ECOALFを解説|海洋ごみが服になる仕組みと日本での買い方

ECOALF(エコアルフ)は、漁師が海から引き上げたごみを回収して再生素材に変え、衣料にするスペイン発のブランドです。日本では三陽商会が2020年から展開しており、この記事ではブランドの仕組みと日本での買い方、同じ課題に取り組む企業、社会への影響を、公式情報だけを根拠に整理します。

この記事でわかること

  • ECOALFの成り立ちと、日本での展開の経緯
  • 海洋ごみが服になる「Upcycling the Oceans」の4ステップと国別の実績
  • 日本の直営店・オンラインでの買い方と、価格を確認するときの注意点
  • パナソニックやタイの企業など、ECOALFと組んだ事例
  • 同じ課題に取り組む5つの企業・サービスの同一指標の比較表
  • 回収量を国の数値と並べたときの規模感と、社会への影響

ECOALFはどんなブランド?海洋ごみを服にするスペイン発の会社

ECOALFは2009年にスペインで生まれた、再生素材中心の服のブランドです。日本では三陽商会が展開しています。

ECOALFの成り立ちと「Because there is no planet B」

ECOALFは2009年に創業者のハビエル・ゴジェネチェ氏が立ち上げたブランドで、ブランド名は氏の2人の息子の名前に由来します。氏は、再生素材でも通常の素材と同じ品質とデザインの製品をつくれるなら、リサイクルは解決策になるという考えから、再生素材で最高品質の衣料をつくることを出発点にしたと述べています。ブランドのスローガンは「Because there is no planet B」(第2の地球はないのだから)です。

創業者はファッション産業を「世界で最も大きい産業の一つで、環境負荷が2番目に大きい産業」と位置づけ、事業の責任は利益の範囲を超えるべきだと同社の沿革ページで語っています。

参照:ECOALF公式サイト「Historia」(2026年10月確認)

日本での展開と素材の幅

日本では三陽商会が2020年3月から「ECOALF」の展開を始め、直営店とECで商品を販売しています。三陽商会の説明では、ペットボトル、タイヤ、漁網などを独自の技術でリサイクルし、これまでに600種類以上の生地を開発してきたとされています。

すべてのアイテムを再生素材か環境負荷の低い天然素材だけでつくるという方針は、素材選びの基準が明確なブランドを探している人にとって、比較の軸になります。

参照:三陽商会「ECOALF事業の推進」(2026年10月確認)

ECOALFの海洋ごみはどう服になる?Upcycling the Oceansの仕組み

漁港に並ぶ漁船。漁師が網にかかったごみを港へ持ち帰るECOALFの回収の現場を想起させる風景

漁師が網にかかったごみを港へ持ち帰り、分別・再生して衣料の素材にする仕組みで、UTOと呼ばれます。

UTOの4ステップ

UTOは、漁師が日々の操業で網に入ってしまうごみを持ち帰ることから始まります。財団の公式ページが示す流れは次の4段階です。

  1. 回収する:漁師がボランティアで、網にかかったごみを回収します。
  2. 分別する:港に置いた専用コンテナに入れ、定期的に処理施設へ運んで分別します。
  3. 再生する:選別した素材を原料に戻し、プラスチックはフレークやペレットにします。
  4. デザインする:PETをポリエステル糸にするなど、繊維産業で使える素材に変えます。

専用コンテナを使うのは、ごみが他の廃棄物の流れに混ざらないようにするためです。分別済みの状態で再生工程に回せることが、衣料に使える品質の素材をつくる前提になります。

参照:Fundación Ecoalf「Upcycling the Oceans」(2026年10月確認)

UTOの実績を国別に見る

ECOALF財団は、UTOが2015年にスペインで始まり、累計2,100t超の海洋ごみを回収したと公表しています。協力する漁師は4,775人超で、協力する漁師の活動は5か国に広がっています。国別の公表値は次のとおりです。

国・地域港漁船漁師累計回収量(開始年)
スペイン47港660隻超2,690人超1,490t超(2015年〜)
ギリシャ15港100隻超740人超455t超(2020年〜)
フランス15港299隻689人75.5t(2022年〜)
イタリア2港15隻60人53t超(2020年〜)
エジプト1港5隻30人42.4t(2023年〜)
タイ公表なし公表なしボランティア1,400人超・ダイバー300人超13t超(回収)

スペインだけで累計の7割近くを占めており、他国は始まって数年の段階です。財団は地中海沿岸の他国へも拡大を進めているとしています。

参照:Fundación Ecoalf「Fundación Ecoalf」(2026年10月確認)

