ウラノス・エコシステム(Ouranos Ecosystem)は、経済産業省と情報処理推進機構(IPA)が進める、企業・業界・国境を越えたデータ連携の取り組みです。各社が自社のデータを手元に置いたまま、必要な相手とだけ安全に共有できる分散型の仕組みを目指しており、最初のユースケースは自動車・蓄電池のカーボンフットプリント(CFP)データの連携です。2026年10月時点では、蓄電池に加えて車載半導体や化学物質の情報連携にも対象が広がっています。
この記事では、仕組みと運営体制、ユースケース、欧州電池規則で確認できる期限、プロジェクト制度、対応する事業者と導入事例を、公式情報にもとづいて整理します。
この記事でわかること
- ウラノス・エコシステムの定義と、経済産業省・IPA・ABtCの役割分担
- 分散型データ連携の仕組みと、Open Data Spaces(ODS)への発展
- 蓄電池・車載半導体・化学物質のユースケース
- 欧州電池規則で確認できる適用日(バッテリーパスポート、デューデリジェンス)
- ウラノス・エコシステム・プロジェクト制度で選ばれたプロジェクト
- 対応アプリ・支援事業者4社と、認証取得などの導入事例
ウラノス・エコシステムとは?経済産業省とIPAが進めるデータ連携の取り組み

ウラノス・エコシステムは、企業や業界、国境を越えたデータ連携を、経済産業省とIPAが官民協調で進める取り組みです。
経済産業省の資料は、データ連携に必要な仕様や標準の策定、データ連携システムの開発、必要な政策・制度の整備を取組例に挙げています。「データをひとつの巨大なデータベースに集める」のではなく、各企業が自社のデータを保持したまま必要な相手とだけ共有できる「分散型」が特徴です。
| 担い手 | 主な役割 |
|---|---|
| 経済産業省 | 政策・制度の整備、ウラノス・エコシステム・プロジェクト制度の運営、公益デジタルプラットフォーム運営事業者の認定 |
| IPA(デジタル&AIシステムズ・デザインセンター) | ガイドラインやリファレンスアーキテクチャを経済産業省と共同で公開 |
| ABtC(自動車・蓄電池トレーサビリティ推進センター) | 自動車・蓄電池のデータ連携基盤(トレーサビリティサービス)の運営 |
| アプリ事業者・業務支援事業者 | ABtCの認証を受け、基盤に接続するCFP算定アプリや算定業務の支援を提供 |
IPAの同センターは、現在「デジタル&AIシステムズ・デザインセンター(DADC)」の名称で案内されています。以前の名称は「デジタルアーキテクチャ・デザインセンター」で、古い資料や記事ではこちらが使われています。ABtCは、国内自動車メーカー14社と、電池サプライチェーン協議会、日本自動車部品工業会が中心となって設立した一般社団法人です。
参照:経済産業省「ウラノス・エコシステムの今後の展開」、(2025年2月)、IPA「デジタル&AIシステムズ・デザインセンター」(2026年10月時点)、ABtC公式サイト(2026年10月時点)
ウラノス・エコシステムが生まれた背景
業界ごとにデータが分断される「データのサイロ化」が続くなか、サプライチェーン全体のCO2排出量やデューデリジェンスに関する情報開示への要請が高まっています。企業は、営業秘密を守りながら取引先とデータをやり取りする必要に迫られています。
ウラノス・エコシステムは、各社の営業秘密の保持やアクセス権限の確保を実現しながら、企業をまたいでサプライチェーン上のデータを共有・活用できるようにする仕組みです。まず先行ユースケースとして、蓄電池のCFPデータの連携システムが構築されました。
参照:ABtC「法人情報」、(2026年10月時点)
「分散型データ連携」という仕組みの意味
分散型データ連携は、各企業が自社のシステム内でデータを管理し続け、やり取りが必要なときだけ相手企業と連携する考え方です。ひとつの中央サーバーにデータを集約する方式と異なり、特定の管理者への依存を避けられます。
