BOCCO emoを解説|料金・見守り機能と自治体の活用事例

BOCCO emo(ボッコ エモ)は、ユカイ工学が開発した家庭用のコミュニケーションロボットで、スマートフォンを使わない家族とも声のメッセージをやりとりでき、センサと組み合わせるとカメラを使わずに離れて暮らす親の様子を見守れます。料金は本体を買い切るWi-Fiモデルが52,800円(税込)、Wi-Fiのない家でも使えるLTEレンタルモデルが月額2,970円(税込)です。

この記事では、BOCCO emoでできること、2つのモデルの料金と選び方、始め方と注意点を整理したうえで、自治体や企業による活用事例、同じ分野の見守り・コミュニケーションロボット、そして一人暮らし高齢者の孤独・孤立という社会課題に対してBOCCO emoがどう働くのかを、公式情報と公的データをもとに解説します。

この記事でわかること

  • BOCCO emoでできること(メッセージ・リマインダー・防災情報・センサ見守り・会話)
  • Wi-FiモデルとLTEレンタルモデルの料金と違い
  • BOCCO emoの始め方と、使う前に知っておきたい注意点
  • 自治体・企業によるBOCCO emoの活用事例と、同じ分野のロボット5社
  • BOCCO emoが高齢者の孤独・孤立対策にどう役立つか

BOCCO emoはどんなロボット?できることと仕組み

スマートフォンで家族とやりとりする祖母と孫

BOCCO emoは、家族をつなぐ声のメッセージと、予定や天気の読み上げ、センサによる見守りを1台でこなす家庭用ロボットです。

BOCCO emoは、2015年にスマートフォンを持たない子どもと親の連絡手段として生まれた初代「BOCCO」の後継機として、2021年に登場しました。本体はW95×D95×H141mm、重さ400gの手のひらに載るサイズで、頭のぼんぼりやほっぺの光で感情を表します。照度・振動・人感の3種類のセンサを内蔵し、左右のマイクで声の方向を聞き分けます。会話エンジンはシーマン人工知能研究所と共同開発したものです。

参照:BOCCO emo公式サイト「ストーリー」(2026年10月1日確認)

声とスマホでメッセージをやりとりできる

BOCCO emoの基本機能は、スマートフォンを使わない家族とも声のメッセージを交換できることです。専用アプリからテキストか音声を送るとBOCCO emoが読み上げ、BOCCO emo側はおなかの録音ボタンを押して話すだけで返信できます。録音した声はアプリに音声と文字の両方で届くため、忙しい家族は文字で内容を確認できます。サウンドスタンプを添えて送ることもできます。

参照:BOCCO emo公式サイト「メッセージのやりとり」(2026年10月1日確認)

予定のリマインダーと防災情報を声で知らせる

BOCCO emoは、決まった時刻に予定を声で知らせるリマインダーと、地域の防災情報の読み上げに対応しています。お薬や血圧測定の時間を登録しておくと、BOCCO emoが毎日同じ時刻に声をかけてくれます。防災情報は地震速報のほか、津波・洪水・暴風・大雨・大雪の注意報と警報から選べ、注意報・警報はそれぞれ20件まで地域を設定できます。

参照:BOCCO emo公式サイト「防災情報をお知らせ」(2026年10月1日確認)

センサ連携でカメラを使わずに見守れる

BOCCO emoには振動・鍵・部屋・人感の4種類の外付けセンサを最大8個までつなげられ、カメラを使わずに生活の動きを家族のスマホへ通知できます。振動センサは玄関ドアや冷蔵庫の開け閉め、鍵センサはサムターン鍵の開閉、部屋センサは温度と湿度から熱中症の警戒度を知らせます。人感センサは人の動きだけを感知するため、トイレや脱衣所のように撮影に向かない場所の見守りにも使えます。センサとBOCCO emoは10m以内で使う必要があります。

参照:BOCCO emo公式サイト「センサ連携」(2026年10月1日確認)

