Yahoo!ネット募金は、LINEヤフーが運営するオンライン募金サイトです。PayPay、クレジットカード、Vポイントで、災害支援・子ども支援・動物保護・国際協力などのプロジェクトに寄付できます。
この記事では、Yahoo!ネット募金の仕組み、決済手数料の考え方、領収書と寄付金控除の条件を、運営会社と掲載団体の公式情報だけで整理します。あわせて、実際に掲載されている団体の事例、同じ分野で寄付を集める5つのサービス、そしてYahoo!ネット募金が社会に与える良い影響まで解説します。
この記事でわかること
- Yahoo!ネット募金の運営会社・累計実績・審査の仕組み
- PayPay・クレジットカード・Vポイントで寄付するときの最低額と手数料の扱い
- 領収書が出るプロジェクトと寄付金控除を使うときの条件
- ジャパンハートなど4団体の掲載プロジェクトの中身
- 楽天クラッチ募金・READYFORなど同分野5サービスの違い
- 国内の寄付市場と比べたYahoo!ネット募金の規模と、社会への効果
Yahoo!ネット募金とは?運営会社と寄付先の仕組み
Yahoo!ネット募金は、LINEヤフー株式会社が社会貢献事業として運営する寄付型クラウドファンディングです。寄付者は関心のある団体のプロジェクトを選び、PayPay・クレジットカード・Vポイントで寄付します。
サービスは2004年11月の新潟県中越地震をきっかけに生まれました。団体側は商品などのリターンを用意する必要がなく、集まった資金を本来の活動に使えるのが特徴です。Yahoo!ネット募金の管理費・運営費・人件費は、寄付から引かれないと運営会社は説明しています。
参照:LINEヤフー「Yahoo!ネット募金について」(2026年10月1日確認)
Yahoo!ネット募金の累計寄付額と寄付件数
LINEヤフーは、2004年11月から2025年10月までの実績として、累計寄付額を約120億円、累計寄付件数を約1,500万件と公表しています。Yahoo!ネット募金のトップページには、2026年10月1日時点で累計寄付額が12,987,679,622円(概算)と表示されていました。
2025年度(2025年4月から2026年3月)の募金実績は約4億円です。災害時に寄付が集中する年とそうでない年で、年間の額は大きく変わります。
参照:Yahoo!ネット募金トップページ(2026年10月1日確認)
掲載団体は約480団体で、プロジェクトごとに審査される
LINEヤフーは2025年8月5日のプレスリリースで、事前審査を通った約480団体を登録先としていると説明しています。Yahoo!ネット募金では、すべてのプロジェクトを審査したうえで掲載し、掲載後も活動内容や継続性を定期的に確認するとしています。
一方で、プロジェクトページに書かれた概要や使いみちの内容は、各プロジェクトオーナーが責任を負います。LINEヤフーは内容の正確性を保証しない旨を免責事項に明記しているため、寄付する前に団体の公式サイトも確認すると安心です。
参照:LINEヤフー「Yahoo!ネット募金、PayPayポイント・PayPayクレジットでの寄付に対応」(2025年8月5日)、Yahoo!ネット募金「免責事項」(2026年10月1日確認)
関連記事:寄付型クラウドファンディングとは|仕組み・税金・主要5社を解説
Yahoo!ネット募金の寄付方法と手数料の考え方
Yahoo!ネット募金では、PayPayは1円から、クレジットカードは100円から、Vポイントは1ポイントから寄付できます。寄付するにはYahoo! JAPAN IDの取得(無料)が必要です。
寄付に使える3つの支払い手段と最低額
支払い手段ごとの条件は、運営会社の公式ページで次のように示されています。PayPayで寄付するときは本人確認(eKYC)が必要で、PayPayマネーライト、期間限定のPayPayポイント、PayPay商品券は使えません。
| 支払い手段 | 最低額 | 主な条件 |
|---|---|---|
| PayPay | 1円 | PayPayマネーが対象。本人確認(eKYC)が必要 |
| クレジットカード | 100円 | 継続寄付(毎月自動)はクレジットカードのみ |
| Vポイント | 1ポイント | 決済手数料は発生しない |
決済手数料を除き、管理費や人件費は引かれない
LINEヤフーは、寄付から運営費や人件費をいただかず、決済事業者へ支払う手数料等を除いて無償で提供していると説明しています。Vポイントでの寄付には決済手数料が発生しません。
クレジットカード決済の手数料率は、本記事で確認した公式ページには記載がありませんでした。料率が気になる場合は、寄付前にYahoo!ネット募金のヘルプページとプロジェクトページで確認してください。
継続寄付とキャンセルの扱い
