わかちあいプロジェクトとは?古着の送り方とフェアトレードの中身

わかちあいプロジェクトは、1992年からフェアトレード商品の輸入販売と難民支援を続けている、東京都墨田区の一般社団法人です。年1回の古着支援では、洗濯した衣類を箱で送り、箱数に応じた募金で運営費を支える仕組みを取っています。

この記事では、運営団体の基本情報、古着支援のやり方と費用、回収された古着の行き先、フェアトレード事業、寄付の方法を、公式ページの記載に沿って整理します。あわせて、同じ分野で活動する団体と、社会への影響を公開データで確認します。

この記事でわかること

  • わかちあいプロジェクトの運営団体と3つの活動
  • 古着支援の送り方・募金額・送れる衣類と送れない衣類
  • 回収された古着の行き先と、年度別の回収箱数
  • フェアトレード事業とFair Selectで買える商品
  • 寄付の方法と、企業の古着・余剰在庫の受け入れ先
  • 同じ分野で活動する団体と、社会に与える影響

わかちあいプロジェクトとは?運営団体と3つの活動

わかちあいプロジェクトは、フェアトレード、難民支援、自立支援の3分野で開発途上国の人々を支える一般社団法人です。

わかちあいプロジェクトの運営団体と基本情報

運営するのは、東京都墨田区に事務所を置く一般社団法人わかちあいプロジェクトです。公式の団体概要ページでは、設立から現在までの沿革と、取得している免許・認証が公開されています。

項目公式ページの記載
名称一般社団法人わかちあいプロジェクト
所在地東京都墨田区両国3-26-11 東和ビル301
設立1992年8月
法人化2012年に一般社団法人となり、2015年5月に「非営利型」へ移行
事務局スタッフ3名
免許・認証国際フェアトレードラベルライセンス(FLO-CERT、FLO ID: 360)、JANICアカウンタビリティ・セルフチェック(ASC)認証

国際フェアトレードラベルのライセンスを持つ団体として、認証商品を輸入して販売できる立場にあります。

参照:わかちあいプロジェクト「団体概要」(2026年10月確認)

1992年の設立とフェアトレード・ラベル・ジャパンとの関係

1992年2月、代表の松木傑牧師が欧米の国際協力団体を訪ね、ドイツのGEPAを通じてスリランカのオーガニックティーに出会ったことが出発点です。同年8月に団体が設立され、11月にはソマリア難民救援の募金を始めました。

日本の国際フェアトレード認証機関であるフェアトレード・ラベル・ジャパンは、この団体の中から生まれました。フェアトレード・ラベル・ジャパンは、1993年11月に「トランスフェアジャパン」として発足し、2004年に現在の名称へ変わりました。団体概要ページでは、2009年にわかちあいプロジェクトから独立分離したと説明されています。

参照:フェアトレード・ラベル・ジャパン「団体概要」(2026年10月確認)

フェアトレード・難民支援・自立支援の3つの活動

活動は3分野に分かれ、国際協力活動のページに整理されています。フェアトレードは1993年4月に日本で最初の国際フェアトレード認証商品を発売して以来、認証産品を輸入して販売する事業です。難民支援は1993年のソマリア難民救援をきっかけに、物資や資金で続けています。

分野内容始まり
フェアトレード認証産品を途上国から輸入・販売し、生産者支援につなげる1993年
難民支援紛争や政治的理由で国境を越えた人々へ、物資や資金で支援1993年
自立支援教育・文化活動・スポーツなどを通じ、技術や知識の普及で自立を支える1993年

古着支援は難民支援の事業の一つで、毎年の募集期間に集めた衣類と募金が活動費につながります。

参照:わかちあいプロジェクト「国際協力活動」(2026年10月確認)

わかちあいプロジェクトの古着支援のやり方と費用

古着の寄付箱に入った色とりどりの衣類

古着支援は、年1回の募集期間に洗濯した衣類を段ボールで指定先へ送り、箱数に応じた募金を納める流れです。

古着支援の送り方の流れ

募集期間や送付先、募金額は年度ごとに公式の募集要項で決まります。送る前に最新の要項を確認し、次の手順で進めます。

  1. 公式の募集要項で、募集期間・送付先・募金額を確認する
  2. 衣類は洗濯してきれいな状態にし、クリーニングの袋やタグ、ホチキスを外す
  3. 縦・横・高さの合計が160cm以内の頑丈な段ボールに入れる
  4. 募集期間内に送付先へ届くよう、宅配便で送る
  5. 送付の前、または送付後2週間以内に募金を納める

