Syncableとは?NPO向け寄付サービスの手数料と使い方

Syncable(シンカブル)は、株式会社STYZが運営する、NPOなど非営利団体が寄付や支援金をオンラインで集めるためのサービスです。団体向けには「無料ですべて使える」と案内されている一方、集まった支援金から5〜11%の手数料が差し引かれます。この記事では、Syncableの仕組み、手数料の内訳、団体の事例、同じ分野で活動する4社との違い、そして社会に与える影響を、公式情報と公的な統計で整理します。

この記事でわかること

  • Syncableの運営会社と、支援する人・団体それぞれの使い方
  • 支払い方法と、継続支援・返金のルール
  • 団体が負担する手数料5〜11%の中身と、支援金が届くまでの流れ
  • Syncableを使った4団体の事例と、同じ分野の寄付サービス4社の違い
  • Syncableが社会にもたらす良い影響と、国内の寄付市場との規模比較

Syncableとは?非営利団体の寄付集めを支えるサービス

Syncableは株式会社STYZが運営する、非営利団体が寄付や支援金をオンラインで集めるサービスです。

参照:Syncable公式サイト(2026年11月2日確認)

運営会社STYZと公表している規模

運営する株式会社STYZは、2016年3月に設立された東京都渋谷区の企業です。Syncableはその事業のうち、寄付を集めるドネーションプラットフォームにあたります。同社のプレスリリースでは、STYZはドネーションプラットフォーム事業のほか、インクルーシブデザイン事業なども手がけると説明されています。

Syncableの団体一覧に掲載されている団体は、2026年11月2日の時点で3,557団体です。この数はサイトが団体検索のために公開している集計から確認したものです。社会課題の分類ごとに団体を探せる作りになっています。

参照:株式会社STYZ「寄付プラットフォーム「Syncable」、難民支援特集ページの開設に向けて掲載団体を募集開始」(2026年5月28日)、Syncable「社会課題から探す」(2026年11月2日確認)

支援する人と団体、それぞれの使い方

個人は、気になる団体を探して寄付するか、誕生日などのお祝いの代わりに支援を呼びかける「キャンペーン」を作れます。団体は登録すると、団体の広報ページ、クレジットカードなどの支援フォーム、クラウドファンディング、バースデードネーションを使えます。公式サイトでは、団体登録の案内に「無料ですべて使える」と記載されています。ただし、支援金から差し引かれる手数料の扱いは後述のとおりです。

参照:Syncable「はじめての支援募集フォーム」(2026年11月2日確認)

Syncableで寄付する流れと支払い方法

スマートフォンとクレジットカードを手に持ち、オンラインで支払いをしようとしている人の手元

寄付は、団体やキャンペーンのページで「支援する」を選び、金額と頻度、支払い方法を決めて決済します。

項目公式に案内されている内容
支払い方法クレジットカード(VISA、MASTER、JCB、AMEX、Diners、Discover)、Amazon Pay、Apple Pay、Google Pay、銀行振込
支援の頻度今回のみ、毎月、年会費(年会費は団体が設定した場合のみ)
決済のタイミング銀行振込以外は「支援する」を押した時点。毎月支援は初回が押した時点で、2回目以降は毎月1日
支援者の手数料原則なし。任意でシステム手数料などを上乗せできる機能がある
キャンセル・返金決済済みの支援は原則不可。毎月支援は前月末までにマイページで取り消せる

Syncableの寄付は、原則として決済後のキャンセルや返金ができない仕組みです。毎月支援は、解約しない限り自動的に続きます。解約は、ユーザー登録をしている場合はマイページから行います。登録していない場合は、運営会社が案内する専用画面から行います。

参照:Syncable「特定商取引法に基づく表記」(2026年11月2日確認)

寄付金の控除や領収書はどうなるか

Syncableのサービス案内には、団体向けの機能として領収書や支援者管理が挙げられています。寄付金控除の対象になるかどうかは、支援先の団体の法人格や認定の有無によって変わるため、団体ごとに確認が必要です。申告で控除を受けたい場合は、寄付する前に団体の案内ページか問い合わせ窓口で確かめてください。

Syncableの手数料はいくら?団体が負担する5〜11%の内訳

Syncableの手数料は、団体が受け取る支援金の5〜11%(税込)で、率は団体と運営会社が合意します。

項目内容
団体が支払う手数料支援金額の5〜11%(税込)。決済手段や各種オプションの利用有無により、団体と運営会社の間で別途合意
振込手数料1回の振込につき260円。支援金から差し引かれる
差し引き方法支援金額から、手数料相当額と振込手数料を差し引いて支払われる
団体への支払い時期団体から交付指示があった翌月、または運営会社が支援金を受け取ってから6か月以内
初期費用・月額費用公式の団体向けページに「無料ですべて使える」と記載。具体的な料金表は公開ページでは確認できませんでした