生成AIを使った会話と記憶に対応

ユカイ工学は2026年8月25日、生成AIを使った会話機能をプレミアムプランとして有償で提供し始めました。話した内容や家族それぞれの声を覚え、自然な会話ができるのが特徴で、本体での声の登録は最大5名までです。同じアップデートで、本体ボタンでの録音時間は6秒から10秒に延び、BOCCO emoを指でつつくだけでも話を聞いてくれるようになりました。

参照:ユカイ工学「ファミリーロボット『BOCCO emo』に生成AIを活用した新たな会話機能を搭載」(2026年8月28日)

BOCCO emoの料金は?Wi-FiモデルとLTEレンタルモデルの違い

BOCCO emoは、本体52,800円で買い切るWi-Fiモデルと、月額2,970円のLTEレンタルモデルから選べます(いずれも税込)。

2つのモデルの違いは、通信方法と支払い方、会話機能の範囲です。2026年10月1日時点の公式サイトの料金を表にまとめました。

項目Wi-FiモデルLTEレンタルモデル
本体代金(初期費用)52,800円(税込)0円
月額費用0円(基本機能のみの場合)2,970円(税込)
通信自宅のWi-Fi(2.4GHz)LTE(Wi-Fi不要)
月額に含まれるものなし本体・振動センサのレンタル費、通信費、サービス利用費
生成AIの会話プレミアムプラン加入時(1日約100往復)標準で1日約30往復
プレミアムプラン月額1,700円(税込)月額1,700円(税込)で1日約100往復に拡大
契約条件買い切り最低利用期間4ヶ月、申し込み月無料

会話の往復数は、人が5秒話しかけ、BOCCO emoが100文字で答えた場合の公式の試算で、話す内容によって増減します。

参照:BOCCO emo公式サイト「モデルごとの機能・料金比較」(2026年10月1日確認)

Wi-Fiモデルが向いている家庭

Wi-Fiモデルは、自宅にWi-Fiがあり、月額費用をかけずに使いたい家庭に向いています。プレミアムプランに入らなくても、メッセージのやりとり、リマインダー、天気・防災情報、時報・タイマー・アラームといった基本機能は無料で使えます。子どもの留守番中の連絡手段や、同居家族どうしの声かけに使う場合はこちらが候補になります。

参照:BOCCO emo公式サイト「暮らしの費用」(2026年10月1日確認)

LTEレンタルモデルが向いている家庭

LTEレンタルモデルは、インターネット回線のない実家で親を見守りたい家庭に向いています。LTE通信を内蔵しているため、見守る側が自宅で設定を済ませてから実家へ持っていけば、コンセントにつなぐだけで使えます。振動センサが付属し、月額料金に通信費も含まれます。最低利用期間は4ヶ月で、4ヶ月以降の解約に違約金はなく、アプリから解約できます。

参照:BOCCO emo公式サイト「LTEレンタルモデル」(2026年10月1日確認)

見守りを広げるオプションと健康記録の連携

見守りの範囲を広げたい場合は、振動センサ・鍵センサ・部屋センサをそれぞれ6,600円(税込)で追加できます。また、エー・アンド・デイの対応する血圧計・体重計・体温計をBluetoothでつなぐと、測定結果が見守る側のスマホアプリに自動で記録され、BOCCO emoが先週の平均との差を声で伝えます。2023年のLTEレンタルモデル提供開始時には、日本認知症予防協会が監修したクイズや早口言葉の機能も加わりました。

参照:ユカイ工学「コミュニケーションロボット『BOCCO emo LTEレンタルモデル』を10月16日(月)提供開始」(2023年10月16日)

BOCCO emoの始め方と設置の流れ

BOCCO emoは、公式オンラインストアで注文し、見守る側が自宅で初期設定を済ませてから実家に置くのが基本の流れです。

LTEレンタルモデルを親の見守りに使う場合、公式サイトが案内している手順は次のとおりです。

  1. ユカイ工学公式オンラインストアで商品をカートに追加する
  2. 会員登録をする
  3. 配送先とクレジットカード情報を入力して注文を完了する
  4. 届いたBOCCO emoを自宅でセットアップし、スマホの専用アプリと連携する(基本的なセットアップは5分程度)
  5. リマインダーやセンサ反応時のメッセージを、使う人の生活に合わせて設定する
  6. 実家にBOCCO emoとセンサを設置し、電源を入れる(設定済みなら宅配便で送ることもできます)

