sakana bacca(サカナバッカ)は、株式会社フーディソンが東京と埼玉で展開する体験型の鮮魚店です。店頭での購入に加え、Webオーダーでの店頭受け取りと都内の法人デリバリーに対応する一方、全国向けの通販と宅配は行っていません。
この記事では、sakana baccaの店舗と買い方、法人デリバリーの料金、運営会社が公表している水産業や食品ロスへの取り組み、同じ課題に向き合う企業や団体を、公式情報だけをもとに整理します。
この記事でわかること
- sakana baccaの運営会社と店舗の特徴
- 店舗一覧と、店頭・Webオーダー・通販の違い
- 法人デリバリーの料金と配送エリア
- sakana baccaの取り組み事例3件
- 同じ課題に取り組む企業・団体6件の比較表
- sakana baccaが水産業と食品ロス削減に与える影響
sakana baccaはどんな魚屋か|運営会社と店の特徴

sakana baccaは、見て、知って、食べて楽しむことを掲げた体験型の鮮魚店です。運営は株式会社フーディソンで、首都圏の駅ビルや住宅街に店を構えています。
一般的な魚屋は「その日に並ぶ魚を買う場所」ですが、sakana baccaは魚の種類や食べ方を知る体験も含めて売り場をつくっている点が特徴です。公式のご利用ガイドには「いつも新しい発見のあるお店づくりを目指しています」と記載されています。
運営会社フーディソンと3つの事業
sakana baccaを運営するフーディソンは、飲食店向けの食材EC「魚ポチ」、個人向けの鮮魚店「sakana bacca」、食品事業者向けの人材紹介「フード人材バンク」の3つを運営しています。フーディソンは「生鮮流通に新しい循環を」をビジョンに掲げる上場企業です。
有価証券報告書(2025年3月期)には、魚ポチが沖縄県と一部離島を除く46都道府県でサービスを展開していること、sakana baccaを2025年3月末時点で首都圏9店舗運営していることが記載されています。sakana baccaは、飲食店向けの流通網と同じ会社が運営する小売の出口という位置づけです。
参照:フーディソン「会社概要」、フーディソン 有価証券報告書(2025年3月期)の掲載ページ
見て知って食べる体験型の鮮魚店という考え方
ご利用ガイドでは、sakana baccaを「食べて美味しいだけではなく、見て、知って、食べて楽しむ体験型の鮮魚店」と説明しています。魚種の珍しさや鮮度に光を当て、買う人が魚に出会い直す場をつくる狙いと読み取れます。
ただし、ご利用ガイドには入荷状況による内容変更の可能性も明記されています。当日の入荷に応じて商品が変わる点は、鮮魚店として自然な運用です。
sakana baccaの店舗一覧とエリア
sakana baccaの店舗は東京都と埼玉県にあり、公式の店舗情報ページには10店舗の名前が並んでいます。うち五反田店は2026年9月30日に閉店と表示されています。
| 都県 | 店舗名 | 備考 |
|---|---|---|
| 東京都 | sakana bacca中目黒 | 公式の店舗情報に掲載 |
| 東京都 | sakana bacca都立大学 | TO GO(事前予約受け取り)を2020年に開始した店舗 |
| 東京都 | sakana bacca中延 | 公式の店舗情報に掲載 |
| 東京都 | sakana bacca五反田 | 2026年9月30日閉店と表示 |
| 東京都 | sakana baccaエキュート品川店 | エキュート内の店舗 |
| 東京都 | sakana bacca新橋 | 公式の店舗情報に掲載 |
| 東京都 | sakana baccaグランスタ東京店 | グランスタ内の店舗 |
| 東京都 | sakana baccaグランスタ丸の内店 | グランスタ内の店舗 |
| 埼玉県 | sakana baccaエキュート大宮店 | 公式サイトで「埼玉1号店」と表示 |
| 埼玉県 | sakana baccaエキュート秋葉原店 | エキュート内の店舗 |
閉店した五反田店を除くと、公式ページに掲載された店舗は9店舗です。営業時間や在庫は店舗ごとに異なるため、来店前に各店の案内を確認してください。駅構内の店舗は駅ビル(エキュートやグランスタ)の営業時間に連動します。
sakana baccaの買い方|店頭・Webオーダー・通販の違い

sakana baccaは、店頭購入とWebオーダー(店頭受け取り)が基本です。全国への通販と自宅への宅配は提供されていません。