ABtCのCFPトレーサビリティサービスでは、各企業の秘匿情報を保護しながら、競争力を損なうことなく規則に対応できるとされています。サプライチェーンの川上から川下へ、各社が自社のCFP値に川上のCFP値を足して回答していく流れで、企業は自社の内訳データを相手に見せずに済みます。
参照:ABtC「蓄電池CFP」、(2026年10月時点)
ウラノス・エコシステムの技術的な特徴は?ガイドラインと国際接続

技術面では、IPAのガイドラインとAPI仕様に沿った接続、データ主権の保護、海外基盤との相互接続の3点が柱です。
ウラノス・エコシステムは理念にとどまらず、公開された文書と認証制度で実装が支えられています。ここでは、接続の仕組み、データ主権、国際接続、最新の技術文書を順に整理します。
ガイドラインとAPI仕様で既存システムと接続する
データ連携システムの設計原則と必要な機能は、IPAの「サプライチェーン上のデータ連携の仕組みに関するガイドライン(蓄電池CFP・DD関係)」にまとめられています。ガイドラインのβ版は2024年4月15日に公開され、API仕様書も同じページで入手できます。最終更新日は2025年5月9日です。
ABtCの基盤にアプリケーションを接続するには、ABtCの認証プログラムで「アプリケーション認証」を取得する必要があります。認証の詳細は、後述の事業者一覧の節で整理します。
参照:IPA「サプライチェーン上のデータ連携の仕組みに関するガイドライン(蓄電池CFP・DD関係)」、(2025年5月9日更新)
セキュリティとデータ主権を守る認定制度
データ連携システムを運営する事業者には、一定の公益性が求められます。経済産業大臣は、DX認定の基準に加えて、ガイドラインへの準拠、安全性・信頼性の確保、相互運用性の確保、事業安定性の確保を満たす事業者を「公益デジタルプラットフォーム運営事業者」として認定します。
ABtCは2026年9月4日に更新認定の取得を発表しました。更新後の認定の有効期間は、2026年9月1日からの2年間です。データを提供する企業が開示先を自分で決められる設計は、この認定の考え方と対になっています。
参照:ABtC「公益デジタルプラットフォーム運営事業者として更新認定を取得しました」、(2026年9月4日)
欧州のデータ基盤との相互接続
ウラノス・エコシステムは、日本国内で完結する仕組みではありません。IPAは2024年4月に、欧州の自動車産業向けデータ基盤Catena-Xとの間で覚書(MOU)を締結しています。ABtCも、官民連携で海外のデータ基盤との相互接続・運用に向けた対応を検討していると案内しています。
欧州規制への対応が必要な日本企業にとって、国内の取引先との連携と海外基盤との接続を同じ枠組みで考えられる点が利点です。
参照:Catena-X公式サイト、(2026年10月時点)
Open Data Spaces(ODS)への発展で何が変わるのか
IPAは2025年2月28日に、リファレンスアーキテクチャモデル(ODS-RAM)のホワイトペーパーを公開しました。その改訂版にあたる「Open Data Spaces リファレンスアーキテクチャモデル(ODS-RAM)」V2は、2026年4月1日に公開されています。
IPAはOpen Data Spaces(ODS)を、国や組織ごとの多様性を尊重する、オープンでスケーラブルな分散データマネジメントの技術コンセプトと説明しています。特定のクラウド、特定の規制、特定の企業に縛られない設計を掲げ、AIが現場の文脈を理解できる状態でデータを管理するための基盤という位置づけも示されています。
参照:IPA「ウラノス・エコシステム・データスペーシズ リファレンスアーキテクチャモデル ホワイトペーパー」、(2026年4月1日更新)、IPA「Open Data Spaces(ODS)」(2026年10月時点)
ウラノス・エコシステムの具体的なユースケースは?蓄電池・車載半導体・化学物質