期間外に届いた荷物は受け取れず、送り主へ返送されます。団体の事務所宛ての荷物も受け取れないため、必ず指定の送付先へ送ります。

参照:わかちあいプロジェクト「よくある質問・古着」(2026年10月確認)

古着支援の募金額と費用の考え方

古着を送るときは、衣類の送料とは別に、1箱ごとの募金が必要です。公式サイトには、募金額の記載が複数のページにあり、数字が異なります。

公式サイト内のページ記載されている募金額
よくある質問・古着1箱につき2,000円(現地までの輸送費、通関費、現地での運搬費用などに充てると説明)
募金・協力するページ(クレジットカード欄)古着支援は箱数×1,000円の合計額を選ぶと案内

記載が食い違っているため、送る前に最新の募集要項で1箱あたりの額を確認する必要があります。納め方は郵便振替、銀行振込、オンラインのクレジットカード決済で、現金を衣類の箱に入れることはできません。団体は、政府や企業などからの支援は受けておらず、全て寄付で成り立っていると説明しています。

参照:わかちあいプロジェクト「募金・協力する」(2026年10月確認)

送れる衣類と送れない衣類

受け取る人は衣類を選べないため、状態のよいものを送ることが求められています。公式のよくある質問から、判断が分かれやすい品目を整理します。

品目公式の回答
大人・子ども・夏物・冬物同じ箱で送れる。複数口の場合は種類別に分けると助かる
冬物キャンプには国境付近の山岳地もあり、夜は冷え込むため重宝される
名前の刺繍がある制服・体操服現地では気にされていないため送れる
柔道着受け付けていない
学ランなどの制服ジャケットタイプは用途があるが、学ランは機能面でも好まれない
靴現地の要望により、募集する年としない年がある。募集する場合は状態のよい運動靴や丈夫なサンダルなど
少しのシミや汚れ受け取る人の立場で判断する。ひどい汚れや穴のある衣類は避ける

迷ったときは、自分が受け取る側だったらどう感じるかで判断するというのが、公式の考え方です。

わかちあいプロジェクトに送った古着の行き先と直近の回収量

2023年度の報告では、古着の45%がリユース、20%がウエス、35%が反毛に回り、東南アジアなどへ輸出されました。

回収した古着の使い道と内訳

以前は難民キャンプへ古着を送っていましたが、2022年から、古着は選別して再利用またはリサイクルする形に変わっています。2023年度の報告にある内訳は次のとおりです。

用途割合内容
リユース45%必要な物を必要な国へ選別して出荷。赤道付近の国は春夏物の需要が高く、冬物の需要は少ない
ウエス20%リユースに回らない古着から、油拭きに適したものを選び、工業向けの清掃布に加工
反毛35%主に冬物のコートやセーターをワタに戻し、自動車内装材や建築資材のフェルトや軍手の糸に

回収した古着は、内訳の合計が100%になるよう、リユースかリサイクルに振り分けられているです。輸出先は東南アジア、マレーシア、タイ、カンボジアと報告されています。

参照:わかちあいプロジェクト「これまでの古着支援」(2026年10月確認)

直近の回収結果と今後の方針

公式のお知らせでは、2026年の古着支援に1,834箱が集まったと報告されています。南スーダンまでのコンテナ輸送の見積もりが出なかったため、2026年は古着をリサイクルする方向で進めているとのことです。

古着募金は現金で南スーダンのルーテル世界連盟(LWF)に送り、緊急用の食料支援に使う予定と説明されています。古着そのものを送る形から、募金を現地の食料支援に充てる形へ重心が移っています。

参照:わかちあいプロジェクト「古着支援への協力ありがとうございました。」(2026年7月1日掲載)

関連記事:PASSTOを解説|回収できるもの・投函の流れと回収後の行き先

わかちあいプロジェクトのフェアトレード事業とFair Select

麻袋に入ったフェアトレード向けの生コーヒー豆

国際フェアトレード認証の産品を輸入し、オンラインショップのFair Selectなどで販売する事業です。

認証基準で公平な取引を結ぶ仕組み

わかちあいプロジェクトは、アジア、アフリカ、中南米などの生産者が育てたコーヒー、紅茶、はちみつなどを直接輸入して日本で販売しています。その過程では、国際フェアトレードラベル機構(FLO)の基準を守り、生産者または輸出組織と公平な取引関係を結ぶと説明しています。

