PANECOは、株式会社ワークスタジオが開発した、廃棄された衣類やユニフォームなどの繊維を原料とするリサイクルボードです。製品の繊維含有率は90%で、建材や内装材、床材、家具に使われます。購入はオンラインストアから、制服や作業服の回収は問い合わせから相談する形です。
この記事では、PANECOの特徴と性能、仕組み、買い方と価格、回収の方法、導入事例を、公式サイトと各社の公式発表だけをもとに整理します。あわせて、同じ繊維リサイクルの分野に取り組む会社の公表内容を同じ項目で並べ、PANECOが社会や環境にどう役立つのかも解説します。
この記事でわかること
- PANECOとは何か、誰が開発・製造・販売しているのか
- 素材構成と性能の目安、使うときの注意点
- 買い方と価格の確認方法、制服や作業服を回収してもらう手順
- 東横イン、日本旅行、リガク・ホールディングス、シーボンの導入事例
- 同じ分野で繊維リサイクルに取り組む4社の比較表
- PANECOが廃棄衣類の問題にもたらす効果と限界
PANECOとは?廃棄衣類を原料にした繊維リサイクルボード
PANECOは、廃棄された衣類や繊維端材を固めて板にした、ワークスタジオ発のリサイクルボードです。
ワークスタジオは2020年8月に自社サイトのニュースで「PANECO」を紹介しました。その時点では、廃棄衣類と廃棄レザーを原料とし、廃繊維が約90%を占める、特許出願中の循環型の繊維リサイクルボードと説明されています。以前は「M-board」と呼ばれていたことも、同じニュースに書かれています。
名前の読みは「パネコ」です。サイトを運営するのは、東京都新宿区に所在するWORKSTUDIO CORPORATIONで、PANECOに関する問い合わせは公式サイトのCONTACTページから受け付けています。
参照:WORKSTUDIO「PANECO™ 廃棄衣類からできたサスティナブルな繊維リサイクルボード」、(2020年8月4日掲載)
PANECOを開発・製造・販売している会社
開発はワークスタジオ、製造はホクシン、販売はモリリンという分担が、2023年6月の発表で示されています。モリリン株式会社は2023年6月29日、MDF(中密度繊維板)の生産設備で「PANECO board V」を量産する試験に成功したと発表しました。同社は、MDFの生産設備による量産は世界初だと自社調べとして述べています。
この発表では、技術協力にホクシン株式会社(大阪)があたり、特許技術で廃棄衣類の繊維を熱硬化させて板にするとされています。原料は、アパレルや繊維の会社から回収した廃棄衣類と、生産時の端材です。回収する衣類の量や廃繊維の比率は、発表では明らかにされていません。
参照:モリリン株式会社 プレスリリース「PANECO®が量産試験に成功」、(2023年6月29日)
現在の主力製品はboard SとS floor
現在の公式サイトで主力として紹介されているのは、ボードの「PANECO board S」と、ボードを基材にした床材の「PANECO S floor」です。board Sは通常在庫品のRegularのほか、数量限定のColorfulとFlowerがあります。Flowerはロスフラワーを使ったシリーズです。
| 製品 | シリーズ | 区分 |
|---|---|---|
| PANECO board S | Regular | 通常在庫品 |
| PANECO board S | Colorful(高彩度) | 数量限定品 |
| PANECO board S | Flower(ロスフラワー使用) | 数量限定品 |
| PANECO S floor | Regular | 通常在庫品 |
| PANECO S floor | Original(支給された繊維製品から製作) | オーダーメイド |
受賞や認証も公表されています。第46回繊研賞、第25回グリーン購入大賞の大賞、第21回勇気ある経営大賞の特別賞、グッドデザイン賞、エコマーク認定(認定番号25 123 008)、日本の特許第7254401号です。
参照:PANECO公式サイト、(2026年10月時点)
PANECOの特徴と性能は?素材構成と使うときの注意点

PANECOは分別せずに原料にでき、木質ボードと同様に加工できますが、防水性はなく不燃材料でもありません。
素材構成と加工のしやすさ
PANECO board Sの繊維含有率は90%です。公式の仕様ページには「原料は繊維廃棄物100%」とも書かれており、天然繊維・化学繊維・混紡繊維を種類ごとに分別せずに再資源化できると説明されています。主な原料は、残糸・残布、繊維端材、不織布、古着・制服・作業服、リネン類、カーテンです。
