ECOMMITとは?PASSTO運営会社の事業内容と回収の流れ

ECOMMITは、鹿児島県薩摩川内市に本社を置き、衣類などの不要品を回収・選別して再流通させる「循環商社」です。不要品回収サービス「PASSTO(パスト)」の運営会社でもあり、企業や自治体と組んで回収の仕組みを広げています。

この記事では、ECOMMITの会社概要と事業の流れ、PASSTOとの関係、許認可と2026年10月に公表された不正アクセスの件、自治体などとの連携、同じ分野で取り組む企業、社会への効果を、公式情報と公的機関の情報から整理します。

この記事でわかること

  • ECOMMITの会社概要と事業内容
  • 回収・選別・再流通の流れ
  • PASSTOとの関係と、企業・自治体向けのサービス
  • 許認可の状況と、2026年10月に公表された不正アクセスの件
  • 浜松市・日本郵便・名古屋市の取り組み
  • 同じ分野の企業との違いと、社会への効果

ECOMMITとは?循環商社の事業内容と会社概要

ECOMMITは、2007年に創業し、リユース・リサイクル事業と循環型社会に向けたインフラ・システム開発を手がける株式会社です。自社を「循環商社」と名乗っています。

ECOMMITの会社概要

ECOMMITの公式サイトによると、創業は2007年8月17日、設立は2008年10月1日です。本社は鹿児島県薩摩川内市にあり、資本金は1億円、従業員数は235名(2025年10月1日現在、契約社員・パートを含む)です。年間取扱実績重量は14,500t(2025年4月〜2026年3月実績)と公表されています。

項目内容
社名株式会社ECOMMIT
創業2007年8月17日(2008年10月1日設立)
本社所在地鹿児島県薩摩川内市
資本金1億円
従業員数235名(2025年10月1日現在、契約社員・パート含む)
年間取扱実績重量14,500t(2025年4月〜2026年3月実績)
事業内容循環型社会に向けたインフラ・システム開発及びリユース・リサイクル事業

参照:ECOMMIT公式サイト(2026年11月確認)

ECOMMITが掲げる考え方と拠点

公式サイトは「すべての必要とすべての不要をつなげる。捨てない社会をかなえる。」を掲げています。拠点は、東京サーキュラーセンター(東京都西多摩郡瑞穂町)、北関東事業所(群馬県)、中部サーキュラーセンター(愛知県小牧市)、広島倉庫、福岡事業所(福岡県八女市)、エコベース鹿児島など、全国に選別・保管の事業所を持つ体制です。

拠点を自社で持つ理由について、ECOMMITは、誰が・いつ・何を求めているかというニーズを現場の選別で積み上げるためだと説明しています。

関連記事:PASSTOを解説|回収できるもの・投函の流れと回収後の行き先

ECOMMITの回収・選別・再流通の仕組み

寄付された衣類を箱に仕分けるスタッフの様子

ECOMMITは、不要品の回収、選別、再流通の3工程を一括で担うことで、使えるものを捨てずに次の利用につなげる事業モデルです。

回収:自社物流と許認可でまとめて引き取る

ECOMMITは、国内の拠点と自社物流、許認可を持つことで、あらゆる不用品・廃棄物の回収を自社でまとめて行えると説明しています。衣類の回収量は国内廃棄量の約2%にあたる11,000tとも公表していますが、この数値の集計期間は公式サイトに明記されていません。

参照:ECOMMIT「許認可一覧・保有車両」(2025年12月版)

選別:衣類だけで52種、全体で123品目に分ける

選別は、目利きのできるスタッフが行うとされています。公式サイトでは、衣類だけで52種、全体で123品目に分けるとしています。衣類のリユース品として再流通する割合は98%と、ECOMMITは説明しています。いずれも同社が公表する数値です。

再流通:国内外100以上のパートナーに届ける

再流通先は、国内外で100を超えるパートナーです。ECOMMITは、選別したものの行き先まで管理し、定期的に現地の状況を確認したうえで取引すると述べています。行き先で不法に廃棄される事態を避けることを重視している点が、同社の説明の中心です。

