マスバランス方式とは?仕組み・計算例・認証・批判をわかりやすく解説

マスバランス方式は、バイオマスやリサイクル原料と化石由来原料が混ざる製造工程で、投入した原料の量に応じて製品の一部にその特性を割り当てる管理手法です。2026年1月にはマスバランス方式のISO規格(ISO 22095-2:2026)が発行され、物理的な含有量ではなく「割り当て」であることを明示する表示が求められる流れが国際規格でも固まりました。

この記事でわかること

  • マスバランス方式の定義と、セグリゲーション方式などとの違い
  • 割り当て量の計算方法と、具体的な数値例
  • メリットとデメリット、グリーンウォッシュと批判されないための表示ルール
  • ISCC PLUSなど認証制度の違いと、ISO・EUの最新動向
  • 日本生協連・旭化成・兼松・日本鉄鋼連盟の取り組みと、認証取得を支援する会社

マスバランス方式とは?定義と基本の仕組み

マスバランス方式とは:基本的な定義と仕組み

マスバランス方式とは、投入した特定の原料の量に応じて、製品の一部にその特性を割り当てる手法です。

三井化学は、原料から製品までの工程で、バイオマス由来原料やリサイクル原料が石油由来原料と混ざる場合に、その原料の投入量に応じて製品の一部へ特性を割り当てる手法として説明しています。この定義は、環境省など4省が令和3年1月に策定した「バイオプラスチック導入ロードマップ」のものです。

参照:三井化学「マスバランス方式とは?」(2026年9月時点)

混ぜたまま環境価値を割り当てる発想

バイオマス由来の原料3トンと石油由来の原料7トンを混ぜて、10トンのプラスチックを作る場合を考えます。配合率で見るとバイオマス由来成分は30%ですが、マスバランス方式では10トンのうち3トンを「100%バイオマス由来」、残る7トンを「石油由来」として割り当てます。三井化学はこの例で、「入りと出」を量の単位でバランスさせることで正確性を担保する仕組みだと説明しています。

ポイントは、製品の一部を「ある特性を100%持つと見なす」ことであり、製品のどの部分にバイオマスが物理的に入っているかを示すものではない点です。ENEOSも、生物由来原料10トンと石化由来原料90トンを混ぜた場合に、製品全体のうち10トン分を上限として100%バイオマス由来と見なせると説明しています。

参照:ENEOS「マスバランス方式」(2026年9月時点)

セグリゲーション方式など他の管理方式との違い

原料の特性を製品まで引き継ぐ管理方式には、マスバランス方式のほかにもいくつかの型があります。ISO 22095:2020は、Chain of custody(管理の連鎖)のモデルとして次の5つを定義しています。

  1. Identity Preserved(IP)
  2. Segregated(セグリゲーション、分離方式)
  3. Controlled Blending(コントロールブレンディング)
  4. Mass Balance(マスバランス)
  5. Book and Claim(ブックアンドクレーム)

マスバランスにはさらに「移動平均の割合で管理する方式」と「クレジット方式」の2つが含まれます。マスバランス方式は混ざったままの製造を前提にするため、使う側は既存の加工ラインで最終製品を作れます。三井化学のバイオマスナフサ誘導品では、ナフサクラッカー以降の工程が既存品と同一で、物性は従来品と同等とされています。

マスバランスとその類似の手法は化学品に限りません。三井化学は、紙パルプ産業のFSC認証やカカオ豆のフェアトレード認証を、すでに普及している類似の例として挙げています。

参照:環境省「令和7年度プラスチック資源循環におけるマスバランス方式の活用に関する調査・検討業務 報告書」(2026年3月)

