脱プラスチック(脱プラ)とは、使い捨てプラスチックの削減・代替素材への切り替え・資源の循環利用を進める考え方と取り組みの総称であり、「プラスチックをゼロにすること」を意味しません。この記事では、脱プラスチックの意味や国の政策動向、個人と企業それぞれが今日から始められる取り組み、そして脱プラスチックを支援する企業や実際に成果を出している企業の事例まで、初めての方にもわかりやすく解説します。
「脱プラスチック」という言葉を耳にする機会が増えました。レジ袋の有料化や、企業がプラスチックストローを廃止するニュースなど、身近なところで変化を感じている方も多いのではないでしょうか。2026年4月には、企業に再生プラスチックの利用計画を義務づける改正資源有効利用促進法も全面施行されており、脱プラスチックは個人の心がけだけでなく、企業の制度対応としても新しい局面を迎えています。
この記事でわかること
- 脱プラスチックとは何か、その定義と背景
- 日本で進む政策・制度の動向(2026年4月施行の改正法を含む)
- 脱プラスチックのメリットとデメリット
- 個人・企業がすぐに実践できる具体的な取り組み
- 脱プラスチックに実際に取り組む企業の事例
- 脱プラスチックを支援する企業・サービスの一覧
- 代替素材の現状や脱プラスチックの課題
なぜ今、脱プラスチックが必要なのか

脱プラスチックが求められる直接の理由は、海洋プラスチック汚染の深刻化と、使い捨て文化による廃棄物の増大です。プラスチックは軽くて丈夫で安価であり、現代の生活に欠かせない素材である一方、その便利さの裏側には深刻な環境問題が潜んでいます。
海洋プラスチック汚染の深刻化
世界の海には大量のプラスチックごみが流れ込んでいます。グリーンピース・ジャパンをはじめ多くの環境団体や研究機関が、海洋プラスチック汚染の深刻さを継続的に報告しています。プラスチックは自然環境の中では分解されにくく、長期間にわたって海洋生態系に影響を与え続けます。
特に問題とされるのが、プラスチックが紫外線や波によって細かく砕かれた「マイクロプラスチック」です。この微細な粒子は魚や貝などの海洋生物に取り込まれ、食物連鎖を通じて最終的には人間の食卓にも影響が及ぶ可能性が指摘されています。国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)も、深海を含む広範囲でのマイクロプラスチック分布の調査を進めており、その広がりは想定以上であることが示されています。
2018年時点のデータでは、日本の一人あたりの容器包装プラスチックごみ排出量は、米国に次いで世界で2番目に多い水準(年間約32kg)とされています。国内での使用量の多さも、脱プラスチックの必要性を裏づけています。
参照:グリーンピース・ジャパン(2026年8月時点で確認)
関連記事:海洋プラスチック問題を可視化する「うみごme」とは?分類システムから見る私たちの日常と海の未来
使い捨て文化と廃棄物の増大
UNDPは、使い捨てプラスチック製品の多くがほんの数分から数時間しか使われない一方で、自然環境の中で分解されるまでに数百年単位の時間がかかることを指摘しています。コンビニのビニール袋、使い捨てのコップやストロー、食品トレーなど、一度使ったら捨てるものが大量に製造・流通していることが問題の根本にあります。
こうした使い捨て文化を変えるために、社会全体でプラスチックとの付き合い方を見直す必要性が高まっています。次の章では、日本国内でこの課題にどう向き合っているのか、政策と制度の面から見ていきます。
日本の脱プラスチック政策と最新動向

日本では国を挙げて脱プラスチックへの取り組みが進んでいます。2019年に策定されたプラスチック資源循環戦略を起点に法整備が進み、2026年4月には企業に再生プラスチックの利用を義務づける改正法が全面施行されました。
プラスチック資源循環戦略の方針
環境省を中心に策定されたプラスチック資源循環戦略では、「3R+Renewable」の考え方が基本方針として掲げられています。Reduce(削減)、Reuse(再使用)、Recycle(再資源化)という従来の3Rに加え、再生可能資源への切り替え(Renewable)を加えた四本柱で、資源循環の推進を目指しています。
この戦略は、単にプラスチックを禁止するのではなく、使い方を最適化し、使ったものをしっかり回収して循環させる仕組みをつくることを重視しています。行政・企業・消費者が一体となって取り組む必要があることも明記されており、社会全体での意識変革を促す内容となっています。
参照:環境省(2026年8月時点で確認)
レジ袋有料化とプラスチック新法
