ESG投資おすすめ比較|初心者向けの商品と選び方を解説

ESG投資を始めるなら、まずは信託報酬が低いインデックス型の投資信託から取り組むのが、コストを抑えながら環境・社会・ガバナンスに配慮した企業へ分散投資できる現実的な方法です。個別株を自分で選ぶよりも、投資信託やETFを使えば少額から幅広い銘柄に分散でき、初心者でも始めやすくなります。

「ESG投資に興味はあるけれど、どの商品を選べばいいかわからない」という人は多いのではないでしょうか。ESG投資は環境問題や社会課題への配慮を投資判断に組み込む手法として世界的に広がっており、日本でも投資信託やETFなど身近な商品を通じて誰でも始められるようになっています。国内外の年金基金や機関投資家がESGを重視した運用を取り入れてきたこともあり、個人向けの商品ラインアップも年々充実してきました。この記事では、ESG投資のおすすめ商品を比較しながら、選び方や始め方、注意点まで初心者向けにわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • ESG投資の基本的な仕組みとおすすめされる理由
  • ESG投資のメリットとデメリット・注意点
  • 投資信託やETFなど具体的なおすすめ商品の比較
  • 自分に合ったESG投資商品の選び方
  • ESG投資にかかる税金の基本
  • ESG投資を始める具体的な手順

ESG投資とは?おすすめが注目される理由

ESG投資とは、財務情報だけでなく環境・社会・ガバナンスへの取り組みを考慮して投資先を選ぶ手法です。世界的に資金の流入が続いており、日本でも投資信託やETFを通じて個人が手軽に取り組めるようになっています。

環境・社会・ガバナンスを軸にした投資判断

ESGはEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)の頭文字です。企業の財務情報だけでなく非財務情報も評価に加える点が、従来型の投資と異なる特徴です。気候変動対応や人権配慮、取締役会の透明性なども判断材料になり、こうした要素は長期的な企業価値やリスク管理の質を映す指標としても注目されています。株価などの数字だけでは見えにくい、企業の持続的な成長力や社会からの信頼度を測るものさしの一つと考えるとイメージしやすいでしょう。

長期の資産形成に向いている理由

ESG課題に取り組む企業は、規制強化や社会の変化に対する耐性が高いと考えられており、短期的な値動きより長期の企業成長を重視する投資家に向いています。積立投資と組み合わせることで、購入タイミングを分散する効果も期待できます。短期間で大きなリターンを狙う投資というより、10年、20年単位でコツコツ資産を育てていく考え方に近いといえるでしょう。新NISAのつみたて投資枠のように長期の非課税投資を前提とした制度とも相性がよく、老後資金づくりの選択肢の一つとして検討する人も増えています。

ESGという概念がどのように企業のサステナビリティ経営やSDGsの取り組みとつながっているかを知っておくと、投資先選びの判断材料が増えます。

サステナビリティ・SDGs・ESGの関係性について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。

ESG投資が評価する「持続可能な経営」そのものについては、サステナビリティ経営とは?意義・背景・メリット・事例まで徹底解説で詳しく解説しています。

世界的な広がりのきっかけとなった責任投資原則(PRI)

ESG投資が世界的に広がった背景には、2006年に国連が提唱した責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)の存在があります。機関投資家が投資の意思決定プロセスに環境・社会・ガバナンスの視点を組み込むことを求めた原則で、これに署名する年金基金や運用会社が世界的に増えたことが、ESG投資の普及を後押ししてきました。個人向けの投資信託やETFの多くも、こうした機関投資家向けのESG評価の枠組みを土台にして商品設計されています。指数会社や運用会社が独自に定めるESG評価基準は、こうした国際的な流れの延長線上にあると理解しておくと、商品ごとの違いも捉えやすくなります。

ESG投資のメリット・デメリット

ESG投資には資産形成と社会貢献を両立できるメリットがある一方、知っておくべき注意点もあります。商品を選ぶ前に、両方の側面を理解しておきましょう。

ESG投資のメリット

最大のメリットは、長期的な資産形成と社会・環境への貢献を同時に目指せることです。また、投資信託やETFを使えば、個別に企業を分析しなくても分散されたポートフォリオでESGに配慮した投資を実践できます。少額から始められる商品が多く、積立設定をしておけば購入のタイミングに悩まず継続しやすい点も利点です。自分のお金の使い道が、環境保全や社会課題の解決に取り組む企業を応援することにつながっている実感を持てる点も、ESG投資ならではの魅力といえます。値動きだけでなく投資先企業の取り組みにも関心を持つきっかけになり、日々のニュースの見方が変わったという声もよく聞かれます。