支援者が負担する手数料は原則ありません。クレジットカードなどの決済手数料は、運営会社または支援先の団体が負担すると案内されています。手数料は支援金に対する割合で、集まった支援金から差し引かれます。実際の率は団体ごとの合意内容によるため、登録前に運営会社へ確認することが大切です。

決済手数料の考え方は、サービスによって異なります。たとえば、コングラントは月額プランごとにクレジットカード決済手数料を公表しています。次の「同じ分野のサービス」の節で整理しています。

手数料を比べるときに見るべき点

寄付サービスの費用を比べるときは、料率の数字だけでなく、何が含まれているかを見る必要があります。決済手数料、システム利用料、振込手数料、月額費用のどれが別建てかで、手取りは変わります。Syncableの特定商取引法表記では、5〜11%の範囲に決済手数料が含まれ、振込手数料260円が別に差し引かれると読み取れます。

小さな団体ほど、1件あたりの寄付額が小さく、振込回数も増えます。月額0円で始めたいのか、率が低いプランに月額を払うのかは、年間の見込み寄付額で決まります。

団体がSyncableで寄付を募る方法と向いている団体

団体は、Syncableに登録して、支援フォームやクラウドファンディングなどの形で寄付を募ります。

募集の形は3つ

公式サイトでは、団体が募れる形としてクレジットカード支援などの支援フォーム、クラウドファンディング、バースデードネーションの3つが案内されています。毎月の継続支援や単発の支援を受け付けられる点が、支援フォームの特徴です。団体向けのページには、最短2日で支援募集フォームをつくれるとも記載されています。

バースデードネーションと個人が広める仕組み

バースデードネーションは、誕生日のプレゼントの代わりに支援を募る機能です。団体が一方的にお願いするのではなく、支援者が自分の周囲に呼びかける「P2Pファンドレイジング」の考え方に基づいています。公式のP2Pの紹介ページでは、「支援する」から「ともに支援を集める」への広がりが説明されています。

参照:Syncable「P2Pファンドレイジングを知る」(2026年11月2日確認)

向いている団体と注意点

利用団体は、NPO法人に限らず、任意団体や一般社団法人なども含まれます。特定商取引法表記では、サービスの対象を「任意団体を含む非営利団体」と説明しています。手数料が支援金に対する割合で、法人格を持たない小さな団体でも使えることは、立ち上げ期の団体に合います。一方で、寄付金控除の可否や、支援金が届くまでの期間、手数料率の合意は事前に確認が必要です。

関連記事:寄付型クラウドファンディングとは|仕組み・税金・主要5社を解説

Syncableを使った団体の事例

寄付された衣類や食品の箱を分け、仕分けをするボランティアの人たち

Syncableの公式noteでは、利用団体の寄付募集の振り返りが公開されています。

ここでは、運営会社が自ら公開した4団体を紹介します。

かたわら|児童養護施設の遊び環境を整える

兵庫県西宮市で活動する任意団体で、児童養護施設にレースゲーム機材を持ち込み、子どもたちと遊ぶ活動を続けています。

2台だった機材を4台に増やすため、初めてクラウドファンディングに挑戦しました。実施期間は2026年4月20日から5月31日で、目標30万円に対して、38人から338,963円が集まったと公表されています。

返礼品を用意せず、いただいた支援を子どもたちに届けて結果を報告する形で実施したと、団体自身が振り返っています。

参照:Syncable公式note「「こんなお願いをしていいんだろうか」それでも伝えてみた」(2026年9月30日)

命にやさしいまちづくりハーツ|地域猫のマンスリー募集

愛知県東三河を中心に、野良猫の不妊・去勢手術と地域猫活動を24年間続けている団体です。

2026年7月25日から8月31日にマンスリーファンディングを実施し、目標のサポーター50人に対して、107人が参加し、月額165,271円の継続支援につながったと公表されています。同団体は2025年度の運営費を約2,500万円、赤字を約1,000万円と公表しています。

参照:Syncable公式note「「もう限界」でも、目の前の命を見捨てられない」(2026年9月30日)

こどもサポートステーション・たねとしずく|居場所づくりの3周年

兵庫県西宮市で、こども・若者の居場所づくりに取り組むNPO法人です。

2026年8月1日から9月13日にクラウドファンディングを実施し、ファーストゴール50万円、セカンドゴール80万円を達成して、83人から807,827円が集まったと公表されています。当初は、小さなバースデードネーションで終える予定だったと同団体は振り返っています。