関連記事:植物性プラスチックとは?環境に優しい素材の可能性と課題を徹底解説

マスバランス方式の計算方法と割り当ての考え方

マスバランス計算の考え方:数式と具体例

計算の核心は、割り当てられる量が投入した特性原料の量を超えないことです。期間内の投入量と製品量をそろえて管理します。

基本的な計算ロジックと数値例

期間内に投入したバイオマス由来原料の量をMbio、化石由来原料の量をMfossilとすると、総投入量Minは「Min=Mbio+Mfossil」です。100%バイオマス由来として割り当てられる製品量の上限は、投入したMbio以下です。2社が公開している例を、この式に当てはめて整理します。

例バイオマス由来原料石油・化石由来原料製品量配合率で見た比率100%バイオマス由来として割り当てられる上限
三井化学の説明例3トン7トン10トン30%3トン
ENEOSの説明例10トン90トン100トン10%10トン

どちらの例でも、割り当てられる量は投入したバイオマス由来原料の量と一致します。配合率が低くても、割り当てた部分は「100%バイオマス由来」と表示できるため、誤解を招かない表示が重要になります。

割り当ての計算方法にも種類がある

ISCC PLUSでは、マスバランス方式のクレジットの計算方法として、自由な割当(Free Attribution)、燃料除外(Fuel-Use Excluded Attribution)、比例配分(Proportional Attribution)、Trace-the-Atomのいずれかが用意されています。同じマスバランス方式でも、どの計算方法を採るかで割り当てられる量の決まり方が変わります。購入する側は、認証書や取引先の説明で、どの方法が使われているかを確認しておくと安心です。

マスバランス方式のメリットとデメリット

最大のメリットは既存設備のまま転換できることで、課題は認証負担と表示の分かりにくさです。

メリット:既存設備のまま持続可能な原料へ転換できる

三井化学は、マスバランス方式で作るバイオマスプラスチックの利点として、次の点を挙げています。

メリット内容
既存プロセスを使えるナフサクラッカー以降の工程は既存品と同じで、物性は従来品と同等。使う側も既存の加工ラインで製造でき、設備投資や品質評価作業が必要ないとしている
廃棄物にも適用できる植物などの再生可能資源だけでなく、プラごみ由来の炭化水素の投入も将来的に期待されている
増産に対応しやすい需要に応じてバイオマス由来原料の投入量を調整できるため、設備投資による増強なしで増産できるとしている

ENEOSも、従来の設備と加工条件を維持したまま使える点を利点に挙げています。複雑なサプライチェーンを持つ化学分野で広がった背景には、こうした導入のしやすさがあります。

デメリット:認証・表示・原料調達に課題が残る

環境省の令和7年度調査は、マスバランス方式を用いたプラスチックの普及に向けた課題を5つの分野に整理しています。

分野報告書が挙げる主な課題
認証・トレーサビリティ廃プラスチック原料の認証取得・監査の手間、認証費用が高く時間と工数がかかること、コンバーターの認証取得事業者が少ないこと、認証機関の人手不足
表示・ラベル概念が難解で消費者に理解されにくいこと、割当率や環境への貢献の表示方法が定まっていないこと、持続可能性認証の名称とラベルの認知度が低いこと
政策・規制マスバランス方式を用いたプラスチックの政策的な位置づけが不明であること、欧州にルールメイキングを先行されていること
経済性バイオナフサやケミカルリサイクル由来原料の不足、環境配慮製品は高価なため廉価な製品が選ばれる可能性
その他LCAへのマスバランス方式の適用方法が不明であること、活用が対外的な評価につながらないこと

対応の方向として、海外認証との接続性を確保した簡便な国内向け認証の整備や、マスバランス方式の表示に関するガイドラインの策定などが案として示されています。デメリットの多くは、方式そのものの欠陥ではなく、認証と表示の仕組みがまだ整備途上であることに由来します。

マスバランス方式の認証:ISCC PLUSなど主な制度の違い

主な認証はISCC PLUS、RSB、REDcert2の3つで、日本ではエコマークも認めています。

3つの認証制度の比較

環境省の令和7年度調査は、3制度の取得件数と要求事項を次のように整理しています。ISCC PLUSの取得件数は6,349件(2026年3月時点)で、3制度の中で最も多くなっています。