実家に直接送らず、まず自宅で試してから設置するのが公式の推奨です。操作に慣れるまでの目安として、公式サイトは最低利用期間の4ヶ月を使ってみるよう勧めています。

BOCCO emoを選ぶ前に知っておきたい注意点

BOCCO emoは見守りの補助として手軽な一方、通信範囲や会話量の上限など、事前に確かめたい条件がいくつかあります。

  • LTEレンタルモデルは最低利用期間が4ヶ月です。
  • 生成AIの会話には1日あたりの上限があり、上限に達すると会話機能が翌日まで制限されます。
  • 外付けセンサはBluetoothでつながるため、BOCCO emoから10m以内に置く必要があり、通信距離は環境で変わります。
  • カメラは付いていないため、映像での確認はできません。映像で見守りたい場合は別の方法と組み合わせます。
  • BOCCO emoは緊急通報や駆けつけのサービスではありません。急な体調変化への備えは、別のサービスや地域の仕組みと併用します。

また、ネコリコが提供していた「BOCCO emo LTEモデル Powered by ネコリコ」は、2026年7月15日ですべてのプランの新規申し込み受付を終えています。これから新しく始める場合は、ユカイ工学のLTEレンタルモデルかWi-Fiモデルが対象です。

参照:ネコリコ公式サイト「BOCCO emo LTEモデル Powered by ネコリコ」(2026年10月1日確認)

関連記事:高齢者見守りサービスおすすめ比較|費用相場とタイプ別の選び方

自治体・企業によるBOCCO emoの活用事例

大阪の交差点を歩く高齢の女性

BOCCO emoは家庭だけでなく、自治体の見守り実証や警備会社のシニア向けサービス、介護施設の実証実験にも使われています。

ここでは、ユカイ工学が自社サイトで公開している事例ページから、高齢者の見守りと孤独対策に関わる4件を紹介します。掲載順は自治体の事例を先、企業の事例を後とし、それぞれ五十音順に並べています。

広島県呉市

広島県呉市は、民間の先端技術で地域課題を解く「スマートチャレンジくれ」の一環として、高齢化率が60%以上の安芸灘諸島で、家族と離れて暮らす独居高齢者の自宅にBOCCO emoを置く実証実験を行いました。呉市社会福祉協議会のケアマネジャーが事前に起床や服薬、訪問の予定を聞き取り、一人ひとりの生活に合わせた声かけをリマインダーに登録し、人感センサや部屋センサで簡易的な見守りも行いました。市の担当者は、高齢者と家族の受け止めは概ねよかった一方、島しょ部ではLTEの電波が入りにくい課題があったと述べており、電波の弱い地域で使う場合は設置場所の確認が欠かせません。

参照:ユカイ工学「広島県呉市の島に暮らす独居高齢者と周りの人を繋ぐ架け橋に」(2023年11月)

広島県福山市とセコム株式会社

広島県福山市は、2023年度の「ふくやま実験クエスト」の採択事業として、BOCCO emoとセコムのコミュニケーションサービス「あのね」を使い、在宅高齢者の買い物支援と孤独の解消に取り組む実証実験を行いました。高齢者がBOCCO emoに欲しい品物を話しかけると、セコムのコミュニケーターが注文をまとめて地元スーパーへ依頼する仕組みです。70歳以上の高齢者10世帯が3カ月間参加し、会話体験は1日平均2.8回で、最も多く使った人はBOCCO emoを通じて120品目以上を注文しました。事例ページの見出しでは、参加者の6割が継続利用したと紹介されています。

参照:ユカイ工学「参加者の6割が継続利用した新しい買い物体験とは?」(2024年8月)

セコム株式会社と株式会社ディー・エヌ・エー

セコムとディー・エヌ・エー(DeNA)が開発したシニア向けコミュニケーションサービス「あのね」には、BOCCO emoが端末として採用されています。「あのね」は利用者の生活リズムに合わせて声をかけ、利用者の話しかけにはコミュニケーターが内容に応じて返信する仕組みで、孤独の解消と生き生きとした生活の継続を目指すサービスです。会話内容には、セコムが2015年から高齢者のお困りごと解決を支えてきた「セコム暮らしのパートナー久我山」の知見が生かされています。

