LIMEXとは?石灰石でできた素材の特徴・使い道とリサイクル

LIMEXは、株式会社TBMが開発した、石灰石などの無機物を50%以上含む紙・プラスチックの代替素材です。紙の代わりに使うシートと、プラスチックの代わりに使うペレットの2種類があり、名刺やメニュー、袋、容器などに使われています。値段は公式サイトに掲載がなく、問い合わせで確認する形です。この記事では、LIMEXの特徴と使い道、環境面で公表されている数値と注意点、リサイクルの仕組み、導入事例、同じ分野で素材の循環に取り組む企業を、各社の公式情報だけで整理します。

この記事でわかること

  • LIMEXの原料、2つの種類、運営会社TBMの概要
  • 値段が公表されていない理由と、問い合わせ前に決めておきたいこと
  • 公表されているCO2削減率の前提条件と読み方
  • 家庭での捨て方と、事業者向けのリサイクルの仕組み
  • 導入した企業の事例と、同じ分野で素材の循環に取り組む企業
  • LIMEXが社会にもたらす効果を、国のプラスチック廃棄量と並べた規模感

LIMEXとは?石灰石を50%以上含む紙・プラスチックの代替素材

LIMEXは、石灰石などの無機物を50%以上含むTBMの素材で、紙やプラスチックの代わりに使えます。

TBMは、石灰石がほぼ国内で調達できる点を、供給と価格の安定につながる特徴として挙げています。素材は2つの形で提供され、印刷や加工の設備もそのまま使えるため、導入する企業は専用の機械を新しく用意する必要がありません。原料の半分以上が石灰石という点が、LIMEXの最大の特徴です。

参照:TBM「LIMEX 素材情報」(2026年10月時点)

運営会社はTBM|素材メーカーとしての概要

LIMEXを開発・提供しているのは、東京都千代田区に本社を置く株式会社TBM(代表取締役は山﨑敦義氏)です。会社概要ページには、設立は2011年8月30日、事業内容は環境配慮型の素材開発と製品の製造・販売、資源循環を促進する事業などと記されています。

製造拠点は、宮城県多賀城市の東北LIMEX工場と、神奈川県横須賀市の横須賀サーキュラー工場です。資本金は1億円(資本準備金を含めると36億2056万円、2025年12月末時点)、社員数は261名(うち正社員221名、2025年12月時点)と公表されています。素材メーカーとして自社工場を持ち、OEM先でも製造できる体制です。

参照:TBM「会社概要」(2025年12月時点の数値を含む)

開発の経緯|2011年の特許出願から資源循環事業まで

TBMが公表している沿革から、LIMEXと資源循環に関わる主な出来事を年ごとに整理します。素材の開発から始まり、近年は回収と再生へ事業を広げていることが読み取れます。

年主な出来事
2011年LIMEXの特許を出願
2014〜2015年特許が成立。宮城県の白石工場が着工、翌年に完成
2016年LIMEX名刺の販売を開始。東京大学とLCA(ライフサイクルアセスメント)の研究を開始
2017年リコーとオンデマンド印刷向けのLIMEXシートを供給
2020年再生材料CirculeXを発表。LIMEXの生産拠点を再生可能エネルギー100%の電力に切り替え
2021〜2022年多賀城工場が完成。横須賀に年間40,000トンの処理能力を持つ資源循環工場を建設
2024〜2025年4拠点でISO 14001を取得。カーボンリサイクル由来のCR LIMEXを販売開始。2025年大阪・関西万博にLimeAirBagを供給

参照:TBM「History」(2026年時点)

LIMEX PelletとLIMEX Sheetの違い

LIMEXには、プラスチックの代替になるペレットと、紙や合成紙の代替になるシートがあります。どちらを選ぶかで、使う設備と用途が変わります。置き換えたいのがプラスチックならPellet、紙ならSheetと考えると整理しやすくなります。

項目LIMEX PelletLIMEX Sheet
置き換える対象石油由来のプラスチック紙・合成紙
形状・加工粒状のコンパウンド。インフレーション成形、押出成形、射出成形、真空成形に対応シート状。既存の印刷・加工設備で扱える
主な用途袋、包装・容器、不織布電飾看板用シート、屋外広告、園芸用ラベル、産業資材

参照:TBM「LIMEX Pellet」、TBM「LIMEX Sheet」(2026年10月時点)

