Depart de Loopとは?高島屋の衣料回収クーポンと再生スーツ

Depart de Loopは、高島屋グループが進める、不要になった衣料品などを回収して新しい商品へ再生する循環型のプロジェクトです。購入した店やブランドを問わず回収してもらえ、衣料品の回収キャンペーンでは1点につき500円のクーポン券を受け取れます。この記事では、回収できるものとクーポンの条件、10月7日に発売された再生スーツの価格、同じ課題に取り組む6社の違い、そして社会への効果を、公式ページと環境省の資料にもとづいて整理します。

この記事でわかること

  • Depart de Loopの全体像と、累計でどれだけ回収されたか
  • 回収できるものと出せないもの、クーポンの金額と使い方
  • 回収したスーツから生まれた再生ウェアの価格と買える店舗
  • 衣料の回収に取り組む他の6社との違い(同じ項目で比較)
  • Depart de Loopが衣類の廃棄削減にどう役立つか

Depart de Loopとは?高島屋が進める循環型プロジェクトの全体像

洋服がハンガーに並んだ衣料品売場の様子

高島屋が顧客から不要品を回収し、パートナー企業と新しい商品へ再生する循環型のプロジェクトです。

取り組みの対象になっているアイテム

公式ページは、Depart de Loopを「販売・回収・再生・再利用」の輪を広げる取り組みと説明しています。プロジェクトの一覧に載っているのは、衣料品、デニム、カシミヤ、スーツ、コスメ、羽毛ふとん、陶磁器食器、おもちゃの8種類です。

従来の「売りっぱなし」ではなく、回収した品物を再生して再び商品にするところまで高島屋が関わる点が、このプロジェクトの特徴です。高島屋のサステナブル活動「TSUNAGU ACTION」のうち、環境を扱うテーマ「PLANET」の取り組みとして位置づけられています。

参照:高島屋「Depart de Loop」

累計の回収量はどれくらいか

高島屋の回収結果ページは、2021年度からの累計回収量を100,458kg(2026年4月現在)と公表しています。内訳は次のとおりです。

品目累計回収量(2026年4月現在)
衣料品89,629kg
デニム3,609kg
コスメ2,412kg
スーツ2,306kg
カシミヤ1,542kg
羽毛ふとん960kg
合計100,458kg

衣料品が全体の約89%を占めます(89,629÷100,458、編集部推計)。スーツは累計2,306kgで、全体の約2%です。

参照:高島屋「Depart de Loop 回収のご案内・回収結果」

Depart de Loopで回収できるものと出せないもの

衣料品は衣類全般が対象で、制服・肌着・下着・着物・靴などは対象外です。購入店やブランドは問いません。

衣料品・デニム・カシミヤ・スーツの対象

品目回収対象回収対象外
衣料品衣類全般制服類、肌着・下着類、パジャマ、ベビー衣料品(カバーオールなどの肌着)、着物・帯、靴や雑貨類など
デニムデニムパンツ、デニムジャケットなどのデニム衣料品制服類、肌着・下着類、パジャマ、ベビー衣料品、着物・帯、鞄や靴などの雑貨類など
カシミヤカシミヤ100%またはカシミヤ混のニット、マフラー、ストールなど(公式ページに記載なし)
スーツビジネススーツ、ジャケット、スラックス(名前入りも可)制服・ユニフォーム類、ハンガー・スーツカバーなど

共通の注意点は3つです。一度預けた品物は返却できません。ポケットに貴重品が入っていないか確認してください。穴あきや破れ、軽いシミがあっても回収できますが、リサイクルを効率よく進めるため、洗濯した状態で持ち込むよう案内されています。

参照:高島屋「Depart de Loop 衣料品回収キャンペーン」

コスメ・羽毛ふとん・陶磁器食器・おもちゃの対象

コスメはパウダータイプのメイク用品や、洗浄したプラスチック製の空容器が対象で、リップグロスやマスカラなどは対象外です。羽毛ふとんは、中わたが羽毛以外のふとんと、ダウン率が50%未満のフェザー(羽根)ふとん・肌掛ふとんを除いて回収されます。陶磁器食器は日本橋高島屋S.C.と新宿タカシマヤタイムズスクエアのみの受け付けです。

