ロボタクシーとは、運転手が乗らずに自動運転で走り、配車アプリで呼べるタクシーのことです。日本でも東京・横浜・大阪で実証や準備が進んでおり、運転手不足といった地域の移動の課題への答えとして注目されています。
この記事では、ロボタクシーの基本とレベル4の制度、乗る前に確認したい点を整理したうえで、ロボタクシーに取り組む企業6社と、日本国内の実証3事例を各社の公式情報から紹介します。
この記事でわかること
- ロボタクシーと従来のタクシーの違い、レベル4の考え方
- 乗る前に確認したい運行エリア・時間帯・料金などの項目
- ロボタクシーに取り組む企業6社の役割と特徴
- 東京・横浜・大阪の実証3事例と、現時点で公表されている時期
ロボタクシーとは?自動運転タクシーとの違い

ロボタクシーとは、運転手が乗らずに自動運転で走り、アプリで呼べるタクシーのことです。
「自動運転タクシー」と呼ばれることも多く、ここでは運転者のいない状態で走る完全無人のタクシーサービスを指してロボタクシーと書きます。運転席に係員が座る実証と、運転席が空の営業運行とでは、制度上の扱いも利用者の体験も異なります。
レベル4とは?日本の制度での位置づけ
レベル4とは、決められた条件の範囲で、システムが運転のすべてを担う自動運転の段階です。日本の道路交通法では、SAEレベル4に相当する、運転者がいない状態での自動運転を「特定自動運行」と呼び、許可制度が令和5年(2023年)4月に施行されました。
特定自動運行を行うには、事業者が許可を受ける必要があります。許可を受けた範囲だけで無人運行ができるため、ロボタクシーは「どこでも走れる」ものではなく、エリアや時間帯、天候などの条件を区切って広げていくサービスです。
参照:警察庁「自動運転」(2026年10月時点)
ロボタクシーと従来のタクシーの違い
従来のタクシーとの最大の違いは、運転操作を行うのが乗務員ではなく自動運転システムである点です。利用者の側から見ると、配車アプリで呼んで目的地を指定するという流れは大きく変わりません。
| 比較項目 | 従来のタクシー | ロボタクシー(レベル4) |
|---|---|---|
| 運転操作 | 乗務員が運転する | 自動運転システムが運転する |
| 車内の運転者 | 乗務員が乗車 | 運転者がいない状態で走る(実証期間は係員が同乗する場合がある) |
| 呼び方 | 流し・電話・配車アプリ | 事業者の配車アプリが中心 |
| 走れる範囲 | 免許の範囲で原則どこでも | 許可を受けたエリア・条件の範囲 |
| 現場の運行管理 | 営業所や乗務員 | 営業所での運行管理に加え、システムの監視体制 |
どちらが優れているという話ではなく、役割が違います。ロボタクシーは、運転手を確保しにくい時間帯やエリアで移動手段を保つ選択肢として、従来のタクシーと並んで広がっていくと考えられます。
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ロボタクシーに乗る前に知っておきたいこと

ロボタクシーに乗る前は、運行エリア・時間帯・予約方法を事業者の公式発表で確認することが出発点です。
日本では、営業運行ではなく実証としてモニターを募集している段階のものが中心です。一般の路線バスやタクシーのように、いつでも誰でも乗れるサービスはまだ限られているため、先に条件を確かめる習慣が役立ちます。
乗るまでの流れ
現在の実証でも今後の営業運行でも、基本的な流れは次のとおりです。最初に事業者の公式発表で募集条件と日程を確かめることが、無駄足を避けるコツです。
- 事業者の公式発表で、運行エリア・日程・対象者を確認する
- 専用の配車アプリや募集ページで、乗車の申し込みやアカウント登録を行う
- 指定された乗降場所で待ち、配車された車両を確認して乗車する
- 目的地までの走行中は、案内表示や係員の説明に従う
- 降車後にアンケートや決済など、事業者が求める手続きを行う
事前に確認したい項目と確認先
料金や運行条件は事業者ごとに異なり、実証と営業運行でも変わります。料金・運行時間・エリアは、必ず各事業者の最新の公式発表で確かめてください。
| 確認項目 | なぜ確認するか | 確認先 |
|---|---|---|
| 運行エリア | 許可や実証の範囲内でしか走れないため | 事業者の公式発表・募集ページ |
| 運行日・時間帯 | 実証では曜日や時間が限られることがあるため | 事業者の公式発表 |
| 料金・参加費 | 実証は無料の場合があり、営業運行では異なるため | 事業者・配車アプリの案内 |
| 同乗者の有無 | 運転者のいない状態か、係員が同乗するかで体験が変わるため | 事業者の公式発表 |
| 利用できるアプリ | 事業者ごとに予約の入口が異なるため | 事業者の公式サイト |
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ロボタクシーが期待される理由と、導入の課題
ロボタクシーに期待が集まる背景は、移動を支える運転手の確保が難しくなっていることで、課題は安全の検証と運行体制づくりです。