ESG投資のデメリット・注意点

一方で、ESGを重視する企業は短期間で大きな値上がりを狙う銘柄ではないため、短期的な利益を目的とした投資には向きません。また、運用会社や指数提供機関によってESGの評価基準が異なり、同じ「ESGファンド」でも構成銘柄や重視するテーマが異なる場合があります。実態が伴わないのに環境配慮を強調する「グリーンウォッシュ」のリスクがある点にも注意が必要で、目論見書や運用報告書で投資対象を確認する習慣をつけておくと安心です。他の投資信託と同様に、基準価額が下落して元本を割り込む可能性がある点も踏まえたうえで、余裕資金の範囲で取り組むことが基本になります。

ESG投資に関するよくある誤解

ESG投資という言葉が広がる一方で、内容が正しく理解されないまま語られることも少なくありません。商品を比較する前に、よくある誤解を整理しておきましょう。

「ESG投資は儲からない」という誤解

ESG投資は社会貢献を目的とした寄付や慈善活動とは異なり、あくまで投資としてのリターンを追求する運用手法です。短期間で大きな利益を狙う投資スタイルとは相性がよくありませんが、長期の資産形成を目的とするなら、一般的なインデックス投資と同様に検討する価値があります。

「ESGファンドならどれも同じ」という誤解

「ESG」と名の付く商品でも、連動する指数や運用方針は商品ごとに大きく異なります。国内株中心のものもあれば米国株中心のものもあり、女性活躍や気候変動など特定のテーマに絞った商品もあります。名称だけで判断せず、目論見書で投資対象と評価基準を確認することが大切です。複数の商品を比較する際は、連動指数の名称や組入上位銘柄など、目論見書や運用会社サイトに記載された共通の項目で見比べると違いがつかみやすくなります。

ESG投資のおすすめ商品を比較

ここでは、個人が実際に購入できる代表的なESG関連の投資信託とETF、さらに個別株で取り組みたい人向けの考え方を、投資対象や信託報酬などのコストで比較します。いずれも大手運用会社が提供する商品や、公的機関が公表している情報にもとづいています。

eMAXIS ジャパンESGセレクト・リーダーズインデックス(三菱UFJアセットマネジメント)

MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数(配当込み)への連動をめざす国内株式のインデックス型投資信託です。業種内でESG評価が相対的に高い企業を組み入れる指数を採用しており、信託報酬は年率0.44%(税込)、100円から1円単位で購入できます。まとまった資金がなくても、国内のESG優良企業にまとめて分散投資できる点が特徴です。分配金を再投資しながら長期でコツコツ積み立てたい人に向いた商品といえます。

参照:eMAXIS ジャパンESGセレクト・リーダーズインデックス(三菱UFJアセットマネジメント)

HSBC ESG米国株式インデックスファンド(HSBCアセットマネジメント)

FTSE USA ESG Low Carbon Select Index(円換算ベース)への連動をめざす米国株式のインデックス型投資信託です。信託報酬は年率0.2465%(税込)と、国内のESGファンドと比べても低コストな水準に設定されており、米国株×ESGを低コストで実践したい人に向いています。こちらも100円から購入でき、米国の主要企業の中からESG評価や低炭素の観点で選ばれた銘柄群に投資できます。日本株だけでなく米国株にも分散を広げたい人が、国内のESGファンドと組み合わせて保有するケースもあります。

参照:HSBC ESG米国株式インデックスファンド(HSBCアセットマネジメント)

NEXT FUNDS ESGシリーズETF(野村アセットマネジメント)

東京証券取引所に上場するESGテーマ別のETF(上場投資信託)で、女性活躍を評価する「NF・日本株女性活躍ETF」(MSCIジャパン女性活躍指数(セレクト)連動)、業種内でESG評価の高い企業を対象とする「NF・日本株セレクトETF」(MSCIジャパンカントリー指数(セレクト)連動)、気候変動対応企業を評価する「NF・日本株気候変動ETF」(MSCIジャパン気候変動指数(セレクト)連動、SBTi認証取得企業などを重視)の3本があります。株価に応じて数千円程度から売買でき、投資信託よりも機動的に売買したい人や、女性活躍・気候変動など特定のテーマを重視したい人に向いています。ETFは証券取引所が開いている時間であればリアルタイムの価格で売買できる点も、投資信託との大きな違いです。