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ECOALFはどこで買える?日本の直営店とオンラインの使い分け

日本では三陽商会の直営店とオンラインで買えます。価格は商品ごとに違うため、公式の商品ページで確認します。

日本の直営店とオンライン

ECOALFの公式サイトは、東京の店舗として高輪(NEWoMan Takanawa内、営業時間11:00〜20:00)と新宿(千駄ヶ谷、営業時間10:30〜19:30)などを案内しています。店舗の内装にも再生素材を使っているのが特徴で、高輪店はマネキンを再生スニーカーとPETボトルでつくり、新宿店は2030年のネットゼロ目標に沿って天然木材で装飾しているとされています。

買う場所特徴確認先
直営店(高輪・新宿など)素材の現物や再生素材の展示を見て選べます公式サイトの店舗案内
オンラインストア店舗に行けない場合や、サイズ・在庫を調べたい場合に使います三陽商会が案内する日本の公式サイト

参照:ECOALF公式サイト「Tokio」(2026年10月確認)

価格と購入前の確認ポイント

価格は素材やアイテムによって異なります。本記事では金額を掲載せず、購入前に公式の商品ページで確認することをおすすめします。確認する点は、素材表示(再生素材の種類)、お手入れ方法、返品・交換の条件の3つです。

再生素材は、元になる廃棄物の種類によって手触りや厚みが変わります。店舗で実物に触れてから、オンラインで色やサイズ違いを探す使い方が失敗しにくい方法です。

ECOALFと組んだ企業・自治体の事例

ECOALFの活動は、企業や自治体との協業で広がっています。ここでは、当事者が自ら公開している3つの事例を紹介します。

パナソニックと共同開発した釦(2022年)

パナソニックは、三陽商会が展開するECOALFと協業し、植物由来のセルロースファイバー成形材料「kinari」を使った衣料用の釦とスピンドルストッパーを開発しました。

2022年4月1日発売の日本限定コレクション「ACT」シリーズのジャケットやパンツ、収納パックなどに採用されました。パナソニックは2019年に、セルロースファイバーを55%の濃度で樹脂に混ぜ込む複合加工技術を開発したと公表しています。

参照:パナソニック「三陽商会のサステナブルファッションブランド「ECOALF」との共同開発」(2022年3月30日)

PTTグローバルケミカルなどとのタイでの取り組み(2017年〜)

「Upcycling the Oceans, Thailand」は2017年に、タイ国政府観光庁、PTTグローバルケミカル、ECOALF財団の3者で始まったプロジェクトです。

目的は、タイの沿岸・海洋の観光地での廃棄物管理を進めることです。2021年8月から2022年7月の拡張版では、PTTグローバルケミカルが海事局などと組み、海や川で回収したPETボトルと漁網を再生して製品に変える取り組みを行ったと同社が公表しています。

参照:PTT Global Chemical「The Upcycling the Oceans, Thailand project」(2026年10月確認)

三重県志摩市での海洋ごみストッカーの実証実験(2021年)

志摩市が主体となり、三重外湾漁業協同組合安乗事業所の協力を得て、安乗漁港内に海洋ごみのストッカーを設置しました。

漁業者が操業中に網にかかったペットボトルなどを陸に持ち帰り、ストッカーへ入れる実証実験で、三陽商会が活動報告として公開しています。成果の数値は公表されていません。

参照:三陽商会「ECOALF「UPCYCLING THE OCEANS」活動」(2026年10月確認)

ECOALFと同じ課題に取り組む企業・サービス

ECOALF以外にも、海のごみや衣料の廃棄に取り組む企業があります。ここでは5社を並べて紹介します。

並べる順番は社名の読みの五十音順で、順位や推奨の順ではありません。各社の公式ページに書かれている内容だけで、同じ4項目にそろえました。公式ページに記載がない項目は「公表なし」としています。

取り組みの対象仕組み公表している実績開始年
ECOALF海洋ごみ(PET・漁網ほか)漁師が回収し、分別・再生して素材化年間206t、累計2,100t超(財団の公表)2015年(UTO)
Enaleia海洋プラスチック・廃漁具漁師が回収し、再生・アップサイクルへ2018年以降の累計2,500,000kg2018年〜2019年(Mediterranean CleanUp)
JEPLAN廃PET・廃衣料ケミカルリサイクルでPET樹脂に再生PET樹脂1t製造時のCO2排出量を石油由来比で約49%削減(北九州響灘工場、自社算定)公表なし
Parley for the Oceans海洋プラスチック沿岸で回収・選別し、糸や生地に変える公表なし2012年
PANGAIAバイオ由来・再生・責任調達の素材素材を開発し、衣料に使う公表なし2019年
ユニクロ(RE.UNIQLO)自社の使用済み衣料店頭で回収し、リユースまたはリサイクル公表なし2006年(全商品リサイクル活動)