加工については、木材とほぼ同様に切断や穴あけができるとされています。切断面には繊維特有の質感が残ります。サイズは930×930mmで、厚みは3.0mm、5.5mm、9.0mmの3種類です。9.0mmは受注生産です。設計上の基準寸法は、四辺各15mmを除いた900×900mmとされています。
参照:PANECO「board S」製品ページ、(2026年10月時点)
性能の目安と買う前に知っておきたい注意点
公式の仕様ページには、厚み5.5mmの品を建材試験センターが調べた値が載っています。曲げ強さは18.6〜23.3N/mm²で、参考として示されているJIS A 5908の素地パーティクルボード18タイプの基準(18N/mm²以上)を上回る値です。ただし、これらの値は保証値ではないと明記されています。
| 項目 | 5.5mm品の公表値 |
|---|---|
| 密度 | 0.70〜0.77g/cm³ |
| 含水率 | 2〜5% |
| 曲げ強さ | 18.6〜23.3N/mm² |
| 吸水厚さ膨張率 | 3〜8% |
| 剥離強さ | 0.6〜1.0N/mm² |
| ホルムアルデヒド放散量 | 平均・最大とも0.1mg/L未満 |
注意点も公式に書かれています。不燃・準不燃・難燃の材料ではありません。厚み3.0mmと5.5mmは防炎性能試験で「じゅうたん等」の基準に適合しますが、試験時の仕様に対するもので性能の保証ではありません。防水性能はなく、温度や湿度で収縮・膨張して反ることがあります。色味や質感には一枚ごとの個体差があり、指定はできません。個体差を理由にした交換や返品は受け付けていません。二次加工は購入者の責任で、加工後の性能も事前の確認が案内されています。
PANECOの仕組みは?回収から再生までの4工程

PANECOは、回収、再生、活用、再回収の4工程を回す資源回収システム「PANELoop」で運営されています。
- 回収:役割を終えた衣類やユニフォーム、製造工程で出る繊維端材を集めます。
- 再生:回収した繊維を、特性や状態に応じた方法でPANECOの素材に再生します。
- 活用:再生した素材を建材、内装材、床材、家具、プロダクトとして使います。
- 再回収:使用後のPANECOを再び回収し、次の再資源化につなげます。
回収の対象として公式サイトが挙げているのは、天然繊維・化学繊維・混紡繊維、残糸・残布・残反、繊維端材、不織布、衣類(古着、ユニフォーム、制服、作業服)、リネン類(タオル、シーツ)、カーテン・ロールスクリーンです。法人向けの回収に必要な最低量や費用の考え方は、公式サイトに記載がありません。
公式サイトは、独自の再資源化技術を中核にしたPANECO CIRCULAR SYSTEMも紹介しています。回収品の状態に合わせて再生方法を選び、熱回収に頼らず素材として使い続けることを目指し、Zero Wasteの実現を掲げています。
参照:PANECO「SOLUTION」、(2026年10月時点)
PANECOの買い方と価格は?
PANECOはオンラインストアで購入でき、サンプルは有償です。価格は公式サイトに掲載がありません。
| 目的 | 入口 | 公式サイトの案内 |
|---|---|---|
| ボードや床材を買う | オンラインストア | 購入はオンラインストアで行えます |
| 素材を確かめる | サンプル | 有償で提供されています |
| 自社の繊維から作る | CONTACTページ | S floor Originalはオーダーメイドです |
| 家具・什器をつくる | CONTACTページ | デザインと製作も受け付けています |
| 暮らしで使う | PANECO LIFE | 3D体験型のオンラインストアです |
公式サイトに価格表はないため、この記事でも金額は書きません。厚みや数量、シリーズによって条件が変わる可能性があるため、購入前にオンラインストアの表示と、返品条件(個体差を理由にした交換や返品はできない点)を確認してください。
PANECOで制服や作業服を回収してもらう方法

制服や作業服の回収は、ユニフォームリサイクルプロジェクトに相談します。引き取りのみの依頼はできません。
同プロジェクトの案内では、制服や作業服を回収して粉砕し、PANECO board Sとして再構築します。できた素材は家具、什器、内装材、プロダクトに使い、床材のPANECO S floor Originalにもできます。流れは、内容確認、回収量・素材・活用目的の整理、再資源化、活用、ESGやCSR・広報への展開の順です。
| 確認したい点 | 公式の案内 |
|---|---|
| 対象 | ユニフォーム、制服、作業服、作業着 |
| 古着 | 別の「古着リサイクルプロジェクト」で案内 |
