Zeroboardを解説|算定範囲・料金の確認方法と導入事例

Zeroboardは、株式会社ゼロボードが提供するGHG排出量の算定・可視化クラウドで、自社の排出から取引先を含むサプライチェーン、製品別のカーボンフットプリントまで扱えます。料金は公式サイトに金額の掲載がなく見積制のため、この記事では確認すべき項目と導入事例、同じ分野の5社との違いを公式情報から整理します。

この記事でわかること

  • Zeroboardを提供する会社と製品の全体像
  • Scope1〜3や製品別CFPなど、算定できる範囲と主な機能
  • 料金の確認方法と、申し込みから利用開始までの流れ
  • 東京メトロ・ユーグレナ・中国銀行など5社の導入事例
  • 同じ分野でGHG排出量の算定に取り組む5社を同じ項目で並べた表
  • Zeroboardが社会にもたらす効果と、国内企業数に対する規模

Zeroboardの概要と提供されている製品

Zeroboardは2021年設立の株式会社ゼロボードが提供するクラウドで、用途別に複数の製品が用意されています。

Zeroboardを運営する株式会社ゼロボード

株式会社ゼロボードは2021年8月24日に設立され、代表取締役は渡慶次 道隆氏です。所在地は東京都港区三田で、従業員数は178名(業務委託・出向を含む、2026年2月1日現在)と公表されています。

外部株主には、豊田通商、住友商事、三菱商事、三菱UFJ銀行、関西電力、脱炭素化支援機構など20者が並びます。持株数や比率は公開されていません。海外では、2023年3月31日にタイ子会社のZeroboard (Thailand) Co., Ltd.を設立しています。

参照:株式会社ゼロボード公式サイト「会社概要」(2026年10月時点)

Zeroboardの製品ラインナップ

公式サイトの製品一覧には、排出量の算定を中心に、サプライヤー管理やESGデータ管理まで8つの製品が掲載されています。ほかに、地政学リスクの把握を支援する別サイトのサービスも案内されています。

製品概要公式ページが挙げる主な機能
ZeroboardGHG排出量の算定・可視化、環境項目の一元管理排出量算定・可視化、法定開示対応、第三者検証、グループ企業管理
Zeroboard ESGESGデータ全般の収集・分析CSRD・SSBJへの対応、人的資本データ収集、BI分析、開示データのエクスポート
Dataseed動的サプライヤー管理サプライヤー情報の一元管理、金型管理、一次データ取得の効率化
Dataseed SAQSAQ(自己評価アンケート)の送付・回答の効率化質問項目の自由設計、回答結果の分析、改善アクション支援
Zeroboard for batteries欧州電池規則への対応CFP算定、ウラノス・エコシステム連携、人権・環境デューディリジェンス
Zeroboard CFP製品のカーボンフットプリント(CFP)算定LCA手法によるCFP算定、ホットスポット分析、経年分析、一次データ連携
Zeroboard construction建設事業者向けのGHG排出量の可視化作業所情報ベースの算定、IoTデバイス連携、算定の自動化
Zeroboard for the PCAF Standardファイナンスドエミッションの算定・高度化PCAF Standardへの準拠、実績値による算定、ホワイトラベル、投融資先エンゲージメント

一般的な企業が最初に使うのは、中核となるZeroboardです。製品別の排出量や取引先の管理が必要になった段階で、CFPやDataseedを組み合わせる形が想定されます。

参照:ゼロボード公式サイト「サービス一覧」(2026年10月時点)

Zeroboardで算定できる範囲と主な機能

ノートパソコンの画面に複数のグラフを表示して排出量データを確認する様子

Zeroboardは自社拠点からサプライチェーンまで、Scope1〜3の排出量を算定し、法定報告にも使えます。

Scope1〜3の算定と法定報告への対応

Zeroboardの公式ページは、Scope1からScope3までのサプライチェーン排出量、製品別のカーボンフットプリント(CFP)、水資源や廃棄物などの環境項目を扱えると説明しています。GHGプロトコルに沿った算定で、第三者検証や法定開示での利用も想定されています。

省エネ法と温対法の報告書は、GHGプロトコルに基づく算定結果から作成できます。スマートメーターの電力データを自動で取り込む機能(Scope 2 AUTO)や、グループ会社をまたぐ承認ワークフローも用意されています。

利用社数について、同社は約1万5,000社(グループ企業を含む、2025年10月時点)、約90か国で利用(2024年10月時点)と案内しています。東証プライム上場企業での利用社数で1位という記載もありますが、これは同社の自社調査です。

