ベンナーズとは?フィシュル!の仕組みと未利用魚の活用実績

ベンナーズは、福岡市に本社を置き、未利用魚を使った魚のサブスク「フィシュル!」を運営する株式会社です。市場で値が付きにくい魚を全国の生産者から買い付け、加工と味付けをして冷凍で届ける事業を柱にしています。この記事では、会社の概要、フィシュル!の契約と解約の条件、公表されている活用実績、同じ課題に取り組む企業を、公式情報だけをもとに整理します。

この記事でわかること

  • ベンナーズの会社概要と、運営するフィシュル!の中身
  • おまかせ便とラクラク便の違い、スキップと解約の条件
  • 未利用魚の意味と、国が進める低・未利用魚の取り組み
  • ベンナーズが公表する活用量を、国内の漁業生産量と並べた規模感
  • 同じ課題に取り組む5社の比較表

ベンナーズとは?フィシュル!を運営する福岡の会社

砂浜に引き上げられた漁船と海の風景

ベンナーズは、福岡県福岡市東区に所在し、未利用魚のサブスク「フィシュル!」を運営する株式会社です。販売責任者は井口剛志氏で、商品の取扱いは冷凍水産物と公式サイトに記載されています。

ベンナーズの会社概要

ベンナーズの基本情報は、フィシュル!公式サイトの特定商取引法に基づく表記と「当サイトについて」のページで確認できます。販売業者名は株式会社ベンナーズ、所在地は福岡市東区香椎浜ふ頭2丁目3−1です。フィシュル!の問い合わせ窓口の営業時間は9:00〜17:00とされています。

項目内容
会社名株式会社ベンナーズ
所在地〒813-0018 福岡県福岡市東区香椎浜ふ頭2−3−1
販売責任者井口剛志
運営サービスフィシュル!(未利用魚のサブスク)
取扱商品冷凍水産物
問い合わせ窓口の営業時間9:00〜17:00
商品の引き渡し時期ご注文から約2週間

参照:フィシュル!「特定商取引法に基づく表記」、フィシュル!「当サイトについて」(2026年10月時点)

ベンナーズの事業と「フィシュル!」の考え方

ベンナーズの主力事業は、旬の魚を使ったミールパックを定期的に届けるフィシュル!です。公式サイトでは、全国の生産者から直接買い付けた国産の天然魚だけを使い、水揚げ当日に切り分けと味付けをして-30℃で冷凍すると説明されています。味付けは和風、洋風、中華風があり、解凍後にそのまま食べるものと、フライパンで焼くものに分かれます。

魚種を指定して買うのではなく、その時期に仕入れた魚が届く仕組みである点が、通常の魚の通販との違いです。市場で扱いにくい魚を、家庭で手に取りやすい形にして届けることが、事業の出発点になっています。

参照:フィシュル!公式サイト「トップ」(2026年10月時点)

フィシュル!の仕組みと料金・解約の条件

氷の上に並べられた白身魚の切り身

フィシュル!は、すべての商品が定期便で、回数の縛りがないおまかせ便と、3回継続を約束して割引を受けるラクラク便の2種類です。

届き方と調理・保存の条件

届いた商品は冷凍されており、賞味期限は製造日から1年です。製造日は商品パックに記載されています。生食用は解凍後にそのまま食べられ、加熱用は解凍後にフライパンで油をひき、弱火で片面を約4分ずつ焼くのが目安とされています。

骨については、生食用は基本的に取り除かれていますが、加熱用には中骨が残る場合があります。鮮度が高いため、骨を抜こうとすると身が崩れてしまうことが理由として説明されています。

参照:フィシュル!「よくあるご質問」(2026年10月時点)

おまかせ便とラクラク便、支払い方法の違い

契約の種類と支払い方法は、次の表のとおりです。商品ごとの価格は各商品ページに掲載される方式で、特定商取引法に基づく表記にも金額の記載はありません。本記事では、確認できない金額を書かず、注文前に商品ページで確認していただく前提にしています。

項目内容
おまかせ便回数の縛りがない定期便
ラクラク便3回継続を約束すると割引が受けられる定期便。3回受け取るまでは解約できない
支払い方法クレジットカード一括払い、Amazon Pay、後払い
後払いの手数料250円(税込)
商品の価格各商品ページを参照

お試しのつもりで注文しても定期便になる点は、公式のよくある質問でも注意として挙げられています。1回だけ試したい場合は、スキップや解約の期限を先に確認しておくと安心です。

スキップと解約の期限

スキップは、お届け予定日の12日前までならマイページから選べます。5日前までであれば、お問い合わせフォームからの連絡が必要です。解約はお届け予定日の12日前までならチャットで手続きでき、4日前から当日は配送の都合で手続きできません。5〜11日前の場合は、お問い合わせフォームに連絡する案内になっています。