| 引き取りのみ | 行っていません |
| 費用・最低量 | ページに記載がなく、相談窓口で確認 |
| 想定する利用者 | 制服更新を予定する企業、作業服の廃棄に課題を持つ工場、ESG・CSR施策を強める企業、学校法人 |
回収した制服は、回収元の会社が使う製品になって戻ってくるのが基本の形です。個人が家庭の古着を出したい場合は、店頭回収などの別の窓口が向いています。
参照:ユニフォームリサイクルプロジェクト、(2026年10月時点)
関連記事:RE.UNIQLOを解説|回収できる服と届け先・社会への効果
PANECOを使った導入事例4社
導入事例は、制服を一新した会社が旧制服を回収し、時計やコースターに作り替える形が中心です。
東横イン:旧制服約5トンから全ホテルの時計へ
株式会社東横インは、2022年12月にフロントスタッフの制服を一新し、不要になった旧制服約5トンを回収しました。旧制服の繊維を90%以上使い、PANECOを文字盤にした時計を作っています。布の色の違いで、時計ごとに色合いと模様が異なります。2023年11月末から、国内の全ホテル(一部を除く)に順次設置すると発表しています。制服を作ったオンワードコーポレートデザインと、ワークスタジオが共同で進めました。
参照:株式会社東横イン プレスリリース、(2023年12月5日)
日本旅行:店舗縮小で出た制服約1トンを約7,000個のコースターに
株式会社日本旅行は、店舗の縮小で役目を終えた制服を、グループ全体で約1トン(約1,000着)回収しました。2023年2月に、PANECOでオリジナルのコースターを約7,000個製作したと発表しています。約1,000着から約7,000個の製品を作ったという規模感が、公表数値から読み取れます。
参照:株式会社日本旅行 プレスリリース、(2023年2月28日)
リガク・ホールディングス:約2,000枚の制服を時計・コースター・ベンチに
リガク・ホールディングスは、全国の拠点から集めた使用済み制服を、美品と汚損品に分けて回収しました。数量は約2,000枚、52箱分で、2トントラック1台分です。状態のよい制服と未使用品を、PANECOのボードとNunockブロックの材料にしています。
作ったものは、壁掛け時計、全社員に配布したコースター、東京工場と山梨工場に置いた可動式ベンチです。工程は、回収、解体、粉砕、成形、活用で、ファスナーやボタンを外す解体は福祉施設の協力で手作業で行いました。汚れや破損が多く再生できない制服は、別の委託先で固形燃料のRPFにしています。
参照:リガク・ホールディングス「アップサイクル」、(2026年10月時点)
シーボン:旧制服の布を混ぜたコースターをサロンで使用
株式会社シーボンは、2024年9月1日にフェイシャリストの制服をリニューアルし、不要になった旧制服(グリーンとグレー)を回収しました。裁断した布を、PANECOと組み合わせてコースターにしています。布を混ぜるため、色合いや模様は一つひとつ異なります。2025年6月から、全国のフェイシャリストサロンで、お客様へのドリンクサービスなどに使うと発表しています。回収枚数や製作数は公表されていません。
参照:株式会社シーボン プレスリリース、(2025年5月15日)
PANECOと同じ分野で繊維リサイクルに取り組む会社
同じ分野には、安研、カマタニ、GREEN FLAG、JEPLANがあり、対象と条件は各社で異なります。
ここでは、各社の公式ページで確認できた4社を、会社名の五十音順(安研、カマタニ、GREEN FLAG、JEPLAN)で並べます。順位や優劣を示すものではなく、おすすめ順でもありません。確認できた会社が5社に満たなかったため、4社を掲載します。
下の表は、PANECOと4社を同じ項目で並べたものです。内容は各社の公式ページに書かれた範囲だけで、記載のない項目は「公表なし」としています。
| 会社・サービス | 取り組みの対象 | 仕組み | 公表している実績 | 利用条件 |
|---|---|---|---|---|
| PANECO(ワークスタジオ) | 衣類、ユニフォーム、制服、作業服、リネン、カーテン、繊維端材、不織布 | 回収、再生、活用、再回収の4工程(PANELoop)で、繊維含有率90%のボードと床材にする | エコマーク認定、グリーン購入大賞の大賞、特許取得。回収量の総量は公表なし | 制服の引き取りのみは不可。費用・最低量は相談 |
| 安研(ANKEN) | 使用済みユニフォーム、衣料品 | マテリアル、ケミカル、サーマル、PETボトルの4つのリサイクルシステム | 回収量・再生率・CO2削減量は公表なし | 見積時にリサイクル商品を希望する。価格は一般品よりわずかに高くなる |