参照:NEXT FUNDS ESG投資ETF(野村アセットマネジメント)

個別株で取り組みたい場合はGPIF採用のESG指数が参考になる

投資信託やETFではなく個別株でESG投資に取り組みたい場合は、公的年金の運用を担うGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が国内株式の運用に採用しているESG指数が参考になります。GPIFはFTSE Blossom Japan IndexやMSCIのESG関連指数など複数のESG指数を採用しており、これらの指数の構成銘柄を確認することで、第三者機関からESG評価が高いとされる企業を把握する手がかりになります。投資判断はあくまで自己責任で行う必要がありますが、銘柄選びの出発点として活用しやすい情報です。個別株は値動きが個別企業の業績に左右されやすいため、投資信託やETF以上に情報収集と分散の意識を持つことが大切です。

ESG投資商品の選び方

数あるESG関連商品の中から自分に合ったものを選ぶには、以下のポイントを押さえておくと判断しやすくなります。

信託報酬などコストで選ぶ

投資信託やETFは保有している間、信託報酬(運用管理費用)が継続的にかかります。長期で積み立てるほどコストの差が最終的なリターンに影響するため、同じような投資対象であれば信託報酬が低い商品を優先するのが基本です。購入時手数料や解約時の信託財産留保額の有無もあわせて確認しておくとよいでしょう。特にインデックス型は商品による差が小さい分、わずかなコストの違いが長期のリターン差につながりやすい点も意識しておきたいところです。

投資対象・連動指数で選ぶ

国内株か米国株か、どのESG指数に連動しているかによって値動きの傾向が変わります。自分がどの地域・テーマの企業を応援したいかを軸に選ぶと、納得感を持って長く続けやすくなります。企業がどのようなESGの取り組みを評価されているのかを知っておくことも、指数選びの参考になります。

企業のESGの取り組み事例を紹介した記事もあわせて読むと、投資先を選ぶ視点が広がります。

純資産総額や運用実績で選ぶ

投資信託を選ぶ際は、信託報酬だけでなく純資産総額が増加傾向にあるかどうかも確認しておきたいポイントです。純資産総額が小さすぎるファンドは、繰上償還(運用の途中終了)のリスクがやや高くなる傾向があるため、運用会社の公式サイトや月次レポートで規模の推移を確認しておくと安心です。あわせて設定からの年数や運用実績の推移も見ておくと、長期で安定的に運用が続けられている商品かどうかを判断しやすくなります。

NISA・iDeCo対応で選ぶ

同じ商品でも、証券会社によってNISAのつみたて投資枠や成長投資枠、iDeCoの対象になっているかどうかが異なります。非課税制度を活用できるかどうかで手取りリターンが変わるため、購入前に取扱い証券会社の公式サイトで対象商品かを確認しておきましょう。

ESG投資にかかる税金の基本

投資信託やETFで得た利益には税金がかかります。商品選びとあわせて、口座の種類による税金の違いも押さえておきましょう。

課税口座(特定口座・一般口座)の場合

特定口座や一般口座で投資信託・ETFを運用して得た売却益や分配金には、合計で20.315%(所得税・復興特別所得税・住民税)の税金がかかります。特定口座(源泉徴収あり)を選んでおけば、証券会社が自動で税金を計算・納税してくれるため、原則として確定申告の手間がかかりません。

NISA口座を使う場合

NISA口座のつみたて投資枠・成長投資枠で購入した場合、運用益や分配金が非課税になります。ただし、NISAで購入できる商品は証券会社ごとに決まっているため、今回紹介したような投資信託・ETFがNISAの対象になっているかどうかは、事前に取扱い証券会社の公式サイトで確認しておく必要があります。

ESG投資でよくある失敗と回避のコツ

ESG投資を始めた後によくある失敗パターンを知っておくと、購入後に「思っていたのと違った」と感じるリスクを減らせます。

商品名やイメージだけで選んでしまう

「ESG」「サステナブル」といった名称の印象だけで商品を選ぶと、実際の投資対象や連動指数が自分のイメージと異なっていたというミスマッチが起こりがちです。購入前に目論見書や運用会社の公式サイトで、投資対象の地域・業種や連動指数の選定基準まで確認しておきましょう。

短期の値下がりで売却してしまう

ESG投資は長期の資産形成を前提とした手法のため、短期的な基準価額の下落だけを見て売却してしまうと、本来期待していた長期的な効果を得にくくなります。積立投資であれば、価格が下がった局面もあわせて時間分散の一部と捉え、あらかじめ決めた投資方針に沿って続けることが大切です。

