dari Kとは?ロッテグループのカカオ農家支援と買える店

dari K(ダリケー)は、京都で2011年に生まれたビーントゥバーのチョコレートブランドで、2022年1月からロッテグループの一員です。インドネシア・スラウェシ島のカカオ農家に栽培と発酵の技術を伝え、品質に見合う価格で豆を買い取る点が、一般的なチョコレートブランドと異なります。この記事では、dari Kの仕組みと買える場所、同じ課題に取り組む他社、そして社会への効果を、公式情報と公的統計から整理します。

この記事でわかること

  • dari Kの運営会社と、ロッテグループに入った経緯
  • 発酵から手がけるチョコレートの特徴と、公式ショップの価格帯
  • 店舗とオンラインショップなど、買える場所
  • 「怪しい?」と感じたときの見方と、フェアトレード認証との違い
  • カカオ産地を支援する他社4社の取り組みの比較
  • dari Kが農家・環境・次世代に与える効果と、公表されている数字

dari Kとは?ロッテグループのビーントゥバーブランド

割ったカカオの実と、中に並ぶカカオ豆の断面

dari Kは、カカオ豆の調達から製造・販売まで手がける京都発のチョコレートブランドです。2022年1月からロッテの完全子会社です。

dari Kは2011年に京都で創業し、創業者の吉野慶一氏が、カカオ豆からチョコレートまでを一貫して作る「Bean to Bar」の手法で事業を始めました。運営するのはDari K株式会社で、2022年1月14日にロッテの完全子会社になりました。同社は2022年1月17日付の案内で「Dari K株式会社もdari Kブランドも変わらず存続いたします」と伝えており、ブランド名も店舗もそのまま続いています。

参照:ロッテ「Shall we Lotte」dari Kのページ、dari K「株式会社ロッテの完全子会社化のお知らせ」(2022年1月17日)

dari Kの名前の由来とAll-win Chocolateの考え方

「dari K」は、インドネシア語で「〜から」を意味する「dari」と、スラウェシ島の形を表す「K」を組み合わせた名前です。この「K」は京都(Kyoto)の頭文字でもあり、「スラウェシ島から、京都から」という意味が込められています。

掲げるコンセプトは「All-win Chocolate」で、つくる人(農家)、たべる人、くらしと自然のすべてが得をする関係を目指しています。公式ストーリーでは、一般的なフェアトレードを「生産者がかわいそうだから消費者が与える」ものと位置づけ、dari Kは生産者自らが努力によって勝ち取るフェアトレードをめざすと説明しています。

参照:dari K「STORY」(2026年10月時点)

dari Kの創業から現在までの歩み

dari Kが公表している沿革を表にまとめました。2016年にスラウェシ島へ現地子会社を設立し、産地での買い付けと発酵の体制を整えた点が大きな節目です。

時期できごと
2011年3月dari K創業。「カカオが香るチョコレート・トリュフ」を発売
2013年5月「カカオ豆から手作りチョコキット」を発売
2014年8月一般のお客様をスラウェシ島へ連れて行くカカオ農園ツアーを開始
2015年10月パリの「Salon du Chocolat」に初出展
2016年10月スラウェシ島に現地子会社KIC(Kakao Indonesia Cemerlang)を設立
2021年3月「カカオサンドクッキー」を発売。三条本店をリニューアルオープン
2022年1月ロッテグループに参画。丸の内オアゾ店がオープン
2025年4月経済産業省の補助金に採択。カカオ農園ツアーを再開

参照:dari K SUSTAINABILITY REPORT 2025(2026年7月14日公開)

dari Kのチョコレートの特徴は?発酵から手がける一貫製造

dari Kの特徴は、産地でカカオ豆を発酵させ、豆の個性を生かしたチョコレートに仕上げる点です。

チョコレートの味と香りは、収穫後の発酵で大きく決まります。ここでは、dari Kが発酵に力を入れる理由と、公式ショップで買える商品を整理します。

dari Kが産地で発酵を行う理由

公式ストーリーによると、インドネシア産のカカオ豆は、農家が発酵の工程を省くことが多く、日本にはあまり輸入されてきませんでした。発酵をしてもしなくても買取価格がほとんど変わらず、農家に品質を上げる動機がなかったためです。dari Kはこの構造に着目し、栽培・発酵・選別の技術を農家に伝え、高品質な豆だけを適正価格で買い取る方式を取っています。発酵そのものも自社の体制で行います。