参照:ゼロボード公式サイト「Zeroboard」(2026年10月時点)、ゼロボード公式サイト「プレスリリース」(2026年8月6日発表の記載)

排出係数と第三者検証

排出量の算定には排出係数が欠かせません。Zeroboardは、産業技術総合研究所のデータベースであるAIST-IDEAから約400の係数を選んだ標準パッケージを用意し、新しい版が出ると自動で更新するとしています。全係数を収録したAIST-IDEAのパッケージも別に提供されます。

また、SOCOTECによるISO 14064-3の検証を受けており、同社はクラウドサービスとして国内初と述べています。これは同社の主張で、第三者が確認した順位ではありません。タイの温室効果ガス管理機構(TGO)の公式報告プラットフォームにも位置づけられています。

サプライヤーからの一次データ収集

Scope3は取引先のデータが必要になるため、算定が難しい領域です。Zeroboardには、Zeroboardを使っていないサプライヤーにも調査を送り、GHG・CFP・環境項目・定性情報を集める機能があります。

中核機能のほかに、サプライヤー管理に特化したDataseedも2026年8月6日に発表されています。取引先を静的な一覧ではなく、動的に管理することを狙った製品です。

関連記事:サステナビリティ開示とは?義務化の時期と対象企業を解説

Zeroboardの料金の確認方法と導入までの流れ

Zeroboardの料金は公式ページに金額の掲載がなく、問い合わせのうえで見積を受ける形です。

料金が公開されていない項目と見積の内訳

公式ページが示す費用は、初期費用(アカウント設定や事務手数料)、年間のシステム利用料、有料のオプションの3種類です。いずれも金額は載っておらず、相談後に見積が出されます。年間利用料は契約するプランによって異なります。

費用の種類公式ページの記載確認の仕方
初期費用アカウント設定・事務手数料。相談のうえで見積見積依頼ページから依頼する
年間のシステム利用料プランによって異なる。相談のうえで見積拠点数・算定範囲・ユーザー数を伝えて見積を依頼する
オプション機能追加、専任担当、コンサルタント、サプライヤー支援などは別途見積必要な支援範囲を先に決めてから依頼する
試用希望すれば契約開始前に1〜2週間程度の試用を設定できる。無料かどうかは記載なし試用の費用の有無を問い合わせで確認する

金額が非公開のため、比較検討では「どこまでの拠点を、どのScopeまで、誰が入力するか」を先に決めておくと、見積の条件をそろえやすくなります。

申し込みから利用開始までの流れ

ソフトバンクの法人向けページでは、申し込みから最短2週間で利用を始められると案内されています。流れは次のとおりです。

  1. 問い合わせ
  2. プランの提案
  3. 見積・契約
  4. 提供開始

同ページは、算定方針や削減目標の決定、社内データとの連携、TCFD開示・CDP回答・SBT取得の支援も案内しています。料金は同じく個別見積で、金額の記載はありません。

参照:ソフトバンク「Zeroboard」(2026年10月時点)

Zeroboardの導入事例

観葉植物の壁面があるオフィスの会議室で企業の担当者が打ち合わせをする様子

Zeroboardの公式サイトには導入事例が公開されており、ここでは公表内容が確認できた5社を紹介します。

以下は、いずれもゼロボード公式サイトの事例ページに書かれている内容だけをまとめたものです。成果は各社の発言と公表数値であり、第三者が検証したものではありません。

東京地下鉄(東京メトロ)

東京地下鉄株式会社は、グループ会社を含む770拠点のGHG排出量を管理している企業です。

各部門のExcelを手作業で集計していた排出量管理をZeroboardに移し、770拠点のデータを一元管理しています。入力画面を従来のExcel集約シートに近づけ、現場の負担を増やさずに移行しました。導入2年目からは連結炭素会計機能付きのアカウントに切り替え、グループ会社ごとの排出量も見える化しています。

集計作業は従来の約1週間から1日に短縮され、1/7になったと事例ページに書かれています。同社はCO2排出量50%削減の目標を2027年度に前倒しし、2030年度には53%削減を目指すとしています。

参照:ゼロボード公式サイト「東京メトロの導入事例」(2025年12月15日公開)

ユーグレナ

株式会社ユーグレナは、工場を含むグループの17拠点でCO2排出量を算定している企業です。

グループ会社や工場を含む全17拠点のCO2排出量を、2022年12月1日に導入したZeroboardで集約しました。2023年3月までに2022年度分のScope1・Scope2を算定し、Scope3は会計データを使ってカテゴリーを絞りながら算定しています。