公開されているユースケースは、蓄電池のCFP、車載半導体のデータ連携、化学物質・資源循環の情報連携の3領域です。
ABtCが現在提供するサービスは、蓄電池CFPと半導体DPF(データプラットフォーム)の2つです。化学物質・資源循環の領域は、IPAがガイドラインを公開した段階にあります。
| 領域 | 現在の状況 | 時点 |
|---|---|---|
| 蓄電池CFP | ABtCがトレーサビリティサービスを提供中。最新版はV3.2.0 | 2026年5月 |
| 車載半導体 | ABtCが半導体データプラットフォームサービスを正式提供 | 2026年4月20日 |
| 化学物質・資源循環(CMP) | IPAがCMPガイドライン0.1版を公開 | 2026年7月10日 |
参照:ABtC「サービス一覧」、(2026年10月時点)
蓄電池(EVバッテリー)のCFPトレーサビリティ
蓄電池CFPは、ウラノス・エコシステムの最初のユースケースです。ABtCのサービスを使うと、CFP算定アプリが集めた各社のCFP値を集計し、第三者認証機関へ証拠として提出できます。データ提供者はトレードシークレットを含むデータの開示先を自分で決められます。
| 提供時期 | バージョン | 主な内容 |
|---|---|---|
| 2024年5月 | V1.0.0 | サービス提供開始 |
| 2024年9月 | V2.0.0 | 業務運用に係る機能の追加・改善 |
| 2025年2月 | V3.0.0 | 業務運用の改善、法規解釈が進んだことによる追加要件への対応 |
| 2025年11月 | V3.1.0 | 認証業務支援に係る機能の追加 |
| 2026年5月 | V3.2.0 | 業務運用に係る機能の追加・改善 |
参照:ABtC「蓄電池CFPトレーサビリティを利用したい」、(2026年10月時点)
関連記事:蓄電池おすすめメーカー比較|価格相場と失敗しない選び方
車載半導体のサプライチェーンデータ連携
ABtCは2026年4月20日に「半導体データプラットフォームサービス」の正式提供を始めました。半導体の仕様や量産期間(SOP/EOL)などの情報をプラットフォーム化し、安定調達、設計・生産の効率化、有事の事業継続計画(BCP)の強化につなげる狙いです。
まずは車載半導体を対象とし、将来は他の産業分野の半導体全般のサプライチェーンにも活用範囲を広げる方針です。利用には利用申込書の提出が必要です。
参照:ABtC「「半導体データプラットフォームサービス」提供開始」、(2026年4月20日)
化学物質・資源循環のCMPガイドライン
経済産業省の資料は、ウラノス・エコシステムの適用範囲を自動車・蓄電池から、化学物質管理や資源循環を含む全製品・サービスへ広げる構想を示しています。その具体化のひとつが、製造業のサプライチェーンで化学物質情報の伝達をデジタル化する「製品含有化学物質・資源循環情報プラットフォーム(CMP)」です。
経済産業省とIPAは、ベンダーや個社のCMPアプリケーション開発を支援するため、2026年7月10日にCMPガイドライン0.1版を公開しました。附属書として用語一覧とシステム化対象の業務フローも出ています。
参照:IPA「製品含有化学物質・資源循環情報プラットフォーム(CMP)ガイドライン」、(2026年7月10日)
物流・サプライチェーンの強靭化への展開
経済産業省の資料は、適用範囲の拡大先として人流・物流の領域にも触れています。現時点でABtCが提供するサービスは蓄電池CFPと半導体DPFの2つで、物流向けの公開サービスは確認できませんでした。
一方で、車載半導体の連携は、有事の迅速な情報共有を通じてサプライチェーンの強靭化を図ることを狙いとしています。物流分野への広がりは、今後のプロジェクト選定を見て判断する段階です。
関連記事:サステナビリティ物流とは?環境と経済を両立する次世代の物流システム
中小企業が参加するには