コスメと羽毛ふとんの常設回収は、2026年3月18日に終了しました。現在、衣料品などの回収は期間を決めた回収キャンペーンが中心です。次の回収は、開催前に公式ページで会期と会場を確認してください。

Depart de Loopの回収クーポンはいくら?もらい方と使い方

衣料品の回収では、1点につき500円のクーポン券がもらえます。1人9点まで、5,000円ごとに1枚使えます。

もらえる金額と条件

項目内容(2026年秋の衣料品回収キャンペーン)
クーポン券の額1点につき500円券を1枚
引き取り点数の上限期間中、1人9点まで
使える条件税込5,000円の買い物ごとに1枚(レシート合算不可)
1会計あたりの上限最大9枚
クーポン券の有効期間2026年10月7日〜11月30日

公式ページによると、回収期間と会場は店舗ごとに異なり、2026年10月7日から27日のあいだに設定されています。大宮店と流山おおたかの森S.C.は10月21日〜27日です。日程は店舗で違うため、持ち込む前に最寄りの店舗の案内を確認してください。期間中は、通常の回収ボックスの場所では受け付けていません。

使えない売場と注意点

クーポン券は、すべての売場で使えるわけではありません。特選ブティックや宝飾品・時計、食料品フロア、飲食、書籍、送料や修理代、一部の化粧品ブランドなどは対象外です。専門店のうち、新宿タカシマヤタイムズスクエアなど全店が使えない施設もあります。クーポン券は、買い物の前に利用対象外の売場を確認しておくと安心です。

参照:高島屋「Depart de Loop 衣料品回収キャンペーン クーポン利用対象外売場」

回収した衣料品はどうなる?再生の流れ

店頭に積まれたデニムパンツ

ポリエステル100%の素材は、ケミカルリサイクルで再生ポリエステルになります。高島屋のオリジナル商品などに使われます。

回収・分別を担うのは、全国の回収物流網と選別の仕組みを持つ循環商社の「ECOMMIT」です。リサイクルには、伊藤忠商事の「RENU Project」と、JEPLANのブランド「BRING」の技術が使われています。RENUは、廃棄されるはずだった衣類や生地の裁断片のみを原料にしたポリエステルです。BRINGは、古着や繊維くずを原料に、独自のPETケミカルリサイクル技術で100%繊維由来の再生ポリエステル原料を作ります。

ポリエステル以外の素材は、素材ごとの再生ルートへ回ります。デニムは綿に戻して糸にし、スーツやカシミヤは毛の状態に戻して糸にします。各ルートの流れは、後の「再生事例」の節で紹介します。

商品に付けるタグにも、再生素材が使われています。一般社団法人サーキュラー コットン ファクトリーと協力し、綿を中心とする繊維廃棄物から再生した紙を使い、そのタグには回収コットンが50%入っています。

参照:高島屋「Depart de Loop 衣料品再生プロジェクト」

再生スーツの価格と買える店舗|スーツ再生プロジェクト

回収スーツ由来の生地のウェアが、10月7日に高島屋6店で発売されました。価格は34,265円〜154,000円です。

商品ラインアップと価格

高島屋の発表によると、スーツ再生プロジェクト初の商品化です。国内外の6ブランドとの協業で、すべて高島屋限定、毛100%の生地です。

売場・ブランドアイテム価格(税込)
サロン ル シック セレクト メンズ/バルスターブルゾン137,500円
サロン ル シック セレクト メンズ/ベルウィッチパンツ42,900円
サロン ル シック セレクト メンズ/カモブルゾン119,900円
サロン ル シック セレクト メンズ/ジャブス アルキヴィオパンツ44,000円
CSケーススタディ/ブジガヒルブルゾン154,000円
タカシマヤ スタイルオーダーサロン(パターンオーダー)シャツジャケット63,635円
タカシマヤ スタイルオーダーサロン(パターンオーダー)パンツ34,265円
タカシマヤ スタイルオーダーサロン(パターンオーダー)コート96,635円

オーダー品の価格はオプションによって変わり、受け取りは注文から約5週間後です。

参照:高島屋プレスリリース「休眠スーツを再生したカジュアルウェアを発売」(PR TIMES)(2026年9月29日発表)

再生の工程と「約17%」の意味

商品の生地は、店頭で回収したスーツ由来の原料を約17%使用しています。紡績の工程では、再生ウールとバージンウール等を組み合わせて糸にします。工程は3段階で、すべて国内の専門企業が担当します。