1993年春に、日本初の国際フェアトレードラベル認証商品であるフェアトレードコーヒーを販売しました。また1997年から、タイ山岳民とスマトラのコーヒー生産者が国際フェアトレードラベル組織の一員として認定されるまで支援してきたとしています。

団体は、売上高は多くないものの、品数では国内で最も多くのフェアトレードラベル商品を扱っていると自己紹介しています。これは団体自身の説明であり、第三者による集計ではありません。

参照:わかちあいプロジェクト「フェアトレード」(2026年10月確認)

Fair Selectで買えるフェアトレード商品

Fair Selectは、わかちあいプロジェクトが運営するフェアトレード商品のセレクトショップです。

分類公式ページで紹介されている品目
飲み物・食品コーヒー、紅茶、チョコレート、砂糖、スパイス、ハーブ、はちみつ、クッキー、ジャム
雑貨・日用品シアバター、タオル、バッグ、キャンドル、クレヨン、スポーツボール

コーヒーを選ぶと、生豆1kgあたり約44円(20USセント)のフェアトレード・プレミアムが生産者団体に支払われると、トップページで説明されています。使い道は生産者団体が話し合って決めます。購入するだけで国際協力に参加できる点が、このショップの位置づけです。

参照:Fair Select(わかちあいプロジェクト運営のフェアトレードオンラインショップ)(2026年10月確認)、わかちあいプロジェクト「トップページ」(2026年10月確認)

関連記事:フェアトレードコーヒーおすすめ5選|選び方と価格の違いを解説

わかちあいプロジェクトへの寄付と協力の方法

個人はクレジットカード、郵便振替、銀行振込、Yahoo!ネット募金などで寄付でき、買い物でも支援できます。

個人が寄付・支援できる方法

募金・協力するページには、複数の方法が並んでいます。活動報告書「わかちあいプロジェクトNEWS」は、寄付者に年1回送られると案内されています。

方法特徴
クレジットカード金額をプルダウンで選び、決済フォームで内訳を記入。古着支援の場合は箱数も記入
郵便振替払込取扱票に記入して窓口かゆうちょATMから。支援事業の指定は通信欄に記入
銀行振込ATMやオンラインからの振込は住所が団体へ通知されないため、活動報告書を希望する場合は事務局へ連絡
Yahoo!ネット募金Tポイントでも寄付できる。受付中の事業はミャンマー教育支援と南スーダン支援
Syncable(シンカブル)クレジットカード決済で、毎月の継続寄付にも対応
買い物で支援Fair Selectでの購入のほか、サイトのバナー経由のAmazon購入額の一部が団体への支援になる

匿名で寄付すると、活動報告書は届きません。報告を受け取りたい場合は、住所や氏名を記入するか、事務局へ連絡します。

受付中の募金の種類と使い道

募金は、使い道ごとに4種類が用意されています。通信欄などで指定がない場合は、一般募金として扱われます。

募金使い道
わかちあい募金(一般募金)団体が実施している事業全般
ミャンマー教育支援募金カヤー州の山岳地域に住む子どもたちが学校へ通えるようにする支援
南スーダン支援募金独立後の紛争からの発展と自立に向けた平和構築活動
古着支援募金古着支援プロジェクトの活動費など

使い道を絞りたい場合は、振込時に事業名を指定するのが確実です。企業が古着や余剰在庫を寄付する方法は、次の事例の項で説明します。

わかちあいプロジェクトは信頼できる団体か?公開情報で確認できること

法人格、認証、人権・環境の方針と苦情受付窓口、年度別の収支決算報告書が、公式サイトに公開されています。

法人格と認証から確認できること

確認できる事実は3つあります。団体は一般社団法人で、2015年から「非営利型」に移行しています。国際フェアトレードラベルのライセンスを持ち、FLO IDが記載されています。JANICのアカウンタビリティ・セルフチェック認証の取得も記載されています。

これらは団体自身が公表している情報です。外部の認証や登録は、発行元の一覧で有効性を確かめると確実です。

人権・環境の方針と苦情受付

公式サイトには「人権・環境に関するコミットメント」が掲載されています。国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」やOECDの責任ある企業行動の考え方を尊重し、児童労働や強制労働を認めないとしています。