この表は、各社が自社の公式ページで述べている範囲の比較です。取り組みの対象が違うため、数値を直接比べて優劣を決めることはできません。

Enaleia(エナレイア)

ギリシャ発の組織で、漁師と一緒に地中海の海洋プラスチックを回収し、循環経済に組み込む取り組みを進めています。

取り組みの範囲は、漁船による海底からの回収、漁期の終わりに使用済み漁具を集める予防活動、ビーチクリーンアップの3つです。

公式ページでは、2018年以降の累計回収量が2,500,000kgで、その内訳は海底から引き上げた分が70%、予防活動が20%、ビーチクリーンアップが10%と示されています。

参照:Enaleia「Our impact in numbers」(2026年10月確認)

JEPLAN(ジェプラン)

廃PETボトルや廃衣料をPET樹脂に戻す、ケミカルリサイクルの技術を持つ日本の企業です。

事業は、商用プラント、技術ライセンス、アパレル、ボトルの4つに分かれています。

公式ページによると、北九州響灘工場での衣料由来のPET樹脂製造は、石油由来の原料からの製造と比べてCO2排出量を約49%削減できます。これは同社のLCA算定で、1回の循環を想定した条件です。

参照:JEPLAN「サステナビリティ」(2026年10月確認)

Parley for the Oceans(パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ)

2012年に始まった環境団体で、海に流れ込むプラスチックごみを回収・再生した素材「Parley Ocean Plastic」を、ブランドやデザイナーに提供しています。

素材化の流れは、沿岸での回収、選別、糸や生地への変換の3段階です。

ブランドとの協業では、アディダスとの長期的な協業を代表的な取り組みとして公式サイトに掲げています。Parley自身の回収量は、参照したページでは確認できませんでした。

参照:Parley for the Oceans「Parley Ocean Plastic」(2026年10月確認)

PANGAIA(パンゲア)

2019年に設立された、バイオ由来・再生・責任調達の素材を使った衣料を手がけるB Corp認証企業です。

取り組みは、気候・水・生物多様性に関する「PLANET」、サプライチェーンの人権に関する「PEOPLE」、素材開発の「PANGAIA LAB」の3本柱で整理されています。

公式ページが掲げる最新の素材の一つは、土壌を再生するとされる再生型コットンです。実績の数値は、参照したページでは確認できませんでした。

参照:PANGAIA「About Us」(2026年10月確認)

ユニクロ(RE.UNIQLO)

自社で販売した衣料を店頭で回収し、リユースやリサイクルにつなげる取り組みです。

着られる衣料は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や世界各地のNPO・NGOと協力して難民キャンプや被災地へ届け、着用に適さないものは自動車用防音材や固形燃料(RPF)にリサイクルすると説明しています。

ダウンウェアは、回収した商品のダウンとフェザーを100%使用した新しいダウンウェアに再生します。この説明は2021年10月15日のプレスリリースに基づきます。

参照:ユニクロ「RE.UNIQLO」プレスリリース(2021年10月15日)

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ECOALFが社会に与える良い影響

漁網に包まれたペットボトルの山。海洋ごみから再生素材をつくる流れを表す写真

ECOALFの影響は、海底のごみの回収、漁業者との協力、経営の透明性の3点で整理できます。

回収量を国の数値と並べると

ECOALF財団の公式ページは、UTOが年間206tの海洋ごみを回収していると公表しています。ただし、このページは年次を明記していません。

一方、環境省の「プラスチック・スマート」によると、海に流出するプラスチックごみは世界中で年間800万tと試算されています。同じtの単位で並べると、次のようになります。

項目数値
UTOの年間回収量(財団の公表)206t
海に流出するプラスチックごみ(環境省の紹介する試算・年間)800万t
UTOの回収量が占める割合(編集部推計)0.0026%

編集部推計の式は、206t÷8,000,000t=0.0026%です。UTOが回収するのは漁網にかかる海洋ごみ全般で、800万tはプラスチックごみに限った試算のため、厳密に同じ範囲の比較ではありません。