中小企業にとっての入口は、ABtCの認証を受けたアプリケーションと業務支援事業者です。ABtCは、認証取得事業者の支援を受けることで、システム運用や算定業務の課題が解消されるかもしれないと案内しています。
ABtCは情報提供プログラムとデータスペース活用支援プログラムも用意しており、最新動向の把握から、SDKを使ったプロトタイプ構築までを相談できます。費用や条件は個別の相談になるため、ABtCや各事業者に確認してください。
参照:ABtC「支援メニュー」、(2026年10月時点)
関連記事:NTTデータの地方創生DX事例から学ぶ、地域課題解決の実践ノウハウ
ウラノス・エコシステムに企業が注目すべき理由は?欧州電池規則との関係

欧州電池規則にはバッテリーパスポートなどの適用日が定められており、その対応手段のひとつがウラノス・エコシステムです。
欧州電池規則(規則(EU)2023/1542)は、電池のライフサイクル全体に取り決めを置いています。条文にウラノス・エコシステムの名称は出てきませんが、ABtCのサービスは、この規則への対応を目的に設計されています。
欧州電池規則で確認できる適用日
条文から確認できる主な適用日は次のとおりです。デューデリジェンス義務は、2025年7月公布の規則(EU)2025/1561により2年延期され、2027年8月18日からになりました。
| 義務 | 適用日 | 条文 |
|---|---|---|
| バッテリーパスポート(LMT電池、2kWh超の産業用電池、EV用電池) | 2027年2月18日から | 第77条1項 |
| 電池デューデリジェンス義務 | 2027年8月18日から(旧2025年8月18日) | 第48条1項(規則(EU)2025/1561で改正) |
| CFP宣言(EV用電池) | 2025年2月18日、または所定の委任法・実施法の発効から12か月後のうち、遅い日 | 第7条 |
CFP宣言の適用日は下位法令の整備状況に連動します。最新の施行状況は、EU官報や欧州委員会の公表で確認してください。
参照:規則(EU)2023/1542(欧州電池規則)、(2026年10月確認)、規則(EU)2025/1561(2025年7月30日公布)
国内DX推進と新たなビジネス機会
ウラノス・エコシステムへの参加は、規制対応という守りの側面だけではありません。車載半導体の連携では、安定調達や設計・生産の効率化、有事のBCP強化が価値として掲げられています。
IPAのODSは、現場のリアルなデータを文脈と紐づけて「商品化」することを、AI時代の企業価値向上の鍵と位置づけています。データ主権を保ったまま取引先とつながる経験は、規制対応を超えた事業機会にも生きます。
ウラノス・エコシステム・プロジェクト制度で選ばれたプロジェクトは?
経済産業省のプロジェクト制度には先導と挑戦の区分があり、ABtCの車載半導体の連携は2件目の先導プロジェクトです。
ウラノス・エコシステム・プロジェクト制度は、経済産業省が推進する、ウラノス・エコシステムに基づくプロジェクトの選定制度です。ABtCの発表から、次の3件が確認できます。
| プロジェクト名 | カテゴリ | 運営主体 |
|---|---|---|
| 自動車・蓄電池のカーボンフットプリントおよびデューデリジェンスのデータ連携プロジェクト | 先導プロジェクト | ABtC |
| 車載半導体サプライチェーンのデータ連携プロジェクト(2026年9月4日に選定を公表) | 先導プロジェクト(2件目) | ABtC |
| 自動車LCAプラットフォームプロジェクト | 挑戦プロジェクト | ABtCの発表に記載なし |
先導プロジェクトの2件はいずれもABtCが運営主体です。制度の全体像や他の選定プロジェクトは、経済産業省の公開情報で確認してください。
参照:ABtC「「車載半導体サプライチェーンのデータ連携プロジェクト」が「ウラノス・エコシステム先導プロジェクト(OLP)」に選定されました」、(2026年9月4日)
ウラノス・エコシステムに対応するアプリ・システム事業者は?
