寄付型クラウドファンディングとは|仕組み・税金・主要5社を解説

寄付型クラウドファンディングは、支援者への金銭的なリターンを伴わず、社会貢献性の高いプロジェクトに資金を届ける資金調達方法です。NPOや自治体、学校法人などの資金調達手段として広がっており、支援者側は一定の条件を満たせば寄付金控除を受けられます。

この記事でわかること

  • 寄付型クラウドファンディングの仕組みと購入型・融資型との違い
  • 起案者・支援者それぞれのメリットとデメリット
  • 寄付金控除を受けられる条件
  • ふるさと納税型クラウドファンディングとの違い
  • 寄付型クラウドファンディングを始めるまでの流れ
  • 寄付型クラウドファンディングを提供する主要サービス

寄付型クラウドファンディングとは?購入型・融資型との違い

寄付ボックスを介して支援金を手渡す様子

寄付型クラウドファンディングとは、支援者への経済的なリターンがなく、社会貢献性の高い活動に資金を届ける仕組みです。

クラウドファンディングには大きく分けて「寄付型」「購入型」「融資型(貸付型)」「投資型」の4種類があり、資金の性質と支援者が受け取るものが異なります。寄付型は災害復興、動物保護、子ども支援、国際協力、地域振興など公益性の高いプロジェクトが中心で、リターンは活動報告や支援者名の掲載といった非経済的なものにとどまります。

起案できる主体もサービスによって異なります。NPOや認定NPO法人、社会福祉法人、学校法人、自治体など公益性の高い団体を対象とするサービスが多い一方、個人や一般企業が起案できるサービスも存在します。購入型が「モノやコトを買う」感覚に近いのに対し、寄付型は募金に近い性質を持つため、起案団体には活動実績の開示や資金使途の説明といった透明性の確保がより強く求められます。

具体的な活用場面としては、災害発生時の緊急支援活動、保護犬・保護猫の医療費や譲渡活動、子ども食堂や学習支援の運営費、途上国での医療・教育支援、地域の伝統行事や文化財の保全などが挙げられます。いずれも単発の商品開発とは異なり、継続的な社会課題解決の活動費として使われる点が購入型プロジェクトとの大きな違いです。

種類リターンの性質主な起案者
寄付型なし(活動報告など非経済的な返礼のみ)NPO、自治体、学校法人など
購入型商品やサービス個人、企業、クリエイター
融資型(貸付型)利息事業者
投資型株式や利益分配スタートアップ企業

起案者にとってのメリット・デメリット

起案者にとっての最大のメリットは、リターンを用意する負担なく資金を集められる点です。一方で、活動報告の継続義務やプラットフォームへの手数料負担といったデメリットもあります。

従来、NPOなどの非営利団体が広く資金を募る手段は、街頭募金や会員からの会費、企業からの助成金に限られていました。寄付型クラウドファンディングの登場により、インターネットを通じて全国、時には海外の支援者にまで活動を発信できるようになった点は、資金調達の選択肢を大きく広げたといえます。

メリットとしては、返礼品の準備が不要なため人手やコストをかけずに資金調達できること、プラットフォームが集客や専門知識を提供してくれること、支援者が寄付金控除を受けられる場合は支援が集まりやすくなることが挙げられます。特にREADYFORのような大手サービスでは、認定ファンドレイザーがページ構成や広報戦略の相談に応じてくれるため、広報担当者がいない小規模なNPOでも取り組みやすくなっています。

デメリットとしては、達成後も活動報告を継続する義務があること、目標金額に届かない場合の資金の扱いがサービスごとに異なること、集めた金額からプラットフォーム利用料が差し引かれることが挙げられます。また、審査を通過する必要があるため、活動実績が乏しい団体や設立間もない団体は掲載を断られる場合があります。プロジェクトが不成立に終わった場合も、準備にかけた時間や広報コストは戻らない点は起案前に理解しておく必要があります。

支援者にとってのメリット・デメリットと寄付金控除の条件

支援者にとっての大きな利点は、共感したプロジェクトを選んで資金の使い道を把握しながら支援できることと、条件を満たせば寄付金控除を受けられることです。街頭募金と異なり、プロジェクトページを通じて活動の背景や資金の使いみちを具体的に把握したうえで支援を決められる点も、支援者側の安心材料になります。一方でデメリットとして、集めた資金が具体的にどう使われたかの報告がプラットフォームや団体によって粒度が異なり、期待していたほど詳細な報告が届かないケースもある点には留意が必要です。