毎月自動で寄付する継続寄付は、月100円から始められ、停止や金額変更もできます。決済が完了した寄付のキャンセルと返金はできませんが、継続寄付の翌月以降の未決済分は、継続寄付一覧から止められます。
Yahoo!ネット募金の領収書と寄付金控除の条件
領収書が出るのは「領収書あり」と表示されたプロジェクトで、クレジットカードで3,000円以上寄付し、領収書を希望した場合です。寄付金控除の対象かどうかは、寄付先の団体が税制優遇の対象かで決まります。
「領収書あり」の見方と発行までの流れ
Yahoo!ネット募金には、領収書を発行できるプロジェクトとできないプロジェクトがあります。プロジェクト詳細ページの「領収書発行について」と、ページに表示されるアイコンで見分けます。寄付の手続きが終わった後に、領収書の発行や再発行はできないプロジェクトがあるため、寄付する時点で希望のチェックを入れておく必要があります。
寄付金控除を受けるときの注意
Yahoo!ネット募金に登録している一部の団体への寄付は、確定申告をすると寄付金控除の対象になります。控除を受けられるのは、認定NPO法人など税制優遇の対象団体に寄付した場合です。次の章で紹介する日本財団のプロジェクトは「領収書なし」と表示されており、プロジェクトごとに扱いが異なります。
関連記事:クラウドファンディングの税金|起案者と支援者で異なる申告基準
Yahoo!ネット募金に掲載されている団体の事例

Yahoo!ネット募金に掲載されている4団体のプロジェクトを、各団体が公開しているページの内容に沿って紹介します。成果の数字は、掲載ページに書かれているものだけを記載しています。
ジャパンハート「スマイルスマイルプロジェクト」
ジャパンハートは、2011年11月に東京都の認定を受けた認定NPO法人です。小児がんと向き合う子どもと家族の旅行や外出に、医師や看護師が帯同してサポートするプロジェクトを掲載しています。
旅行前に面談を行い、体調が変わっても対応できる病院を選んでおく点を、同団体は最も重視していると説明しています。寄付は運営費、外出費用・旅費、帯同時の医療機器などに使われます。1回3,000円以上のクレジットカード寄付で領収書を希望できますが、Vポイントでの寄付は領収書の対象外です。
参照:Yahoo!ネット募金「小児がんの子どもと家族の心に深く残る思い出づくりをサポート」(ジャパンハート)(2026年10月1日確認)
京都大学iPS細胞研究所「iPS細胞研究基金」
京都大学iPS細胞研究所は、約30の研究グループがiPS細胞を使った研究に取り組む研究機関です。国からの資金だけでは賄いきれない研究資金と人材確保のために、寄付による「iPS細胞研究基金」を財源にしていると説明しています。
所長のメッセージ(2026年6月12日更新)では、このページを通じた支援がのべ56万人を超え、寄付総額が2億円を超えたと報告されています。継続的な支援を選んだ人は約1,600人です。同ページの「領収書なし」の表示のとおり、このプロジェクトでは領収書は発行されません。
参照:Yahoo!ネット募金「難病やケガで苦しむ人々を救いたい。京都大学iPS細胞研究所に安定した研究環境を!」(2026年10月1日確認)
日本財団「令和8年8月千葉豪雨及び令和8年台風25号被災地支援」
日本財団は、60年以上の歴史を持つ公益財団法人です。千葉豪雨と台風25号の被災地で、家屋保全や看護・福祉の技能を持つNPOやボランティア団体の活動資金を助成する予定だと説明しています。
同財団は、寄付を間接経費なしで全額災害支援に使うとしています。寄付受付は2026年10月31日まで(予定)で、受付開始日は2026年8月14日です。ページには、2026年10月1日時点で寄付総額6,963,570円、寄付人数6,231人と表示されていました。
参照:Yahoo!ネット募金「令和8年8月千葉豪雨及び令和8年台風25号被災地支援(日本財団)」(2026年10月1日確認)
チャイルド・ファンド・ジャパン「パレスチナ・ガザ緊急支援」
チャイルド・ファンド・ジャパンは、東京都の認定を受けた認定NPO法人です。2023年10月18日から、ガザ地区の子どもと家族への水の配給、衛生用品の配布などの緊急人道支援のための寄付を受け付けています。
寄付の一部は、上限20%まで現地に支援を届けるための管理運営費に使われると明記されています。このように、管理費の扱いは団体ごとに異なるため、各プロジェクトの「寄付金の使いみち」を読む習慣が大切です。
参照:Yahoo!ネット募金「パレスチナ・ガザ緊急支援(チャイルド・ファンド・ジャパン)」(2026年10月1日確認)
Yahoo!ネット募金と同じ分野で寄付を集める5つのサービス