| カマタニ | 自社製造・販売のユニフォーム | 回収認識マークを付け、ケミカル、マテリアル、サーマルなどで再資源化 | 回収量は公表なし | 回収のみの依頼は不可。自社製ユニフォームに限る |
| GREEN FLAG | 使用済みの衣類、売れ残りのアパレル、生地の端材、作業服 | マテリアルリサイクルで再生繊維フェルト「Rebornfiber」にする | 販売量・処理量・顧客数は公表なし | 1案件あたり廃繊維60kgが最低受入量 |
| JEPLAN(BRING) | 使用済みの服・繊維製品、ユニフォーム | リユースと、独自のケミカルリサイクルによる再生ポリエステルの製造 | 回収量・拠点数は公表なし(参照ページ内) | 公表なし(参照ページ内) |
株式会社安研:ユニフォーム販売会社のリサイクルシステム
株式会社安研は、ユニフォームと制服の販売会社です。リサイクルの申請と手配を担当し、申請先は公益社団法人環境生活文化機構です。対象は使用済みユニフォームと衣料品で、マテリアル、ケミカル、サーマル、PETボトルの4つのシステムを案内しています。利用する側は、見積時にリサイクル商品を希望すると伝えれば、追加の手続きは不要です。リサイクル商品は、同種の一般品よりわずかに高くなると説明されています。
参照:株式会社安研「ユニフォームのリサイクルの仕組み」、(2026年10月時点)
株式会社カマタニ:回収認識マークで販売から再利用までをつなぐ
株式会社カマタニ(兵庫県姫路市)は、自社が製造・販売したユニフォームに回収認識マークを縫い付け、販売から再利用までを一貫した仕組みで進めています。リサイクル方法は、東レのナイロン6技術を使うケミカルリサイクル、マテリアルリサイクル、ペットボトル由来のユニフォーム、サーマルリカバリーです。対象はカマタニ製のユニフォームに限られ、回収のみの依頼は受け付けていません。反射テープ材やガラスビーズを使った製品、極端に汚れた製品は回収できない場合があります。
参照:株式会社カマタニ「ユニフォームの回収」、(2026年10月時点)
株式会社GREEN FLAG:使用済み衣類を再生繊維フェルトにする
株式会社GREEN FLAGは、繊維資源の循環を目指す素材の会社です。使用済みの衣類、売れ残りのアパレル、生地の端材をマテリアルリサイクルし、再生繊維フェルト「Rebornfiber」にします。形状は、吸音性があり二次加工に向く板材と、裁断や縫製ができる薄いシート材です。1案件あたり廃繊維60kgが最低の受入量として示されています。企業や自治体が自前でマテリアルリサイクルの事業を行う相談も受けています。
参照:株式会社GREEN FLAG「事業案内」、(2026年10月時点)
株式会社JEPLAN:服の回収サービスBRINGとケミカルリサイクル
株式会社JEPLANは、消費者や企業、自治体などと協力し、使用済みの服や繊維製品を回収するサービス「BRING」を運営しています。回収したものは、リユースか、独自のケミカルリサイクルで石油由来原料と同等品質の再生ポリエステル樹脂、糸、生地にします。ユニフォームを対象にした「BRING UNIFORM」もあります。「行き先が見えるリユース」と「何になるかが分かるリサイクル」を掲げています。回収量や拠点数は、この参照ページには載っていません。
参照:株式会社JEPLAN「アパレル事業」、(2026年10月時点)
関連記事:衣類を捨てずに原料へ戻す|エコログ・リサイクリング・ジャパンのマテリアルリサイクル
PANECOが社会に与える良い影響
PANECOの効果は、処分される衣類を板として使い続けること、混紡を原料にできること、福祉施設との協力の3つです。
焼却・埋め立てされる衣類を、板として使い続ける
環境省は、リユースやリサイクルされず焼却や埋め立てなどで処分される服の量を、年間約46万トンと示しています。手放された服のうち、リユースやリサイクルで再び活用される割合は約42%で、環境省は約4割にとどまると述べています。
PANECOは、この残りの部分に入り込む用途をつくっています。ただし、PANECOを運営するワークスタジオは、回収した衣類の総量を公表していません。そこで、企業が自ら公表した事例の数字を、環境省の数字に並べてみます。
| 項目 | 数字 | 出所の種類 |
|---|---|---|
| 国内で焼却・埋め立て等される服の量 | 年間約46万トン(環境省の資料にある推計) | 環境省 |
| 東横インがPANECO化した旧制服 | 約5トン(2023年12月の発表) | 事例の公表値 |
| 編集部推計:上の2つの比 | 5トン÷46万トン=約0.001% | 編集部推計 |