| 方法 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 店頭購入 | 各店で鮮魚や総菜を購入 | 在庫は各店の公式LINEで確認可能 |
| Webオーダー | オンラインで注文しクレジットカードで決済、店頭で受け取り | ネタの変更は原則不可 |
| 電話での取り置き | お弁当は各店で電話予約 | 店舗ごとに対応 |
| 法人デリバリー | 都内の一部エリアへ配送 | 詳しくは次の見出し |
| 全国向け通販・宅配 | 提供なし | 公式FAQに記載 |
店頭での買い方と在庫の確認
店頭では、握り寿司やお造りを含む商品を購入できます。公式FAQによると、各店の公式LINEで在庫と価格を確認できます。来店前にLINEで在庫を確認すれば、目当ての魚が残っているかを事前に把握できます。
支払いはクレジットカード(VISA、Mastercard、JCB、American Express)と電子マネーに対応し、ポイントカードとギフト券は提供されていません。仕入れは市場を介していると公式FAQに記載されています。
Webオーダーで店頭受け取りをする流れ
Webオーダーは、オンラインでクレジットカード決済をして店頭で受け取る仕組みです。注文時に受け取り日時を指定し、営業日の開店後から閉店前までに受け取ります。エキュート大宮店だけは受け取りが14時からです。
キャンセルは期限を過ぎると料金がかかります。ご利用予定日の前日午後は商品代金の50%、当日は100%です。お受け取り後の都合による返品や交換はできません。
事前予約の受け取りは、2020年4月27日に都立大学店で始めた「sakana bacca TO GO」がきっかけです。
参照:フーディソン「3つの新サービス開始」のプレスリリース(2020年4月)
全国向けの通販と宅配がない点に注意
公式FAQは「通販、宅配サービスともにご提供しておりません」と明記しています。遠方からsakana baccaの魚を取り寄せることはできません。
遠方で鮮魚の取り寄せを検討する場合は、本記事の後半で紹介する産直サービスや未利用魚の通販など、別のサービスが選択肢になります。
法人デリバリーとパーティーメニューの料金
sakana baccaは、都内の一部エリア向けに法人デリバリーを行っています。お造りは1名あたり4,000円(税込)、握りは35貫で10,000円(税込)などで、すべて送料込みです。
| メニュー | 内容 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| お造り盛り合わせ | 日替わり、1名分から | 1名あたり4,000円 |
| 握り盛り合わせ | 5〜6人前、35貫 | 10,000円 |
| 特大ばらちらし | 5〜6人前 | 10,000円 |
| お弁当:ばらちらし | 1折 | 1,280円 |
| お弁当:ばらちらし 極 | 1折 | 1,980円 |
| お弁当:サーモン親子丼 | 1折 | 1,380円 |
| お弁当:炙り煮穴子海苔丼 | 1折 | 1,280円 |
| お弁当:魚屋の西京海苔弁当(銀だら) | 1折 | 1,780円 |
お届け時間は、お造りと握りが15〜20時、お弁当が11〜15時で、土日祝も承ります。注文は、お造りと握りが利用日の7日前15時まで、お弁当と海鮮丼が3日前15時までです。
配送エリアは、中野区、杉並区、新宿区、港区、渋谷区、世田谷区、豊島区、品川区、大田区、千代田区、中央区、文京区、台東区、江東区、練馬区、目黒区、墨田区の17区です。
大人数向けには、特製お造り盛り合わせ3台と握り盛り合わせ25人前で68,000円、握り盛り合わせ40人前で80,000円の例も案内されています。
sakana baccaの取り組み事例
sakana baccaに関わる事例のうち、運営会社や利用企業が自ら公開している3件を紹介します。成果は公開された範囲だけを記載します。
高砂熱学工業の納涼会に使われた法人デリバリー
高砂熱学工業の総務部は、社員交流の納涼会で、沖縄県国頭から東京へ鮮度を保って届けた刺身を振る舞いました。同社の高鮮度輸送技術(SIS事業)を社員に体感してもらう企画でした。
公開されている成果は利用企業の感想で、「大好評で、次回開催を求める声もあった」と述べています。数値的な成果は公表されていません。出所はsakana baccaの法人デリバリーのページに掲載された「ご利用企業様の声」です。