LIMEXの特徴と使い道は?耐水性・耐久性と国産石灰石

LIMEXの特徴は、水や摩耗に強いこと、国内でほぼ調達できる石灰石を使うこと、既存の成形機で作れることの3点です。

石灰石が主原料なので供給と価格が安定しやすい

TBMは、石灰石が国内に豊富にあることから、LIMEXの価格競争力と安定性が高いと説明しています。また、LIMEXは専用の製造設備を必要とせず、一般的な成形機で製造できます。そのため、TBM自社の工場だけでなく、提携先でのOEM製造も可能です。

ただし、石灰石だけでプラスチックと同じ機能を果たせるわけではありません。TBM自身も、比較の注記でこの点に触れています。LIMEXは、石灰石などの無機物と他の成分を組み合わせた複合素材として考える必要があります。

使い道は印刷物から袋・容器・建材まで

TBMが挙げる用途は、袋、包装・容器、不織布、建材、印刷物、販促物です。LIMEX Sheetは、屋外広告や園芸用ラベルなど、水や日光にさらされる場面にも使われる素材として紹介されています。耐水性と耐久性が必要な場面で、紙の代替として選ばれやすい素材です。

用途の分類具体例(TBMが挙げるもの)使うLIMEX
印刷物・販促物ポスター、メニュー、名刺、パンフレットSheet
屋外・産業用電飾看板用シート、屋外広告、園芸用ラベル、産業資材Sheet
袋・包装袋、包装・容器、不織布Pellet
建材建材Pellet

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LIMEXの値段はいくら?買い方と問い合わせの流れ

LIMEXの値段は公式サイトに載っておらず、問い合わせで確認します。TBMは価格が安定していると説明しています。

値段が公表されていない理由と、公表されている説明

TBMの製品ページには、LIMEXの価格に関する数字がありません。「価格競争力が高い」「価格が安定している」という説明にとどまります。素材の種類、数量、加工方法によって条件が変わる法人向けの素材のため、正確な金額は問い合わせで確認するしかありません。

よくある質問のページには、LIMEX名刺の注文方法とサンプルの入手方法を案内する項目が用意されています。見積もりや詳しい資料は、問い合わせフォームから依頼する形です。この記事では推測の金額を載せていません。

参照:TBM「お問い合わせ」、TBM「よくある質問」(2026年10月時点)

問い合わせ前に決めておきたい3点

編集部で整理した、見積もり依頼をスムーズにするための3点です。用途と数量が決まっているほど、回答が具体的になります。

  1. 置き換える対象を決める。紙(ポスターやメニューなど)ならSheet、プラスチック(袋や容器など)ならPelletが候補になります。
  2. 数量と納期を決める。名刺のように少量なのか、袋のように継続して大量に使うのかで、窓口と条件が変わります。
  3. 加工方法を確認する。印刷の方式や成形の方法を、いま使っている設備に合わせて伝えます。

LIMEXは環境にやさしい?公表されている削減率と注意点

TBMは、LIMEXの温室効果ガスがPPより原料調達で約83%、焼却で約43%少ないと公表しています。

段階ポリプロピレン(PP)との比較TBMが置く前提
原料調達約83%少ない10トントラックで500km輸送と仮定
一般ごみとしての焼却処理約43%少ない石灰石単体はPPと同じ機能を果たさない旨の注記あり

83%と43%の前提条件と試算の基準

この数値は、TBMが国内の環境データベースIDEA v3.2.0を使って試算した参考値です。温室効果ガスの換算にはIPCC 2013のGWP100を用いています。TBM自身が「保証値ではない」と注記しており、条件が変われば数値も変わる試算値として読む必要があります。

第三者認証の範囲と読み方

TBMは、LCAの結果についてSuMPOの認証制度(Internal-PCR)で第三者認証を受けていると説明しています。一方、公表ページに載っているのは、PPとの比較値と前提条件です。認証の対象は試算の方法と結果であり、すべての製品の効果を保証するものではありません。導入を検討するときは、自社が使う用途で同じ条件になるかを確認することが大切です。

LIMEXのリサイクルと捨て方|事業者向けと家庭での違い

砕かれた使用済みプラスチックのフレークを手に取った様子

LIMEXは既存の設備でマテリアルリサイクルできますが、家庭では古紙回収に出せず、自治体の分別ルールに従います。

事業者向けは既存設備でマテリアルリサイクルが可能

TBMは、LIMEXを複合素材でありながら、既存のリサイクル設備を使って単一素材と同様にマテリアルリサイクルできる素材と説明しています。パートナー企業と組み、使用済みのLIMEX製品を回収して再生する仕組みも進めています。回収の仕組みがある事業者向けの用途では、再生まで含めた使い方ができます。

