プランティオとは?growの仕組みと屋上農園の料金・運営会社

プランティオは、IoTとAIで野菜づくりを手引きするデジタル栽培プラットフォーム「grow」を開発し、そのgrowを載せた都市型農園をビルの屋上や敷地に企画・設置・運営しているプランティオ株式会社のことです。2015年6月16日に設立された東京都渋谷区の会社で、農園の料金は施設ごとに異なります。

この記事では、プランティオの事業とgrowの仕組み、農園の種類と料金、市民農園との違いを整理します。あわせて、同じように都市で野菜づくりの場を運営する他社の一覧と、導入事例、社会や環境への効果も確認します。

この記事でわかること

  • プランティオの運営会社と事業の全体像
  • growアプリとIoTセンサーの役割
  • ソラドファーム恵比寿の料金と、区画貸し・共同栽培の違い
  • 市民農園との違いと、同じ分野の他社との比較表
  • 導入事例と、社会に与える良い影響

プランティオとは?運営会社と事業の概要

プランティオ株式会社は、野菜栽培ガイドのgrowを開発し、それを載せた都市型農園を運営する渋谷区の会社です。

項目内容
会社名プランティオ株式会社
代表取締役芹澤 孝悦
設立2015年6月16日
資本金2億5,532万円
本店所在地東京都渋谷区神泉町11-7 SELON Bld 2F
中核サービスgrow(IoT・AI・ICTを活用した野菜栽培ガイドシステム)

参照:プランティオ株式会社公式サイト(2026年10月時点)

プランティオの事業は何ですか?

プランティオの事業は大きく四つに分かれます。農園の運営だけでなく、野菜づくりを支える仕組みそのものを開発していることが特徴です。

事業内容
growの開発IoT・AI・ICTを活用した野菜栽培ガイドシステム
都市型農園growを搭載した都市型農園(スマートコミュニティファーム)の企画・設置・運営
ホームユースgrowを搭載した家庭向けのアーバンファーミングサービス
企業・自治体向け農と食のまちづくりのコンサルティング、GX支援、TCFD・TNFDレポート作成支援、体験コンテンツや教育プログラムの企画

同社はビジョンとして「持続可能な食と農をアグリテイメントな世界へ」を、ミッションとして「デジタル栽培プラットフォームを通じみんなで楽しく育てるカルチャーを創る」を掲げています。

参照:プランティオ株式会社「VISION・MISSION・VALUE」(2026年10月時点)

growとは?アプリとIoTセンサーの仕組み

growは、スマートフォンのアプリとIoTセンサーを組み合わせて、野菜づくりを手引きするサービスです。公式サイトでは「アーバンファーマーのための野菜栽培ガイド付きデジタルファーミングプラットフォーム」と紹介されています。

家庭向けには、アグリセンサー「grow CONNECT」が用意されています。農園に導入された場合は、アプリで近くの農園を探したり、メンバー同士で交流したりする使い方になります。農園ごとの機能の違いは、各農園の案内で確認してください。

参照:grow公式サイト(2026年10月時点)

関連記事:AGRISTを解説|収穫ロボットの仕組みと導入条件・社会への効果

プランティオの農園の料金はいくら?ソラドファーム恵比寿の例

屋上でハイタッチしながら植物を育てる友人たち

ソラドファーム恵比寿の月額は、5㎡区画16,500円、3㎡区画14,300円、共同栽培区画4,378円です(税込)。

いずれも2026年9月のリニューアルに合わせて公表された料金です。

プラン広さ・定員月額料金(税込)
区画貸し5㎡22区画16,500円
区画貸し3㎡2区画14,300円
共同栽培区画44㎡・定員50組(1組につき同居の家族5名まで)4,378円

運営はプランティオで、施設の所有者は東日本旅客鉄道、管理者はJR東日本ビルディングです。JR恵比寿駅直結のビル屋上にあり、仕事帰りや休日に立ち寄れる立地とされています。

参照:プランティオ株式会社プレスリリース「ソラドファーム恵比寿」(2026年8月5日)

区画貸しと共同栽培は何が違いますか?

区画貸しは自分専用の区画で野菜を育てるプランで、共同栽培区画は参加者同士で季節の野菜を育て、収穫やイベントで交流するプランです。専用の畑が欲しいか、交流しながら育てたいかで選び方が変わります。

項目区画貸し共同栽培区画
育て方自分専用の区画で育てる参加者同士で育てる
1組あたりの広さ5㎡または3㎡44㎡を50組で共有
月額(税込)16,500円または14,300円4,378円

月額料金を1㎡あたりに直すと?