ABtCの認証を受けたCFP算定アプリや業務支援事業者が、ウラノス・エコシステムの基盤に接続する窓口になります。
ここでは、各社の公式サイトでウラノス・エコシステムとの関わりを確認できた4社を、事業者名の五十音順に並べています。順位や評価ではありません。公式サイトで確認できた事業者に限ったため、5社に満たない掲載です。ABtCの認証取得事業者の全体は、ABtC公式サイトの一覧で確認できます。
ABtCの認証プログラムは4種類です。接続するアプリケーションにはA、事業者にはB1〜B3があります。
| 種別 | 対象 | 認証内容 |
|---|---|---|
| A:アプリケーション認証 | CFP算定アプリケーション | ガイドラインに従って基盤上で安全かつ安定して相互接続できること。基盤に接続するには取得が必要 |
| B1:アプリケーション開発事業者認証 | CFP算定アプリを開発する事業者 | 基盤との接続に必要な知識と技術を持ち、接続用アプリを開発できること |
| B2:業務支援事業者認証 | CFP算定の業務支援を行う事業者 | CFP算定のスキルと基盤の運用ルールの理解を備え、利用者の算定業務を支援できること |
| B3:アプリケーション開発支援事業者認証 | 基盤を使った開発環境を提供する事業者 | 開発事業者にテスト環境、オンボード支援、SDKを提供できること |
参照:ABtC「認証プログラム」、(2026年10月時点)
| 事業者 | 主なサービス | ウラノス・エコシステムとの関わり |
|---|---|---|
| アスエネ | ASUENE(サステナビリティAIプラットフォーム) | ABtCの最新版トレーサビリティサービスV3.2.0に認証アプリケーションとして対応 |
| NTTデータ | データスペース関連の開発・実証 | サプライチェーンデータ連携基盤の開発・実証事業に参画 |
| ゼロボード | Zeroboard for batteries | 欧州電池規則対応のCFP算定と、ウラノス・エコシステムへのデータ連携 |
| booost technologies | booost Sustainability Cloud | ABtCの「アプリケーション認証」を取得 |
アスエネ(ASUENE)
アスエネ株式会社は、CO2排出量の見える化・削減・報告を支えるクラウド「ASUENE」を提供する企業です。
支援範囲は、Scope1〜3の排出量の可視化、報告・情報開示、CFP・LCAの算定、CDPやSSBJなど国内外の制度に対応したコンサルティングです。
2026年6月にABtCの最新版トレーサビリティサービスV3.2.0へ認証アプリケーションとして対応しました。
参照:アスエネ公式サイト、(2026年10月時点)
NTTデータ
株式会社NTTデータは、ウラノス・エコシステムのデータ連携基盤の開発・実証事業に参画している企業です。
支援範囲は、業界横断で使えるデータ流通システムの開発と、蓄電池のトレーサビリティ管理システムにあたる連携サービス層の開発です。
同社の記事は、サプライチェーンデータ連携基盤の開発・実証事業に参画していると説明しています。記事は2023年11月公開のため、最新の担当範囲は同社に確認してください。
参照:NTTデータ「国内の議論も進む企業間データ流通インフラの実現構想」、(2023年11月21日)
ゼロボード(Zeroboard for batteries)
株式会社ゼロボードは、ESG関連データの収集・管理・開示を支えるクラウドを提供する企業です。
支援範囲は、欧州電池規則に対応するCFP算定、人権・環境デューディリジェンスの管理、ウラノス・エコシステムへのデータ連携で、自動車OEMとバッテリーメーカー、そのサプライヤーが対象です。
同社は、ウラノス・エコシステムとの連携に係る経済産業省の公募事業に全3回とも採択されたと案内しています。
参照:ゼロボード「Zeroboard for batteries」、(2026年9月末時点の掲載)
booost technologies(booost Sustainability Cloud)
booost technologies株式会社は、サステナビリティ経営を支えるERP「booost Sustainability Cloud」を提供する企業です。
支援範囲は、開示規制(SSBJ、CSRD)や製品規制(DPP、CBAM)への対応、脱炭素化、サプライチェーン対応です。
2025年4月に、ウラノス・エコシステムと相互接続できるアプリケーションとしてABtCの「アプリケーション認証」を取得しました。
参照:booost Sustainability公式サイト、(2026年10月時点)、booost technologies「「ABtC アプリケーション認証」を取得」(2025年4月14日)
ウラノス・エコシステムの導入事例は?受賞・認証取得の実例
事例は、日本産業技術大賞の受賞と、デンソー、パーソルクロステクノロジー、アスエネのABtC認証の4件を確認できました。