こうして品質の上がった豆は、フルーティーな酸味や香りを持つチョコレートの原料になります。ブランドの原点である、農家の収入と豆の品質を同時に上げる考え方は、後述する社会的な効果の中心でもあります。

dari Kの主な商品と価格帯

公式サイトでは、78%のダークチョコレートに生カシューナッツを合わせた「カシューチョコ」、ダークチョコレートのテリーヌケーキ、カカオトリュフ(オンラインショップ限定)、手作りチョコレートキット、カカオサンドクッキーなどが紹介されています。価格は、公式オンラインショップの全33品目のうち、確認できた12品目で1,707円から6,826円(税込)でした。

商品の種類公式サイトでの紹介内容
カシューチョコ78%のダークチョコレートに生カシューナッツ
ダークチョコレートテリーヌ公式サイトのトップで紹介
カカオトリュフオンラインショップのみの取り扱い
チョコレートの手作りキットカカオ豆から手作りできるキット(2013年発売)
カカオサンドクッキー2021年3月に発売

参照:dari K公式サイト(2026年10月時点)、dari K公式オンラインショップ「全商品」(2026年10月時点)

dari Kはどこで買える?店舗とオンラインショップ

店頭のケースに並ぶチョコレートトリュフ

dari Kは、京都の三条本店、東京の丸の内オアゾ店、公式オンラインショップで買えます。

公式サイトの「STORE/CAFE」には、直営の丸の内オアゾ店と三条本店、そしてオンラインショップが掲載されています。このほか、2026年8月7日付のお知らせで、京都駅でのお土産取り扱いが案内されています。営業時間や取り扱い商品は店舗ごとに異なるため、訪問前に公式ページで確認してください。カカオトリュフのようにオンラインショップ限定の商品もあります。

参照:dari K「STORE/CAFE」(2026年10月時点)、dari K「京都駅 dari K お土産取り扱い」(2026年8月7日)

dari Kは怪しい?フェアトレード認証との違いと数字の見方

dari Kを怪しいと判断できる公式情報や公的な指摘は確認できず、数字も自社で公表しています。

調べた範囲では、dari Kに関する批判や問題の指摘は見つかりませんでした。ただし、紹介記事の多くは企業発表や取材記事で、第三者による評価は多くありません。読者が自分で判断できるよう、見るべき点を整理します。

フェアトレード認証とdari Kの買取の違い

公式ストーリーでは、一般的なフェアトレードを、品質にかかわらず高い価格を払う仕組みとして位置づけています。dari Kは、品質の高い豆にだけ高い価格を払う方式を取り、農家が努力で収入を上げることを重視しています。今回確認した公式ページの範囲では、国際的なフェアトレード認証ラベルの記載は見つかりませんでした。認証の有無を重視する人は、商品ごとの表示を店頭や公式ショップで確かめてください。

自社公表の数字を読むときの注意

買取量や取引農家数などの数字は、dari Kのサステナビリティレポートに自社が記載した値で、第三者の監査を受けたものとは書かれていません。公表の事実と、効果の大きさは別の話として読むのが安全です。数字の意味は、後半の社会的な効果の章で公的統計と並べて説明します。

関連記事:九鬼ごまとは?フェアトレード商品と国産ごまの取り組み、買い方

dari K以外にカカオ産地を支援する企業は?4社の取り組みを比較

カカオ産地の支援は、トニーズ・チョコロンリー、ミニマル、明治、森永製菓も公表しています。

以下の4社を、五十音順に並べました。順番は優劣やおすすめの順ではありません。各社の公式ページに書かれている内容だけを、同じ項目で表にまとめています。公式ページに記載がない項目は「公表なし」としています。

企業・ブランド取り組みの対象仕組み公表している実績開始年
dari Kインドネシア・スラウェシ島のカカオ農家栽培・発酵・選別の技術指導と、品質に応じた買取買取量は2016〜2025年の累計501,599kg、取引農家は実軒数2,439軒(同レポート)2011年創業。現地子会社の設立は2016年
トニーズ・チョコロンリーカカオ業界の搾取(貧困、児童労働、森林破壊)5つの調達原則(豆の追跡、強い農家の支援、長期の関係、生活所得を得られる価格、品質と生産性の向上)公表なし(調達原則のページに数値の記載なし)公表なし
ミニマルアジア、アフリカ、中南米の産地の農園産地の農園を訪ねて取引先を探し、豆と砂糖だけで製造公表なし公表なし
明治カカオ産地の農家(直近の苗木の寄贈先はブラジルとベネズエラ)社員の産地訪問、栽培・病害虫管理の勉強会、苗木センター、発酵の技術指導などサステナブルカカオ豆の調達比率は2023年度62%、2024年度は100%の見込み。苗木は2回目の寄贈で7,890本2006年
森永製菓ガーナなどカカオ産地の子どもたちと生産者対象商品の売上の一部を、国際NGOのプラン・インターナショナルとACE経由で寄付支援総額は約3億3856万円(2025年3月時点)2008年