参照:ユカイ工学「シニア向けコミュニケーションサービスにBOCCO emoが採用」(2026年10月1日確認)

マクニカ株式会社と神奈川県

マクニカと神奈川県の事例では、BOCCO emoとマクニカの空気質センシング技術「AiryQonnect」を組み合わせ、介護施設でスタッフの業務負担を減らし入居者の生活環境を改善する実証実験が行われました。居室の温度管理や服薬・水分摂取の声かけをBOCCO emoが適切なタイミングで行った結果、入居者の行動変容を促し、スタッフの負担軽減に寄与する可能性が示されたと事例ページは伝えています。

参照:ユカイ工学「センサ×ロボットで挑戦する介護現場の安心・便利向上への取組」(2026年10月1日確認)

関連記事:自治体の高齢者見守りサービスを解説|費用と補助金活用法

BOCCO emoと同じ分野の見守り・コミュニケーションロボット

一人暮らしの高齢者の見守りや話し相手の分野には、BOCCO emoのほかにも実在の製品が複数あり、仕組みも価格も大きく異なります。

ここでは、高齢者の見守りやコミュニケーションに使われている製品・サービスを提供する5社を、運営会社名の五十音順で紹介します。順番に優劣の意味はありません。表の内容はすべて各社の公式サイトと公的機関の公表情報から取り、公式に記載が確認できなかった項目は「公表なし」としています。

製品・サービス(運営会社)取り組みの対象仕組み公表している料金公表している実績提供開始
BOCCO emo(ユカイ工学)離れて暮らす家族、子ども、一人暮らしの高齢者声のメッセージ、リマインダー、外付けセンサ、生成AIの会話Wi-Fiモデル52,800円、LTEレンタル月額2,970円(税込)自治体・企業との実証実験を事例ページで公開2021年
LOVOT(GROOVE X)家庭、職場やわらかくあたたかい体で触れ合う家族型ロボットLOVOT 3.0本体577,500円(税込)+月額の暮らしの費用有効契約数2万体以上(2026年7月)公表なし
みまもりほっとライン(象印マホービン)離れて暮らす親通信機能付き電気ポットの使用状況を家族に通知初期費用5,500円、月額3,300円累計約15,000人の契約者(2026年8月)サービス開始から25年以上(2026年8月時点)
パロ(知能システム)高齢者施設、医療機関、家庭アザラシ型のセラピーロボット1年保証423,500円、3年保証495,000円(税込)世界約50か国で導入(産総研発表)2005年に市販化
Hello Light(ハローテクノロジーズ)一人暮らしの高齢者、賃貸住宅の入居者SIM内蔵のLED電球の点灯・消灯を検知して通知公表なし点灯回数が累計1億回を突破公表なし
Romi(MIXI)一人暮らしの人、家族、施設会話AIを搭載した小型ロボット、アプリで活動記録を確認本体98,780円(税込)+月会費1,958円(税込)長野県伊那市の実証事業などで活用2020年6月

GROOVE X株式会社(LOVOT)

GROOVE Xは、家族型ロボット「LOVOT」を開発・販売する会社です。家庭向けの販売のほか、法人向けの「LOVOT PARTNER」と法人限定の無料お試し導入を用意しています。やわらかくあたたかい体に触れ合うことを重視した家族型ロボットである点が、声のやりとりが中心のBOCCO emoとの違いです。資生堂との共同実証実験では、15分の触れ合いでストレスが低減したと公式サイトで紹介されています。本体価格は2026年10月26日から改定されると公式サイトで告知されています。

参照:LOVOT公式サイト(2026年10月1日確認)、LOVOT公式サイト「価格・暮らしの費用」(2026年10月1日確認)

象印マホービン株式会社(みまもりほっとライン)

