株式会社エコログ・リサイクリング・ジャパンは、不要になった衣類や繊維製品を回収し、細かな粒の原料(ペレット)に戻して、ボタンやノベルティなどの新しい製品に生まれ変わらせている広島県福山市の会社です。1994年の創業から30年以上、衣類・繊維の「回収循環型マテリアルリサイクル」に取り組んできました。
回収するだけでなく、リサイクルしやすい素材で服をつくるところから設計し、再生原料を使った製品づくりまでを一つの流れでつないでいるのが特徴です。数年前までは裏方として企業の取り組みを支えてきましたが、ここ数年で業界内での認知度が向上してきています。
この記事でわかること
- エコログ・リサイクリング・ジャパンがどんな会社か
- 衣類を原料に戻す「マテリアルリサイクル」の仕組み
- 回収した衣類がどんな製品に生まれ変わるか
- 企業との取り組み事例と受賞・認定
- 会社の基本情報と相談の入口
衣類を捨てずに原料へ戻す会社、エコログ・リサイクリング・ジャパン
エコログ・リサイクリング・ジャパンは、ポリエステルを中心とした衣類品のマテリアルリサイクルと、リサイクルを前提にしたものづくりを広めている会社です。1994年に環境先進国ドイツで設立された「ECOLOG RECYCLING GmbH」のアジア圏のパートナーとして、同じ年に設立されました。
公式サイトでは、ファッション産業を世界2位の環境汚染要因産業と位置づけています。大量生産・大量消費・大量廃棄を前提にした直線型の仕組みから抜け出し、調達や製品設計の段階から資源の回収と再利用を前提にした「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」をファッション業界で実現することを目指しています。
2004年には広島県福山市の繊維リサイクル施設が本格稼働を始め、2007年には環境省の「広域認定」を取得しました。広域認定は、環境大臣が認めた事業者について、廃棄物処理業の許可を自治体ごとに取らなくてもよいとする特例制度です。全国の企業から使用済みのユニフォームなどを受け入れられる体制を整えています。
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衣類を原料に戻す「マテリアルリサイクル」の仕組み

マテリアルリサイクルは、廃棄物を製品の原料としてそのまま再利用する方法で、繊維の成分を変えずに新しい製品へ生まれ変わらせます。エコログ・リサイクリング・ジャパンでは、回収した衣類を自社のリサイクル工場で破砕・溶融し、ペレットと呼ばれる再生原料の細かい粒に変えています。
公式サイトの比較では、焼却した場合と比べたCO2の削減率は、原料に戻すマテリアルリサイクルが90%、化学的に分解するケミカルリサイクルが50%、燃料として使うサーマルリサイクルが40%とされています。マテリアルリサイクルはCO2排出量を最も減らせ、欠点が少ないバランスの取れた方法として紹介されています。
| リサイクルの方法 | 内容 | CO2削減率(対焼却) |
|---|---|---|
| マテリアルリサイクル | 原料(ペレット)に戻して再利用する | 90% |
| ケミカルリサイクル | 化学的に分解して原料にする | 50% |
| サーマルリサイクル | 燃料として熱を回収する | 40% |
リサイクルしやすい服を、つくる段階から設計する
エコログの考え方の入口は、企画・製造の段階からリサイクルしやすい設計にすることです。「エコログ製品」は、表地や裏地、芯地、ボタン、ファスナー、中綿まで、すべてポリエステル素材でつくられた衣服です。素材が一つにそろっているため、使い終わったあとに原料へ戻しやすくなります。
再生された資材が、次の世代のエコログ製品の部品として組み込まれる循環の仕組みです。国内のアパレル資材メーカーとの幅広いネットワークを生かして、リサイクルできる資材の選定や提供も行っています。
混紡素材は事前のリサイクルテストで確認する
リサイクル工場ではポリエステル原料の衣類を対象にペレットへ再生しています。ポリエステル100%が望ましいものの、コットンなどとの混紡素材でもリサイクルできる場合があるため、サンプルを使った事前のリサイクルテストで確かめてから進めます。
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回収した衣類から生まれる製品
回収した衣類からつくったポリエステルの原料は、ボタンやファスナーなどの副資材から、マドラーやフラワーポットのような成形品まで、さまざまな製品に生まれ変わります。企業のユニフォームや販売する衣料品の一部に使ったり、販促用のノベルティにしたりと、使い道を提案しています。
| 使い道 | 主な製品の例 |
|---|---|
| 衣類への活用 | ボタン、ファスナー、中綿、芯地、ブランケット |
| 成形品への活用 | フラワーポット、マドラー、箸、ダストボックス、トレイ、ハンガー、キーホルダー |
グループ企業の株式会社ワッツでは、3Dシミュレーションを使った商品企画から、ミャンマーの自社工場でのアウターやパンツ、ユニフォームなどのOEM製造まで手がけています。回収、原料化、製品づくりをグループ内でつなげられることも強みです。
企業との取り組み事例
エコログ・リサイクリング・ジャパンは、企業が使い終えたユニフォームや、ファンから集めた衣類を回収し、その企業ならではの製品に生まれ変わらせる取り組みを続けています。公式サイトで公開されている事例から、代表的なものを紹介します。