期待と課題は表裏一体です。技術が使えるようになったから広がるのではなく、どの地域のどんな移動を支えるのかを決めたうえで、段階的に範囲を広げることが前提になります。
期待される役割:移動手段を保つ選択肢
運転手不足は、大阪市が自動運転タクシーの連携協定で社会課題として挙げています。タクシーは、鉄道やバスの届きにくい場所や時間帯で、人の移動を支える公共性の高い手段です。ロボタクシーは、運転手の確保に左右されにくい移動手段として期待されています。
一方で、すぐにすべてのタクシーが置き換わるわけではありません。実証や商用化の計画は、当面、エリアと台数を区切って進められています。
残る課題:安全の検証・許認可・運行体制
日本では、運転者のいない自動運転に許可が必要です。東京の計画でも、サービス開始の時期は許認可と安全検証の完了に左右されると発表されています。安全性の確認と制度上の許可を終えてから、運行の範囲を広げる順序が取られています。
運行体制の面では、車両の運用、システムの監視、乗客対応を誰が担うかも課題です。各事業者の計画が、技術企業・配車事業者・タクシー事業者・自治体といった複数の主体の役割分担になっているのは、このためです。
利用者の視点で見たときの論点
利用者にとっては、安全面の説明、トラブル時の連絡先、料金の分かりやすさが判断材料になります。実証の募集ページに、問い合わせ先や同乗者の有無が書かれているかを確認すると、安心して参加しやすくなります。
| 論点 | 利用者が見たいこと | 事業者側で必要になること |
|---|---|---|
| 安全性 | どのような条件で走るのか | 許可の取得と安全の検証 |
| トラブル時の対応 | 連絡先と対応の流れ | 遠隔監視や現場の運行管理体制 |
| 料金 | 乗車前に分かる料金の提示 | 営業運行に向けた料金設計 |
| 乗降の場所 | どこで乗り降りできるか | 乗降場所の確保と運行エリアの調整 |
ロボタクシーに取り組む企業6社
日本のロボタクシーには、自動運転技術・配車・タクシー運行・自動車の4つの立場の企業が関わっています。
ここでは、公式サイトや公式の発表で取り組みを確認できた6社を、社名の読みの五十音順で並べます。掲載順は優劣や推奨順を示すものではありません。選定は編集部が公開情報から行ったもので、各社の記述は2026年10月時点の公式情報にもとづきます。
Waymo(ウェイモ)
Waymoは、自動運転車を使った配車サービスを運営する米国の企業で、Alphabet傘下です。
担う役割は、自動運転技術と、運行を支えるシステムの提供です。東京の計画では、技術面をWaymoが担当します。
公式サイトは、米国15都市に加えて、ロンドンと東京を運行地として掲載し、累計2,000万回以上の乗車実績を示しています。
参照:Waymo公式サイト(2026年10月時点)
GO(ゴー)
GOは、タクシー配車アプリ「GO」を運営する日本の企業です。
担う役割は、地域のタクシー事業者と連携するための全体設計と、アプリを通じた配車サービスです。
東京の計画では、利用者は「GO」とWaymoの双方のアプリから完全無人タクシーを呼べると発表されています。
参照:GO公式サイト(2026年10月時点)
TIER IV(ティアフォー)
TIER IVは、自動運転の技術とソフトウェアを開発する日本の企業です。
公式サイトは、サービス分野の一つに「モビリティサービス」を掲げ、製品としてPilot.Auto、Web.Auto、Edge.Autoを紹介しています。
オープンソースの自動運転ソフトウェアAutowareの開発に関わり、「自動運転の民主化」を掲げている点が特徴です。
参照:TIER IV公式サイト(2026年10月時点)
日産自動車
日産自動車は、横浜市で自動運転モビリティサービスの実証を行う自動車メーカーです。
担う役割は、セレナをベースにした自動運転車両の提供と、実際の配車サービスを通じた運用面の検証です。
2026年度は自動運転車両10台を横浜市の中心部で走らせ、約500人の一般モニターを募集しています。
参照:日産自動車公式サイト(2026年10月時点)
日本交通
日本交通は、1928年に創業した、東京を中心とするタクシー・ハイヤー事業者です。
担う役割は、東京の計画で、現場の運行管理、配車の運営、営業所の運営です。
2025年から続く東京都内の試験走行では、同社の乗務員が同乗して走行を支えています。
参照:日本交通公式サイト(2026年10月時点)
newmo(ニューモ)
newmoは、タクシー事業、配車アプリ、自動運転の開発などを手がける、大阪を重点地域とするモビリティ企業です。
公式サイトによると、2026年8月5日に設立された大阪の「自動運転タクシー実装コンソーシアム」に参加しています。
自治体との連携協定を結び、大阪で自動運転タクシーの実証に向けて動いている点が特徴です。
参照:newmo公式サイト(2026年10月時点)
以上6社を、立場と確認できる動きで整理すると次のとおりです。
| 企業名 | 立場 | 確認できる動き |
|---|---|---|
| Waymo | 自動運転技術 | 東京で試験走行、GO・日本交通と商用化で合意 |
| GO | 配車アプリ・事業者連携 | 東京の計画でGOとWaymoの両アプリから配車 |