お届け予定日までの日数スキップ解約
12日前までマイページから可能チャットで可能
5〜11日前5日前まではお問い合わせフォームで連絡お問い合わせフォームで連絡
4日前〜当日案内なし手続きできない

利用前に知っておきたい注意点

魚種や味付けは、基本的に選べません。その時期に旬の魚を買い付け、魚種に合う味付けで届ける方針のためです。マイページで味付けのカスタムを回答すれば、次回以降の味付けを調整できます。

アレルギーについては、商品の製造を隔離して行っていないため、他の成分の混入がないとは言い切れないと公式が述べています。重篤なアレルギーがある方には、原則として利用を勧めていません。返品は、漏れや破れ、賞味期限切れなどの不備があった場合に、到着から2週間以内の連絡に限って受け付けられ、お客様都合の返品はできません。

未利用魚とは?ベンナーズが活用する「行き場のない魚」

未利用魚とは、味は良いのに、見た目や加工のしやすさなどの理由で規格外として扱われ、十分に流通しない魚を指して使われる言葉です。

未利用魚の意味とフィシュル!での位置づけ

フィシュル!の公式サイトは、味は美味しくても、見た目や加工しやすさなど様々な理由で、多くの魚が規格外として扱われていると説明しています。ベンナーズはそうした魚を商品化することで、魚の価値を引き出そうとしています。

なお、未利用魚には法令上の統一された定義はなく、団体や企業によって指す範囲が異なります。ベンナーズの数値を読むときは、同社の整理に基づく数字であることを前提にする必要があります。

国が進める低・未利用魚の取り組み

水産庁は、令和8年7月24日に「魅了ギョ・プロジェクト」の始動を発表しました。低・未利用魚を含む、まだ十分に知られていない魚の魅力を発信し、消費者の「食べてみたい」を増やす官民連携の取り組みです。

このプロジェクトは、水産庁と漁業者、自治体、流通加工業者、小売業者、外食業者など、1,100以上の賛同メンバーによる「さかなの日」の新たな取り組みと位置づけられています。ベンナーズのような民間の取り組みが、国の政策とも同じ方向を向いていることがわかります。

参照:水産庁「魅了ギョ・プロジェクト概要」(令和8年7月24日)

関連記事:食品ロスを減らすためにできること|家庭の行動と5つのサービス

ベンナーズは怪しい?確認できる情報とできない情報

ベンナーズの運営主体と責任者は、公式サイトの法定表記で確認できます。一方で、利用者の評判については、独立したレビューを確認できませんでした。

公式情報から確認できること

法人名、所在地、販売責任者、問い合わせ窓口、返品条件、解約手順は、フィシュル!公式サイトに掲載されています。運営会社と責任者の名前が明示され、解約と返品の条件が公開されていることは、購入前に確認できる客観的な材料です。

確認できなかったこと

本記事の調査では、第三者の利用者レビューや苦情の集計といった独立した評価を確認できませんでした。味や満足度は個人差が大きく、公式情報だけでは判断できませんので、初回の注文では、スキップと解約の期限を確認したうえで、量や好みに合うかを試す進め方が現実的です。

区分内容
確認できた運営会社名、所在地、販売責任者、解約とスキップの条件、返品の条件、アレルギーへの対応方針
確認できなかった商品ごとの価格、第三者による利用者レビューの集計、味の評価

ベンナーズと同じ課題に取り組む企業

魚の流通と水産業の課題には、ベンナーズ以外にも取り組む企業があります。ここでは、公式サイトで事業内容を確認できた5社を紹介します。

掲載の順番は、会社名の五十音順です。順位や推奨の順ではなく、ベンナーズを含めた各社の取り組みを同じ項目で並べた一覧です。各社の情報は、それぞれの公式サイトで確認できる範囲に限っています。公式サイトに記載がない項目は「公表なし」としました。

運営会社・サービス取り組みの対象仕組み公表している実績開始年
ベンナーズ「フィシュル!」未利用魚全国の生産者から買い付けた魚を加工し、冷凍の定期便で届ける累計248トン(2025年12月時点)、ユーザー68,000人以上(2026年5月時点)2021年3月
雨風太陽「ポケットマルシェ」生産者と消費者の分断農家と漁師から直接購入できるアプリ約16,000品の食材を掲載(公式サイトの記載)公表なし
ウミトロン水産養殖水産養殖とテクノロジーを組み合わせる公表なし公表なし
シーフードレガシー水産物の持続可能性サステナブルシーフードの主流化を3段階で進める公表なし公表なし
ビビッドガーデン「食べチョク」一次産業の担い手生産者が直接販売するオンライン直売所公表なし公表なし
フーディソン「sakana bacca」魚の生鮮流通魚屋の店舗運営公表なし公表なし