苦情は専用窓口で受け付け、原則7日以内に受領確認、30日以内に調査結果か対応方針を回答すると明記されています。苦情を申し立てたことを理由とする不利益な扱いや報復は行わないとも書かれています。

参照:わかちあいプロジェクト「人権・環境への取り組み・苦情受付」(2026年10月確認)

収支決算報告書など、お金の使い方の確認先

団体概要ページには、2014年度から2024年度までの収支決算報告書のPDFが並んでいます。ニュースレター「わかちあいプロジェクトNEWS」のPDFも公開されています。

寄付を検討する場合は、最新年度の収支決算報告書で、事業ごとの支出を確認すると判断しやすくなります。この記事では決算の数値は扱っていません。

わかちあいプロジェクトと協力する企業の事例

古着の送付先のナカノ株式会社と、企業の余剰在庫の受け入れ先の株式会社shoichiを紹介します。

事例は、団体の公式ページで確認できた2社に限っています。第三者の記事は使っていないため、3社に満たない点はご了承ください。

ナカノ株式会社(古着の選別・リサイクル)

横浜市の古着リサイクル専門会社で、古着募集期間中の送付先としてエコムナ横浜工場が指定されています。

古着を再梱包して輸送コンテナ数を減らし、海上運賃の高騰に対応しました。回収した古着は、再利用とリサイクル(工場のウエス、車の中敷のフェルト、軍手の糸)に使われます。ナカノ株式会社は、収益の一定額を団体の活動のために支払う取り決めになっています。

同社は2012年から、フィリピンの貧困女性のためのボランティア機関に「特殊紡績 よみがえり」の売上の一部を寄付しており、団体が集めた古着から作られた手袋の販売分もこの寄付に回ります。寄付額は累計425.8万円と記載されています。

参照:わかちあいプロジェクト「難民古着支援プロジェクト」(2026年10月確認)

株式会社shoichi(企業の余剰在庫の受け入れ)

大阪市の企業で、団体が公表している企業向け在庫(古着・余剰在庫等)の受け入れ会社です。

企業の古着や衣料品の余剰在庫は、年間を通して受け付けていると案内されています。企業は、企業名・品目・数量が分かる商品リストを団体へ送ります。株式会社shoichiが単価と合計金額を査定し、数日以内に回答します。

商品は企業から株式会社shoichiの指定倉庫へ直送します。送料と引き取り費用は同社が負担し、査定額は同社から団体へ寄付として振り込まれ、支援活動に使われます。

参照:わかちあいプロジェクト「企業向け在庫(古着・余剰在庫等)の常時募集」(2026年9月17日掲載)

わかちあいプロジェクトと同じ分野で活動する団体・企業

フェアトレードや認証の分野で、公式サイトの記載を確認できた3団体を五十音順で紹介します。

掲載順は団体名の五十音順です。優劣や推奨の順位を示すものではなく、公式サイトで事業内容を確認できた団体だけを載せています。確認できたのは3団体にとどまります。下の表は、わかちあいプロジェクトを含む4団体を、各団体の公式ページの記載だけで同じ項目にそろえたものです。公表がない項目は「公表なし」としています。

団体名取り組みの対象仕組み公表している実績開始年
わかちあいプロジェクト途上国の生産者、難民認証産品の輸入販売、古着支援、募金古着2,106箱・17,392kg(2023年度)、1,834箱(2026年の募集)1992年設立
ネパリ・バザーロネパールの生産者(女性の自立など)ネパールのハンディクラフトや食品の企画開発・継続輸入、東北・沖縄の事業公表なし1992年設立(活動は1991年)
フェアトレードカンパニー(ピープルツリー)アジア・アフリカ・中南米の生産者フェアトレード専門ブランドとして衣料・雑貨・食品を企画開発・販売18ヵ国約145団体と商品を企画開発・販売1995年設立
フェアトレード・ラベル・ジャパン途上国の生産者(認証制度を通じて)国際フェアトレード認証ラベルのライセンス事業と製品認証事業2015年度の日本の認証製品市場は年間約100億円(同団体調べ)1993年発足