算定データはTCFDレポートでの開示や第三者検証、削減目標とアクションプランの作成に使われています。事例ページには、具体的な排出量や削減率は載っていません。

参照:ゼロボード公式サイト「ユーグレナの導入事例」(2024年11月4日公開)

中国銀行

株式会社中国銀行は、約140店の支店を持ち、取引先にGHG排出量の算定ツールを提供している銀行です。

ゼロボードのホワイトラベルとして、機能を簡素化した「ちゅうぎんGXボード」を無料プランを含む価格で中小企業向けに提供しています。顧客の段階に応じて、啓発・理解、測る、目標策定・認証取得、削減、開示の各支援を用意し、金融機関としてはファイナンスドエミッションの算定ツールも導入しました。

事例ページには、発表から約1か月の取材時点で30件の申し込みがあり、11月現在の受注は200件だったと書かれています。約140店の支店に各1名のサステナビリティ推進担当者を置く一方、店舗への浸透は課題とされています。

参照:ゼロボード公式サイト「中国銀行の導入事例」(2024年12月10日公開)

岩谷産業

岩谷産業株式会社は、イワタニカセットガスを販売し、その製品のCFPを算定した企業です。

看板商品「イワタニカセットガス(オレンジ)」の製品別カーボンフットプリントを、経済産業省のCFPガイドライン(取り組み時点では案)に沿って算定しました。2021年度のCFPは1本あたり1.3162kg-CO₂eで、ライフサイクルのうち使用段階が約6割弱を占めると公表されています。

第三者検証も受けており、同社調べでは、このガイドラインに即した算定での検証は日本初としています。2025年春には、自社事業で創出したJ-クレジットでオフセットしたカセットガスも発売しています。

参照:ゼロボード公式サイト「岩谷産業の導入事例」(2026年2月3日公開)

長谷工コーポレーション

株式会社長谷工コーポレーションは、グループ25社のGHG排出量を算定している企業です。

連結子会社を含むグループ25社のGHG排出量算定をExcelからZeroboardへ切り替えました。契約から約1.5か月で移行準備を終え、入力マニュアルとテンプレートはゼロボードが作成しています。約200アカウントで運用し、承認フローによる複数人のチェックと排出原単位の自動更新を活用しています。

25拠点分のデータ入力は2か月で完了し、事務局の集計時間は昨年比で少なくとも20%ほど減ったと説明されています。Excel関数の数式ミスによる反映漏れも、導入後はなくなったとしています。

参照:ゼロボード公式サイト「長谷工コーポレーションの導入事例」(2024年11月4日公開)

Zeroboardと同じ分野でGHG排出量の算定に取り組む5社

GHG排出量の算定・可視化は複数の企業が手がけており、各社の公式情報を同じ項目で並べて整理します。

ここでは、公式サイトでGHG排出量の算定や可視化を扱っていることを確認できた5社を、社名の読みの五十音順で掲載します。順位や推奨の順ではなく、優劣を示すものでもありません。表の内容はすべて各社の公式ページの記載で、記載がない項目は「公表なし」としています。

会社・サービス取り組みの対象仕組み公表している実績開始年
Zeroboard(本記事の主題)GHG排出量のScope1〜3、製品別CFP、環境項目活動量の入力またはデータ連携、サプライヤー調査約1万5,000社が利用(グループ企業を含む、2025年10月時点)2021年(会社設立)
アスエネScope1〜3、水・廃棄物などの環境指標、製品CFPAPI連携、AI-OCR、メール取り込み、一括アップロード累計導入社数22,000社以上(時点の記載なし)2021年(サービス開始)
Earth hacksCO2排出削減量の計算(デカボスコア)公表なし公表なし2023年(会社設立)
e-dash企業単位・製品単位のCO2排出量、Scope1〜3請求書の画像をアップロード社数の公表なし(連携先などの件数表示あり、2025年11月時点・自社調べ)公表なし
PersefoniScope1〜3、投融資先の排出量、規制報告GHGプロトコル準拠の算定、サプライヤーとのデータ交換「10000社以上」が利用開始(時点の記載なし)公表なし
booostScope1〜3、製品CFP、サプライヤーESG情報、開示報告モジュール型の製品群と4つのAIエージェント累計導入社数6,500社以上(時点の記載なし)公表なし