支援先が認定NPO法人や特定公益増進法人などの「特定寄附金」に該当する団体である場合、個人の支援者は所得控除または税額控除のいずれかを選んで寄付金控除を受けられます。所得控除では、その年に支出した寄付金の合計額から2千円を差し引いた金額を総所得金額から控除でき、寄付金の合計額は総所得金額の40%相当額が上限です。認定NPO法人などへの寄付では税額控除も選択でき、寄付金額(2千円を差し引いた額)の40%を所得税額から直接差し引けます。ただし控除できる金額は、その年の所得税額の25%相当額が上限です。控除を受けるには確定申告が必要で、給与所得者であっても年末調整だけでは対応できません。

都道府県や市区町村が個別に指定した団体への寄付では、住民税の税額控除(4〜10%、自治体の指定状況による)も別途受けられる場合があります。なお、寄付先が認定NPO法人などに該当しない任意団体や個人への支援は、寄付金控除の対象外です。支援前に、プロジェクトページや起案団体の公式サイトで対象法人格を確認しておく必要があります。クラウドファンディング全般の税金の考え方は、こちらの記事でも詳しく解説しています。

クラウドファンディングの税金|起案者と支援者で異なる申告基準もあわせて確認すると、寄付型以外の類型との違いが理解しやすくなります。

参照:国税庁「No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」(2026年9月時点)、国税庁「No.1263 認定NPO法人に寄附をしたとき」(2026年9月時点)、内閣府NPOホームページ「個人が認定・特例認定NPO法人に寄附した場合」(2026年9月時点)

寄付先を選ぶ際に確認しておきたい注意点

寄付型クラウドファンディングでは、支援先が実在する団体かどうか、資金が説明どおりに使われているかを事前に確認することが欠かせません。

寄付型は購入型と異なり形のある返礼品がないため、起案団体の活動実績や情報開示の姿勢が支援するかどうかの判断材料になります。確認のポイントとしては、プロジェクトページに団体の所在地・代表者名・法人番号が明記されているか、これまでの活動報告や決算情報が公開されているか、目標金額の内訳が具体的に説明されているかが挙げられます。認定NPO法人や特例認定NPO法人であるかどうかは、内閣府が運営する「NPO法人ポータルサイト」で法人名から検索して確認できます。

支援後は、起案団体から届く活動報告を確認し、募集時に説明されていた使途と実際の使われ方に大きな乖離がないかをチェックする姿勢も重要です。プラットフォーム側の審査を通過していることは一定の目安にはなりますが、審査基準はサービスごとに異なるため、審査通過を実在性や信頼性の保証と同一視しないよう注意が必要です。

団体の法人格が任意団体や個人であっても、活動自体が有意義であるケースは少なくありません。ただし、その場合は寄付金控除の対象外となるため、税制優遇を重視するのか、活動内容への共感を重視するのかを支援者自身が整理したうえで、寄付先を選ぶことが望ましいといえます。

参照:内閣府「NPO法人ポータルサイト」(2026年9月時点)

ふるさと納税型クラウドファンディングとの違いは何か

寄付型クラウドファンディングと、ふるさと納税型クラウドファンディングの違いは、寄付先と税制上の扱いにあります。

寄付型クラウドファンディングはNPOや学校法人などの民間団体・公益団体に直接資金を届ける仕組みで、控除の枠組みは寄付金控除です。一方、ふるさと納税型クラウドファンディングは地方自治体への寄付をふるさと納税の制度を通じて行う仕組みで、実質的な自己負担額が2千円で済むふるさと納税の税制優遇がそのまま適用され、使いみちを具体的なプロジェクト単位で選べる点が特徴です。

両者は所轄も異なります。寄付型クラウドファンディングの控除は国税庁が所管する寄付金控除の制度に基づく一方、ふるさと納税型は総務省が所管するふるさと納税制度の枠組みの中で運用されており、控除上限額の計算方法や返礼品の扱いに関するルールもふるさと納税独自のものが適用されます。「地域の取り組みを応援したい」場合はふるさと納税型、「特定のNPOの活動そのものを支えたい」場合は寄付型が選択肢になります。仕組みと自治体の選び方の詳細は、以下の記事にまとめています。