インターネット上で寄付や支援を集めるサービスは、Yahoo!ネット募金のほかにも複数あります。ここでは、各社の公式サイトで内容を確認できた5つを、サービス名の五十音順に紹介します。順番は優劣や推奨度を表すものではありません。
次の表は、Yahoo!ネット募金と5つのサービスを、同じ項目で各社の公式ページの記載だけを使ってそろえたものです。公式ページで確認できなかった項目は「公表なし」としています。
| サービス | 運営会社 | 取り組みの対象 | 仕組み | 公表している実績 |
|---|---|---|---|---|
| Yahoo!ネット募金 | LINEヤフー株式会社 | 災害・子ども・動物・国際協力など約480団体のプロジェクト | PayPay・クレジットカード・Vポイントで寄付 | 累計約120億円・約1,500万件(2004年11月〜2025年10月) |
| gooddo | gooddo株式会社 | 社会課題・SDGsの情報発信、遺贈寄付先の探索 | 情報メディア「gooddoマガジン」と「遺贈寄付ガイド」 | 公表なし |
| Syncable | 株式会社STYZ(STYZ Inc.) | 団体への支援、個人が呼びかけるキャンペーン | クレジットカード支援・クラウドファンディング・バースデードネーション | 公表なし |
| チャリボン | 株式会社バリューブックス | NPO・NGO・大学の活動資金 | 古本を送り、買取額が寄付になる | 公表なし |
| 楽天クラッチ募金 | 楽天グループ株式会社 | 災害ごとの個別の募金 | 楽天ポイント・クレジットカード・楽天銀行振込 | 公表なし |
| READYFOR常設寄付 | READYFOR株式会社 | 団体の継続的な資金 | 今回のみ・毎月の2コース、クレジットカード | 累計180万人の支援実績(2021年11月〜2025年11月・同社調べ) |
gooddo
gooddoは、gooddo株式会社が運営する社会貢献のプラットフォームです。社会課題やSDGsの情報メディア「gooddoマガジン」と、遺言で遺産を社会貢献に役立てる「遺贈寄付ガイド」を運営しています。
同社の公式ページによると、遺贈寄付ガイドでは、活動テーマや地域から自分の想いに合う寄付先を探せます。同社は2014年10月1日に設立されています。
参照:gooddo株式会社 公式サイト(2026年10月1日確認)
Syncable
Syncableは、株式会社STYZが運営するファンドレイジングのプラットフォームです。団体の登録、クレジットカードによる支援、クラウドファンディングの機能があり、個人が支援を呼びかけるキャンペーンも作れます。
個人向けの特徴として、誕生日プレゼントの代わりに支援を募る「バースデードネーション」を提供している点が公式ページに示されています。結婚や出産などのお祝いごとでも始められると案内されています。
参照:Syncable 公式サイト(2026年10月1日確認)
チャリボン
チャリボンは、古本の買取事業を行う株式会社バリューブックスが運営する、本の寄付の仕組みです。送られた本の買取額が、NPO・NGO団体や大学の活動資金になります。
同社は、値段がつかず古紙リサイクルに回る本が少なくないことをきっかけに、古本買取の仕組みを生かして本の寄付を活動資金に変えるチャリボンを始めたと説明しています。
参照:チャリボン「about」(2026年10月1日確認)
関連記事:チャリボンの仕組みを解説|古本の送り方・寄付先と社会への効果
楽天クラッチ募金
楽天クラッチ募金は、楽天グループ株式会社が運営するインターネット募金です。個別の災害ごとに募金が設けられ、寄付の受付期間と使いみちが公表されます。
2026年7月2日のプレスリリースでは、令和8年ベネズエラ地震被害支援募金について、楽天ポイントは1ポイントから、クレジットカードは100円から寄付できる、募金は被災者支援のため全額寄付すると説明されています。
参照:楽天グループ「楽天クラッチ募金、令和8年ベネズエラ地震被害支援募金への寄付受付を開始」(2026年7月2日)
関連記事:gooddoを解説|無料支援の仕組みと運営会社・社会への効果
READYFOR常設寄付
READYFOR常設寄付は、READYFOR株式会社が提供する、団体が継続的に資金を集めるためのサービスです。寄付者は「今回のみ」と「毎月」の2コースから選べます。
同社の公式ページでは、団体側の手数料が8%(運営手数料3%と決済手数料5%)で、初期費用と振り込み手数料はかからないと案内されています。この料率は2022年2月時点の同社調べです。
参照:READYFOR「常設寄付」(2026年10月1日確認)
関連記事:楽天クラッチ募金を解説|ポイント寄付の手順・領収書と寄付先
Yahoo!ネット募金が社会に与える良い影響