  1. 回収・選別・裁断・反毛:東谷商店(大阪府泉佐野市)が、重さを量ったうえでウール混率70%以上を基準に選別します。回収されたスーツの半数以上が再生可能な素材にあたります。芯地やパッド、裏地を手作業で切り分け、反毛機でワタに戻します。
  2. 紡績:三田紡績(大阪府岸和田市)が、スーツ由来のワタに、回収されたニット由来のワタやバージンウールを混ぜて糸にします。
  3. 製織:御幸毛織(愛知県名古屋市)が、再生糸を織って生地にします。仕上げは三重県四日市市の自社工場で行います。

再生できない素材は、国内外でのリユースや、自動車内装材、軍手などにリサイクルされます。生地にできない前身頃や芯地は、京都工芸繊維大学のKYOTO Design Labと城東テクノとの共同研究で破砕し、樹脂と混ぜて3Dプリンターで店頭の什器にしています。

参照:高島屋「Depart de Loop スーツ再生プロジェクト」

買える店舗とPOP UP SHOP

販売店舗は、日本橋、新宿、玉川、横浜、大阪、京都の6店です。取り扱う売場・商品は店舗によって異なり、在庫も店舗ごとに変わります。オーダー品のタカシマヤ スタイルオーダーサロンは、受注を受け付けています。

期間限定の「TRANSFORM YOUR SUITS POP UP SHOP」は、日本橋高島屋S.C.本館6階で10月7日〜13日に開催されました。新宿高島屋のファム・メゾン4階 特設会場では、10月21日〜27日に開催されています。

高島屋の紹介コラムによると、スーツ再生プロジェクトは2024年7月に始まり、2025年4月のスーツ回収キャンペーンで約3,200kgの休眠スーツを回収しました。なお、前の節で示した回収結果ページのスーツ累計は2,306kg(2026年4月現在)で、数字が異なります。集計の範囲の違いは公表されていないため、この記事では両方を併記します。

参照:高島屋「【ツナグアクション】回収したスーツをリサイクル。新たな一着へつなぐ高島屋の挑戦」(2026年9月30日)

衣料の回収・再生に取り組む企業6社と、Depart de Loopとの違い

高島屋以外にも、衣料の回収に取り組む企業は多くあります。公式ページで確認できた6社を五十音順に紹介します。

並べ方は社名の五十音順で、順位や推奨の順序ではありません。

次の表は、Depart de Loopと6社を、同じ項目で並べたものです。各項目は、各社の公式ページに書かれている内容だけで埋めています。「公表なし」は、表の参照先ページに記載がないことを指します。数字の集計期間や範囲は各社で異なるため、数字の大小で優劣を判断することはできません。

企業(取り組み名)取り組みの対象回収の仕組み公表している実績開始年
高島屋(Depart de Loop)衣料品、デニム、カシミヤ、スーツ、おもちゃなど期間限定の店頭回収キャンペーン(クーポン券あり)累計100,458kg(2021年度〜2026年4月現在)2021年度から(累計の起点)
青山商事(WEAR SHiFT)使用済み衣類(他社品も可)洋服の青山・SUIT SQUAREの店頭リサイクリングBOX回収衣類の約99%を再利用・再資源化(回収総量は公表なし)1998年に下取りを開始、2023年10月にWEAR SHiFTへ
ECOMMIT(PASSTO)衣類・小物など(宅配は100種類以上)駅・商業施設などのBOX(6,000か所超)と宅配年間約17,000t、2023年以降の累計約37,000t公表なし
オンワードホールディングス(オンワード・グリーン・キャンペーン)オンワード製品店頭、期間限定店、オンラインでの引き取り累計982万点、190万人(日付の記載なし)公表なし
JEPLAN(BRING)衣料品・繊維製品参加企業の店頭と、回収封筒による郵送回収拠点2,742か所(2026年7月1日現在)、回収量は公表なし公表なし
ファーストリテイリング(RE.UNIQLO)ユニクロ・ジーユーで販売した全商品全国のユニクロ・ジーユー店舗の回収BOX回収9,079万点、寄贈3,657万点(2019年8月末まで)公表なし
わかちあいプロジェクト(難民古着支援プロジェクト)夏物・冬物の衣類(大人・子ども)年1回の期間に、郵送などで送付毎年約100t(年次の記載なし)1993年6月