クラウドファンディングふるさと納税とは?仕組みと自治体の選び方を読むと、寄付先が自治体かどうかで何が変わるかがより具体的にわかります。

寄付型クラウドファンディングを始めるまでの流れ

支援者として参加する場合は、サービスに会員登録したうえでプロジェクトを選び、決済情報を入力するだけで数分で支援が完了します。

  1. 寄付型クラウドファンディングのプラットフォームを選ぶ
  2. 共感できるプロジェクトを探し、団体概要や資金使途の説明を読む
  3. 支援金額を決めて会員登録・決済情報を入力する
  4. 決済方法(クレジットカード、PayPayなど)を選んで支援を確定する
  5. 起案団体からの活動報告を受け取る
  6. 寄付金控除の対象であれば、受領証明書を保管し確定申告を行う

支援自体はプロジェクトページから数分で完了しますが、寄付金控除を受ける場合は受領証明書(寄附金受領証明書)の発行と保管を忘れないようにする必要があります。証明書はプラットフォームまたは起案団体から発行されるのが一般的で、確定申告の際に添付または提示が求められます。

起案者として資金調達する場合は、プラットフォームへの申請・審査を経てプロジェクトページを作成し、目標金額や募集期間を設定して公開します。審査では団体の活動実績や資金使途の妥当性が確認されるため、事業計画や過去の活動報告をまとめておくとスムーズです。個人と法人で申請できるサービスや手続きが異なるため、事前の確認が欠かせません。公開後は、SNSでの発信やメールマガジンでの告知など、プラットフォーム外での広報活動を並行して行うことが目標達成率を左右します。

クラウドファンディングのやり方|個人と法人で異なる7ステップでは、起案者側の手続きをより詳しく解説しています。

寄付型クラウドファンディングを提供する主要サービス

寄付物資を仕分けするボランティアたち

寄付型クラウドファンディングを提供する主なサービスには、Congrant、For Good、GoodMorning(CAMPFIRE)、READYFOR、Yahoo!ネット募金があります。手数料体系、対象となる起案者、伴走支援の有無はサービスごとに異なるため、団体の規模や目的に合わせて選ぶことが重要です。以下ではサービス名のアルファベット順に、それぞれの特徴を紹介します。掲載順に優劣の意図はありません。

サービス名主な対象手数料の目安特徴
CongrantNPO0〜8%(プランにより変動、別途1件5円)自団体専用ページと寄付者管理・領収書発行を一体で提供
For Good個人・NPO・法人掲載手数料0円(早期入金3%、伴走支援プラン7%)目標達成率80%を公表する社会貢献特化型
GoodMorning(CAMPFIRE)社会課題に取り組む個人・団体5%以下All-In方式で未達成でも資金を受け取れる
READYFORNPO、自治体、学校法人など成功時のみ発生(募集額から差引)認定ファンドレイザーが企画から伴走支援
Yahoo!ネット募金登録NPO団体クレジットカード決済時に募金額の5%PayPay・Vポイントなど身近な決済手段に対応

Congrant(コングラント)

Congrantは、NPOの寄付募集に特化した自団体専用ページ型のクラウドファンディングサービスです。他のNPOと同じ検索一覧に並ぶポータル型ではなく、団体ごとに独立したページを持てる点が特徴で、単発・継続・会費・クラウドファンディングの4種類の寄付形式に対応し、寄付者データベースの自動作成や領収書のワンクリック発行まで一体で提供します。手数料は無料プランで8%、月額4,000円以上の有料プランでは3.4%に下がる段階制で、決済は主要クレジットカード5ブランドやApple Pay、Google Payに対応します。集まった資金は原則として翌月20日に団体口座へ振り込まれます。

参照:Congrant公式サイト(2026年9月時点)

For Good(フォーグッド)

For Goodは、個人・NPO・法人が利用できる社会貢献特化型のクラウドファンディングサービスです。掲載手数料が0円で、支援金は寄付金として受け取れます。目標達成率は業界平均の30〜40%に対して80%と公表されており、初めてクラウドファンディングに挑戦する利用者が7割を占めます。プロジェクトの審査から公開までを最短1営業日で進められるスピード感も特徴で、早期入金オプション(3%)や、社会分野の知見を持つキュレーターの伴走支援を受けられる「いっしょプラン」(7%、最低5万円)も用意されています。

参照:For Good公式サイト(2026年9月時点)

GoodMorning(CAMPFIRE)