いずれも当事者が公開した情報にもとづきます。成果として数値が公表されていないものは、実施内容だけを記載しています。
ABtC、NTTデータ、ゼロボードなど5団体:日本産業技術大賞の内閣総理大臣賞
ABtC、NTTデータ、NTTデータグループ、ゼロボード、dotDの5団体は、「「ウラノス・エコシステム」による自動車および蓄電池サプライチェーン企業間でのデータ連携サービス」を共同で開発しました。
このサービスは、第54回日本産業技術大賞で最高位の内閣総理大臣賞を受賞しました。ゼロボードは2025年4月8日に受賞を発表しています。
参照:ゼロボード「日本産業技術大賞で「内閣総理大臣賞」を受賞」、(2025年4月8日)
デンソー:CFP算定アプリケーションの認証
株式会社デンソーのCFP算定アプリケーションが、ABtCの認証プログラムで「アプリケーション」として認証されました。
認証の有効期間は2026年2月9日から2年間です。ABtCは、認証の審査基準を、関与する事業への参画状況にかかわらずすべての対象に共通で適用すると説明しています。
参照:ABtC「株式会社デンソーのCFP算定アプリケーションを「ABtC認証プログラム アプリケーション」として認証しました」、(2026年2月9日)
パーソルクロステクノロジー:業務支援事業者の認証
パーソルクロステクノロジー株式会社が、ABtC認証プログラムの「業務支援事業者」として認証されました。
認証の有効期間は2026年4月27日から2年間です。基盤の運用ルールを理解したうえで、CFP算定業務などを支援できる事業者として位置づけられます。
参照:ABtC「パーソルクロステクノロジー株式会社を「ABtC認証プログラム 業務支援事業者」として認証しました」、(2026年4月28日)
アスエネ:V3.2.0対応で再依頼・再回答に対応
アスエネ株式会社の「ASUENE」が、ABtCの最新版トレーサビリティサービスV3.2.0に認証アプリケーションとして対応しました。
すでに保有している取引関係やCFP情報を活用しながら、再算定の依頼や回答を行えます。従来の情報を取り消さずに更新できる点が特徴です。
参照:アスエネ「ABtCの最新版「トレーサビリティサービス」V3.2.0に認証アプリケーションとして対応」、(2026年6月2日)
よくある質問

ここでは、ウラノス・エコシステムの参加方法や対象範囲について、よく検索される疑問に答えます。
ABtCのサービスは利用申込書を提出して使う形のため、参加は各社の申し込みが前提です。ただし、欧州電池規則のバッテリーパスポートなどは別に法令上の義務であり、その対応手段のひとつとして基盤を使う企業が増えています。
統一された参加企業の一覧は確認できませんでした。ABtCは国内自動車メーカー14社、電池サプライチェーン協議会、日本自動車部品工業会が中心となって設立され、本記事では公式情報で確認できた事業者4社を紹介しています。
参加の入口はあり、ABtCの認証を受けたアプリケーションや業務支援事業者を通じて対応できます。費用や条件は個別の相談になるため、ABtCや各事業者に確認してください。
Catena-Xは欧州の自動車産業向けのデータエコシステムで、ウラノス・エコシステムは日本の経済産業省とIPAが進める取り組みです。IPAは2024年4月にCatena-Xと覚書(MOU)を結び、相互接続を視野に連携しています。
CMPは「製品含有化学物質・資源循環情報プラットフォーム」の略で、製造業のサプライチェーンで化学物質情報の伝達をデジタル化する仕組みです。経済産業省とIPAが、2026年7月10日にCMPガイドライン0.1版を公開しました。
IPAはODSを、AI導入の基盤となる現場のデータや文脈を、分散したまま管理するための仕組みと位置づけています。ウラノス・エコシステムの技術文書がODSへ発展したことで、AI活用を意識した説明が加わりました。
まとめ

ウラノス・エコシステムは、経済産業省とIPAが進める分散型の連携基盤で、蓄電池から半導体や化学物質へ広がっています。
欧州電池規則では、バッテリーパスポートが2027年2月18日、デューデリジェンスが2027年8月18日から適用されます。対応を検討する企業は、ABtCの認証を受けたアプリや支援事業者から選ぶのが現実的な入口です。
この記事のまとめ
- ウラノス・エコシステムは、経済産業省とIPAが進める分散型のデータ連携の取り組みです
- 自動車・蓄電池のCFP連携から始まり、車載半導体と化学物質(CMP)へ広がっています
- IPAのDADCは「デジタル&AIシステムズ・デザインセンター」の名称で案内されています
- 欧州電池規則では、バッテリーパスポートは2027年2月18日、デューデリジェンスは2027年8月18日から適用されます
- ABtCは2026年9月に先導プロジェクトの選定と公益DPFの更新認定を公表しました
- 基盤への接続にはABtCの認証が必要で、認証取得のアプリ・支援事業者が窓口になります