ネパリ・バザーロ

ネパールのハンディクラフトや食品を企画開発して輸入する、有限会社ネパリ・バザーロです。

取扱いは、コーヒー、紅茶、スパイス、チョコレートなどの食品、自然派コスメ、自然素材の衣類、手編みニット、服飾雑貨と幅広く、通販サイトで販売しています。

ネパールの人々の就業の場を広げる活動に加え、岩手県陸前高田市の製油工房「椿のみち」や沖縄カカオプロジェクトなど、国内の地域づくりにも取り組んでいます。

参照:ネパリ・バザーロ「ネパリの活動」(2026年10月確認)

フェアトレードカンパニー(ピープルツリー)

フェアトレード専門ブランド「ピープルツリー」を運営する、フェアトレードカンパニー株式会社です。

人と地球にやさしい衣料品、服飾雑貨、日用雑貨、食品などの商品開発と輸入・販売を行い、全国の小売店にも卸しています。

フェアトレード専門団体として世界フェアトレード連盟(WFTO)の認証を受け、「フェアトレードの10の指針」を守って活動していると説明しています。

参照:ピープルツリー「会社概要」(2026年10月確認)、ピープルツリー「ピープルツリーについて」(2026年10月確認)

フェアトレード・ラベル・ジャパン

国際フェアトレード認証ラベルの日本での普及と認証を担う、認定NPO法人です。

国際フェアトレードラベル機構の構成メンバーとして、ラベルのライセンス事業と製品認証事業、普及推進、教育啓発活動を行っています。商品を売る団体ではなく、認証の仕組みを運営する側にあたります。

日本のフェアトレード認証製品市場の推移や、認証を取得した事業者の一覧を公式サイトで公開しているため、認証ラベルの付いた商品を探すときの確認先になります。

参照:フェアトレード・ラベル・ジャパン「日本市場」(2015年度の数値、2026年10月確認)

わかちあいプロジェクトが社会に与える良い影響

古着の再利用、生産者の収入を支えるフェアトレード、難民支援への資金が、団体の社会的な効果です。

古着の焼却を減らす効果と、公開データで見た規模

環境省の2026年7月の資料にある2025年度版のマテリアルフローでは、国内の衣類の新規供給量82万トンに対し、約6割の50万トン(うち家庭から46万トン)が手放され、焼却などで処理されていると推計されています。

団体が公表している2023年度の回収量は17,392kg、つまり約17.4トンです。17.4トン÷46万トン≒0.0038%(編集部推計)で、家庭から手放され焼却などで処理される46万トンと比べると、1万分の1に満たない規模です。年度が2023年度と2025年度で異なる点には注意が必要です。

募集要項のページには「毎年約100トンを集めている」という記載もありますが、年度別の報告の回収量とは一致しません。そのため、この記事では年度別の報告の数字を使っています。団体単独で見ると小さな量ですが、古着の行き先を焼却ではなく再利用に切り替える事例としての意味があります。

次の表は、公式ページで確認できた古着の回収箱数です。2021年と2025年は、確認できた範囲では公表されていません。

年回収箱数公式ページの補足
2020年4,756箱40フィートコンテナ5本を南スーダンへ送った
2022年度2,844箱(25,125kg)古着をリサイクルして東南アジアなどへ輸出する形に変更
2023年度2,106箱(17,392kg)リユース45%、ウエス20%、反毛35%
2024年1,826箱公表されている数値は箱数のみ
2026年(7月1日のお知らせ)1,834箱輸送見積もりが出ず、リサイクルを進める方針

回収箱数は2020年の4,756箱から、近年は1,800箱台まで減っています。理由は公式ページに明記されていないため、この記事では原因を断定しません。

団体は、焼却による二酸化炭素の排出を減らせるとも説明しています。2020年は古着が約40,000kgで、40,000kg×化繊50%×2.695kg-CO2/kg=53,900kg-CO2の削減と団体が試算しています。化繊50%は団体の仮定で、排出係数は一般廃棄物の廃プラスチック類の値です。

参照:環境省「サステナブルファッション及び衣類回収を巡る状況について」(2026年7月)

フェアトレードが生産者の収入と教育機会を支える仕組み

フェアトレード基準では、コーヒー豆の取引相場が暴落しても、売り渡しの最低価格が保証されます。加えて、代金とは別にフェアトレード・プレミアムが支払われ、使い道は生産者団体が話し合って決めます。