駿河湾の4市1町と地方の鮮魚をPRした企画
2016年6月24日から8月14日まで、sakana baccaは静岡市、焼津市、吉田町、牧之原市、御前崎市の特産水産品を店頭でPRしました。産地から直送した魚が2〜3週間ごとに入れ替わり、駿河湾でしか獲れない桜えびやしらすなどが並びました。
産地の魚を東京の店頭で紹介する企画で、公開された成果の数値はありません。
参照:フーディソン「駿河湾中西部の4市1町」特産水産品のPRに関するプレスリリース(2016年)
関連記事:地域おこしとは?制度・メリット・成功事例をわかりやすく解説
東京都「食べて応援!海の幸キャンペーン」への参加
2023年10月27日から12月8日まで、東京都の「食べて応援! 海の幸キャンペーン」が行われました。sakana baccaは中目黒、都立大学、中延の3店舗で参加しました。QRコード決済で最大30%の還元を受けられる内容です。
リリースは「持続可能な水産業の未来を支えたい」という考えを示しています。水産物の消費を応援することが、水産業を続ける力になるという立場です。成果の数値は公表されていません。
参照:フーディソン「海の幸キャンペーン」のプレスリリース(2023年10月)
同じ課題に取り組む企業・団体|水産業と食品ロス
水産業の担い手、鮮魚の流通、未利用魚、食品ロスに取り組む企業と団体を6件紹介します。掲載順は五十音順で、優劣や推奨の順序ではありません。
下の表は、sakana baccaと6件を同じ項目で並べたものです。数値と年は各公式サイトの記載だけを使い、確認できなかった項目は「公表なし」としています。「公表なし」は、参照した公式ページで確認できなかったという意味です。
| 名称 | 取り組みの対象 | 仕組み | 公表している実績 | 設立・開始年 |
|---|---|---|---|---|
| sakana bacca(フーディソン) | 鮮魚の小売 | 店舗販売、Webオーダー(店頭受け取り)、都内法人デリバリー | 公表なし | 公表なし |
| ウミトロン | 水産養殖 | AIとIoTで給餌を最適化するサービスなどを提供 | 公表なし | 2016年4月21日設立 |
| クラダシ | 余剰品・訳あり品 | 社会貢献型のショッピングサイト | フードロス削減35,287t(2026年6月30日時点) | 2014年7月7日設立 |
| シーフードレガシー | 水産物の持続可能性 | 企業、金融機関、NGO、政府などと連携する社会的企業 | 公表なし(B Corp認証の取得を記載) | 2015年7月7日設立 |
| フィシュル(Fishlle!) | 未利用魚 | 下処理と味付けをして冷凍で届ける定期便と通販 | 未利用魚の累計248t、200種(公式サイト記載、時点の表記なし) | 公表なし(5周年と記載) |
| フィッシャーマン・ジャパン | 漁業の担い手 | 担い手の育成、漁業の魅力発信、持続可能な漁業 | 公表なし | 2014年 |
| ポケットマルシェ(雨風太陽) | 農家・漁師の産直 | 生産者が消費者へ直接販売し、やりとりもできる | 公表なし | 公表なし |
ウミトロン
ウミトロン株式会社は、水産養殖にテクノロジーを適用し、持続可能な水産養殖の実装を目指す会社です。
サービスは、AIとIoTで給餌を最適化する「UMITRON CELL」、魚群の行動を解析する「UMITRON FAI」、生産と原価を管理する「UMITRON FARM」、海洋データの「UMITRON PULSE」です。
特徴は、養殖で最大の課題とされる給餌コストの最適化から着手している点です。
クラダシ
株式会社クラダシは、「お買い物が社会貢献につながる」ソーシャルグッドマーケットを運営する会社です。
賞味期限が近い食品や、包装に問題のある商品などを割引価格で販売し、売上の一部で社会貢献につなげる仕組みです。
特徴は、実績を公式サイトで継続的に公表している点です。公式サイトには、2026年6月30日時点でフードロス削減量35,287t、CO2削減量93,545t-CO2と掲載されています。
シーフードレガシー
株式会社シーフードレガシーは、水産物を豊かな状態で未来世代へ継ぐことを目的とする社会的企業です。
企業、金融機関、NGO、政府などと連携し、日本の持続可能で責任あるシーフードビジネスへの移行を後押ししています。
特徴は、水産サステナビリティを専門にする立場でB Corp認証を取得している点です。
フィシュル(Fishlle!)