制度(スキームオーナー)取得件数(2026年3月時点)対象の特性GHG排出削減の要件バイオマス配合率などの要件
ISCC PLUS(ISCC System)6,349件バイオマス、バイオ廃棄物・残渣、化石資源由来廃棄物、再生可能エネルギー任意なし
RSB Global Advanced Products(Roundtable on Sustainable Biomaterials)31件バイオマス由来炭素、リサイクル由来炭素、化石資源の削減化石資源由来製品比10%以上バイオマス配合率または化石資源使用削減量が25%以上
REDcert2(REDcert)65件バイオマス由来特性、リサイクル由来特性任意報告書の表に記載なし

ISCC Systemはドイツの組織で、2012年からバイオマスや再生材を使った製品の認証であるISCC PLUSを運用しています。認証を取得すると、割り当てが適切に管理されていることを第三者の審査で示せます。

日本ではエコマークもマスバランス方式を認めている

日本のバイオマスプラスチック関連の認証のうち、マスバランス方式を対象にしているのはエコマークだけです。エコマークは2023年2月にバイオマス由来特性を割り当てたプラスチック製容器包装の認定基準を設け、同年7月に初めて商品を認定しました。

時期エコマークの動き
2022年9月「バイオマス由来特性を割り当てたプラスチック」の取扱方針を策定
2023年2月商品類型No.140の認定基準に、分類Kとして容器包装の基準を制定
2023年7月基準で初めて商品が認定される
2025年4月ケミカルリサイクルプロセスの認定基準(商品類型No.513)を制定
2026年1月2つの商品類型でマスバランス方式の活用を認めている

マスバランス方式の製品はどう表示すべきか

表示では、実際に含まれる量ではなく「割り当てた量」であることを示します。環境省は3つの要素を満たすことを求めています。

環境省が示す3つの要素

環境省は令和6年9月、バイオプラスチックや再生プラスチックをマスバランス方式で用いる場合は、実際の利用と比べて環境価値が一見して分かりにくい特性があるため、次の3要素を満たすことが必要だと整理しました。

  1. 環境効果の把握:バイオプラスチックや再生プラスチックを利用する環境負荷低減の効果を、LCA等の専門家とも相談しながら適切に把握する
  2. 環境価値の適正な管理:サプライチェーン上のインプットとアウトプットを、必要に応じてサードパーティの評価・認証も活用して管理する
  3. 適切な表示・コミュニケーション:ユーザーや消費者が環境価値を正しく理解できるよう、製品特性に応じた表示を行う

マスバランス方式の採用は、環境効果の把握から始まります。認証を取ることだけでは足りず、表示まで含めた3つの要素を満たすことが必要とされています。

参照:環境省「プラスチック資源循環におけるマスバランス方式の活用に関する基本的な考え方の公表について」(2024年9月26日公表)

ISO 22095-2:2026が求める表示

2026年1月に発行されたISO 22095-2:2026は、マスバランス方式の要求事項に、コミュニケーションの要件を含めています。マスバランス方式の主張では、特性の帰属を明確に開示し、物理的な含有量に関する主張をしてはならないとされています。

場面求められること
企業間の取引マスバランス方式が使われたことと、割り当てた特性を明確に開示する
企業から消費者への表示マスバランス方式が使われ、クレジットまたは特性が割り当てられていることを明確に表示する
企業から消費者への表示最終製品で特定の特性を保証できないこと(製品自体にその原料が入っているとは限らないこと)を伝える
企業から消費者への表示割り当てた特性の種類の情報を示し、マスバランス方式を使っている製品の部位を明確にする