ECOMMITのPASSTOと企業・自治体向けサービス

PASSTOはECOMMITが運営する不要品回収サービスで、個人は回収ボックスか宅配で出せます。企業・自治体向けには別のプログラムがあります。

個人向けのPASSTO:回収ボックスと宅配

PASSTOは、不要になったものに捨てる以外の選択肢を与え、回収・選別を行い、最適なリユース・リサイクル先へつなぐ暮らしの循環サービスです。使い方は2つあり、駅やショッピングモールなどに置かれたPASSTO BOXに入れる方法と、自宅から送る宅配PASSTOです。回収ボックスは1点から手放せるとされています。

参照:PASSTO公式サイト(2026年11月確認)

企業・自治体向けのサービス

ECOMMITの公式サイトは、サービスを対象ごとに紹介しています。商業施設・店舗向けにはPASSTOの設置、アパレル向けには店舗回収から選別・商品化・在庫管理・リセール・循環データの取得まで、自治体向けには資源循環推進プログラムを用意しています。リユースショップや小売向けには余剰在庫の再資源化もあり、料金は個別問い合わせです。

対象公式サイトに書かれている内容
商業施設・店舗などPASSTOの回収ボックス設置、店頭回収、宅配PASSTO、レポーティング
アパレル店舗回収、選別・商品化、在庫管理、リセール、循環データ
自治体・クリーンセンター・広域組合廃棄物削減、廃棄コスト削減、再利用率向上、域内循環の促進
リユースショップ・アパレル・小売など余剰在庫の再資源化(個別に問い合わせ)

ECOMMITは怪しい?許認可と最近の不正アクセスの発表

ECOMMITは古物商と産業廃棄物収集運搬業などの許認可を公表しています。一方、2026年10月には委託先などへの不正アクセスに関する通知を出しています。

公表されている許認可

公式サイトの企業概要には、許認可として古物商、産業廃棄物収集運搬業(24都府県)、一般廃棄物収集運搬業(1市)が挙げられています。許認可一覧・保有車両のPDFと、東京都の処理実績の検索ページへのリンクも公開されています。口コミや第三者評価は今回の調査では確認できなかったため、評判の判断材料としては、こうした一次情報の確認が現実的です。

2026年10月に公表された不正アクセスの件

ECOMMITのニュースには、2026年10月に3件の重要なお知らせが載っています。いずれも、ECOMMITが利用する外部サービスや委託先への不正アクセスに関するものです。

公表日対象の外部サービスECOMMITが公表している内容
2026年10月23日メール配信サービス「ブラストメール」法人のお客様へのご案内メールの配信に利用。登録情報が対象に含まれるかは提供元に確認中
2026年10月26日配送委託先の佐川急便宅配PASSTOの集荷サービスの利用者などの情報が流出した可能性。対象は2026年6月21日〜9月30日発送分の送り状データ
2026年10月30日受注管理システム「WASABI SWITCH」「ECO BASEヤフー店」で2026年10月12〜15日ごろに注文した顧客の情報が含まれると判明

宅配PASSTOを使った人は、送り状の氏名・住所・電話番号が対象になり得るため、ECOMMITの最新のお知らせで自分が対象かを確認してください。不審なメールにも注意が必要です。

参照:ECOMMITのお知らせ(佐川急便の件)(2026年10月26日)、ECOMMITのお知らせ(ブラストメールの件)(2026年10月23日)、ECOMMITのお知らせ(WASABI SWITCHの件)(2026年10月30日)

ECOMMITの導入事例:自治体と日本郵便の取り組み

ECOMMITのサービスは、浜松市、日本郵便、名古屋市で公式に紹介されています。いずれも当事者自身のページに基づく事例です。

浜松市:協定に基づき市施設で回収

浜松市は、リユースによる資源循環の推進を目的にECOMMITと「資源循環等の推進に関する協定」を結びました。浜松市役所本館1階ロビーと鴨江分庁舎で、衣料品・雑貨類の回収にPASSTOを使っています。市内5つの民間事業者の小売店舗では、すでにボックス回収が行われているとも記載されています。

参照:浜松市「PASSTOで衣類・雑貨類をリユースしてみませんか?」(2026年10月26日更新)

日本郵便:郵便局に回収ボックスを設置

日本郵便は、対象の郵便局にPASSTOの回収ボックスを置き、衣類などを回収しています。回収した不要品はECOMMITが選別し、リユース・リサイクルされます。渋谷郵便局と流山郵便局から始まり、2026年8月時点で94局まで拡大したと同社は公表しています。利用料は無料です。