2020年7月にスタートしたレジ袋の有料化は、多くの方が実感した脱プラスチックの代表的な施策です。この制度は、消費者がマイバッグを持参する習慣を広めるきっかけとなり、ライフスタイルの変革を促す効果が期待されました。
さらに2022年4月には「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環促進法)」が施行されました。この法律では、プラスチック使用製品の設計から廃棄・再資源化に至る全体の流れを対象に、事業者・自治体・消費者それぞれの役割が定められています。コンビニやファストフード店でのスプーン・フォーク・ストローなどの有料化や代替素材化も、この法律の流れに沿ったものです。
参照:経済産業省(2026年8月時点で確認)、e-Gov法令検索(2026年8月時点で確認)
2026年4月施行、改正資源有効利用促進法と再生プラスチック利用義務化
2026年4月1日、改正資源有効利用促進法が全面施行され、自動車・家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)・容器包装(食品用・医薬品用を除く)を対象に、再生プラスチックの利用が努力目標から義務へと引き上げられました。
対象製品の製造・輸入事業者は、再生プラスチックの利用目標を含む計画を国へ提出する義務を負い、初回計画は2027年6月末までに、2028年度以降は前年度実績の定期報告を毎年行う必要があります。この改正は、これまで任意だった代替素材への切り替えを、対象業種にとって法的な義務へと変える大きな転換点です。
参照:経済産業省 説明資料(2026年8月時点で確認)
関連記事:マスバランス方式とは?計算方法・事例・批判まで初心者向けにわかりやすく解説
関連記事:EU包装・包装廃棄物規則(PPWR)を解説|義務と適用時期
企業による自主的な取り組みの広がり
法規制の整備と並行して、企業の自主的な取り組みも広がっています。大手コーヒーチェーンや飲料メーカーがプラスチックストローを紙製に変更したり、包装材の削減に取り組んだりするケースが増えています。消費者の環境意識の高まりがこうした動きを後押ししており、CSR(企業の社会的責任)の観点からも脱プラスチックへの対応は重要な課題となっています。具体的にどのような企業がどのような成果を上げているかは、後述の「脱プラスチックに取り組む企業事例」で紹介します。
脱プラスチックのメリットとデメリット
脱プラスチックの最大のメリットは環境負荷の低減であり、最大のデメリットは代替素材への切り替えコストと機能面での制約です。どちらか一方だけを見るのではなく、両方を理解したうえで自社・自分に合った取り組み方を選ぶことが重要です。
| 観点 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| 環境 | 海洋プラスチック汚染や焼却時のCO2排出を抑制できる | 代替素材の製造工程で別の環境負荷が生じる場合がある |
| コスト | 長期的には廃棄物処理コストの削減につながり得る | 紙製・バイオマス素材への切り替えは初期コストが割高になりやすい |
| 機能性 | 耐水性や強度に優れた代替素材の開発が進んでいる | プラスチックほどの耐久性・衛生性を確保しにくい用途もある |
| 企業対応 | ブランドイメージの向上や取引先からの評価につながる | 2026年4月施行の改正法により、対象業種には計画提出などの対応義務が生じる |
脱プラスチックのメリット
脱プラスチックに取り組む最大のメリットは、海洋汚染や地球温暖化といった環境負荷を減らせることです。加えて、プラスチックごみの焼却量が減ることで、廃棄物処理にかかる社会的コストの抑制にもつながります。企業にとっては、環境配慮の姿勢を示すことがブランドイメージの向上や、取引先・投資家からの評価につながる場合もあります。
脱プラスチックのデメリット・注意点
一方で、代替素材への切り替えには相応のコストと手間がかかります。紙製やバイオマス素材の容器・製品は、従来のプラスチック製品よりも単価が高くなりやすく、耐水性や強度の面で用途が限られる場合もあります。素材を変えれば必ず環境負荷が下がるとは限らない点も、次の章「脱プラスチックの課題と代替素材の現実」で詳しく解説します。
今日からできる脱プラスチックの具体例

脱プラスチックは、特別な知識や大きな費用がなくても始められます。毎日の生活の中で少しずつ選択を変えることが、積み重なって大きな変化につながります。ここでは、個人が取り入れやすい実践例を紹介します。
マイバッグ・マイボトルを習慣にする