区画貸し5㎡の月額16,500円は、1㎡あたり3,300円です(編集部推計:16,500円÷5㎡)。3㎡区画は1㎡あたり約4,767円です(編集部推計:14,300円÷3㎡)。狭い区画ほど1㎡あたりの単価は高くなりますが、共同栽培区画は広さが組ごとに決まらないため同じ尺度では比べられません。

申し込む前に確認したいことは?

恵比寿の新規会員募集では、見学会の参加受付にPeatixが使われ、問い合わせは公式LINEまたはメールで受け付けると案内されています。農園ごとに募集時期も料金の公表状況も異なるため、気になる農園の最新の案内を直接確認することが欠かせません。

プランティオの農園と市民農園の違いは?

屋上で鉢植えの土を扱いながら笑顔で話す二人

プランティオの農園は、ビル屋上などに設けて区画貸しと共同栽培を組み合わせる点が、市民農園との違いです。

農林水産省は、市民農園を小面積の農地を利用して野菜や花を育てる農園と説明しています。

比較の軸市民農園(農林水産省の説明)プランティオの農園(公表情報)
場所小面積の農地ビルの屋上や敷地(恵比寿、荻窪、戸越など)
主な目的レクリエーション、高齢者の生きがいづくり、児童・生徒の体験学習野菜づくりと交流、関係人口の創出、地域イベントの場
利用の形区画ごとの利用区画貸しと、参加者全員で育てる共同栽培
栽培の手引き公表されている統一的な仕組みの記載なしgrowのアプリとIoTセンサー

参照:農林水産省中国四国農政局「市民農園」(2026年10月時点)

市民農園は何のための仕組みですか?

市民農園は、都市住民のレクリエーション、高齢者の生きがいづくり、児童・生徒の体験学習などを主な目的として整備されてきた農園です。日本では「レジャー農園」「ふれあい農園」と呼ばれることもあります。

プランティオの農園ならではの特徴は?

プランティオの農園は、野菜づくりを手引きするgrowと、人が集まる場づくりを組み合わせていることが特徴です。恵比寿の案内では、自分のペースで野菜づくりを楽しみたい人と、交流を通じて農を体験したい人の両方に応えることを目指すとされています。

都市で野菜づくりの場を運営する会社はどこ?プランティオと他社の一覧

プランティオと同じく貸し農園を運営する四社を、会社名の五十音順に紹介します。優劣の順ではありません。

都市や郊外で貸し農園や体験農園を運営する会社を、各社の公式ページで確認できた範囲でまとめました。

事業者サービス名形態公表している規模公表している料金
株式会社アグリメディアシェア畑サポート付き貸し農園全国118ヶ所・15,138区画(2026年7月末)公表なし
株式会社ダイドーフォワードダイナファームコンテナ型の屋上貸し菜園(神奈川県小田原市)1契約につきコンテナ2個入会金10,000円、通年プラン月額6,600円(税込)
株式会社ファクティブLOCAL FARM 神戸大石スマート・レンタル農園(兵庫県神戸市)500㎡(2025年4月25日開園)6㎡あたり月額7,590円(税込)
プランティオ株式会社grow区画貸しと共同栽培(ビル屋上・敷地)公表なしソラドファーム恵比寿は月額4,378円〜16,500円(税込)
株式会社マイファーム体験農園マイファーム体験農園(貸し農園)全国120カ所以上(時点の記載なし)公表なし

表の「公表なし」は、各社の公式ページで確認できなかった項目です。数値は各社が自社の公式ページやプレスリリースで公表している内容で、集計の基準や時点は会社ごとに異なります。

株式会社アグリメディア「シェア畑」

アグリメディアは、サポート付き貸し農園「シェア畑」を運営する会社です。

農具・種苗・肥料が農園に備え付けられており、利用者は手ぶらで通えます。経験豊富なアドバイザーが質問に答え、実演付きの講習会も開かれます。忙しい人向けに、月1〜2回の来園で済む有料のお世話サポート付きプランもあります。

公式サイトでは、全国118ヶ所、15,138区画(2026年7月末時点)と公表されています。

参照:シェア畑公式サイト(2026年7月末)、シェア畑「全国の体験農園・貸し農園一覧」(2026年10月時点)

株式会社ダイドーフォワード「ダイナファーム」

ダイドーフォワードは、神奈川県小田原市の商業施設ダイナシティ イーストの屋上で、コンテナ型の貸し菜園「ダイナファーム」を運営する会社です。栽培指導はアグリメディアが監修しています。

