サステナビリティコンサル7社を比較|料金非公開の理由と選び方

サステナビリティコンサルは、企業のマテリアリティ特定やESG情報開示、統合報告書制作などを専門家が支援するサービスです。国内には対応範囲や強みの異なる会社が複数あり、料金体系を公式サイトで公開している会社はほとんど見当たらないため、自社の課題や規模に合わせて個別に問い合わせて比較することが欠かせません。本記事では、公式サイトで確認できた情報をもとに、サステナビリティコンサルを提供する7社を五十音順で紹介します。

この記事でわかること

  • サステナビリティコンサルとは何か、何を依頼できるか
  • 五十音順で紹介する7社の対応範囲と特徴
  • 会社を選ぶときに確認すべきポイント
  • サステナビリティコンサルとESGコンサルの違い
  • 料金体系が非公開である理由と、見積もり時に確認すべきこと

サステナビリティコンサルとは何か

サステナビリティコンサルの担当者と企業の打ち合わせの様子

サステナビリティコンサルとは、企業のマテリアリティ特定やESG情報開示、統合報告書制作を専門家が支援するサービスです。

具体的な支援内容は会社によって異なりますが、今回確認した7社の公式サイトでは、マテリアリティ(重要課題)の特定、KPIの設定、ESG情報開示に関するコンサルティング、統合報告書やサステナビリティレポートの制作、人権デューデリジェンスの導入支援、サステナブル調達の推進、脱炭素目標の策定支援といった内容が挙げられています。単発の資料制作だけを行う会社もあれば、経営戦略の立案から情報開示、社内浸透までを一貫して支援する会社もあり、依頼できる範囲には幅があります。

依頼する背景としては、開示基準の整備が国内外で進んでいることが挙げられます。今回紹介する会社の公式サイトでも、SSBJ(サステナビリティ基準委員会)による開示基準や、欧州のCSRD(企業サステナビリティ報告指令)といった制度への対応支援がサービス内容として説明されています。こうした制度は改定が続くため、自社の担当者だけで最新動向を追い続けるのは負担が大きく、外部の専門会社に相談する企業が増えている分野です。

サステナビリティ経営そのものの考え方については、サステナビリティ経営とは何かを解説した記事で詳しく取り上げています。

サステナビリティコンサル会社7社の一覧と特徴(五十音順)

サステナビリティコンサルを提供する会社を、五十音順で7社紹介します。おすすめ順や評価順ではありません。

各社の対応範囲や実績社数、料金体系の公開状況は会社ごとに異なります。全社に共通する項目は少ないため、まずは下の一覧表で対応範囲の違いを確認し、気になる会社の詳細を読み進めてください。「不明」と記載した項目は、公式サイトで非対応と明記されているのではなく、確認時点で情報が公開されていなかったことを意味します。

会社名サステナビリティコンサル対応統合報告書制作対応対応範囲の特徴
株式会社IMCブランディング対応対応マテリアリティ特定・ESG情報開示コンサル、発行後のPDCA運用支援
アビームコンサルティング株式会社対応不明経営変革から事業変革・新規事業創出まで一貫支援
株式会社イースクエア対応不明戦略・情報開示・人財育成・海外展開の4領域
KPMGコンサルティング株式会社対応不明分析から報告・保証まで7ステージを一気通貫で対応
株式会社Sinc対応対応統合報告書制作ワンストップ+伴走型サステナビリティ経営支援。企業規模別にサービスを提供
株式会社YUIDEA対応対応経営コンサルと一体で開示ツールを企画制作。年間50社以上の支援実績を公開
Ridgelinez株式会社対応不明戦略・マテリアリティ評価とESGデータ基盤構築を一体で提供

株式会社IMCブランディング

株式会社IMCブランディングは、統合報告書の制作とサステナビリティコンサルティングを一体で手がける会社です。

対応範囲は、統合報告書制作(企画・原稿作成・デザイン・英訳・印刷)に加え、ESGコンサルティングとしてマテリアリティ特定・KPI設定・ESG情報開示コンサルティングを提供しています。実績社数は大手金融機関や大手ITサービス企業の事例が確認できますが、社名や総数は公式サイトで公開されていません。

発行後のステークホルダーフィードバックを踏まえたPDCA運用支援まで含めている点は、単発の制作にとどまらない継続的な改善支援を求める企業の候補になり得ます。

参照:株式会社IMCブランディング公式サイト

アビームコンサルティング株式会社

アビームコンサルティング株式会社は、経営変革から事業変革・新規事業創出までを支援する「サステナビリティ経営」サービスを提供する総合コンサルティングファームです。

対応範囲は、パーパスの明確化、マテリアリティ特定、価値創造ストーリーの構築といった経営変革支援から、事業変革・新規事業創出・事業基盤整備までを一貫して支援するとしています。公式サイトでは日清食品ホールディングスやKDDIの支援事例を公表しています。