最もシンプルで効果的な取り組みのひとつが、マイバッグとマイボトルの携帯です。買い物のたびにもらうビニール袋や、自動販売機・コンビニで買うペットボトルを繰り返し使えるものに替えるだけで、日常的なプラスチックの消費量を大幅に減らすことができます。
UNDPも、マイバッグ・マイボトル・繰り返し使える容器の活用を、個人ができる脱プラスチックの実践として推奨しています。最近ではデザイン性の高いエコバッグやスタイリッシュなタンブラーも増えており、生活に取り入れやすくなっています。
関連記事:マイボトルおすすめ比較|人気5ブランドの特徴と選び方をわかりやすく解説
代替製品・プラスチックフリーな商品を選ぶ
日常で使うアイテムをプラスチック製から代替素材のものに替えることも有効です。竹製の歯ブラシ、固形シャンプー(シャンプーバー)、詰め替え可能な容器入りの洗剤などは、プラスチックごみを減らす実践的な選択肢です。
食品を選ぶ際も、過剰包装を避けてプラスチック包装の少ないものを意識して選ぶことが大切です。量り売りやばら売りをしているお店を活用したり、持参した容器に入れてもらえる店舗を利用したりすることも、プラスチック削減につながります。
関連記事:竹歯ブラシおすすめ比較|選び方・捨て方・価格の違いを解説
ごみの分別と資源回収への参加
脱プラスチックは「使わない」だけでなく、「使ったものをきちんと循環させる」ことも含みます。プラスチックを正しく分別してリサイクルに出すことは、資源循環を支える大切な行動です。
自治体によっては、プラスチック製品のリサイクル回収を強化しているところも増えています。お住まいの地域のごみ分別ルールを確認し、資源回収に積極的に参加することが、社会全体の脱プラスチックを進める力になります。
企業が取り組むべき脱プラスチック施策

個人の行動変容と並んで、企業の取り組みは脱プラスチックを社会全体で進めるうえで大きな鍵を握っています。プラスチックを大量に使用・販売する立場にある企業には、制度対応にとどまらない積極的な変革が求められています。
包装材の見直しと再生材の導入
製品の包装は、企業が排出するプラスチックの大きな割合を占めます。包装を必要最小限にするデザイン変更や、プラスチックから紙・バイオマス素材・再生プラスチックへの切り替えは、企業ができる直接的な取り組みです。
再生プラスチック(リサイクル素材)を原料として使うことで、新たに石油から製造されるプラスチックの量を減らすことができます。品質や安全性の確保が必要になりますが、技術の進歩によって対応できる製品の種類は着実に広がっています。
リユース容器の採用と回収の仕組みづくり
使い捨て容器から繰り返し使えるリユース容器への切り替えは、より根本的なアプローチです。飲料や食品を扱う企業では、消費者が容器を返却する仕組みを設けることで、容器の再利用サイクルを実現している事例もあります。
回収・再資源化の仕組みを自社で構築するのが難しい場合は、業界全体での連携や自治体との協力によって対応する方法もあります。使い捨てから循環型のビジネスモデルへの転換は、長期的なコスト削減や企業ブランドの向上にもつながります。
脱プラスチックに取り組む企業事例
すでに複数の日本企業が、それぞれ異なるアプローチで脱プラスチックを進め、公式サイトで具体的な数値とともに成果を公表しています。ここでは、公式サイトで確認できた事例を五十音順で3社紹介します。ランキングや優劣を示すものではありません。
| 企業名 | 主な取り組み | 特徴 |
|---|---|---|
| カルビー株式会社 | 包装フィルムへのバイオマスPET採用、ジッパーの廃止 | 使用済みプラスチックの再資源化技術開発企業への資本参加 |
| 日本コカ・コーラ | 100%リサイクルPETを使用したラベルレスボトル | 2030年までに全PETボトルを100%サステナブル素材化する目標を公表 |
| 株式会社すかいらーくホールディングス | プラスチック製ストローの全廃、カトラリーの木製化 | 2030年までに石油由来の使い捨てプラスチックを50%削減する目標を公表 |
カルビー株式会社
スナック菓子を中心に製造・販売する食品メーカーです。2023年度から「かっぱえびせん」の一部商品でパッケージフィルムにバイオマスPETを採用し、2024年には小型スタンドパック製品のジッパーを廃止して石油由来プラスチックの使用量を年間約40トン削減しました。2021年2月には使用済みプラスチックの再資源化技術を開発する株式会社アールプラスジャパンへ資本参加しており、素材転換と再資源化の両面から取り組んでいる点が特徴です。
参照:カルビー株式会社(2026年8月時点で確認)