1契約でコンテナ式の大型プランター2個を使え、農具や苗、肥料も用意されています。アドバイザーが週2日来園し、無料の講習会が月1回開かれます。

化学肥料と農薬を使わないと明記されており、入会金10,000円、通年プランは月額6,600円(初月のみ7,400円)と公表されています。今季の募集は終了と案内されています。

参照:ダイナシティ「ダイナファーム」(2026年10月時点)

株式会社ファクティブ「LOCAL FARM 神戸大石」

ファクティブは、スマート・レンタル農園「LOCAL FARM」を運営する会社で、神戸大石は阪神本線大石駅から徒歩2分の農園です。

市内の遊休農地の表層の土を再利用し、下水から回収した「こうべ再生リン」を使った肥料や、牛糞堆肥、農園内で出る野菜残渣も活用する地域循環型の仕組みを採っています。

面積は500㎡で、6㎡あたり月額7,590円(税込)と公表されています。開園は2025年4月25日です。

参照:LOCAL FARM 神戸大石公式ページ、株式会社ファクティブプレスリリース(2025年4月)

株式会社マイファーム「体験農園マイファーム」

マイファームは、体験農園(貸し農園・市民農園)を関東・関西・東海エリアを中心に運営する会社です。

農園での指導や相談にはアドバイザーが関わり、法人・団体向けの「マイファームplus」や、企業・自治体向けの「農体験プロデュース」も提供しています。農園利用証明書の発行は2025年4月9日に始まりました。

会社のサイトでは、体験農園は全国120カ所以上と案内されています。

参照:体験農園マイファーム公式サイト、株式会社マイファーム公式サイト(2026年10月時点)

プランティオの導入事例にはどんなものがある?

プランティオの導入事例として、荻窪、戸越、成城の三つの農園を、公式の発表の範囲で紹介します。

公表されている内容だけを記載し、結果が示されていない項目は省いています。

ソラドファームルミネ(ルミネ荻窪)

JR荻窪駅直結のルミネ荻窪の屋上にある農園で、東京都杉並区上荻1-7-1にあります。

プランティオが2026年4月から運営を開始すると発表しており、区画貸しと、農園の一部に設ける「コミュニティ型区画」を組み合わせたハイブリッド型です。農具・種・肥料が用意され、専門スタッフが常駐します。

運営中の農園は70区画がすべて満床で、利用者の継続率はほぼ100%とプランティオは発表しています。

参照:プランティオ株式会社プレスリリース「ソラドファームルミネ」(2026年1月14日)

Green Park TOGOSHI by grow(品川区戸越)

阪急阪神不動産が事業主で土地を所有し、プランティオがgrowを導入して運営・管理を担う農園です。東京都品川区戸越6丁目7-21にあります。

敷地は約100坪(約330㎡)で、農園ゾーン約50坪と広場ゾーン約50坪に分かれます。農園は区画を分けず、会員全体で共有する共同栽培型です。広場ゾーンはマルシェや防災訓練などの地域イベントに使われます。

新規会員の募集は、定員に達したため受付を停止していると案内されています。

参照:プランティオ株式会社プレスリリース「Green Park TOGOSHI by grow」(2026年7月9日)

ハナノヒファーム(東京・成城)

日比谷花壇との共同事業として、東京・成城の「アグリス成城」内に開設される農園です。

「共同栽培」スタイルの自立共創型農園で、2026年秋の開設に向けて、会員の募集は2026年7月27日に始まりました。料金と面積は発表の本文では示されていません。

参照:プランティオ株式会社お知らせ「ハナノヒファーム」(2026年7月27日)

プランティオが都市の食とコミュニティにもたらす良い影響

区画に分かれた都市の共同菜園を上から見た様子

プランティオの農園は、食べものが育つ場を暮らしの近くに置き、人が集まる機会をつくることで社会に貢献しています。

効果は仕組みで説明し、数値は公表された範囲だけを示します。

育てて食べる距離が近づくと何が変わる?

プランティオは、食の生産と消費の距離が食品ロスの一因だと捉え、育てることと食べることを同じ場所で行う「Farm to Table」のスタイルを提案しています。育てる場所と食べる場所の距離を縮めることが、プランティオの提案の中心です。

ただし、プランティオが食品ロスの削減量を数値で公表している情報は、公式サイトで確認できませんでした。そのため、効果の大きさはここでは示しません。

関連記事:食品ロスを減らすためにできること|家庭の行動と5つのサービス

国内の市民農園の規模とプランティオの農園を比べると?