経営変革から事業基盤整備までを一気通貫で支援できる体制は、総合コンサルティングファームならではの特徴であり、専業のブティック会社と比較する際の判断材料になり得ます。

参照:アビームコンサルティング公式サイト

株式会社イースクエア

株式会社イースクエアは、サステナビリティ分野に特化した独立系のコンサルティング会社です。

対応範囲は、「戦略・マネジメント」「情報開示」「人財育成・社内浸透」「海外展開・事業開発」の4領域にわたり、ビジョン策定、マテリアリティ特定、アクションプランの策定・運用、人権デューデリジェンス導入支援、サステナブル調達の推進などを行っています。

戦略立案から人財育成・社内浸透まで幅広くカバーしている点は、大手総合ファームとは異なる専業ブティックとしての特徴で、社内への定着まで見据えたい企業の候補になり得ます。

参照:株式会社イースクエア公式サイト

KPMGコンサルティング株式会社

KPMGコンサルティング株式会社は、監査法人グループの一員として、分析から第三者保証までを手がけるサステナビリティコンサルティングを提供しています。

対応範囲は、「分析・戦略策定・変革・導入構築・測定評価・報告・保証」の7ステージにわたり、マテリアリティ分析、ネットゼロ目標の策定支援、ESGリスクマネジメント構築、SSBJ・CSRDなどの開示対応、人権デューデリジェンス構築を行っています。公式サイトでは「サステナビリティ・コンサルティングのグローバルリーダーに選出」と紹介されています。

戦略策定から第三者保証まで7ステージを一気通貫でカバーしている点は、監査法人グループならではの特徴であり、開示情報の保証まで見据える企業にとって比較材料になり得ます。

参照:KPMGコンサルティング公式サイト

株式会社Sinc

株式会社Sincは、統合報告書制作とサステナビリティ経営コンサルティングを組み合わせた「伴走型サステナビリティ経営支援サービス」を提供する会社です。

対応範囲は、統合報告書制作(コンサルティング・企画・デザイン・撮影・取材・原稿執筆・翻訳・校正・印刷・配信までのワンストップ支援)に加え、MVV策定、シナリオ分析、サステナビリティ戦略立案を行っています。

大企業向けと中堅中小企業向けでサービスラインを分けて提供している点は、企業規模に応じてどの会社に相談すべきかを判断する材料になり得ます。

参照:株式会社Sinc公式サイト

株式会社YUIDEA

株式会社YUIDEAは、サステナビリティ経営コンサルティングと情報開示ツールの制作を一体で提供する会社です。

対応範囲は、マテリアリティ特定やESG評価機関対応を含むコンサルティングと一体で、統合報告書・サステナビリティレポート・アニュアルレポート・株主通信・社内浸透ツールの企画制作を行っています。

2000年からCSR分野に携わり、年間50社以上・延べ1,000社以上の支援実績を公式サイトで開示している点は、今回紹介する会社の中でも実績の透明性が高い部分です。

参照:株式会社YUIDEA公式サイト

Ridgelinez株式会社

Ridgelinez株式会社は、戦略立案からESGデータ基盤構築、開示制度対応までを提供するコンサルティング会社です。

対応範囲は、「戦略・マテリアリティ評価(KPI・中期経営計画・ガバナンス)」「ESGデータ基盤・データ収集プロセス構築」「開示制度対応(SSBJ・CSRD)」の3領域でサービスを展開しています。

戦略・マテリアリティ評価とESGデータ基盤構築を一体で提供している点は、開示のデジタル化まで見据えたい企業にとって候補になり得ます。

参照:Ridgelinez公式サイト

統合報告書の制作会社そのものを幅広く比較検討したい場合は、統合報告書制作会社を比較した記事もあわせてご確認ください。

サステナビリティコンサルの選び方のポイント

サステナビリティコンサルは、専門性の範囲、実績の開示状況、継続的な伴走支援の有無を軸に比較すると選びやすくなります。

1つ目は専門性の範囲です。戦略策定から情報開示、第三者保証まで一気通貫で対応する会社もあれば、戦略や人財育成など特定領域に強みを持つ専業会社もあります。自社がどこまでを外部に任せたいかを整理してから比較すると、対応範囲のミスマッチを防げます。2つ目は実績の開示状況です。支援社数や事例を具体的に公開している会社は、依頼前に実績を確認しやすいという利点があります。一方で、社数や事例を非公開としている会社も多く、その場合は個別に問い合わせて確認する必要があります。3つ目は継続的なサポートの有無です。統合報告書やサステナビリティレポートは発行して終わりではなく、翌年度以降の運用や改善が必要になるため、発行後のフィードバック収集や伴走支援まで行っているかを確認しておくと、長期的な関係を前提とした依頼先選びがしやすくなります。4つ目は自社の企業規模との相性です。大企業向けと中堅中小企業向けでサービスラインを分けている会社もあれば、規模を明示していない会社もあるため、自社の規模で相談した場合にどのようなプランになるかを問い合わせ段階で確認しておくと安心です。