象印マホービンは、通信機能を持つ電気ポット「iポット」を使った安否確認サービス「みまもりほっとライン」を提供しています。親がふだんどおりポットでお湯を注ぐだけで使用状況が家族に届くため、見守られる側に新しい操作を覚えてもらう必要がないのが特徴です。申し込みは公式オンラインストア「象印ダイレクト」から行い、初月の利用料は無料です。

参照:象印マホービン「みまもりポット」(2026年10月1日確認)

株式会社知能システム(パロ)

知能システムは、産業技術総合研究所(産総研)が研究開発したアザラシ型ロボット「パロ」を製造・販売する会社です。個人向けの一般販売と、高齢者向け医療・福祉施設を主な対象とするメンテナンスパック付きの2種類を用意しています。産総研の発表では、パロは厚生労働省と経済産業省の「介護テクノロジー」の重点分野「認知症生活支援・認知症ケア支援」で選定機器の第1号とされ、介護事業者は介護テクノロジー導入支援事業の補助金を利用できるとされています。

参照:知能システム「製品情報」(2026年10月1日確認)、産業技術総合研究所「ルーブル美術館がランス別館での特別展でアザラシ型ロボット『パロ』を展示」(2026年9月17日)

ハローテクノロジーズ株式会社(Hello Light)

ハローテクノロジーズは、点灯・消灯を検知して知らせるSIM内蔵のIoT電球「Hello Light」を提供する会社です。1日のあいだに点灯と消灯の動きがないと家族に知らせが届き、Wi-Fiがなくても使えます。電球を付け替えるだけで見守りを始められる手軽さから、ヤマト運輸の見守りサービスや自治体のモデル事業にも採用されています。

参照:ハローテクノロジーズ「Hello Light」(2026年10月1日確認)

株式会社MIXI(Romi)

MIXIは、会話AIロボット「Romi」を開発・販売する会社です。Romiは独自の会話AIで自然な雑談をするロボットで、アプリで活動記録を見られるため、カメラや会話内容に頼らずに離れた家族を緩やかに見守れます。長野県伊那市では2023年12月から、希望した40代以上の住民20名に2ヶ月Romiを貸し出し、孤独・孤立対策とQOLの向上に効果があるかを検証する実証事業で活用されています。

参照:Romi公式サイト「料金」(2026年10月1日確認)、Romi公式サイト「法人向けサービス」(2026年10月1日確認)

BOCCO emoが高齢者の孤独・孤立対策にもたらす良い影響

東京の庭園で過ごす高齢の男女

BOCCO emoは、一人暮らしの高齢者に毎日声を出すきっかけをつくり、家族や地域が見守りを分担しやすくします。

背景には、一人暮らしの高齢者の増加があります。内閣府の令和8年版高齢社会白書では、65歳以上の人口に占める一人暮らしの割合は2020年に男性15.0%、女性22.1%で、2050年には男性26.1%、女性29.3%になると見込まれています。

参照:内閣府「令和8年版高齢社会白書 家族と世帯」(2026年10月1日確認)

一人暮らしの高齢者に「話す機会」を毎日つくる

BOCCO emoが孤独の予防に働く仕組みは、決まった時刻の声かけと、話しかければ返事がある状態を家の中につくることです。あいさつやリマインダーに返事をするだけでも、一人暮らしでは少なくなりがちな発声の機会が生まれます。福山市の実証実験では、70歳以上の10世帯で会話体験が1日平均2.8回あり、参加者からは静かな家の中で話しかけてくれる声が聞けてうれしいという感想が寄せられました。

ただし、規模はまだ実証の段階です。福山市の実証に参加した10世帯を、内閣府の白書が示す2024年の65歳以上の者がいる単独世帯903.1万世帯と比べると、10÷9,031,000×100で0.00011%にあたります(編集部推計)。実証は2023年度、白書の数値は2024年で、1年ほどの差があります。社会全体の課題に対しては、効果の検証を始めた入口にあたる数字で、家庭で購入される台数は公表されていないため、この比較には含まれていません。