プレミアムは、学校の建設、教員の育成、浄水設備の整備、女性向けの職業訓練など、地域の暮らしを良くする取り組みに使われています。団体の公式ページには、ガーナで新しい学校が建てられた例や、パキスタンの工場に浄水場が設置された例が紹介されています。

同ページでは、国際フェアトレード認証に75か国160万人以上の生産者が参加し、プレミアムは総額1億7,800万ユーロ(約225億円)になったと記載されています。集計時点は同ページに明記されていないため、数値は参考値として扱います。

参照:わかちあいプロジェクト「SDGsとフェアトレード」(2026年10月確認)

関連記事:Tony’s Chocolonelyを解説|買える店と調達5原則

難民支援と地域の自立につながる資金の流れ

古着支援の募金は、これまで現地までのコンテナ輸送費、通関費、現地での運搬費用に使われてきました。2026年は、募金を現金で南スーダンのルーテル世界連盟に送り、緊急用の食料支援に充てる方針が示されています。

2020年の報告には、受け入れ先として南スーダンのNGO2団体が挙げられています。Valentino Foundationは南スーダンで中学校と高校を運営していると説明されています。もう一つの受け入れ先のPeace Palette(原文の表記はPeace Pallete)とあわせ、どちらも、2001年当時にカクマ難民キャンプで団体と関わった人が海外移住後に設立したNGOです。報告には、南スーダンの洪水の被災者にも古着が支援されたと記載されています。

このように、支援を受けた人が支援する側になる循環が生まれている点は、団体の公式報告から確認できる特徴です。

よくある質問

わかちあいプロジェクトについて、よく調べられている疑問に公式情報をもとに答えます。

Q
わかちあいプロジェクトとはどんな団体ですか?
A

1992年に設立された一般社団法人で、フェアトレード、難民支援、自立支援の3分野で活動する国際協力NGOです。フェアトレード商品の輸入販売と、年1回の古着支援が主な活動です。

Q
わかちあいプロジェクトの古着支援は洗濯が必要ですか?
A

洗濯してきれいな状態で送ることが求められています。クリーニングに出した衣類は袋から出し、タグやホチキスもすべて外してから段ボールに入れます。

Q
わかちあいプロジェクトの古着支援の募金はいくらですか?
A

公式サイト内で1箱2,000円と1,000円の記載が分かれているため、年度の最新の募集要項で確認が必要です。募金は送付の前か、送付後2週間以内に納めます。

Q
募集期間を過ぎてしまった古着はどうなりますか?
A

期間外に届いた荷物は受け取れず、送り主へ返送されます。団体の事務所宛てに届いた荷物も受け取れないため、必ず募集要項に記載された送付先へ期間内に届くように送ります。

Q
わかちあいプロジェクトは怪しい団体ではありませんか?
A

編集部が調べた範囲では、不正を指摘する情報は見つかりませんでした。法人格、認証、人権・環境方針、収支決算報告書が公開されているため、最新の決算報告書で資金の使い道を確認すると安心です。

Q
古着支援以外の寄付方法はありますか?
A

クレジットカード、郵便振替、銀行振込、Yahoo!ネット募金、Syncableから寄付できます。Fair Selectでのフェアトレード商品の購入でも、団体の活動を支援できます。

まとめ

わかちあいプロジェクトは、フェアトレードと難民支援を軸にした一般社団法人で、年1回の古着支援が個人にとって最も参加しやすい入口です。要点は次のとおりです。

  • 運営団体は1992年設立の一般社団法人で、国際フェアトレードラベルのライセンスを持つ
  • 古着は洗濯して箱で送り、箱数に応じた募金を納める。募金額は年度の募集要項で確認する
  • 回収した古着はリユース、ウエス、反毛に回る。2023年度は2,106箱、17,392kgが集まった
  • フェアトレード商品はFair Selectで買え、コーヒーはプレミアムが生産者団体に支払われる
  • 同じ分野には、ネパリ・バザーロ、ピープルツリー、フェアトレード・ラベル・ジャパンがある
  • 寄付や古着を送る前に、最新の募集要項と収支決算報告書を公式サイトで確認する

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

企業の取り組み・サステナビリティ・社会課題をテーマにした編集チーム。 企業や自治体の情報を編集部が一社ずつ確認し、 独自の基準で比較・整理した情報をお届けしています。