自社が何を重視するかによって、判断材料になり得る会社は変わります。以下は今回確認した範囲での整理であり、優劣を示すものではありません。

重視したいこと判断材料になり得る会社根拠
発行後の運用・改善まで任せたい株式会社IMCブランディング発行後のフィードバック収集・PDCA運用支援を公式サイトで明記
経営変革から事業基盤整備まで一貫して頼みたいアビームコンサルティング株式会社総合コンサルティングファームとして経営変革から事業基盤整備まで一貫支援
戦略から人財育成・社内浸透まで幅広く頼みたい株式会社イースクエアサステナビリティ専業として4領域を横断的にカバー
開示情報の第三者保証まで見据えたいKPMGコンサルティング株式会社分析から保証まで7ステージを一気通貫で提供
統合報告書制作と経営コンサルを企業規模に応じて頼みたい株式会社Sinc大企業向け・中堅中小企業向けにサービスラインを分けて提供
支援実績の社数を確認してから依頼したい株式会社YUIDEA年間50社以上・延べ1,000社以上の支援実績を公開
開示のデータ基盤整備まで頼みたいRidgelinez株式会社ESGデータ基盤・データ収集プロセス構築を戦略と一体で提供

サステナビリティコンサルとESGコンサルの違い

ESGの文字を並べた木製ブロック

サステナビリティコンサルは経営戦略や情報開示を幅広く扱い、ESGコンサルは個別課題への対応に重心を置く傾向があります。

両者は明確に切り分けられているわけではなく、会社によって呼び方の使い分けが異なります。今回確認した7社のうち、株式会社IMCブランディング・アビームコンサルティング・イースクエア・KPMGコンサルティング・Ridgelinezの5社は、公式サイトでESGコンサル対応とサステナビリティコンサル対応の両方を確認できました。一方、株式会社Sincと株式会社YUIDEAの2社は、統合報告書制作と一体のサステナビリティコンサルとして紹介しており、ESGコンサルという名称は前面に出していません。名称だけで判断せず、実際にどこまでの支援内容が含まれるかを各社に確認することが重要です。

ESG経営の基本的な考え方については、ESG経営とは何かを解説した記事でも紹介しています。

サステナビリティコンサルに依頼するメリット

自社だけでは把握しきれない開示基準や国際動向を専門家の知見で補い、対応の抜け漏れを防げる点がメリットです。

具体的には、マテリアリティの特定を第三者の視点で行うことで社内の思い込みによる偏りを避けられること、SSBJやCSRDといった開示基準への対応を効率的に進められること、統合報告書やサステナビリティレポートの制作を専門家に任せることで社内リソースの不足を補えること、経営層や投資家への説明材料を体系的に整備できることなどが挙げられます。特に開示制度は改定が続く分野のため、専門会社の知見を継続的に取り入れられる点は、社内だけで対応するよりも負担を軽減しやすい部分です。

また、社内に専任のサステナビリティ担当者がいない、あるいは兼務でしか対応できていない企業にとっては、外部の専門会社に相談すること自体が体制づくりの第一歩になります。今回紹介した7社の中には、戦略策定から情報開示、制作物の仕上げまでを一貫して支援する会社もあれば、特定の領域に強みを持つ専業会社もあるため、自社の体制に応じてどこまでを任せるかを整理してから相談すると、依頼後のミスマッチを防ぎやすくなります。

サステナビリティコンサルの料金の考え方

資料や数値をもとに検討するオフィスのメンバー

サステナビリティコンサルの料金体系は、今回確認した7社とも公式サイトで公開されておらず、個別見積りが一般的です。

これは調査不足ではなく、コンサルティング業界に共通する実務上の慣行です。支援内容が会社ごと・案件ごとに大きく異なるため、一律の料金表を出しにくいことが背景にあると考えられます。「他社の料金相場と比べて高いか安いか」を先に知りたくなるところですが、公開されている数値がない以上、比較すべきは金額ではなく提案内容と根拠になります。以下は各社の料金情報の公開状況をまとめたものです。