Fishlle!(フィシュル)は、水揚げされても食用に回りにくい未利用魚を、下処理と味付けをして届けるサービスです。
公式サイトによると、水揚げされたその日に手作業でさばいて味付けし、マイナス30℃で瞬間凍結して届けます。
特徴は、未利用魚の累計248t、200種という実績を公式サイトに掲げている点です。
フィッシャーマン・ジャパン
フィッシャーマン・ジャパンは、宮城県石巻市を拠点に、漁業を「かっこよくて、稼げて、革新的」な仕事にすることを掲げる団体です。
活動は、業界の変革、次世代の漁師の育成、漁業の魅力発信、持続可能な漁業の4分野です。
特徴は、魚の流通の手前にある担い手不足に正面から取り組んでいる点です。公式サイトは、日本の漁業者が震災前から減少傾向にあると説明しています。
参照:フィッシャーマン・ジャパン「About」、フィッシャーマン・ジャパン「公式サイト」
ポケットマルシェ(雨風太陽)
ポケットマルシェは、株式会社雨風太陽が運営する、農家や漁師が直接消費者に販売できる産直ECサイトです。
出品者は農家と漁師に限られ、産地から直接発送され、生産者とのやりとりができます。
特徴は、生産者と消費者が直接つながる点で、sakana baccaが提供しない遠方への鮮魚の取り寄せの選択肢にもなります。
参照:ポケットマルシェ「公式サイト」、ポケットマルシェ「サービス紹介」
関連記事:rebakeを解説|ロスパンの届き方・料金と食品ロスへの効果
sakana baccaが水産業と食品ロス削減にもたらす影響

sakana baccaが社会にもたらす影響は、仕入れの工夫、水産業の消費喚起、食品ロス削減への位置づけの3点で整理できます。運営会社がsakana bacca単体の削減量を公表していないため、数値ではなく仕組みで説明します。
市場を介さない調達が流通の無駄を減らす仕組み
フーディソンの有価証券報告書には、「全国の産地ネットワークを通じて、市場を介さない商品調達も行っております」と記載されています。受発注管理は全てインターネットで行うとも書かれています。
鮮魚は傷みやすいため、産地から売り場までの段階と時間が長いほど、売れ残りや品質低下のリスクが高まります。流通の段階を減らし、受発注をデジタル化することは、廃棄を生みにくい流れにつながると考えられます。ただし、sakana baccaでの廃棄量や削減量は公表されていません。
水産物の消費喚起が水産業を支える
2023年のリリースで、sakana baccaは「持続可能な水産業の未来を支えたい」と述べています。魚が売れれば漁業者の収入が確保され、水産業の担い手が続けやすくなります。
魚を買って食べることが、水産業を続ける力になるという考え方は、フィッシャーマン・ジャパンが指摘する漁業者の減少という課題とも重なります。
食品ロスの規模と、鮮魚店が果たす役割
農林水産省によると、日本の食品ロスは令和6年度推計で年間461万tです。内訳は事業系が237万t、家庭系が224万tで、事業系のうち食品小売業が48万t、食品卸売業が9万t、外食産業が70万tです。
sakana baccaは小売と法人デリバリーの両方に関わるため、この事業系の食品ロスと隣り合う位置にあります。有価証券報告書には、サステナブルな食の流通のマテリアリティとして「フードロス、廃棄物の削減」が挙げられています。sakana bacca単体の削減量は公表されておらず、全体への寄与率は算出できません。
そのため、本記事は割合を推計せず、公的データの規模と運営会社の方針を並べるにとどめます。
関連記事:食品ロスを減らすためにできること|家庭の行動と5つのサービス
よくある質問
sakana baccaについて、公式サイトで確認できた内容をもとに回答します。
買えません。公式FAQは通販と宅配サービスを提供していないと明記しています。購入は店頭か、Webオーダーによる店頭受け取りです。
株式会社フーディソンです。飲食店向けのEC「魚ポチ」と人材紹介「フード人材バンク」も運営しています。
東京都と埼玉県にあります。中目黒、都立大学、中延、品川、新橋、東京駅構内、大宮、秋葉原などで、五反田店は2026年9月30日に閉店と表示されています。
できますが、期限を過ぎると料金がかかります。ご利用予定日の前日午後は商品代金の50%、当日は100%です。
利用できます。都内の17区を対象に、お造り、握り、お弁当を送料込みで届ける法人デリバリーがあります。注文は利用日の3〜7日前の15時までです。
まとめ
sakana baccaの要点を整理します。
- sakana baccaは、フーディソンが運営する体験型の鮮魚店で、東京都と埼玉県に展開しています。
- 購入は店頭かWebオーダー(店頭受け取り)で、全国向けの通販と宅配はありません。
- 法人デリバリーは都内17区が対象で、お造りは1名あたり4,000円(税込)です。
- 社会面では、市場を介さない調達と水産物の消費喚起が運営会社の方針ですが、削減量などの数値は公表されていません。
- 同じ課題に取り組む企業は6件あり、遠方の取り寄せにはポケットマルシェなどが選択肢です。