下の各社の説明は、「何をしているか」「対応範囲」「特徴」の順に書いています。

青山商事(WEAR SHiFT)

青山商事は、洋服の青山とSUIT SQUAREの店舗に置いたリサイクリングBOXで、使用済みの衣類を回収する「WEAR SHiFT」を運営しています。

他社の衣類や、靴・ベルトも回収の対象に含まれます。再利用できるものは古着として販売し、それ以外は再生ウールや再生ポリエステルにして、新しいスーツやコートの原料にします。

特徴は、回収した衣類から防災毛布を作り、自治体へ寄贈している点です。同社の発表では、寄贈は全国12自治体、計3,300枚です。回収衣類の約99%を再利用・再資源化していると公表しています。

参照:青山商事プレスリリース「使用済み衣類を新たな資源へ」(PR TIMES)(2026年10月15日発表)

関連記事:WEAR SHiFTとは?洋服の青山の衣類回収で出せるもの

ECOMMIT(PASSTO)

ECOMMITは、不要品の回収・選別・リユース・リサイクルを担う「循環商社」で、家庭の不要品を回収する資源循環サービス「PASSTO」を運営しています。

駅や商業施設のPASSTO BOXと、LINEで申し込む宅配PASSTOの2つの方法があり、どちらも無料です。宅配は100種類以上の品物が対象です。

特徴は、回収後の行き先まで数字で公表している点です。公式ページは、年間約17,000tの回収と、約88%がリユース、約10.5%がリサイクルという割合を示しています。

参照:PASSTO公式サイト(2026年10月確認)

関連記事:PASSTOを解説|回収できるもの・投函の流れと回収後の行き先

オンワードホールディングス(オンワード・グリーン・キャンペーン)

オンワードホールディングスは、クローゼットに眠っているオンワード製品を引き取り、リサイクルとリユースにつなげる「オンワード・グリーン・キャンペーン」を行っています。

引き取りの方法は、高還元の店頭、一律還元の店頭、期間限定店、オンラインの4種類です。対象は、オンワードの製品です。

特徴は、還元の形で引き取りを促し、累計の人数と点数を公表している点です。公式ページは、累計190万人、982万点と記載していますが、日付の記載はありません。

参照:オンワード・グリーン・キャンペーン公式サイト(2026年10月確認)

JEPLAN(BRING)

JEPLANは、企業やブランドと協力して使用済みの服や繊維製品を回収し、資源として循環させる「BRING」を運営しています。

回収は、参加企業の店頭に持ち込む方法と、オンラインストアで購入した商品に付く封筒で返送する方法があります。ポリエステルは、JEPLANが開発した技術でポリエステル樹脂に再生します。

特徴は、古着のポリエステルから再びポリエステル樹脂を作る技術を持つ点です。BRING公式ページの回収拠点は、2026年7月1日現在で2,742か所(スポット開催を含む)です。

参照:BRING「服の回収」(2026年7月1日現在)

ファーストリテイリング(RE.UNIQLO)

ファーストリテイリングは、ユニクロとジーユーの店舗で、販売した全商品を回収する「全商品リサイクル活動」を行っています。

全国の店舗の回収BOXに入れた服は、着られるものを難民や被災地の人々などへ寄贈し、寄贈できないものは燃料や再生素材として活用します。持ち込む前に洗濯するよう案内されています。

特徴は、寄贈の規模を点数と地域数で公表している点です。公式ページには、2019年8月末までに9,079万点を回収し、3,657万点を72の国と地域へ寄贈したと記載があります。

参照:ユニクロ「全商品リサイクル活動」(2026年10月確認)

関連記事:RE.UNIQLOを解説|回収できる服と届け先・社会への効果

わかちあいプロジェクト(難民古着支援プロジェクト)

わかちあいプロジェクトは、集めた古着を難民キャンプなどへ届ける「難民古着支援プロジェクト」を、1993年6月から続けています。

回収は年に1回の期間限定で、夏物と冬物の衣類(大人・子ども)が対象です。送付の費用は送る人の負担で、箱1つにつき2,000円の寄付を受け付けています。

特徴は、送る先の事情で届け方を変えてきた点です。同団体の記載では、毎年約100tの衣類が集まり、仕分けの結果は、リユース45%、ウエス20%、繊維リサイクル35%です。