GoodMorningは、CAMPFIREが2016年に立ち上げた社会課題解決に特化したクラウドファンディングサービスです。返礼品を用意しない寄付型のAll-In方式を採用しており、目標金額に届かなくても集まった資金がそのまま起案者に渡ります。継続的な活動資金を確保しやすいよう月額制のサブスクリプション型支援にも対応しており、手数料は業界最低水準の5%以下、開始からの累計支援プロジェクトは5,000件を超えています。

参照:GoodMorning公式サイト(2026年9月時点)

READYFOR(レディーフォー)

READYFORは、日本で最初期からサービスを提供するクラウドファンディングプラットフォームで、NPOや認定NPO法人、自治体、学校法人などの資金調達を支援しています。累計支援額は500億円を突破しており、医療・福祉、災害復興、動物・環境保護など幅広い分野を扱います。認定ファンドレイザーの資格を持つ専門チームが企画立案からページ制作、実施中の伴走、終了後の報告まで一貫してサポートする点が特徴です。初期費用はかからず、成功時にのみ費用が発生する仕組みのため、資金力に乏しい団体でも挑戦しやすくなっています。目標達成型(All-or-Nothing)・実行確約型(All-In)の両方式に対応しており、プロジェクトの性質に応じて選べます。

参照:READYFOR公式サイト(2026年9月時点)

Yahoo!ネット募金

Yahoo!ネット募金は、LINEヤフーが運営する募金プラットフォームで、災害支援や子ども支援、動物保護など幅広い社会課題に取り組む登録NPO団体への寄付を仲介します。PayPay(1円から)、クレジットカード(100円から)、Vポイント(1ポイントから)など身近な決済手段で少額から寄付できることが特徴で、他のサービスに比べて心理的なハードルの低さがあります。クレジットカード決済の場合、決済手数料等を含む運営費として募金額の5%があらかじめ差し引かれます。毎月一定額を継続的に寄付する仕組みも用意されており、単発の支援だけでなく長期的な団体支援にも活用できます。

参照:Yahoo!ネット募金公式サイト(2026年9月時点)

よくある質問

寄付型クラウドファンディングについて、よく寄せられる質問にまとめて回答します。

Q
寄付型クラウドファンディングを支援すると確定申告は必要ですか?
A

支援するだけで確定申告が必要になるわけではありませんが、寄付金控除を受けるには原則として確定申告が必要です。給与所得者の場合、年末調整だけでは控除は適用されません。

Q
寄付型クラウドファンディングとふるさと納税型クラウドファンディングは何が違いますか?
A

寄付先が異なります。寄付型はNPOなどの民間団体に直接資金を届けるのに対し、ふるさと納税型は地方自治体への寄付をふるさと納税の制度を通じて行い、税制優遇の枠組みも異なります。

Q
寄付型クラウドファンディングの手数料はどのくらいですか?
A

運営元によって異なります。例えばCongrantはプランに応じて0〜8%、GoodMorningは5%以下、For Goodは掲載手数料0円です。詳細は各サービスの公式サイトで確認してください。

Q
個人でも寄付型クラウドファンディングを起案できますか?
A

サービスによって異なります。READYFORやCongrantはNPOや自治体などの団体が中心ですが、For Goodのように個人・NPO・法人のいずれも利用できるサービスもあります。

Q
目標金額に届かなかった場合はどうなりますか?
A

採用する方式によって結果が異なります。All-or-Nothing方式では未達成の場合に資金が支援者へ返金されますが、GoodMorningが採用するAll-In方式では未達成でも資金がそのまま起案者に渡ります。

Q
寄付先の団体が実在するかどうかはどうやって確認すればよいですか?
A

認定NPO法人や特例認定NPO法人であれば、内閣府の「NPO法人ポータルサイト」で法人名から検索して所在地や活動実績を確認できます。プロジェクトページの説明とあわせて確認すると安心です。

まとめ

寄付型クラウドファンディングは、リターンを前提とせず社会貢献性の高いプロジェクトを支える資金調達方法です。起案者はNPOや自治体などの団体が中心となり、支援者は寄付先が認定NPO法人などの特定寄附金に該当する場合に、所得控除または税額控除の形で寄付金控除を受けられます。ふるさと納税型との違いや、寄付先の実在性・情報開示を確認するポイントを押さえたうえで、Congrant、For Good、GoodMorning、READYFOR、Yahoo!ネット募金といった主要サービスの特徴を比較し、自分の目的に合った支援先とサービスを選ぶことが大切です。

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

Webマーケティングを行う編集チーム。 サステナビリティ・社会課題・企業の取り組みをテーマに、 実務経験に基づいた情報発信を行っています。