トニーズ・チョコロンリー

トニーズ・チョコロンリーは、カカオ業界の搾取(貧困、児童労働、森林破壊)を終わらせることを掲げるチョコレートブランドです。支援の範囲は、豆の追跡から、農家や協同組合との長期の関係づくりまで及びます。

特徴は、農家が受け取る最低価格(ファームゲート価格)を生活所得参照価格と同額にすべきと考え、調達原則に明記している点です。日本での購入先は公式の店舗検索とオンラインショップで案内されています。

参照:トニーズ・チョコロンリー「トニーの調達原則」(2026年10月時点)、トニーズ・チョコロンリー日本公式サイト(2026年10月時点)

関連記事:Tony’s Chocolonelyを解説|買える店と調達5原則

ミニマル

ミニマルは、東京に複数の店舗を持つビーントゥバーのチョコレート専門店です。豆の選別と仕入れから、加工、製造、販売までを手がけます。

公式のブランドストーリーによると、アジア、アフリカ、中南米の産地から豆を選び、産地の農園を訪ねて取引先を探しました。原料はカカオ豆と砂糖だけで、生産者、つくり手、消費者の「三方良し」を掲げています。フェアトレード認証や購入価格の公表はなく、ここでは公式ページに書かれた考え方の範囲で紹介します。

参照:ミニマル「ブランドストーリー」(2026年10月時点)

明治

明治は、2006年から独自のカカオ農家支援活動「メイジ・カカオ・サポート」を続ける菓子メーカーです。社員が産地を訪れ、栽培や病害虫管理の勉強会、苗木センターの開設、発酵の技術指導、井戸の整備、学校備品の寄贈などを行っています。

数字を公表している点が特徴で、農家支援を行う地域で育ったカカオ豆を「明治サステナブルカカオ豆」と定義し、その調達比率は2023年度に62%、2024年度は100%の見込みと発表しました。また、社員からの募金による「カカオ・サポート基金」により、2回目の寄贈でブラジルに1,590本、ベネズエラに6,300本、合計7,890本の苗木を届けています。

参照:明治「カカオ・サポート基金で約8,000本のカカオの苗木を産地へ寄贈」(2025年10月3日)、明治「明治サステナブルカカオ豆の調達比率100%を達成へ」(2024年7月12日)

森永製菓

森永製菓は、2008年から「1チョコ for 1スマイル」を続け、カカオ産地の子どもたちの教育環境の改善と児童労働への取り組み、カカオ農家の収入向上を支援しています。

商品の売上の一部を国際NGOのプラン・インターナショナルと、日本生まれのNGOであるACEを通じて寄付する仕組みで、支援総額は約3億3856万円(2025年3月時点)です。2026年1月5日からの特別期間には、対象商品の売上1個につき1円をエクアドルとガーナの子どもたちの支援に充てると発表しています。

参照:森永製菓「1チョコ for 1スマイル」特別期間のお知らせ(2026年1月5日)

dari Kが社会に与える良い影響

木の幹に実るカカオの実

dari Kの効果は、農家の収入、産地の環境、次世代の育成の三つに表れます。数字は自社の公表値です。

品質に応じた買取が農家の収入を支える仕組み

dari Kと出会う前、インドネシアの農家は集荷人にカカオ豆を売るだけで、取引価格は「キロあたりいくら」と重さで決まり、豆のサイズや状態は問われませんでした。dari Kは品質に応じた価格で買い取るため、手間をかけた豆ほど収入につながる構造になります。さらに、豆がどのチョコレートになり、どこで売られるかが農家に伝わるようになったと、公式ページは説明しています。

規模を公表値で確認します。dari Kは、2016〜2025年の10年累計で、カカオ豆(乾燥豆)を501,599kg買い取ったと公表しています。取引した農家は、8年間の実軒数で2,439軒です。この買取量を年平均にすると50.2tです(編集部推計、501.599t÷10年)。

これを国全体の生産量と比べます。総務省統計局の「世界の統計2026」によると、2023年のカカオ豆の生産量は、世界が5,600千t(同書の推計値)、インドネシアが642千tです。インドネシアは世界の約11.5%にあたります(編集部推計、642÷5,600)。dari Kの年平均買取量は、インドネシアの生産量の0.0078%にあたります(編集部推計、50.2t÷642,000t)。