この規模感からわかるのは、回収だけで海洋汚染は解決しないという点です。ECOALF財団は自ら、循環経済を広げて廃棄物を出さない仕組みをつくることが最も有効な予防だと述べています。

参照:環境省「プラスチック・スマート」(2026年10月確認)

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漁師の協力と科学的な分析

UTOの回収は、4,775人超の漁師がボランティアで担っていると財団は公表しています。漁師が日々の操業の中で持ち帰る仕組みで、回収のためだけの船を出さずに続けられる点が特徴です。

財団は回収したごみの科学的な分析も1,980件超行い、ごみの出どころと海へ届く経路を調べているとしています。分析の結果は、ごみがどこから来て海へ届くのかを理解するために使われています。

素材と経営の透明性

ECOALFは、B Corp認証のスコアが99.1から122.7へ上がったと公表しています。B Corpは3年ごとに再評価される制度で、認証には80点以上が必要です。

同社の2022年のサステナビリティ報告によると、2022年秋冬コレクションでは廃棄された衣料から新しい衣料をつくる繊維から繊維へのリサイクルにより、5.5tの衣料が埋め立てられずに済んだとされています。また、同コレクションで節約できた水は122億リットル超と公表されています。いずれも会社が報告した数値で、第三者が検証した値ではありません。

参照:ECOALF公式サイト「Ecoalf B Corp 2026」(2026年10月確認)、ECOALF公式サイト「Memoria de sostenibilidad」(2022年版)

読者と企業が参加するには

日本では三陽商会が、2020年から2025年にかけて新宿区、渋谷区、世田谷区、大阪市、三重県志摩市、沖縄県宮古島市などでクリーンアップイベントを開いてきました。売上の一部がUTOの活動資金に寄付されるBECAUSEコレクションの購入も、参加の方法の一つです。

企業の側では、漁港や自治体と連携した回収の実証、再生素材を使った副資材の共同開発など、事例で見たような参加の形があります。まず自社の廃棄物や副資材のどこに再生素材を入れられるかを洗い出すことが、最初の一歩になります。

よくある質問

ECOALFの出身国、買える場所、素材、UTOの意味など、検索でよく見られる6つの疑問に答えます。

Q
ECOALFはどこの国のブランドですか?
A

スペインのブランドです。2009年に創業され、日本では2020年3月から三陽商会が展開しています。

Q
ECOALFの服はすべて海洋ごみからできていますか?
A

いいえ。すべて再生素材か環境負荷の低い天然素材でつくられますが、海洋ごみだけが原料ではありません。ペットボトル、タイヤ、漁網などを再生した素材を使い、海洋ごみの回収はUTOという財団の活動が担っています。

Q
ECOALFは日本のどこで買えますか?
A

三陽商会の直営店とオンラインストアで買えます。東京では高輪や新宿に店舗があります。

Q
Upcycling the Oceansとは何ですか?
A

漁師が網にかかったごみを港へ持ち帰り、分別・再生して新しい素材にする、ECOALF財団の活動です。2015年にスペインで始まり、現在は5か国で行われています。

Q
ECOALFはB Corp認証を取得していますか?
A

はい。ECOALFは公式サイトで、B Corpのスコア122.7を達成したと公表しています。前回の認証は99.1でした。

Q
日本で海洋ごみの回収イベントに参加できますか?
A

三陽商会が各地でクリーンアップイベントを開催しています。参加方法は、ECOALFの公式サイトや店舗で最新の告知を確認してください。

まとめ

ECOALFの要点は、成り立ち、UTOの仕組み、買い方、社会への影響の4つです。詳しくは次のとおりです。

  • ECOALFは2009年にスペインで生まれ、日本では2020年から三陽商会が展開しています。
  • UTOは漁師が回収した海洋ごみを再生素材にする活動で、累計2,100t超を回収しています。
  • 日本では高輪・新宿などの直営店とオンラインで買えます。価格は公式の商品ページで確認します。
  • 回収量は、環境省が紹介する海への流出量と比べて0.0026%(編集部推計)で、回収だけでなく循環の仕組みづくりが課題です。
  • 同じ課題には、Enaleia、JEPLAN、Parley、PANGAIA、ユニクロも取り組んでいます。

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

企業の取り組み・サステナビリティ・社会課題をテーマにした編集チーム。 企業や自治体の情報を編集部が一社ずつ確認し、 独自の基準で比較・整理した情報をお届けしています。