ベンナーズの数値の出典は、後述の「ベンナーズが水産業と食品ロス削減にもたらす効果」の参照にまとめています。

雨風太陽(ポケットマルシェ)

雨風太陽は、都市と地方をかきまぜることを使命とし、ポケットマルシェを運営する会社です。対応範囲は、農家と漁師から食材を直接買えるアプリのほか、食べものつき情報誌「食べる通信」やふるさと納税などです。生産者の背景にあるストーリーを伝え、生産者と消費者を直接つなぐことが特徴です。

参照:株式会社雨風太陽 公式サイト(2026年10月時点)

ウミトロン

ウミトロンは、持続可能な水産養殖を地球に実装することをミッションに掲げる会社です。対応範囲は、水産養殖とテクノロジーを組み合わせた取り組みです。漁獲だけでなく、養殖の現場から水産業の持続性を支えるという立ち位置が、ベンナーズとの違いです。

参照:株式会社ウミトロン 公式サイト(2026年10月時点)

関連記事:ウミトロンを解説|AI給餌機の仕組みと料金・餌の無駄削減の実績

シーフードレガシー

シーフードレガシーは、2030年までにサステナブルシーフードの主流化をめざす会社です。事業は、説明責任への意志の醸成、説明責任の制度化と実装、先駆者モデルのアジア規模への展開の3段階で構成されています。サステナブルシーフード・サミットを2026年10月21日から23日に東京で開催予定と公式サイトで案内されています。

参照:株式会社シーフードレガシー 公式サイト(2026年10月時点)

ビビッドガーデン(食べチョク)

ビビッドガーデンは、生産者のこだわりが正当に評価される世界を掲げ、オンライン直売所の食べチョクを運営する会社です。対応範囲は、個人向けの直売、官公庁向け、法人向け、ふるさと納税などです。生産者が個人や法人へ直接商品を販売できる場を提供することで、一次産業の担い手を支える立場にあります。

参照:株式会社ビビッドガーデン 公式サイト(2026年10月時点)

フーディソン(sakana bacca)

フーディソンは、「生鮮流通に新しい循環を」を掲げる会社で、魚屋のsakana baccaを運営しています。公式サイトでは、店舗情報、法人向けデリバリー、魚のレシピなどが案内されています。日常の食卓に魚のある風景を守ることを、sakana baccaの考え方として示しています。

参照:株式会社フーディソン 公式サイト、sakana bacca 公式サイト(2026年10月時点)

関連記事:sakana baccaを解説|店舗・買い方と水産業への関わり

ベンナーズの取り組み事例

ベンナーズが自ら公表している取り組みのうち、受賞と海外展開の2件を取り上げます。いずれもベンナーズ自身のプレスリリースに基づいています。

日本サブスクリプションビジネス大賞2023で3位入賞

ベンナーズが運営するフィシュル!は、日本サブスクリプションビジネス振興会が主催する「日本サブスクリプションビジネス大賞2023」で3位に入賞しました。第5回となる同賞は、お得、悩み解決、便利、新規性、成長性の要素を持つサブスクを表彰するものと、ベンナーズは発表しています。発表日は2023年12月7日です。

参照:株式会社ベンナーズ プレスリリース「天然国産の未利用魚活用「フィシュル」が『日本サブスク大賞2023』3位入賞。」(2023年12月7日)

インドネシアでの水産バリューチェーン構築に向けた調査

ベンナーズは、株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバルと共同で提案した事業が、経済産業省の令和7年度グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金に採択されたと、2026年7月22日に発表しました。対象はインドネシアの南スラウェシ州で、今秋から事業化可能性調査を始めるとしています。

目指すのは日本の商品を輸出することではなく、現地の企業や漁業者が自ら続けられる仕組みをつくることだと、ベンナーズは説明しています。調査の結果は、本記事の時点では公表されていません。

参照:株式会社ベンナーズ プレスリリース「日本で磨いた未利用魚活用ノウハウを海外展開」(2026年7月22日)

ベンナーズが水産業と食品ロス削減にもたらす効果

ベンナーズの取り組みは、行き場のない魚に需要をつくり、魚種の偏りと漁業者の収入機会を改善しようとするものです。公表される活用量は、国全体の生産量と比べると小さい点も押さえておく必要があります。

活用量を国内の漁業・養殖業生産量と比べる

ベンナーズは、未利用魚の活用量を累計248トン(2025年12月時点)、2025年単年で73トンと公表しています。農林水産省の資料では、令和6年(2024年)の漁業・養殖業生産量は3,636千トン(約364万トン)です。