指標数値期間・出所
世界のカカオ豆の生産量5,600千t(推計値)2023年・総務省統計局「世界の統計2026」
インドネシアの生産量642千t2023年・同上
dari Kの買取量(累計)501,599kg2016〜2025年の10年累計・dari K
dari Kの買取量(年平均)50.2t(編集部推計)501.599t÷10年
dari Kの年平均が国内生産量に占める割合0.0078%(編集部推計)50.2t÷642,000t。年次が異なる点に注意

比較の年次が異なるため、あくまで目安です。dari Kは買取量が年ごとに大きく変動するとも書いています。この数字だけで産地全体が変わったとは言えず、品質で報われる取引の一つの実例として捉えるのが適切です。なお、スラウェシ島はインドネシアの全生産量の約6割を担う産地で、dari Kはこの島を拠点にしています。

参照:dari K「つくる人」(2026年10月時点)、総務省統計局「世界の統計2026」第4章 4-3 農業生産量(2023年のデータ)

木の老化や病害に備える環境面の取り組み

カカオの産地では、木の老化による生産性の低下、病害や害虫への弱さ、近年の気候変動が重なり、生産が減る課題があります。dari Kの公式ページは、苗木づくり、接ぎ木、栽培指導で木の世代交代を支え、生態系を豊かに保つアグロフォレストリー農法を実践し、農家や環境の負担を減らす病害の研究も続けていると説明しています。

2026年9月9日には、スラウェシ島にカカオの「育苗センター」を寄贈したと発表しました。木が古くなると収穫量が落ちるため、新しい苗木を安定して用意できる拠点があることは、将来の収入を守る手段になります。苗木の本数や目的の詳細は、確認できた公式ページには書かれていません。

参照:dari K「くらしと自然」(2026年10月時点)、dari K「インドネシアにカカオの「育苗センター」を寄贈」(2026年9月9日)

関連記事:欧州森林破壊防止規則(EUDR)を解説|適用日と日本企業の対応

子どもたちと消費者に広がる学びの場

dari Kは、2014年から2025年までに、現地の小学校で「カカオ豆からチョコレートを作るワークショップ」を16回開いたと公表しています。地元のカカオ豆をすり潰してチョコレートを作る体験で、子どもたちが自分の地域の産物に価値を見いだすことを狙っています。

消費者側にも関わる入口があります。2014年に始まったカカオ農園ツアーの参加者は、2014〜2025年の累計で407人です。2020年に中断し、2025年4月に再開しました。購入者が産地の様子を知る機会を持てる点は、買う人が産地の事情を理解する助けになります。参加を考える人は、最新の募集を公式サイトで確認してください。

よくある質問

dari Kについて、よく検索される疑問に答えます。

Q
dari Kはどこの会社のブランドですか?
A

dari Kは、2022年1月14日からロッテの完全子会社であるDari K株式会社のブランドです。2011年に京都で創業し、ブランドも店舗も変わらず続いています。

Q
dari Kのチョコレートはフェアトレード認証を受けていますか?
A

確認した公式ページの範囲では、国際的な認証ラベルの記載は見つかりませんでした。dari Kは、品質の高い豆を適正価格で買い取る独自の方式で農家を支援しています。

Q
dari Kはどこで買えますか?
A

京都の三条本店、東京の丸の内オアゾ店、公式オンラインショップで買えます。カカオトリュフのように、オンラインショップ限定の商品もあります。

Q
dari Kのカカオ農園ツアーには参加できますか?
A

ツアーは2025年4月に再開しています。2014年の開始から2025年までの累計参加者は407人です。最新の募集は公式サイトで確認してください。

Q
dari Kのチョコレートの値段はいくらですか?
A

公式オンラインショップの全33品目のうち、確認できた12品目では1,707円から6,826円(税込)でした。商品や内容量で価格は変わります。

dari Kのまとめ

dari Kは、産地での発酵と品質に応じた買取で、農家の収入とチョコレートの品質を同時に高めようとするブランドです。要点は次のとおりです。

  • dari Kは2011年創業の京都発ブランドで、2022年1月からロッテの完全子会社です
  • 産地で発酵させたカカオ豆を使い、品質の高い豆を適正価格で買い取っています
  • 買えるのは三条本店、丸の内オアゾ店、公式オンラインショップです
  • 買取量は2016〜2025年の累計501,599kg、取引農家は実軒数2,439軒で、いずれも自社公表値です
  • インドネシアの生産量との比較では小さな割合で、品質で報われる取引の一つの実例といえます
  • 他社では、トニーズ・チョコロンリー、ミニマル、明治、森永製菓が産地支援を公表しています

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

企業の取り組み・サステナビリティ・社会課題をテーマにした編集チーム。 企業や自治体の情報を編集部が一社ずつ確認し、 独自の基準で比較・整理した情報をお届けしています。