参照:日本郵便「資源循環サービス」(2026年8月時点)

名古屋市:PASSTOを活用した衣類の資源循環を市民に案内

名古屋市は公式サイトで、ECOMMITが提供する資源循環サービスPASSTOを紹介しています。衣類などの回収・選別・再流通を行い、リユース・リサイクル率やCO2削減量等を把握できると説明し、誰でも利用できるとしています。詳細は、市のサーキュラーエコノミーポータルサイトに移っています。

参照:名古屋市「「PASSTO」(パスト)を活用して、衣類の資源循環に参加してみませんか?」(2026年3月31日更新)

ECOMMITと同じ分野で取り組む企業一覧

衣類や不要品の循環に取り組む企業は、ECOMMITだけではありません。この節では、同じ課題に取り組む4つの企業・サービスを、各社の公式ページで確認できた範囲でまとめます。並び順は五十音順で、優劣や推奨の順序を示すものではありません。

各社の取り組みを同じ項目で比べた表

下の表は、5つの取り組みを同じ項目で並べたものです。数値は各社が公式ページで公表しているものに限り、書かれていない欄は「公表なし」としています。

企業・サービス取り組みの対象仕組み公式ページで確認できた実績開始年
ECOMMIT(PASSTO)衣類・雑貨などの不要品回収ボックスや宅配で回収し、選別して再流通年間取扱実績重量14,500t(2025年4月〜2026年3月)2007年創業
JEPLAN(BRING)使用済みの服・繊維製品ブランドや小売店、自治体などと協力して回収し、再生公表なし公表なし
テラサイクル従来リサイクルされてこなかったものブランドや小売店のスポンサーによる無料プログラム世界約20カ国で展開公表なし
ユニクロ(RE.UNIQLO)ユニクロ・ジーユーの服店舗の回収ボックスで回収し、リユースとリサイクルに仕分け公表なし公表なし
わかちあいプロジェクト古着全般年1回の募集期間に郵送で受け付け公表なし1993年(古着支援の開始)

ECOMMITは回収から再流通までを自社で一括して担う点、他の4つは回収後の用途や支援先に特徴がある点が、表から読み取れます。

JEPLAN(BRING)

JEPLANは、衣料品やペットボトルのリサイクル事業を行う企業で、アパレル分野ではBRINGの事業を運営しています。

範囲は、消費者や企業、自治体などと協力した不要な服や繊維製品の回収と、回収後の循環です。

回収した服から生まれた再生ポリエステル「BRING Material」をコア素材に使うアパレルブランドを展開している点が特徴です。

参照:JEPLANアパレル事業(2026年11月確認)

関連記事:JEPLANとは?BRINGの服の回収とペットボトル再生の仕組み

テラサイクル

テラサイクルは、「捨てるという概念を捨てよう」をミッションに、企業や自治体、消費者と廃棄物問題に取り組む企業です。

範囲は、ブランドや小売店のスポンサーシップによる無料のリサイクルプログラムの提供や、リサイクル原料の活用です。

従来リサイクルされてこなかったものを対象にする点が特徴で、世界約20カ国で展開していると公表しています。

参照:テラサイクル「テラサイクルについて」(2026年11月確認)

関連記事:テラサイクルとは?怪しい?無料回収の仕組みとポイントの使い道

ユニクロ(RE.UNIQLO)

ユニクロは、全国の店舗にRE.UNIQLO回収ボックスを設置し、ユニクロ・ジーユーの服を回収しています。

範囲は、リユースとリサイクルの仕分け、難民キャンプなどへの衣料支援、燃料や自動車用防音材への加工です。

届け先のニーズに合わせて回収した服を18種類に分類してリユースする点が特徴で、ダウン商品から「服から服へのリサイクル」も進めています。

参照:RE.UNIQLO(2026年11月確認)

わかちあいプロジェクト

わかちあいプロジェクトは、フェアトレードと難民支援を通じて開発途上国の人々を支える国際協力NGOです。

範囲は、年に1度の古着募集です。2027年の募集期間は6月1日〜15日で、送料は各自の負担です。

1993年6月に最初の古着支援を始めた長い歴史があり、2026年は南スーダンへ送れず国内でリサイクルしたと説明しています。

参照:わかちあいプロジェクト「古着支援プロジェクト」(2026年11月確認)

