含まれます。印刷物の購入もここに入るため、印刷会社の排出が減れば、発注企業のScope3の数字も下がるという因果の関係になります。
大川印刷のCO2ゼロ印刷は、この関係を使って発注企業の削減実績に結びつける仕組みです。印刷物へ「CO2ゼロ印刷」を表示して、気候変動への対策を社内外に示すこともできると説明されています。
参照:環境省 グリーン・バリューチェーンプラットフォーム「Scope3排出量とは」
規模で見る:年間180tのオフセットは国内排出量の何%か
社会全体の規模と並べると、大川印刷の取り組みの位置づけが分かります。大川印刷は、自社のScope1・2の年間排出量を180tと公表し、その全量をオフセットしています。2024年度の国内の温室効果ガス総排出量は、環境省の算定で10億4,600万t(CO2換算)です。
180t ÷ 10億4,600万t ≒ 0.000017%(編集部推計)となります。大川印刷の数値は2016年の算定、環境省の数値は2024年度で年度が異なり、前者はCO2、後者は温室効果ガスのCO2換算である点にも注意が必要です。
自社の排出だけを見れば、国内全体への寄与はごく小さいと言えます。それでも、印刷という身近な業種で排出ゼロの工場を実際に運用し、発注企業が使えるScope3対応の選択肢として提示している点に、他の企業が真似できる実例としての価値があります。
参照:環境省「温室効果ガス排出量及び吸収量算定結果」(2024年度、2026年4月発表)
地域の風力発電とつながる電力調達
大川印刷が工場の電力の約80%に充てる風力発電は、横浜市が連携都市協定を結ぶ青森県横浜町の電力です。都市部の工場が、協定を結ぶ地方の再生可能エネルギーを買うことで、電力の使い道が自治体間の連携とつながります。電力会社を再エネメニューへ切り替えた調達である点も、公式発表で説明されています。
社会課題に取り組む団体の発信を後押しする
大川印刷は、Protect Our Winters Japanの気候変動啓発冊子や、日本フィランソロピー協会の障がい者アート展など、社会課題に取り組む団体の発信を印刷と場の提供で支えています。環境負荷の小さい印刷物と、社会課題を扱うイベント会場が同じ企業から得られることは、団体にとって情報発信の選択肢を広げます。読者が自社で取り入れる際は、まず印刷物の発注先を再エネ100%の会社に切り替えるところから始められます。
よくある質問
大川印刷についてよくある疑問に、公式サイトの記載に基づいて答えます。
1881年創業の横浜の印刷会社です。環境印刷を軸に社会課題の解決に取り組む「ソーシャルプリンティングカンパニー」を名乗り、本社・工場は横浜市戸塚区にあります。
自社の印刷事業で1年間に出るCO2を、あらかじめJ-クレジット等でオフセットする取り組みです。2016年に始まり、年間180tが対象でした。希望に応じてScope3のゼロ化にも対応しますが、有償です。
2026年7月に取得しています。2026年7月17日に発表されました。日本国内の認証企業は約90社(2026年6月末現在)と説明されています。
公式のよくある質問では、どちらも通常と変わらない価格で提供できると答えています。FSC森林認証紙は普及が進んだため、ノンVOCインキは年間使用量を事前計算して単価契約しているためです。
色数・サイズ・加工などの仕様、入稿データの形式、納品先が必要です。問い合わせフォームに記入すると、見積もりが作成されて送られます。
できます。小学生から大学生、企業、NPO、地域団体まで受け入れており、申し込みは電話またはメールで所属を明記して行います。
まとめ
大川印刷の特徴を整理します。
- 大川印刷は1881年創業の横浜の印刷会社で、環境印刷を軸に社会課題へ取り組んでいる
- CO2ゼロ印刷は2016年に開始し、年間180tのCO2を事前オフセット。2019年から再エネ100%工場
- ノンVOCインキの使用率は2020年度に99.9%で、FSC認証紙やインキは通常と変わらない価格と公表
- 2026年7月にB Corpを取得し、2021年のSBT認定と2025年のCDP「B」評価も公表している
- 同分野では研文社、光陽社、東京平版、東洋美術印刷、ユーメディアも排出量を実質ゼロにするサービスを提供している
- 年間180tは国内総排出量の約0.000017%(編集部推計)。価値は発注企業のScope3対応に使える実例にある