ESG投資を始める手順

実際にESG投資を始める際は、次のようなステップで進めると迷いにくくなります。

証券口座を開設し目的を整理する

まずは投資信託やETFを取り扱うネット証券などで口座を開設します。あわせて、老後資金づくりなのか、社会貢献を重視したいのかといった目的を整理しておくと、投資信託とETFのどちらが向いているか判断しやすくなります。企業のESG評価に使われる指標を知っておくと、商品選びの理解も深まります。積立投資の設定を行う場合は、毎月の投資額や引き落とし日、ボーナス月の増額設定なども証券会社ごとに異なるため、あわせて確認しておくとスムーズです。

ESG指標の主なKPIについて解説した記事も参考にすると、比較の際に役立ちます。

少額・積立から始める

今回紹介した投資信託はいずれも100円から購入でき、積立設定にも対応しています。最初から大きな金額を投じる必要はなく、まずは無理のない金額で積立を始め、値動きに慣れてから金額を見直していく方法が安心です。

定期的に保有状況を見直す

投資を始めた後は、年に1回程度を目安に運用報告書や月次レポートで投資対象の変化やコストを見直す習慣をつけましょう。指数の入れ替えや運用方針の変更があった場合に、自分の投資目的と合っているかを確認しやすくなります。生活環境やライフプランの変化に合わせて積立額を調整するタイミングとしても、定期的な見直しの機会を活用するとよいでしょう。

よくある質問

ESG投資のおすすめ商品や選び方について、よくある質問をまとめました。

Q
ESG投資とは何ですか?
A

環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)への配慮を投資判断に組み込む手法で、財務情報だけでなく非財務情報も評価対象に加える点が特徴です。長期的な視点で資産形成を目指す人に向いています。

Q
ESG投資はおすすめの投資信託とETF、どちらから始めるべきですか?
A

まとまった金額をコツコツ積み立てたい人は投資信託、少額から市場価格を見ながら機動的に売買したい人はETFが向いています。目的や投資スタイルに応じて選ぶとよいでしょう。

Q
ESG投資の信託報酬はどのくらいが目安ですか?
A

今回紹介したインデックス型の投資信託では年率0.2%台〜0.4%台が目安で、一般的なアクティブファンドより低コストな商品が多い傾向があります。購入前に必ず最新の目論見書で確認しましょう。

Q
ESG投資はNISAやiDeCoで購入できますか?
A

商品によって対象が異なるため、証券会社や運用会社の公式サイトでNISAのつみたて投資枠・成長投資枠やiDeCoの対象になっているかを事前に確認する必要があります。

Q
ESG投資にはどんなデメリットがありますか?
A

短期的な値上がり益を狙いにくいことや、ESG評価の基準が運用会社・指数提供機関によって異なる点、実態が伴わない「グリーンウォッシュ」のリスクがある点に注意が必要です。

Q
少額からESG投資を始めることはできますか?
A

今回紹介した投資信託は100円から購入でき、ETFも数千円程度から売買できるため、少額からでも始めやすくなっています。積立設定を使えば、無理のない金額で継続することも可能です。

まとめ

ESG投資は、環境・社会・ガバナンスへの配慮を投資判断に組み込みながら、長期的な資産形成を目指せる手法です。今回比較したeMAXIS ジャパンESGセレクト・リーダーズインデックスやHSBC ESG米国株式インデックスファンドのようなインデックス型投資信託は、低コストかつ100円から始められるため、初心者がまず検討しやすい選択肢といえます。より機動的に売買したい場合はNEXT FUNDSのESGシリーズETF、個別株で取り組みたい場合はGPIF採用のESG指数の構成銘柄も参考になるでしょう。信託報酬や連動指数、純資産総額、NISA・iDeCoへの対応状況を比較しながら、自分の目的に合ったESG投資商品を選んでみてください。税金の面では、NISA口座を使えば運用益が非課税になるため、対象商品であればまずNISA枠から検討するのも一つの方法です。焦って大きな金額を投じるのではなく、少額の積立から始めて値動きに慣れながら、必要に応じて商品や投資額を見直していく姿勢が、長くESG投資を続けるコツといえるでしょう。

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

Webマーケティング・SEO支援を行う編集チーム。 サステナビリティ・社会課題・企業の取り組みをテーマに、 実務経験に基づいた情報発信を行っています。