73トン÷3,636,000トン=約0.002%(編集部推計)と計算できます。比較の年は、ベンナーズが2025年、農林水産省の統計が2024年で1年のずれがあります。この数字は、未利用魚の全体量に対する割合ではなく、国内の生産量全体に対する大きさです。

項目数値時点
ベンナーズの未利用魚活用量(単年)73トン2025年
ベンナーズの未利用魚活用量(累計)248トン2021年3月〜2025年12月
国内の漁業・養殖業生産量3,636千トン2024年
単年の活用量が生産量に占める割合(編集部推計)約0.002%2025年と2024年の比較

量そのものは小さくても、これまで流通に乗りにくかった魚に買い手がつくこと自体に意味がある、というのがベンナーズの立場です。国内の未利用魚の総量には公的な集計が見当たらないため、本記事ではその割合は示していません。

参照:株式会社ベンナーズ プレスリリース「約310万食分の学校給食相当行き場のない魚「未利用魚」を248トン活用」(2026年6月4日)、農林水産省「漁業・養殖業の生産量の推移」(令和6年)

魚種が広がると何が変わるのか

ベンナーズは、日本近海に約3,800種の魚がいる一方で、市場で安定して流通するのはその一部に限られると説明しています。消費が特定の魚種に偏ると、その資源への負荷が高まり、値が付かない魚も生まれるという整理です。

あわせて同社は、日本人の魚介類消費量が2001年度の約40.2kgから2023年度の約21.4kgへ減ったこと、漁業就業者が1988年の約39万人から2022年の約12.3万人へ減ったことを、背景として挙げています。これらはベンナーズが示した数値で、出典の統計は本記事では確認していません。

取り扱う魚種は約200種類で、同社は5年後に300種類以上、年間活用量を150トンにする目標を掲げています。目標は同社の計画であり、達成が保証されたものではありません。

学校給食に換算した活用量の見方

ベンナーズは、累計248トンを「約310万食分の学校給食相当」と表現しています。魚の主菜1食を80gとした同社の換算で、248トン÷80g=310万食です。

この換算は同社が独自に置いた前提によるもので、実際に給食として提供された量を示すものではありません。数字を読むときは、換算の前提を確認することが大切です。

よくある質問

ベンナーズとフィシュル!について、よく寄せられる疑問を、公式サイトの情報をもとにまとめました。

Q
ベンナーズとはどんな会社ですか?
A

ベンナーズは、福岡市東区に所在し、未利用魚のサブスク「フィシュル!」を運営する株式会社です。販売責任者は井口剛志氏で、取扱商品は冷凍水産物と公式サイトに記載されています。

Q
フィシュル!は定期購入しかできませんか?
A

はい、フィシュル!の商品はすべて定期便です。回数の縛りがないおまかせ便と、3回継続で割引になるラクラク便があり、ラクラク便は3回受け取るまで解約できません。

Q
フィシュル!はいつまでに解約すればよいですか?
A

お届け予定日の12日前までなら、チャットで解約できます。5〜11日前はお問い合わせフォームでの連絡が必要で、4日前から当日は手続きできません。

Q
未利用魚とは何ですか?
A

味は良いのに、見た目や加工のしやすさなどの理由で規格外として扱われ、十分に流通しない魚のことです。法令上の統一された定義はなく、企業や団体によって範囲が異なります。

Q
ベンナーズは怪しい会社ですか?
A

運営会社名、所在地、販売責任者、解約と返品の条件は公式サイトで確認できます。一方で、第三者の利用者レビューは本記事の調査では確認できなかったため、味や満足度は各自で試して判断してください。

Q
アレルギーがあっても利用できますか?
A

重篤なアレルギーがある方には、原則として利用を勧めていません。商品の製造を隔離して行っていないため、他の成分の混入がないとは言い切れないと公式が述べています。

まとめ

ベンナーズは、未利用魚を商品化するフィシュル!を通じて、魚の流通に新しい需要をつくろうとしている会社です。利用や比較の前に押さえておきたい点を整理します。

  • ベンナーズは福岡市の株式会社で、未利用魚のサブスク「フィシュル!」を運営しています。
  • フィシュル!は全商品が定期便で、解約とスキップはお届け予定日の12日前までが目安です。
  • 商品ごとの価格は各商品ページで確認する方式で、第三者の利用者レビューは確認できませんでした。
  • 2025年単年の活用量73トンは、国内の漁業・養殖業生産量の約0.002%(編集部推計)にあたります。
  • 同じ課題に取り組む企業として、雨風太陽、ウミトロン、シーフードレガシー、ビビッドガーデン、フーディソンを紹介しました。

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

企業の取り組み・サステナビリティ・社会課題をテーマにした編集チーム。 企業や自治体の情報を編集部が一社ずつ確認し、 独自の基準で比較・整理した情報をお届けしています。