参照:Syncable公式note「小さく終えるつもりだった3周年」(2026年9月30日)

アジアの子どもたちの就学を支援する会|負担を減らした再挑戦

子どもたちが学校に通える環境づくりに取り組むNPO法人で、カンボジアの小学校への教具の提供などを呼びかけました。過去のクラウドファンディングで大きな負担を経験し、今回は目標を30万円にして再挑戦しました。

2026年6月7日から7月12日の実施で、56人から441,486円が集まったと公表されています。達成率は約147%です。

参照:Syncable公式note「「もう二度とやらない」と思ったクラウドファンディング」(2026年8月31日)

Syncableと同じ分野で寄付集めを支える4社の比較

公式サイトで内容を確認できた4社を、五十音順に並べ、Syncableとの違いを整理します。

掲載順は評価や推薦の順位ではありません。

Syncableと4社を、公式サイトに載っている情報だけで同じ項目にそろえた表です。公式に記載がない項目は「公表なし」としています。

サービス取り組みの対象仕組みと料金公表している実績運営
Syncable非営利団体の支援募集と個人のキャンペーン支援フォーム・クラウドファンディング・バースデードネーション。支援金の5〜11%掲載団体3,557(2026年11月2日にサイトの集計から確認)株式会社STYZ
CAMPFIREクラウドファンディング全般(社会的な取り組みの分野も掲載)「誰でも無料でカンタンにはじめられる」と案内公表なし(確認したトップページに数値の記載なし)CAMPFIRE, Inc.
コングラント非営利組織の寄付募集・決済・支援者管理フリーは月額0円でカード決済手数料8%、ライトは月額4,000円+税で3.4%、スタンダードは月額8,000円+税で3.4%3,000以上の非営利組織が利用congrant inc.
Yahoo!ネット募金災害支援、子ども支援、動物保護、医療・福祉などのプロジェクトへの寄付PayPay(1円〜)、クレジットカード(100円〜)、Vポイント(1ポイント〜)これまでの累計寄付額(概算)13,015,058,295円LY Corporation
READYFORクラウドファンディングと常設寄付(毎月・今回のみ)初期費用・掲載料0円。手数料率は確認したページに記載なし「180万人の支援者プラットフォーム」(2021年11月〜2025年11月の実績、同社調べ)READYFOR, Inc.

並べる基準は五十音順です。どのサービスが優れているかを示すものではなく、寄付を集めたい団体や、寄付先を探す人が、自分に合う入口を選ぶための整理です。公式サイトで確認できなかった企業は、一覧に入れていません。

CAMPFIRE

CAMPFIREは、誰でも無料でクラウドファンディングを始められると案内する、CAMPFIRE, Inc.のサービスです。

プロジェクトごとに支援人数、集まった金額、残り日数、達成率が表示され、ソーシャルグッドなどの分野別にも掲載されています。支援者向けに返礼品(リターン)を設定するプロジェクトもあります。

参照:CAMPFIRE公式サイト(2026年11月2日確認)

コングラント

コングラントは、寄付募集、決済、支援者管理、領収書作成までをまとめて扱う、寄付のためのシステムです。

継続・単発の寄付、期間限定のクラウドファンディング、毎月・毎年の自動決済による会費の募集に対応し、決済金は翌月20日までに団体の口座へ振り込まれると案内されています。料金は、月額0円のフリープランから月額8,000円+税のスタンダードプランまでの3段階で、プランごとにカード手数料が異なります。

参照:コングラント公式サイト(2026年11月2日確認)

Yahoo!ネット募金

Yahoo!ネット募金は、LY Corporationが運営する、災害支援、子ども支援、動物保護、医療・福祉など、さまざまな課題に取り組むプロジェクトを選んで寄付できるポータルサイトです。

PayPayは1円から、クレジットカードは100円から、Vポイントは1ポイントから寄付できます。サイトでは、これまでの累計寄付額(概算)が公開されています。

参照:Yahoo!ネット募金(2026年11月2日確認)

関連記事:Yahoo!ネット募金を解説|手数料・領収書と寄付の届き方

READYFOR

READYFORは、プロジェクトを掲載して支援を募るクラウドファンディングのサービスで、READYFOR, Inc.が運営しています。

今回のみの寄付に加えて、継続的な活動を支える常設寄付(毎月の寄付)も用意されています。「初期費用・掲載料0円」と案内されていますが、支援金に対する手数料率は確認したトップページには記載がありません。