日本コカ・コーラ
清涼飲料水を製造・販売する飲料メーカーです。2022年4月25日より、100%リサイクルPET素材を使用したラベルレスボトル「コカ・コーラ」「コカ・コーラ ゼロシュガー」をオンライン限定で発売しました。2018年1月発表の「2030年ビジョン」に基づき、2030年までに全PETボトルを100%サステナブル素材へ切り替える目標を掲げており、2022年2月時点で国内販売PET製品の90%超がすでにサステナブル素材を使用しています。
参照:日本コカ・コーラ(2026年8月時点で確認)
株式会社すかいらーくホールディングス
ガスト、バーミヤン、ジョナサンなど多数の外食チェーンを展開する企業です。2018年12月からトウモロコシ由来の生分解性ストローを導入し、2019年7月までにグループ全店でプラスチック製ストローを廃止しました。2022年1月にはFSC認証紙ストローへ、カトラリーも木製へと切り替えを進めています。2030年までに石油由来の使い捨てプラスチックを50%削減し、2050年までにゼロにする目標を公式に掲げています。
参照:すかいらーくホールディングス(2026年8月時点で確認)
脱プラスチックを支援する企業・サービス一覧(法人向け)
脱プラスチックに取り組みたい企業向けに、素材の代替や容器の見直しを支援するサービスがあります。ここでは、公式サイトで事業内容を確認できた5社を、会社名の読み仮名の五十音順で紹介します。掲載順は評価やおすすめ度を示すものではなく、2026年8月時点でいずれも広告契約のない編集紹介です。
| 企業名 | 主な支援領域 | 特徴 |
|---|---|---|
| 株式会社Kasuga | 紙ストロー・紙製代替品の国内製造 | 小ロットからの名入れ個包装に対応 |
| KPPグループ「SHIFT ON」 | バイオプラスチック・環境対応樹脂の調達コーディネート | 紙総合商社として素材選定から量産まで伴走 |
| 竹本容器株式会社 | 詰め替え・付け替え容器の設計製造 | バイオマスプラスチックと再生樹脂の両方に対応 |
| TOPPAN(TOPPANパッケージング) | プラ容器のフィルム包装への転換設計 | 高耐性包材による容器形状自体の見直しを提案 |
| 日本製紙グループ | 紙ストロー「シルフィール」の製造販売 | 国内工場生産で耐久性と口当たりを両立 |
株式会社Kasuga
トイレットペーパーや紙ストローなど紙製品を製造するメーカーです。自社生産の国産紙ストローを展開し、耐水性と耐久性を確保しながら「紙の味・臭い」を抑える製法を確立しています。名入れ個包装に小ロットから対応できる点が、他の紙ストローメーカーと比べた特徴です。
参照:株式会社Kasuga(2026年8月時点で確認)
KPPグループ「SHIFT ON」
紙・環境対応樹脂を扱う総合商社KPPグループのブランドです。バイオプラスチックの種類選定から試作、量産化までを一貫してサポートしており、素材メーカーに縛られない中立的な立場で企業ごとの用途に合う代替素材を提案できる点が特徴です。
参照:SHIFT ON(KPPグループ)(2026年8月時点で確認)
竹本容器株式会社
化粧品・スキンケア用の容器を中心に手がける容器メーカーです。サトウキビ由来のバイオマスプラスチックや、市場回収したペットボトルを原料とするリサイクル樹脂を使った詰め替え・付け替え容器を製造しています。1ケースからの小ロット発注に対応できる点が、化粧品ブランドにとって導入しやすい特徴です。
参照:竹本容器株式会社(2026年8月時点で確認)
TOPPAN(TOPPANパッケージング)
大手総合印刷会社であるTOPPANのパッケージング事業です。プラスチック容器そのものをやめるのではなく、高耐性のフィルム包材に置き換えることで容器に使うプラスチック量そのものを減らす提案を行っています。容器から袋状の包装への形状転換という、他の代替素材メーカーとは異なるアプローチが特徴です。
参照:TOPPANパッケージング(2026年8月時点で確認)
日本製紙グループ
製紙業界大手の日本製紙グループです。口当たりの良さをコンセプトにした紙ストロー「シルフィール」を開発し、国内工場で製造・販売しています。映画館や飲食店、水族館など幅広い業種での導入実績を公式サイトで公開している点が、導入検討の判断材料になります。
参照:日本製紙グループ(2026年8月時点で確認)
脱プラスチックの課題と代替素材の現実

脱プラスチックは重要な方向性ですが、課題がないわけではありません。代替素材が必ずしも環境に優しいとは限らない場合もあり、バランスのとれた理解が求められます。ここでは、よく問われる疑問を整理します。