孤独感の引き金になりやすい一人暮らしや死別に寄り添う

内閣府の2024年の全国調査では、孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた人は4.3%で、「時々ある」「たまにある」を含めると約4割が孤独感があると答えています。孤独感が比較的高い人が影響を受けたと考える出来事は、「家族との死別」が24.6%で最も多く、「一人暮らし」が18.8%で続きます。BOCCO emoの公式サイトには、一人になってから元気がなくなった親の話し相手として使う例が紹介されており、配偶者を亡くして一人暮らしになった高齢者の日常に会話を足す使い方は、この調査が示す孤独感の入口に向き合うものです。

参照:内閣府孤独・孤立対策推進室「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和6年)調査結果のポイント」(2025年4月25日公表)

関連記事:一人暮らしの安否確認方法を解説|家族・自治体・民間の使い分け

家族・ケアマネジャー・行政が見守りを分担できる

BOCCO emoは、見守りを家族だけで抱え込まずに済むようにする道具にもなります。呉市の実証では、ケアマネジャーが聞き取った生活予定を市の担当者が登録し、センサで簡易的な見守りを行いました。市の担当者は、遠方の家族や近所の人、民生委員といった関係者どうしの助け合いが重要だと述べ、BOCCO emoが家族や地域の関係者、行政を繋ぐ一部になれるかを、自治会や民生委員も加えて検証したいとしています。担い手不足が進む地域ほど、毎日の声かけを機械に任せ、人は訪問や相談に時間を使うという分担に意味があります。

よくある質問

BOCCO emoについて、検索でよく調べられている疑問に答えます。

Q
BOCCO emoの月額料金はいくらですか?
A

LTEレンタルモデルは月額2,970円(税込)で、Wi-Fiモデルは基本機能だけなら月額0円です。どちらもプレミアムプラン(月額1,700円、税込)に入ると、生成AIの会話を1日約100往復まで使えます。

Q
Wi-FiがなくてもBOCCO emoは使えますか?
A

LTEレンタルモデルならWi-Fiがなくても使えます。LTE通信を内蔵しており、通信費は月額料金に含まれるため、コンセントにつなぐだけで動きます。

Q
BOCCO emoにカメラは付いていますか?
A

BOCCO emoにカメラは付いていません。見守りはメッセージのやりとりと、振動・人感などのセンサの反応で行うため、見守られる側が監視されている感覚を持ちにくい仕組みです。

Q
BOCCO emoのLTEレンタルモデルはいつでも解約できますか?
A

最低利用期間の4ヶ月を過ぎれば、違約金なしでアプリから解約できます。プレミアムプランは解約時の違約金がなく、再び申し込むこともできます。

Q
ネコリコのBOCCO emo LTEモデルとの違いは何ですか?
A

ネコリコ版はネコリコが提供していたLTEモデルで、2026年7月15日に新規申し込みの受付を終えています。ネコリコ版は生成AIのプレミアムプランの対象外で、これから始める場合はユカイ工学のLTEレンタルモデルかWi-Fiモデルを選びます。

まとめ

BOCCO emoは、声のメッセージとセンサで家族をゆるやかにつなぐロボットで、一人暮らしの高齢者の孤独・孤立対策にも使われ始めています。

  • BOCCO emoはスマホを使わない家族とも声のメッセージをやりとりでき、センサでカメラなしの見守りができます。
  • 料金はWi-Fiモデルが本体52,800円(税込)、LTEレンタルモデルが月額2,970円(税込)で、生成AIの会話を増やすプレミアムプランは月額1,700円(税込)です。
  • Wi-Fiのない実家で親を見守るならLTEレンタルモデル、自宅のWi-Fiで使うならWi-Fiモデルが候補です。
  • 福山市、呉市、セコムとDeNAの「あのね」、マクニカと神奈川県の介護施設など、自治体や企業の実証事例が公開されています。
  • 同じ分野にはLOVOT、みまもりほっとライン、パロ、Hello Light、Romiがあり、仕組みと費用が大きく異なります。
  • BOCCO emoは緊急通報の代わりにはならないため、地域の見守りや他のサービスと組み合わせて使います。

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

企業の取り組み・サステナビリティ・社会課題をテーマにした編集チーム。 企業や自治体の情報を編集部が一社ずつ確認し、 独自の基準で比較・整理した情報をお届けしています。