参照:READYFOR公式サイト(2026年11月2日確認)

Syncableが社会に与える良い影響

Syncableは、小さな団体の寄付集めの入口を広げ、課題から支援先を探せる点で社会に貢献します。

小さな団体が寄付を集める入口になる

寄付を集めるには、決済、支援者の管理、領収書の発行など、団体が自前で整えるのが難しい機能が必要です。Syncableは、これらを団体が1から作らなくても使える形で提供しています。公式の団体向けページには、最短2日で支援募集フォームをつくれると記載されています。

事例の団体も、初めてのクラウドファンディングや初めてのマンスリー募集で、運営会社の伴走や仕組みを使って挑戦しています。成果は団体の活動と発信の積み重ねによるもので、Syncableがすべてを生んだとは言えませんが、挑戦の最初の壁を下げる役割は読み取れます。

社会課題から団体を探せる

Syncableは、団体を社会課題の分類ごとに探せる作りです。寄付する人は、団体名を知らなくても、関心のある課題から支援先に出会えます。支援の入口が「団体名」から「課題」に広がることは、知名度が低い団体に寄付が届く機会を増やします。

国内の寄付市場の規模と比べる

Syncableは、寄付の総額や支援者数を公表していません。そのため、寄付額の規模は比べられません。公表されている団体数を、国内のNPO法人数と並べると、次のようになります。

Syncableの掲載団体3,557団体を、全国の認証NPO法人49,492法人(2025年3月末)で割ると約7.2%です(3,557÷49,492=約0.072、編集部推計)。ただし、Syncableの掲載団体にはNPO法人以外の任意団体や一般社団法人なども含まれ、数えた時点も異なります。そのため、NPO法人全体のうちSyncableを使っている割合を示す数字ではなく、規模感をつかむ目安として読んでください。

参考として、日本ファンドレイジング協会の「寄付白書2025」によると、2024年の個人寄付総額は2兆261億円で過去最高でした。このうち、ふるさと納税1兆2,728億円を除いた寄付総額は7,533億円です。寄付市場そのものが拡大するなか、個人がオンラインで少額から参加できる入口の一つとして、Syncableのようなサービスが位置づきます。

参照:福井県「NPO法人の動向」(令和7年3月31日現在)、日本ファンドレイジング協会「調査研究(寄付白書)」(2026年11月2日確認)

関連記事:gooddoを解説|無料支援の仕組みと運営会社・社会への効果

よくある質問

Syncableについて、よく検索される疑問に答えます。

Q
Syncableの手数料はいくらですか?
A

団体が受け取る支援金の5〜11%(税込)です。決済手段やオプションの利用有無により、団体と運営会社が個別に合意します。支援金の振込時には、別に260円の振込手数料が差し引かれます。

Q
Syncableの運営会社はどこですか?
A

株式会社STYZです。2016年3月に設立され、本社は東京都渋谷区にあります。特定商取引法に基づく表記で、運営責任者と所在地が公開されています。

Q
寄付する側に手数料はかかりますか?
A

原則かかりません。クレジットカードなどの決済手数料は、運営会社または支援先の団体が負担します。任意でシステム手数料などを上乗せして支援できる機能もあります。

Q
寄付した後にキャンセルや返金はできますか?
A

原則できません。毎月支援は、取り消したい月の前月末までにマイページで手続きすれば取り消せます。

Q
バースデードネーションとは何ですか?
A

誕生日プレゼントの代わりに、支援を呼びかける機能です。結婚、出産、就職などのお祝いごとでも始められると案内されています。

Q
団体の登録は無料ですか?
A

公式の団体向けページでは「無料ですべて使える」と案内されています。ただし、寄付が集まったときには、支援金から5〜11%の手数料が差し引かれます。

まとめ

Syncableは、非営利団体が支援金の5〜11%を手数料として負担し、寄付を集めるサービスです。

  • Syncableは株式会社STYZが運営し、2026年11月2日時点で3,557団体を掲載している
  • 寄付する人の手数料は原則なく、決済後のキャンセルや返金は原則できない
  • 団体は、支援フォーム、クラウドファンディング、バースデードネーションで寄付を募れる
  • 比較するときは、料率だけでなく、振込手数料や月額費用の有無も見る
  • 同じ分野では、CAMPFIRE、コングラント、Yahoo!ネット募金、READYFORなどがある

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

企業の取り組み・サステナビリティ・社会課題をテーマにした編集チーム。 企業や自治体の情報を編集部が一社ずつ確認し、 独自の基準で比較・整理した情報をお届けしています。