日本の表示でも、「含有」「配合」など実際の配合量と誤認される語ではなく、「割り当て」であることを示す表現が基本になります。

マスバランス方式への批判とグリーンウォッシュのリスク

マスバランス方式の批判:課題とグリーンウォッシュのリスク

批判の中心は、実際の物質の流れと表示が一致しない点で、誇張と受け取られるおそれがあります。

グリーンウォッシュと批判されやすい理由

先ほどの例のとおり、配合率30%の製品でも、割り当てにより10トンのうち3トンを「100%バイオマス由来」と表示できます。割り当てを知らない消費者が「製品の全部が植物由来」と受け取ると、実態より環境に配慮しているように見え、グリーンウォッシュと批判されるリスクが生じます。

ISO 22095-2:2026が「最終製品で特定の特性を保証できないことを消費者に伝える」ことを求めているのは、この誤解を防ぐためです。環境省が「環境価値が一見して分かりにくい」と整理している点とも重なります。

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信頼性と透明性を担保するための条件

信頼性を担保する条件は、認証、表示、第三者による確認の3点に整理できます。三井化学は、割り当てが正しく行われているかを担保するために、ISCC PLUSなど外部の国際認証機関の監査と認証を取得することが望ましいとしています。

認証の取得、割り当てであることを示す表示、第三者による評価の活用がそろえば、批判に対して説明できる状態になります。取引先や購入者は、認証番号や割当方法を確認し、事業者は表示の根拠を説明できるようにしておくことが基本です。

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マスバランス方式をめぐる最新動向

ISO規格の発行とEUのルール整備が進み、国内では表示の指針づくりが課題に挙がっています。

EUの再生材含有率ルールにマスバランス方式が加わる見通し

欧州委員会は2025年7月、使い捨てプラスチック指令における飲料ボトルの再生材含有率の算定方法に、ケミカルリサイクル材とマスバランス方式を加える改正案を公表しました。2026年2月6日には、加盟国の代表者で構成される委員会で賛成20、反対1、棄権6で可決されています。

環境省の報告書がまとめた2026年3月時点では、欧州委員会による正式な採択待ちでした。その後の採択状況は、欧州委員会の公表で確認する必要があります。

カーボンニュートラルやLCAとの関係

三井化学は、カーボンニュートラル社会への移行では、個々の製品が実際に100%バイオマス由来であることより、スピード感を持って社会全体のバイオマス度を高めることが重要だと説明しています。一方で、環境省の調査は「LCAへのマスバランス方式の適用方法が不明」であることを課題に挙げ、ISO 14077やLCA日本フォーラムなどの標準化動向を踏まえた評価方法の提示を対応の方向としています。

マスバランス方式の導入事例

マスバランス方式 事例:国内外の企業の取り組み

導入事例として、日本生協連、旭化成、兼松、日本鉄鋼連盟の4組織の取り組みを、各組織が自ら公開した情報から紹介します。

日本生活協同組合連合会:マスバランス方式のバイオマスPPで初のエコマーク

日本生活協同組合連合会(日本生協連)は、「CO・OP 味付のり10切90枚」の包装に、株式会社プライムポリマーが製造販売するマスバランス方式のバイオマスPP「Prasus®」を採用しました。

この包装は「バイオマス由来特性を割り当てたプラスチックを使用したプラスチック製容器包装」として、マスバランス方式による製品では初めてエコマークの認定を取得しました。切り替えは2023年9月から順次行う予定でした。

参照:三井化学ニュースリリース「マスバランス方式によるバイオマスPP「Prasus®」を採用した日本生協連の食品パッケージがマスバランス方式初のエコマーク取得」(2023年7月12日)

旭化成:関係会社とともにISCC PLUS認証を取得

旭化成株式会社、三菱ケミカル旭化成エチレン株式会社、岡山ブタジエン株式会社は、2022年11月15日にISCC PLUS認証の取得を発表しました。

対象は「デルペット™」「デルパウダ™」「タフデン™」「ジエン™」「テナック™」「アサクリン™」のほか、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどです。同社は、今後ISCC PLUS認証製品の取り扱いが可能になるとしています。

参照:旭化成「国際持続可能性カーボン認証「ISCC PLUS認証」取得のお知らせ」(2022年11月15日)