農林水産省によると、令和7年3月末時点の国内の市民農園は4,273農園、188,713区画、面積1,284haです。開設主体別では、企業・NPO等が開設した農園は449農園で、全体に占める割合は10.5%です(編集部推計:449÷4,273)。

比較する数値公表値出典の時点
全国の市民農園数4,273農園(188,713区画)農林水産省、令和7年3月末
全国のうち企業・NPO等が開設した農園449農園農林水産省、令和7年3月末
東京都の市民農園の全体面積661,529㎡(445農園、22,069区画)東京都、令和7年3月末
東京都の1区画あたりの平均面積24㎡東京都、令和7年3月末
Green Park TOGOSHI by growの敷地約330㎡(約100坪)プランティオ、2026年7月
ソラドファーム恵比寿の区画貸し5㎡または3㎡プランティオ、2026年8月

東京都の全体面積に対し、戸越の敷地約330㎡は約0.05%にあたります(編集部推計:330÷661,529)。また、恵比寿の5㎡区画は、東京都の1区画の平均24㎡の約21%です(編集部推計:5÷24)。プランティオの農園は面積では小さく、都市の限られた空間を畑にしていることが分かります。

なお、東京都の数値は令和7年3月末、プランティオの数値は2026年の発表で、約1年の時点の差があります。また、東京都の面積は市民農園全体の値で、戸越の敷地には広場ゾーンも含まれる点に注意してください。

参照:農林水産省「市民農園開設状況調査の結果について(令和7年3月末時点)」(令和7年3月末)、東京都「市民農園の開設状況(令和7年3月現在)」(令和7年3月末)

地域コミュニティと食育の場としての役割は?

戸越の農園では、広場ゾーンをマルシェやワークショップ、防災訓練などの地域イベントに使い、世代を超えたコミュニティづくりを目指すとしています。収穫祭などを通じた食育も掲げられています。

さらに、CO2削減量や資源循環量を可視化する構想も示されていますが、現時点で具体的な数値は公表されていません。

関連記事:まちのコインを解説|仕組み・使い方・料金と導入地域の事例

個人や企業はどう関われますか?

個人は、農園ごとの募集に合わせて見学会や会員募集に申し込みます。企業や自治体は、農園の設置やGX支援、教育プログラムの企画を相談できます。まずは公式の問い合わせ窓口に連絡するのが確実です。恵比寿の案内では、公式LINEまたはメールが窓口とされています。

よくある質問

プランティオについて多い疑問に、公式の発表をもとに一問ずつ分かりやすく短く答えます。

Q
プランティオとは何をする会社ですか?
A

プランティオは、野菜栽培ガイドシステムgrowを開発し、growを搭載した都市型農園を企画・設置・運営する会社です。2015年6月16日設立で、本店は東京都渋谷区です。

Q
プランティオの農園の料金はいくらですか?
A

料金は農園ごとに異なります。ソラドファーム恵比寿では、月額で5㎡区画が16,500円、3㎡区画が14,300円、共同栽培区画が4,378円(いずれも税込)です。

Q
プランティオの農園と市民農園は何が違いますか?
A

農林水産省は市民農園を小面積の農地を使う農園と説明していますが、プランティオはビル屋上などに区画貸しと共同栽培の農園を設け、growで栽培を手引きします。

Q
プランティオの農園はどうやって申し込みますか?
A

募集は農園ごとに異なります。恵比寿はPeatixで見学会に申し込む形で案内され、問い合わせは公式LINEかメールです。戸越は定員に達したため受付を停止しています。

まとめ

プランティオは、growと都市型農園の運営で野菜づくりの場を広げる会社です。要点は次のとおりです。

  • プランティオ株式会社は2015年6月16日設立で、growの開発と都市型農園の企画・設置・運営を手がけています。
  • ソラドファーム恵比寿の月額料金は、区画貸し5㎡が16,500円、3㎡が14,300円、共同栽培区画が4,378円です。
  • 市民農園と違い、ビルの屋上や敷地に設け、区画貸しと共同栽培を組み合わせています。
  • シェア畑やダイナファームなど、都市で野菜づくりの場を運営する会社は他にもあり、料金や規模の公表状況は会社ごとに異なります。
  • 戸越の農園などで、地域イベントや食育の場づくりを掲げています。

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

企業の取り組み・サステナビリティ・社会課題をテーマにした編集チーム。 企業や自治体の情報を編集部が一社ずつ確認し、 独自の基準で比較・整理した情報をお届けしています。