会社名料金体系の公開状況契約形態に関する公開情報
株式会社IMCブランディング非公開発行後のPDCA運用支援を含むと公式サイトに記載
アビームコンサルティング株式会社非公開不明
株式会社イースクエア非公開不明
KPMGコンサルティング株式会社非公開不明
株式会社Sinc非公開大企業向け・中堅中小企業向けにサービスラインを分けていると公式サイトに記載
株式会社YUIDEA非公開不明
Ridgelinez株式会社非公開不明

料金が個別見積りとなる場合、価格を左右する要素として、対応範囲の広さ(戦略策定のみか、情報開示や制作物まで含むか)、契約期間(単発のプロジェクトか複数年の伴走支援か)、自社の企業規模や業界特性などが挙げられます。実際に株式会社Sincのように、企業規模によってサービスラインそのものを分けている会社もあり、規模の違いが見積り内容に影響し得ることがうかがえます。見積もりを依頼する際は、こうした前提条件を整理したうえで問い合わせると、複数社の提案を比較しやすくなります。

費用や契約時の確認事項

見積もりの精度を上げるには、対応範囲・契約期間・自社の規模や業界特性を事前に整理して伝えることが重要です。

問い合わせや見積もり依頼の前に整理しておくと役立つ項目は、次のとおりです。

確認項目整理しておく内容
対応範囲戦略策定のみか、開示資料や統合報告書の制作まで含めるか
契約期間単発のプロジェクトか、複数年にわたる伴走支援を想定するか
自社の規模区分大企業向け・中堅中小企業向けでサービスラインを分けている会社もあるため、自社がどちらに該当するか
想定する成果物統合報告書、KPI設定書、開示対応レポートなど、最終的に何を仕上げたいか
対応言語英訳版の制作など、海外向け開示が必要かどうか
実績の確認方法社数や事例が非公開の会社には、個別に類似事例の有無を尋ねる

これらを整理した状態で複数社に問い合わせることで、提案内容や見積りの前提条件をそろえて比較しやすくなります。初回相談の段階で費用が発生するかどうかも会社によって異なるため、あわせて確認しておくと安心です。

よくある質問

サステナビリティコンサルについて、よく寄せられる質問をまとめました。

Q
サステナビリティコンサルの費用はどのくらいですか?
A

費用は公式サイトで公開していない会社がほとんどで、個別見積りが一般的です。具体的な金額は対応範囲や契約期間によって変わるため、複数社に問い合わせて比較することをおすすめします。

Q
どのような企業がサステナビリティコンサルの対象になりますか?
A

大企業だけでなく、中堅・中小企業を対象とする会社もあります。例えば株式会社Sincは大企業向けと中堅中小企業向けにサービスラインを分けて提供しており、企業規模に応じた相談先を選べます。ただし全ての会社が中小企業向けサービスを提供しているわけではないため、事前の確認が必要です。

Q
サステナビリティコンサルとESGコンサルの違いは何ですか?
A

サステナビリティコンサルは経営戦略や情報開示を幅広く扱うのに対し、ESGコンサルは環境・社会・ガバナンスの個別課題への対応に重心を置く傾向があります。ただし会社によって呼び方の使い分けは異なります。

Q
会社を選ぶときの基準を教えてください
A

専門性の範囲、実績の開示状況、継続的な伴走支援の有無を軸に比較すると選びやすくなります。自社がどこまで任せたいか、どのくらいの規模の企業を想定した支援を求めているかを整理したうえで、複数社を比較することが重要です。

Q
初回相談で費用は発生しますか?
A

具体的な費用は各社とも公開しておらず、問い合わせや個別見積りが一般的です。初回相談が無料かどうかも会社によって異なるため、問い合わせ時にあわせて確認することをおすすめします。

まとめ

サステナビリティコンサルは、マテリアリティ特定からESG情報開示、統合報告書制作までを専門家が支援するサービスで、会社によって対応範囲や強みが異なります。今回は株式会社IMCブランディング、アビームコンサルティング株式会社、株式会社イースクエア、KPMGコンサルティング株式会社、株式会社Sinc、株式会社YUIDEA、Ridgelinez株式会社の7社を五十音順で紹介しました。順位や評価としての序列はつけていません。

料金体系はいずれの会社も公式サイトで公開しておらず、個別見積りが一般的です。対応範囲・契約期間・自社の規模や業界特性を整理したうえで複数社に問い合わせ、提案内容を比較することが、自社に合った依頼先を見つける近道になります。

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

Webマーケティング・SEO支援を行う編集チーム。 サステナビリティ・社会課題・企業の取り組みをテーマに、 実務経験に基づいた情報発信を行っています。