兼松:商社としてバイオ燃料・バイオ原料の取り扱いで認証を取得

兼松株式会社は、東京本社でISCC PLUS認証を取得したと2024年4月10日に発表しました。対象はバイオ燃料とバイオ原料の取り扱いです。

同社は、重要課題である「持続可能なサプライチェーンの構築」と「脱炭素社会に向けた取組み」を推進する目的を挙げています。製造業だけでなく、原料を扱う商社もこの認証の対象になる例です。

参照:兼松「持続可能な製品の国際的な認証制度「ISCC PLUS認証」を取得についてのお知らせ」(2024年4月10日)

日本鉄鋼連盟:GXスチールガイドラインでGXマスバランス方式を規定

一般社団法人日本鉄鋼連盟は、2025年10月にカーボンフットプリント算定ガイドラインなど3つのガイドラインを策定・改定しました。旧「グリーンスチールに関するガイドライン」は「GXスチールガイドライン」に改称されています。

削減証書を用いる「GXマスバランス方式」に加え、排出削減のGX価値をCFPに直接反映する「GXアロケーション方式」が新たに導入されました。GXマスバランス方式は、組織内の削減実績量を任意の製品にマスバランス方式で配賦し、削減証書とともに供給する方法です。GXアロケーション方式は、削減実績量の範囲で製品の排出量を配分し、低CFP製品を提供する方法です。

同連盟は、算定にあたって各種ISO規格に準拠または参照し、第三者の検証を受けることで、削減効果のダブルカウントを防ぐとしています。

参照:日本鉄鋼連盟「GXスチールガイドライン・関連ガイドライン」(2025年10月時点の記載)

関連記事:ELV規則を解説|再生プラの義務時期と日本企業の対応策

マスバランス方式の認証取得を支援する会社

ISCC PLUS認証の審査や取得支援を、各社の公式ページで確認できた4社を掲載します。

掲載は各社の公式ページで内容を確認できた会社に限り、社名の五十音順で並べています。順序は優劣や推奨度を示すものではありません。認証機関の3社と、取得支援を行う1社が含まれるため、役割の違いは末尾の表で比較できます。確認できた会社が5社に満たないため、4社の掲載です。

インターテック・サーティフィケーション株式会社

インターテック・サーティフィケーション株式会社は、ISO審査・認証・検証部門で、ISCC認証の審査と認証を提供しています。

対応する認証はISCC PLUS、ISCC EU、ISCC CORSIAの3つです。公式ページは、事業領域に合わせた最適なプランの提案を特徴に挙げています。

参照:インターテック・ジャパン「ISCC認証とは?」(2026年9月時点)

SGSジャパン株式会社

SGSジャパン株式会社は、バイオマスやリサイクル可能物、およびその製品を認証するISCC PLUS認証のサービスを提供しています。

原材料の供給者からブランドオーナーまで、サプライチェーン全体の認証に対応し、毎年の再認証が必要です。温室効果ガス排出や環境管理と生物多様性などの項目を、任意で追加できる点が公式ページに示されています。

参照:SGS Japan「ISCC PLUS認証」(2026年9月時点)

ビューローベリタスジャパン株式会社

ビューローベリタスジャパン株式会社は、ISCC PLUS、ISCC EU、ISCC CORSIAの認証サービスを提供しています。

ISCC PLUSの対象は、食品、飼料、バイオプラスチック・樹脂、化学品、リサイクル原料・製品、バイオ由来製品・包装材・繊維などです。日本のお客様には、日本人審査員による日本語での審査が可能と公式ページに記載されています。

参照:ビューローベリタスジャパン「ISCC PLUS/EU/CORSIA認証」(2026年9月時点)

ブライトイノベーション

ブライトイノベーションは、ISCC PLUS認証の取得を支援するサービスを提供する会社で、審査そのものではなく取得までの準備と維持管理を支援します。

支援範囲は、認証取得計画の策定、要件整理とギャップ分析、CoC管理体制の構築と申請書類の作成、審査対応と認証後の維持管理です。サーキュラーエコノミー戦略や規制対応と一体で支援する点が特徴と公式ページに示されています。