代替素材は本当に環境に良いのか
プラスチックの代替として注目される素材には、紙・バイオマスプラスチック・生分解性プラスチックなどがあります。しかし、これらが無条件に環境負荷が低いとは言い切れません。例えば、紙袋はプラスチック袋に比べて製造時のエネルギーや水の消費量が多い場合があります。
生分解性プラスチックも、適切な処理環境がなければ自然界では分解されにくいケースがあります。大切なのは「素材が何か」よりも、「どのように使い、どのように捨て・循環させるか」という全体の流れを考えることです。素材の特性をよく理解したうえで、適材適所の選択をすることが重要です。
脱プラスチックは「ゼロ」ではなく「最適化」
脱プラスチックの考え方を正確に理解するうえで大切なのは、これが「プラスチックを完全にゼロにすること」を意味しない、という点です。プラスチックは医療機器や安全装備など、代替が難しい場面でも多く使われており、一律に禁止することは現実的ではありません。
公的な政策・国際機関の方針においても、重視されているのは「減らす・繰り返し使う・回収して循環させる」という方向性であり、社会や生活の実態に即した最適化が求められています。使い捨て・過剰包装・不必要なプラスチック使用を減らしつつ、必要な場面では適切に活用し、使ったものはきちんとリサイクルする。この循環の考え方こそが、脱プラスチックの本質です。
よくある質問

脱プラスチックについて、よく寄せられる質問にお答えします。
厳密には異なります。「プラスチックフリー」はプラスチックを一切使わないことを指す場合が多いのに対し、「脱プラスチック」は使い捨てや過剰使用を減らし、再利用・リサイクルで資源を循環させることを含む広い概念です。日本の政策でも、完全排除よりも「最適化と循環」が重視されています。
はい、意味があります。個人の選択の積み重ねが市場の需要を変え、企業の製品開発や政策の形成にも影響を与えます。マイバッグの普及がレジ袋削減につながったように、一人ひとりの行動変容は社会全体の変化を後押しする力を持っています。
これらは有望な選択肢のひとつですが、万能ではありません。生分解性プラスチックは特定の条件下でないと分解が進まない場合があり、海洋中では通常のプラスチックと大差ないこともあります。素材の種類だけで判断せず、どう使いどう処理されるかまで考えることが大切です。
包装材の削減・再生素材の利用・リユース容器の採用・回収の仕組みの有無などが参考になります。また、企業のサステナビリティレポートや環境方針を確認することで、取り組みの具体性や継続性を判断できます。本記事の「脱プラスチックに取り組む企業事例」でも、公式サイトで確認できた実例を紹介しています。
紙製代替品メーカー、バイオプラスチックの調達を仲介する商社、容器そのものを見直す容器メーカーなど、支援企業のタイプはさまざまです。本記事の「脱プラスチックを支援する企業・サービス一覧」で、支援領域ごとに5社を紹介しています。
まとめ

脱プラスチックとは、プラスチックを完全になくすことではなく、使い捨てや過剰使用を減らし、再利用・リサイクルで資源を循環させる考え方です。海洋汚染の深刻化を背景に、日本でも法整備や政策が着実に進み、2026年4月には企業に再生プラスチックの利用計画を義務づける改正資源有効利用促進法が全面施行されました。個人はマイバッグ・マイボトルの活用から始められ、企業は包装見直しやリユース容器の導入、そして今回紹介したような支援企業の活用によって取り組みを進められます。大切なのは、素材の最適化と資源循環の視点を持ち続けることです。
この記事のまとめ
- 脱プラスチックとは、プラスチックを削減・再利用・リサイクルし資源循環を進める取り組みのこと
- 海洋プラスチック汚染とマイクロプラスチック問題が、脱プラスチックの主な背景にある
- 日本では「3R+Renewable」を基本とするプラスチック資源循環戦略が策定されている
- 2026年4月施行の改正資源有効利用促進法により、対象企業に再生プラスチックの利用計画提出が義務化された
- 脱プラスチックには環境負荷低減のメリットと、切替コスト・機能制約のデメリットの両面がある
- 個人はマイバッグ・マイボトル・代替製品の選択・正しい分別などから始められる
- カルビー・日本コカ・コーラ・すかいらーくホールディングスなど、公式サイトで成果を公表する企業事例がある
- 紙製代替品メーカーや容器メーカーなど、企業の脱プラスチックを支援するサービスも複数存在する
- 代替素材にも課題があり、脱プラスチックは「ゼロ化」ではなく「最適化と循環」が本質