参照:わかちあいプロジェクト「難民古着支援プロジェクト」(2026年10月確認)

Depart de Loopの再生事例|デニム・カシミヤ・羽毛ふとん・コスメ・おもちゃ

高島屋は、品目ごとに専門企業と再生を進めています。公式ページで公表されている5つの取り組みを紹介します。

デニム|クラボウの「L∞PLUS」で再生デニムに

高島屋は、回収したデニムを、倉敷紡績(クラボウ)のアップサイクルシステム「L∞PLUS(ループラス)」で綿に戻し、新しいデニム製品にしています。

選別はナカノ(神奈川県横浜市)、反毛・紡績はクラボウ、織布は篠原テキスタイル(広島県福山市)などが担当します。回収結果は、2022年4月のキャンペーンで5店舗に約1,611kg、2023年4月のキャンペーンで5店舗に約367kgです。綿95%以上のインディゴデニムが再生ルートに回ります。

参照:高島屋「Depart de Loop デニム再生プロジェクト」

カシミヤ|回収したニットを再生カシミヤのマフラーに

高島屋は、回収したカシミヤのアイテムを反毛して糸にし、再生カシミヤを使ったマフラーを販売しています。2026年で6年目になるプロジェクトです。

選別はナカノと元廣(京都府京都市)、反毛はサンリード(愛知県一宮市)、紡績は大和紡績(愛知県一宮市)が担当します。2026年のマフラーは19,800円(税込)で、再生カシミヤを50%使用しています。

参照:高島屋「Depart de Loop カシミヤ再生プロジェクト」

羽毛ふとん|洗浄してリサイクル羽毛ふとんへ

高島屋は、回収した羽毛ふとんを解体・洗浄し、リサイクル羽毛ふとんやダウン小物にしています。

解体・洗浄・乾燥は西川の協力工場(三重県多気郡)、充填・縫製・検品は西川レベックス(栃木県宇都宮市)が行います。羽毛ふとんの累計回収量は960kg(2026年4月現在)です。

参照:高島屋「Depart de Loop 羽毛ふとん再生プロジェクト」

コスメ|空容器やメイク用品を備品や紙にアップサイクル

高島屋は、回収したコスメの空容器やメイク用品を、売場の備品や紙製品などにアップサイクルしています。

選別はECOMMITが手作業で行います。空容器は粉砕し、再生プラスチック素材に約1割混ぜて、手鏡やトレイ、商品台にしました。役目を終えたメイク用品を着色料にしたアップサイクルペーパーは、ショッピングバッグやメッセージカードに使われています。コスメの回収は、2023年2月に7店舗で約266kg、2023年10月に8店舗で約154kgでした。

参照:高島屋「Depart de Loop コスメ再生プロジェクト」

おもちゃ|2026年秋に始まったプラスチック製おもちゃの回収

高島屋は、2026年秋に、プラスチック製のおもちゃを回収して再生するプロジェクトを始めました。

回収は、タカシマヤキッズクラブ会員を対象に、玉川高島屋S.C.で10月16日〜18日に行われました。三菱電機が、独自のプラスチック選別技術で種類と色ごとに選別し、色別にペレット化して新しい製品にする計画です。再生品はまだ公表されておらず、プロジェクトは進行中です。

参照:高島屋「Depart de Loop おもちゃ再生プロジェクト」

Depart de Loopが衣類の廃棄削減にもたらす効果

回収した衣類が再び原料になれば、廃棄される衣類を減らせます。ただし、国全体の規模と比べると小さな数字です。

回収量を国全体の衣類の廃棄量と比べる

環境省の資料によると、2025年度の衣類の国内新規供給量は82万tです。そのうち約6割にあたる50万t(うち家庭から46万t)が手放され、焼却等により処理されていると推計されています。

高島屋が公表している累計回収量は100,458kg(約100.5t、2021年度〜2026年4月)です。これを環境省の推計値と比べると、100.458t÷500,000t=約0.02%になります(編集部推計)。

この比較は、高島屋の約5年分の累計と、国の1年分の推計を比べたものです。単位は同じtですが、期間が異なります。そのため、この数字は、高島屋の回収が国全体の廃棄に占める割合を示すものではなく、国全体の規模に対する店頭回収の大きさの目安として読んでください。