参照:ブライトイノベーション「ISCC PLUS 認証取得支援」(2026年9月時点)

会社名役割公式ページで確認できた対象公式ページで確認できた特徴
インターテック・サーティフィケーション株式会社審査・認証ISCC PLUS、ISCC EU、ISCC CORSIA事業領域に合わせたプランの提案
SGSジャパン株式会社審査・認証ISCC PLUS温室効果ガス排出などの項目を任意で追加可能
ビューローベリタスジャパン株式会社審査・認証ISCC PLUS、ISCC EU、ISCC CORSIA日本人審査員による日本語審査が可能
ブライトイノベーション取得支援ISCC PLUSCoC管理からの一貫支援、サーキュラーエコノミー戦略との統合支援

よくある質問

よくある質問

検索でよく調べられている疑問に、公的機関と各社の公式情報をもとに答えます。認証や表示の疑問も扱います。

Q
マスバランス方式はなぜ批判されるのですか
A

実際に製品に含まれる量と、割り当てた量が一致しないため、表示によっては誤解を招くことが批判の中心です。ISO 22095-2:2026は物理的な含有量に関する主張を禁じ、最終製品で特定の特性を保証できないことの表示を求めています。

Q
マスバランス方式のデメリットは何ですか
A

認証の費用と手間、表示方法が定まっていないこと、バイオナフサなど原料の不足が主なデメリットです。環境省の令和7年度調査は、認証・表示・政策・経済性・LCAへの適用の5分野で課題を整理しています。

Q
ISCC PLUSとはどのような認証ですか
A

ISCC PLUSは、ドイツのISCC Systemが2012年から運用する、バイオマスや再生材を使った製品の認証です。環境省の調査では、2026年3月時点の取得件数は6,349件で、マスバランス方式を認める主な3制度のうち最多でした。

Q
マスバランス方式とアロケーション方式は何が違いますか
A

鉄鋼のGXスチールでは、削減実績量を任意の製品に配賦して削減証書とともに供給するのがGXマスバランス方式、削減実績量の範囲で製品の排出量を配分して低CFP製品を提供するのがGXアロケーション方式です。日本鉄鋼連盟は2025年10月に、この2つを「GXスチールガイドライン」に位置づけました。

Q
マスバランス方式は鉄鋼でも使われていますか
A

はい、鉄鋼でもGXマスバランス方式として使われています。日本鉄鋼連盟のガイドラインは、組織内の削減実績量を任意の製品に配賦する方法を規定しています。化学品以外では、紙パルプ産業のFSC認証やカカオ豆のフェアトレード認証も類似の手法として三井化学が挙げています。

まとめ

まとめ

マスバランス方式は、投入した原料の量に応じて製品の一部に環境価値を割り当てる手法です。認証と表示の整備が課題です。

この記事のまとめ

  • マスバランス方式は、投入したバイオマスやリサイクル原料の量を上限に、製品の一部へ特性を割り当てる手法です。
  • 三井化学の例では、バイオマス3トンと石油由来7トンから作った10トンのうち、3トンを100%バイオマス由来として割り当てます。
  • ISCC PLUS、RSB Global Advanced Products、REDcert2が主な認証で、ISCC PLUSの取得件数は6,349件(2026年3月時点)です。
  • ISO 22095-2:2026と環境省の3要素により、物理的な含有量ではなく割り当てであることを示す表示が求められます。
  • 認証の取得を検討する事業者は、審査を行う認証機関と、取得準備を支える支援会社の役割の違いを確認すると進めやすくなります。

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

企業の取り組み・サステナビリティ・社会課題をテーマにした編集チーム。 企業や自治体の情報を編集部が一社ずつ確認し、 独自の基準で比較・整理した情報をお届けしています。