| TIER IV | 自動運転ソフトウェア | オープンソースのAutowareに関わる |
| 日産自動車 | 自動車メーカー | 横浜で車両10台の実証を実施 |
| 日本交通 | タクシー事業者 | 東京の計画で運行管理・営業所運営を担当 |
| newmo | タクシー・配車・自動運転 | 大阪市と連携協定を締結 |
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日本のロボタクシー実証3事例
日本では、東京・横浜・大阪の3か所で、公式に発表された実証や計画が確認できます。
ここでは、当事者が自ら公開した発表資料だけをもとに、何を行ったかを整理します。公表されていない成果は書いていません。
東京:GO・Waymo・日本交通の完全無人タクシー計画
GO、Waymo、日本交通の3社による、東京でのレベル4商用タクシーの計画です。
3社は2025年から東京都内7区で公道での試験走行を行い、2026年9月15日に商用化に向けた戦略的パートナーシップに合意しました。2027年中に、国内初のレベル4による完全無人の商用タクシー運行を目指し、100台規模で段階的に運行するとしています。
実際のサービス開始時期は、許認可と安全検証の完了次第とされています。
参照:GO「GO、Waymo、日本交通 自動運転タクシー商用化の実現に向けて合意」(2026年9月15日)
横浜:日産自動車の自動運転モビリティサービス実証
日産自動車が、横浜市の中心部で2026年度に行う、自動運転モビリティサービスの実証です。
みなとみらい、桜木町、関内を含む地域で、セレナをベースにした自動運転車両10台が、28か所の乗降場所を結びます。期間は10月1日〜30日と11月4日〜12月18日で、運行日は火曜日から金曜日です。一般モニターは約500人を募集し、参加費は無料です。
車両はレベル2相当で安全運転者が乗車し、2027年度にはレベル4相当のドライバーレスのサービスを目指すと発表されています。Moplus、KDDI、プレミアエイド、国際自動車が、運用や遠隔監視に協力しています。
参照:日産自動車グローバルニュースルーム「2026年度 横浜での自動運転モビリティサービス実証」(2026年9月14日)
大阪:大阪市・newmo・夢洲交通の連携協定
大阪市、newmo、夢洲交通の3者が、自動運転タクシーの社会実装に向けて結んだ連携協定です。
協定は、運転手不足などの社会課題に対し、先端技術を使った移動サービスで取り組むことを目的としています。自動運転タクシーの実証実験、関係機関との調整、実証運行エリアの確保などに連携して取り組みます。締結式は2026年4月8日に大阪市役所で行われました。
参照:大阪市「自動運転タクシーサービスの実現に向けた連携協定の締結」(2026年4月)
3事例を、場所・主体・時期・段階で並べると次のとおりです。
| 場所 | 主体 | 時期 | 段階 |
|---|---|---|---|
| 東京 | GO・Waymo・日本交通 | 2027年中を目標 | レベル4の商用運行を目指す計画 |
| 横浜 | 日産自動車 | 2026年10月1日〜12月18日 | モニター参加型の実証(2027年度にレベル4相当を目指す) |
| 大阪 | 大阪市・newmo・夢洲交通 | 2026年4月に協定 | 実証実験に向けた連携 |
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よくある質問
ロボタクシーについて、よく検索される疑問に答えます。
ほぼ同じ意味で使われます。運転者のいない状態で走るタクシーをロボタクシーと呼ぶことが多く、運転席に係員が座る実証と区別するために使われます。
営業運行は未定ですが、東京では2027年中にレベル4の商用運行を目指す計画が発表されています。横浜では2026年10月1日から日産自動車の実証が始まり、モニターに参加すれば乗車できます。
運転者のいない自動運転は「特定自動運行」にあたり、許可を受けることが必要です。許可制度は2023年4月に施行されています。
実証では、事業者が募集するモニターへの参加が入口です。日産自動車の横浜の実証は、18歳以上で日本在住の方が対象で、参加費は無料と発表されています。
東京ではGO、Waymo、日本交通、横浜では日産自動車、大阪ではnewmoと大阪市などが、公式に取り組みを発表しています。自動運転ソフトウェアではTIER IVも関わっています。
まとめ
ロボタクシーは運転者のいない状態で走るタクシーで、日本では許可制度のもと、東京・横浜・大阪で実証や計画が進んでいます。要点は次のとおりです。
- ロボタクシーはレベル4の自動運転で走り、日本では「特定自動運行」の許可が必要
- 乗る前に、運行エリア・日程・料金・同乗者の有無を事業者の公式発表で確認する
- 東京はGO・Waymo・日本交通が2027年中の商用運行を目指し、100台規模の計画
- 横浜は日産自動車が2026年10月1日から12月18日まで、車両10台の実証を実施
- 大阪は大阪市とnewmoなどが、自動運転タクシーの社会実装に向けて連携協定を締結