1社の事例は、国内の処分量の約0.001%という計算です(編集部推計)。この比は、年次も対象範囲も異なる数字を並べたものであり、PANECOの効果の大きさそのものを示す値ではありません。事例の旧制服は企業の制服、環境省の数字は国内の衣類全体を対象にした推計です。1社でこの大きさですから、制服を更新する企業が増えるほど、廃棄を減らす余地が広がるという見方ができます。
なお、PANECOの公式サイトは、世界で年間約9,200万トンの繊維廃棄物が発生しているとしています。ページには発表年と出典が書かれていないため、この記事では会社の説明として紹介するにとどめます。
参照:環境省「サステナブルファッション:ファッションと環境の現状」、(2025年のマテリアルフロー、2026年10月時点に確認)
分別しにくい混紡の衣類を、そのまま原料にできる
環境省は、衣服は色々な素材が混合されてできていることを、環境負荷が見えにくい理由の一つに挙げています。素材ごとに分けなければ再生できない仕組みでは、混紡の制服は処分に回りやすくなります。
PANECOは、天然繊維・化学繊維・混紡繊維を種類ごとに分別せずに原料にできるとしています。分別の手間と費用が減れば、回収に踏み出す会社が増えるというのが、効果のつながり方です。参加するには、企業や学校が制服の更新時に、ユニフォームリサイクルプロジェクトへ相談する方法があります。
人の面でも効果があります。PANECOの公式サイトは、売上の一部を障がい者福祉施設へ毎月寄付していると述べていますが、金額は書かれていません。リガク・ホールディングスの事例では、制服の解体を福祉施設が手作業で担いました。
参照:PANECO「MISSION」、(2026年10月時点)
使用後に再び原料へ戻る循環と、まだ見えていない点
PANECOの公式仕様ページは、使用後のボードを汚れや表面加工の状態を確認したうえで再資源化でき、再びPANECO board Sとして再生できると説明しています。つまり、一度板にした繊維を何度も使うことが前提の設計です。
一方で、使用後のボードを具体的にどう回収するのか、窓口はどこかは、仕様ページに記載がありません。CO2削減量などの環境数値も公式サイトには見当たりません。この記事では、数字がない部分を推測では埋めず、公表された事実だけを書いています。リガクの事例のように、汚れや破損で再生できない制服は固形燃料のRPFになる場合もあります。
モリリンの2023年の発表は、衣類に続いて食品ロスにも仕組みを広げ、衣・食・住をつなぐ循環経済を目指すと述べています。時期や数量の目標は示されていません。
関連記事:fabulaを解説|食品廃棄物が素材になる仕組みと社会への効果
よくある質問
PANECOについて、価格や回収、性能に関する疑問をまとめました。
公式サイトには価格の記載がありません。購入はオンラインストアで行い、サンプルは有償です。金額はストアの表示で確認してください。
購入はオンラインストアで行う案内です。購入者の条件は公式サイトに明記がないため、ストアの表示で確認してください。法人向けの製作や回収はCONTACTページから相談します。
引き取りのみの依頼は受け付けていません。ユニフォームリサイクルプロジェクトは、再資源化と社内での再利用を前提に回収します。古着は別の「古着リサイクルプロジェクト」で案内されています。
防水性能はありません。公式の仕様ページには、温度や湿度で収縮・膨張して反る場合があること、不燃・準不燃・難燃の材料ではないことも書かれています。
開発と運営は、東京都新宿区のWORKSTUDIO CORPORATION(株式会社ワークスタジオ)です。2023年6月の発表では、製造をホクシン、販売をモリリンが担うとされています。
エコマーク認定商品(認定番号25 123 008)で、第25回グリーン購入大賞の大賞も受賞しています。日本では特許第7254401号も取得しています。
まとめ
PANECOについて押さえておきたい点は次のとおりです。
- PANECOは、ワークスタジオが開発した、廃棄衣類などの繊維を原料とするリサイクルボードで、繊維含有率は90%です。
- 主力はboard Sと床材のS floorで、購入はオンラインストア、価格は公式サイトに記載がありません。
- 制服や作業服の回収は、ユニフォームリサイクルプロジェクトに相談します。引き取りのみの依頼はできません。
- 導入事例では、東横インが旧制服約5トン、日本旅行が約1トン(約1,000着)を回収し、時計やコースターにしています。
- 防水性はなく、不燃材料でもないため、使う場所の確認が必要です。
- 同じ分野には、安研、カマタニ、GREEN FLAG、JEPLANがあり、対象や条件は各社で異なります。