各社の算定対象や製品の範囲は一致しません。比較するときは、自社が必要とするScopeと開示制度を先に決め、見積で同じ条件を伝えることが前提になります。

アスエネ(アスエネ株式会社)

アスエネ株式会社は、CO2排出量の見える化・削減・報告のクラウドサービス「アスエネ」を提供しています。

支援の範囲は、GHGプロトコルに沿ったScope1〜3の算定、水・廃棄物・エネルギーなどの環境指標、投融資先を扱うPCAF、製品のCFP・LCAです。CDP、SBTi、TCFD、CSRDなどの開示ではコンサルタントによる支援も案内されています。

特徴は、API連携やAI-OCR、メール取り込みでデータ入力を減らす設計です。同社は、API連携時には手動入力に比べて工数が90%減ると掲げています(同社の調査、2024年11月1日時点)。

参照:アスエネ公式サイト(2026年10月時点)

Earth hacks(Earth hacks株式会社)

Earth hacks株式会社は、環境に配慮した商品やサービスの提供を事業内容に掲げる企業で、2023年5月16日に設立されました。

事業内容として、CO2排出削減量の計算とデカボスコアの提供、マーケティング支援、EC運営・販売、見本市やイベントの開催、新規共創の支援を挙げています。会社概要のページは、デカボスコアが何を算定するかの詳細までは記載していません。

特徴は、算定にとどまらず、EC運営やイベント開催まで事業に含めている点です。デカボスコアの仕組みは、当サイトの別記事でも整理しています。

参照:Earth hacks公式サイト「会社概要」(2026年10月時点)

関連記事:Earth hacksを解説|デカボスコアの仕組みと費用・事例

e-dash(E-DASH株式会社)

e-dashは、企業単位と製品単位のCO2排出量の可視化と削減を支援するサービスです。

算定の対象は、コストや使用量、GHGプロトコルに基づくScope1〜3です。報告書の作成、CDP回答支援、SBT認証取得支援、省エネ法の定期報告に加え、省エネ診断や電力小売・再エネへの切り替え、クレジットによるオフセットなどの削減支援も掲載されています。

特徴は、請求書の画像をアップロードして排出量を可視化する方式です。大手監査法人による第三者検証を受けた算出であると同社は記載しています。関連サービスとして、e-dash Survey、e-dash CFPなどもあります。

参照:e-dash公式サイト(2026年10月時点)

Persefoni(Persefoni AI)

Persefoniは、企業のGHG排出量の算定とサステナビリティ報告を支援するサービスで、日本語のページも用意されています。

支援の範囲は、Scope1〜3の算定、SB 253/261などの規制報告、投融資先の排出量(PCAF対応)、サプライヤーとのエンゲージメント、削減シミュレーションです。金額ベースの推定値から実数値まで対応するScope3の算定が案内されています。

特徴は、監査・保証を前提にしたダッシュボードと、チャット形式のAI「Copilot」で算定を支援する機能です。「PRO」「ADVANCED」のプラン区分があり、Pro版は無料登録の案内があります。

参照:Persefoni公式サイト(日本語)(2026年10月時点)

booost(Booost株式会社)

Booost株式会社は、サステナビリティERPと位置づける「booost Sustainability」を提供しています。

支援の範囲は、Scope1〜3の算定エンジンと排出係数データベース、製品のカーボンフットプリント、サプライヤーのESG情報、サステナビリティの財務的影響の可視化、SSBJ・CSRD・TCFDなどの開示報告(XBRL対応)です。CBAMや欧州電池規則への対応も案内されています。

特徴は、GX、Supplier、Energy、PCF、Disclosureなど機能ごとに分かれたモジュール型の製品群と、4つのAIエージェントです。大手企業での2年連続シェア1位の記載があり、根拠はITRのMarket Viewとされています。

参照:booost公式サイト(2026年10月時点)

関連記事:booostを解説|機能・料金の確認方法と導入事例・社会への効果

Zeroboardが社会に与える良い影響

青空の下に並ぶ3本の工場の煙突

Zeroboardは、取引先まで含めた排出量を数値で把握する土台を提供し、企業の脱炭素の第一歩を支えます。

取引先まで排出量を測れるようになる

排出量を減らすには、まず測る必要があります。Zeroboardは、自社拠点のデータだけでなく、Zeroboardを使わない取引先にも調査を送って一次データを集められるため、サプライチェーン全体の排出量を実測値に近づけられます。