国は、2030年度に家庭から廃棄される衣類の量を2020年度比で25%削減する目標を掲げています。1つの企業の回収だけで目標に届くわけではなく、多くの企業と自治体の回収が積み重なって初めて意味を持つと言えます。

参照:環境省「サステナブルファッション及び衣類回収を巡る状況について」(2026年7月)

回収した衣類が、繊維から繊維へつながる仕組み

環境面の効果は、回収した服が再び原料になることで生まれます。高島屋の再生スーツの生地は、回収スーツ由来の原料を約17%使用しています。この17%の分だけ、新しい原料を使う量を抑えられる、というのが仕組みの考え方です。

ただし、高島屋は、この約17%の分でどれだけCO2や水の使用量が減ったかという数字を公表していません。そのため、この記事でも削減量の数字は示しません。わかっているのは、回収されたスーツの半数以上が再生可能な素材にあたること、再生できない部分も3Dプリンターの什器や自動車内装材などに使われていることです。

店頭が「手放す場所」になる:クーポンと百貨店の接点

環境省の資料は、手放された衣類の約6割が焼却等により処理されていると推計しています。店頭で回収し、クーポン券という次の買い物のきっかけを用意することで、捨てる前の選択肢を増やしています。

読者ができることは3つです。持ち込む前に洗濯して、対象外の品物(制服、肌着・下着など)を外すこと。ポケットの中身を確認すること。そして、回収の会期と会場を、公式ページで事前に確認することです。企業の場合は、店頭回収を自社の顧客接点にするという使い方もあります。

よくある質問

Depart de Loopについて、よく検索される疑問に答えます。

Q
Depart de Loopとは何ですか?
A

Depart de Loopは、高島屋グループが不要品を回収し、パートナー企業とともに新しいものへ循環させる取り組みです。衣料品、デニム、カシミヤ、スーツ、コスメ、羽毛ふとん、陶磁器食器、おもちゃがプロジェクトの対象です。

Q
回収でもらえるクーポンはいくらですか?
A

衣料品の回収キャンペーンでは、1点につき500円のクーポン券が1枚もらえます。1人9点までで、税込5,000円の買い物ごとに1枚使えます。有効期間は2026年10月7日〜11月30日です。

Q
回収できないものは何ですか?
A

衣料品では、制服類、肌着・下着類、パジャマ、ベビー衣料品の肌着、着物・帯、靴や雑貨類が対象外です。羽毛ふとんでは、中わたが羽毛以外のものと、ダウン率50%未満のものが対象外です。

Q
預けた衣類は返してもらえますか?
A

返してもらえません。一度預けた品物は返却できないため、ポケットなどに貴重品が入っていないか、預ける前に確認してください。

Q
再生スーツのウェアはどこで買えますか?
A

高島屋の日本橋、新宿、玉川、横浜、大阪、京都の6店で、2026年10月7日から販売されています。取り扱う売場と在庫は店舗によって異なり、オーダー品はタカシマヤ スタイルオーダーサロンで受け付けています。

Q
いつでも持ち込めますか?
A

衣料品の回収は、期間を決めた回収キャンペーンで行われています。コスメと羽毛ふとんの常設回収は、2026年3月18日に終了しました。会期と会場は店舗ごとに異なるため、公式ページで確認してください。

まとめ

回収から再生、商品化までを高島屋が手がける循環型の取り組みです。要点は次のとおりです。

  • Depart de Loopは、衣料品からコスメ、羽毛ふとん、おもちゃまで8つの品目に広がっています。
  • 累計の回収量は100,458kg(2021年度〜2026年4月現在)で、衣料品が約89%を占めます。
  • 衣料品の回収では、1点につき500円のクーポン券がもらえます。1人9点まで、税込5,000円ごとに1枚使えます。
  • 再生スーツのウェアは2026年10月7日に発売されました。価格は34,265円〜154,000円で、再生原料の使用割合は約17%です。
  • 高島屋の累計回収量は、環境省が推計する国内の年間の手放し量(50万t)の約0.02%にあたります(編集部推計、期間が異なる比較)。
  • 回収に取り組む企業は他にもあり、対象品目・回収方法・公表している実績は企業ごとに異なります。

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

企業の取り組み・サステナビリティ・社会課題をテーマにした編集チーム。 企業や自治体の情報を編集部が一社ずつ確認し、 独自の基準で比較・整理した情報をお届けしています。