東京ヤクルトスワローズ「つば九郎リサイクルキーホルダー」
東京ヤクルトスワローズの「TOKYO燕プロジェクト」でファンから回収したユニホームを破砕・溶融してペレットにし、ユニホームの色をそのまま引き継いだキーホルダーに再生しました。2026年6月14日から販売され、好評で完売したと公式サイトで報告されています。
西武建設株式会社のユニフォーム
約30年ぶりに刷新された西武建設株式会社の旧ユニフォーム、合計2,267.8kgを回収し、繊維資源として再活用しました。旧ユニフォームだけを原料にして、パイル地ソックスとフェイスタオルを製作し、完成品は同社の従業員が実際に使う形で配布する予定と紹介されています。
そのほかの取り組み
公式サイトの製作事例には、株式会社丹青社、株式会社LIXIL、株式会社楽天野球団、三機工業株式会社、株式会社フジシールなどとの取り組みも掲載されています。回収品がどれだけの再製品になったかを企業ごとに見える形にすることにも取り組んでいて、処理状況や二酸化炭素の削減量をいつでも確認できるサービスを構築しました。
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受賞・認定と地域での実証
エコログ・リサイクリング・ジャパンの「不要になった衣料・繊維製品の回収循環型マテリアルリサイクルシステム」は、2024年3月にソーシャルプロダクツ・アワードを受賞しました。2013年には資源循環技術・システム表彰で一般社団法人産業環境管理協会会長賞も受けています。
| 年 | 内容 |
|---|---|
| 2007年 | 広域認定を取得(環境省) |
| 2013年 | 資源循環技術・システム表彰 一般社団法人産業環境管理協会会長賞 |
| 2024年 | ソーシャルプロダクツ・アワード受賞 |
| 2025年 | サーキュラーパートナーズ、デコ活に参画 |
| 2025年 | 第47回繊研賞 受賞(同社による) |
2025年7月には、広島県福山市や連携事業者とともに取り組む、福山のサーキュラーファッション実証事業について公式サイトで報告しています。使い終えた衣類を地域のなかで循環させる「衣料の地産地消モデル」づくりを進めています。
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担当者からのひとこと
エコログ・リサイクリング・ジャパンの担当者からは、次のようなコメントが寄せられています。
「不要な衣類を捨てない社会へ」。不要になった衣類や繊維製品は、貴重な国内の資源です。想いの詰まったモノを、誠意を持って、丁寧に仕分け・原料化し、新しい形に変えて未来へ繋いでいく、そんな活動を32年間続けています。
取材協力:株式会社エコログ・リサイクリング・ジャパン 営業担当者
エコログ・リサイクリング・ジャパンの基本情報
本社は広島県福山市にあり、東京都中央区に東京オフィスを置いています。リサイクルの仕組みに賛同するメーカー、販売店、消費者が参加する「エコログ・リサイクリング・ネットワーク」の運営も担っていて、法人会員を募集しています。
| 会社名 | 株式会社エコログ・リサイクリング・ジャパン |
|---|---|
| 設立 | 1994年3月 |
| 代表者 | 和田顕男 |
| 資本金 | 2億6,500万円 |
| 事業内容 | エコログ・リサイクリング・ネットワークの運営、衣類・繊維製品のマテリアルリサイクル |
| 本社 | 広島県福山市草戸町3-11-8(TEL 084-924-8509) |
| 東京オフィス | 東京都中央区東日本橋3-10-9 フォーエバー東日本橋ビル2階(TEL 03-3527-2636) |
| 公式サイト | https://www.ecolog.co.jp/ |
| @ecolog_japan |
よくある質問
エコログ・リサイクリング・ジャパンの衣類リサイクルについて、よくある質問にお答えします。
ポリエステル原料の衣類が対象で、ポリエステル100%の素材が望ましいとされています。コットンなどとの混紡素材でもリサイクルできる場合があるため、サンプルで事前にリサイクルテストを行います。
ペレットと呼ばれる再生原料に戻したあと、ボタンやファスナー、中綿などの副資材や、フラワーポット、マドラー、トレイなどの成形品、企業のノベルティに生まれ変わります。
繊維の成分を変えずに原料として再利用する方法です。公式サイトでは、焼却と比べたCO2削減率がマテリアルリサイクルは90%で、ケミカルリサイクル(50%)やサーマルリサイクル(40%)より高いと紹介されています。
回収しています。西武建設株式会社の旧ユニフォーム約2.3トンを回収し、ソックスとフェイスタオルに再生した事例が公式サイトで紹介されています。
まとめ
エコログ・リサイクリング・ジャパンは、不要になった衣類を原料に戻し、新しい製品へ生まれ変わらせる取り組みを30年以上続けてきた会社です。
- 回収した衣類をペレットに戻すマテリアルリサイクルに取り組んでいます
- 表地からボタンまでポリエステルでそろえた「エコログ製品」で、つくる段階からリサイクルを前提にしています
- 再生原料はボタンやファスナー、マドラー、ノベルティなどに生まれ変わります
- 東京ヤクルトスワローズや西武建設などの企業と、回収品を製品に戻す取り組みを続けています
- 2024年にソーシャルプロダクツ・アワードを受賞しています