東京メトロの事例では、770拠点の集計が約1週間から1日になりました。集計の手間が減るぶん、担当者は削減策の検討に時間を使えます。ただし、これは同社の事例で、排出量そのものが減ったという数値ではありません。

公表している利用社数を国内企業数と並べる

ゼロボードは利用社数を約1万5,000社(グループ企業を含む、2025年10月時点)と公表しています。中小企業庁の集計では、2021年6月時点の国内企業は中小企業336.5万者と大企業1万364者で、合計337.5万者です。15,000社÷337.5万者≒0.44%(編集部推計)となり、国内企業のうち0.4%台が使っている計算です。

項目数値時点
Zeroboardの利用社数(グループ企業を含む)約1万5,000社(ゼロボード公表)2025年10月
国内企業数(中小企業と大企業の合計)337.5万者(中小企業庁の集計)2021年6月
利用社数の割合(編集部推計)15,000÷3,375,000≒0.44%時点が異なる参考値

この割合は目安です。利用社数にはグループ企業が含まれ、国内企業数には会社以外の法人と農林漁業が含まれず、時点も4年ほど離れています。排出量そのものの規模では、環境省の確報で2024年度の温室効果ガス排出量が合計10億4,600万t(CO2換算)、うち産業部門のエネルギー起源CO2が3億3,400万tでした。ゼロボードは削減量のt数を公表していないため、削減効果をこれらと比べることはできません。

参照:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)の集計結果」(2023年12月13日公表)、環境省「2024年度の我が国の温室効果ガス排出量及び吸収量(概要)」(2026年4月発表)

地域の中小企業に届く経路ができる

算定ツールは、導入や運用の負担から中小企業に届きにくい面があります。中国銀行の事例では、ゼロボードのホワイトラベルを使い、無料プランを含む簡素版を取引先の中小企業に提供する形が取られています。

銀行が算定データを確認して削減策の相談や、サステナビリティ・リンク・ローンなどの融資につなげる方針も事例ページに書かれています。測定が資金の流れと結びつくことで、取り組みが続きやすくなる点が地域への効果です。ただし、事例ページが示す受注200件は同行の取り組み全体の一部の数字で、削減量を示すものではありません。

よくある質問

Zeroboardについて、検索でよく見られる疑問に公式情報をもとに答えます。

Q
Zeroboardの料金はいくらですか?
A

公式ページに金額の掲載はなく、問い合わせのうえで見積を受ける形です。初期費用、年間のシステム利用料、有料オプションの3種類があり、年間利用料は契約するプランで異なります。

Q
Zeroboardは無料で試せますか?
A

公式ページには、希望すれば契約開始前に1〜2週間程度の試用を設定できると書かれていますが、無料かどうかは記載がありません。中国銀行のように、無料プランを含む簡素版をホワイトラベルで提供する事例はあります。

Q
Scope3まで算定できますか?
A

できます。公式ページは、Scope1からScope3までのサプライチェーン排出量と、取引先の一次データを使ったScope3の算定に対応すると説明しています。

Q
SSBJなどの開示にも使えますか?
A

開示に向けた利用が想定されています。公式ページは、ESGデータ全般を扱うZeroboard ESGでCSRDとSSBJへの対応に触れており、東京メトロはSSBJ開示対応を目的の1つにして導入しました。

Q
中小企業でも使えますか?
A

公式ページに企業規模の制限は書かれていません。中国銀行は、機能を簡素化した「ちゅうぎんGXボード」を中小企業向けに提供しており、規模に応じた入口が用意されています。

まとめ

Zeroboardは、自社から取引先、製品単位までGHG排出量を扱えるクラウドで、導入の判断では料金の見積条件と対象範囲の確認が中心になります。

  • Zeroboardは2021年設立の株式会社ゼロボードが提供し、Scope1〜3、製品CFP、法定報告に対応します。
  • 料金は公式ページに金額がなく、初期費用・年間利用料・オプションを見積で確認します。
  • 東京メトロ、ユーグレナ、中国銀行、岩谷産業、長谷工コーポレーションの事例が公式サイトで公開されています。
  • 同じ分野にはアスエネ、Earth hacks、e-dash、Persefoni、booostがあり、算定対象や製品の範囲は一致しません。
  • 公表利用社数約1万5,000社は国内企業337.5万者の0.44%(編集部推計)で、削減量のt数は公表されていません。

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

企業の取り組み・サステナビリティ・社会課題をテーマにした編集チーム。 企業や自治体の情報を編集部が一社ずつ確認し、 独自の基準で比較・整理した情報をお届けしています。