ECOMMITが社会に与える良い影響

山積みになった不要な衣類

ECOMMITの取り組みは、衣類などの廃棄を減らし、使える物を次の人へ回す点で資源循環に役立ちます。自治体のごみ減量にもつながる仕組みです。

衣類の廃棄量との比較:どれほどの規模か

環境省の2025年版の衣類のマテリアルフローによると、国内の衣類は新規供給量が82.1万tで、そのうち約49.9万tが事業所と家庭から手放され、焼却等で処理されたと推計されています。

ECOMMITは、衣類の回収量として11,000tを公表しています。11,000t÷49.9万t≒2.2%となり、国内で手放される衣類のおよそ2%に相当します(編集部推計)。同社が「国内廃棄の約2%」と説明する内容とほぼ一致します。

ただし、ECOMMITの数値は集計期間が明記されておらず、環境省の数値は2025年版の推計です。年次の差があり得るため、あくまで規模感の目安として読んでください。

参照:環境省「2025年版 衣類のマテリアルフロー」(2026年3月)

リユースを優先する回収で、焼却や埋め立てを減らす

ECOMMITは、環境負荷の軽減効果が最も高いのは、できるだけ小さな循環だと考え、まず不要品をそのままリユース品として再流通させることを目指しています。同社の公表では、衣類のリユース割合は98%です。

手放された衣類の約49.9万tが焼却等で処理されているという環境省の推計を踏まえると、リユースに回る量が増えるほど、その処理量を減らせます。選別と販路の整備が、その役割を担います。

自治体のごみ減量と行き先の管理

ECOMMITは、全国の市町や広域処理組合と60以上の取引や連携協定を結び、クリーンセンターなどでの回収実証を行っていると公表しています。浜松市や名古屋市のように、市の施設で回収し、回収実績をデータとして把握できる点が、ごみ減量の施策づくりに役立ちます。

企業や自治体が参加する際は、回収後の行き先まで確認できるかを見るのが要点です。ECOMMITは行き先の管理を重視すると述べていますが、個別の取引先は公式サイトに一覧では出ていません。

よくある質問

ECOMMITについて、よく検索される疑問に答えます。

Q
ECOMMITとは何の会社ですか?
A

衣類などの不要品を回収・選別して再流通させる「循環商社」で、PASSTOの運営会社です。2007年創業で、本社は鹿児島県薩摩川内市です。

Q
ECOMMITは怪しい会社ですか?
A

古物商や産業廃棄物収集運搬業などの許認可を公表している会社です。ただし2026年10月に外部サービスへの不正アクセスに関するお知らせを3件出しているため、最新の発表の確認をおすすめします。

Q
ECOMMITの本社はどこですか?
A

鹿児島県薩摩川内市です。東京にもオフィスがあり、東京サーキュラーセンターなど全国に事業所を持っています。

Q
ECOMMITとPASSTOの関係は?
A

PASSTOはECOMMITが提供する資源循環サービスです。回収ボックスや宅配で集めた不要品を、ECOMMITが選別してリユースやリサイクルにつなげます。

Q
ECOMMITはどんな企業や自治体と連携していますか?
A

浜松市や名古屋市、日本郵便などで、PASSTOの回収が紹介されています。自治体とは60以上の取引や連携協定があると公表しています。

まとめ

ECOMMITは、回収・選別・再流通を自社で一括して行う循環商社です。要点を整理します。

  • 2007年創業、本社は鹿児島県薩摩川内市で、年間取扱実績重量は14,500t(2025年4月〜2026年3月実績)です。
  • PASSTOを運営し、浜松市、日本郵便、名古屋市などで回収が紹介されています。
  • 古物商や産業廃棄物収集運搬業などの許認可を公表しています。
  • 2026年10月には、外部サービスへの不正アクセスに関するお知らせが3件あり、宅配PASSTOの利用者は最新の発表の確認が必要です。
  • 衣類の回収量11,000tは、国内で手放される衣類の約2.2%にあたる規模です(編集部推計)。

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

企業の取り組み・サステナビリティ・社会課題をテーマにした編集チーム。 企業や自治体の情報を編集部が一社ずつ確認し、 独自の基準で比較・整理した情報をお届けしています。