Yahoo!ネット募金は、少額でも寄付できる入口を広げ、災害時には支援金を早く届け、寄付が団体の活動費に回りやすい環境をつくっています。ここでは、その仕組みを3つの面から整理します。
少額から寄付できる入口が、国内の寄付市場を支える
LINEヤフーは、2025年度(2025年4月から2026年3月)のYahoo!ネット募金の実績を約4億円と公表しています。日本ファンドレイジング協会の『寄付白書2025』によると、2024年の個人寄付総額は2兆261億円で、ふるさと納税1兆2,728億円を除くと7,533億円です。
ふるさと納税を除く7,533億円を分母にすると、約4億円÷7,533億円で約0.05%になります(編集部推計)。年度と暦年の違いがあり、Yahoo!ネット募金の額には法人などの寄付が含まれる可能性もあるため、目安としてご覧ください。
金額の割合は小さい一方、PayPayの1円やVポイントの1ポイントから寄付できることで、普段の買い物で貯めたポイントが、寄付の入口として使われます。寄付をする人の裾野を広げる手段の1つとして機能しています。
参照:LINEヤフー「子どもたちが元気に過ごせるように」(Yahoo!ネット募金の実績)(2026年6月更新)、日本ファンドレイジング協会「調査研究(寄付白書)」(2026年10月1日確認)
災害時に、緊急支援の募金を素早く開設して届ける
Yahoo!ネット募金は、災害が起きると、信頼できる団体と連携して緊急支援の募金プロジェクトを掲載します。LINEヤフーは、2024年の能登半島地震では約21億円の寄付が集まったと、2025年10月末時点の集計結果として公表しています。
寄付者が自分で団体を探して、決済方法を確認する手間が減るため、被災直後に支援の気持ちがあっても動けない人が、手元のPayPayやVポイントですぐに寄付できます。団体側も、自前の決済システムを用意せずに受付を始められます。
寄付が管理費に消えにくく、団体は活動に集中できる
Yahoo!ネット募金は、決済手数料を除いて、管理費・運営費・人件費を寄付から引かないと説明しています。Vポイントでの寄付なら、決済手数料も発生しません。日本財団のプロジェクトでは、間接経費を取らず全額を災害支援に使うとも明記されています。
同協会の調査では、寄付したお金がきちんと使われているか不安に感じる人が74.1%(「どちらかといえばそう思う」を含む)で、透明性へのニーズが強いと報告されています。寄付者の側から見ると、寄付金のうち活動に使われる割合がわかりやすいことは、寄付を続ける動機になります。団体の側から見ると、リターンの用意が不要で、集まった資金を支援活動に集中できる点が、小さな団体にとっても参加しやすい理由です。
寄付を検討するときは、プロジェクトごとの「寄付金の使いみち」と管理費の扱い、領収書の有無を見比べてから決めるのがおすすめです。
よくある質問
Yahoo!ネット募金について、よく聞かれる疑問に答えます。
寄付から運営費や人件費は引かれませんが、決済事業者に支払う手数料等は別です。LINEヤフーは、決済手数料を除いて無償で提供していると説明しており、Vポイントでの寄付には決済手数料が発生しません。
プロジェクトによります。「領収書あり」と表示されたプロジェクトで、クレジットカードで3,000円以上寄付し、領収書を希望した場合に発行されます。手続きの完了後には希望できないため、寄付の時点で選んでください。
一部の団体への寄付は対象です。確定申告をすると寄付金控除を受けられますが、対象になるかどうかは寄付先の団体が税制優遇の対象団体かどうかで決まります。
できます。Vポイントは1ポイントから、PayPayは1円から、クレジットカードは100円から寄付できます。PayPayで寄付するには本人確認(eKYC)が必要です。
決済が完了した寄付のキャンセルと返金はできません。毎月自動で寄付する継続寄付については、翌月以降の未決済分を、継続寄付一覧から停止できます。
まとめ
Yahoo!ネット募金は、少額から社会課題への寄付を始められる入口です。寄付する前に、手数料・領収書・使いみちの3点をプロジェクトごとに確認してください。
- Yahoo!ネット募金は、LINEヤフーが運営し、約480団体のプロジェクトを審査して掲載しています。
- PayPayは1円、クレジットカードは100円、Vポイントは1ポイントから寄付でき、Vポイントには決済手数料がかかりません。
- 領収書は「領収書あり」のプロジェクトで、クレジットカードの3,000円以上の寄付が対象です。
- 掲載内容はプロジェクトオーナーの責任で書かれているため、寄付金の使いみちと管理費の扱いを見比べてください。
- 同じ分野には、gooddo・Syncable・チャリボン・楽天クラッチ募金・READYFORなどがあり、仕組みが異なります。