参照:TBM「LIMEXはリサイクル可能ですか?」(2026年10月時点)

家庭では自治体の分別ルールに従う

一般の家庭に渡ったLIMEX製品は、お住まいの自治体の分別ルールに従って出します。リサイクルできるとされていれば、そのとおりに出し、難しい場合は可燃ごみです。LIMEX製品は古紙回収には出せません。

LIMEXは、容器包装リサイクル法の容器包装プラスチックには該当しません。一方、プラスチック資源循環促進法ではプラスチック製品に分類されます。家庭にあるLIMEX製品の回収は難しく、現状では可燃ごみとして処理されることが多いとTBMは説明しています。

参照:TBM「一般消費者がLIMEXをリサイクルする際の方法」(2026年10月時点)

横須賀サーキュラー工場が担う役割

TBMは2022年11月に、神奈川県の横須賀サーキュラー工場を完成させました。家庭から出るプラスチックとLIMEXを自動で選別して再生する工場で、年間約12,000トンを処理し、処理能力は年間約40,000トン、再生ペレットの生産は年間約24,000トンと公表されています。

この工場で作る再生材料CirculeXについて、TBMはバージンプラスチックと比べて最大約61%のCO2削減、1kgあたり最大6.43kgの削減と説明しています。LIMEXそのものではなく、再生材料の数値である点に注意が必要です。

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LIMEXの導入事例|飲食・ホテルで使われる4社

テーブルの上でメニューを広げる手元

LIMEXの導入事例として、デニーズ、リンガーハット、三井不動産ホテルマネジメント、アレフの4社を紹介します。

いずれもTBMが自社サイトで公開している事例ページに基づいています。削減量などの数値は、TBMが「保証値ではない」と注記している参考値や試算値です。

デニーズ(セブン&アイ・フードシステムズ)

ファミリーレストランのデニーズを運営する企業です。LIMEX製のメニュー、ドリンクバー用トレー、名刺、ポスターを導入しています。使用済みのLIMEXキッズメニューを全国316店舗で回収し、トレーに再生しました。TBMはこれをLIMEXの業界初のマテリアルリサイクルと説明しています。

2023年の2回目の再生では、メニューを再びトレーにしました。石油由来プラスチックの使用量が約45%、CO2などの温室効果ガスが約29%減ると、TBMは参考値として公表しています。ポスターはラミネート加工が不要になり、費用と手間の削減にもつながっています。

参照:TBM「デニーズ導入事例」(2026年3月11日公開)

リンガーハット

飲食チェーンのリンガーハットです。プラスチックと紙の使用を減らす方法を探す中で、メニュー表にLIMEXを採用しました。以前に検討したストーンペーパーは、コストと印刷時のインクの色移りの問題で見送ったと、事例ページで語られています。

製造時の水の使用量は、従来品に比べて約70トン減る見込みと公表されています。TBMの事例ページは、参考値であり保証値ではないと注記しています。耐久性の検証は継続中で、メニューは導入されたばかりという状況です。

参照:TBM「リンガーハット導入事例」(2026年2月17日公開)

三井不動産ホテルマネジメント

三井ガーデンホテルズなどを運営する企業です。プラスチックの使用量を減らすため、客室のアメニティにLIMEX Bagを導入しました。ランドリーバッグ、衛生用品袋、多目的袋、大浴場用の袋として使っています。

既存のプラスチック袋と比べて、プラスチックの使用量が約42%、温室効果ガスが約22%減ったとTBMは公表しています。多目的袋は一般的なLDPE製品と比較し、温室効果ガスの計算は原料調達から焼却までで、型抜きと輸送は含みません。比較の条件が明記されている事例です。

参照:TBM「三井不動産ホテルマネジメント導入事例」(2026年2月17日公開)

アレフ(びっくりドンキー)

「びっくりドンキー」を運営する企業です。会社案内パンフレットにLIMEX Sheetを使い、全国の店舗のごみ袋にはLimeAir Bagを導入しました。紙とプラスチックの代替を探す中で、2020年ごろからLIMEXに注目していたと事例ページにあります。

パンフレットは、水の使用量が約17トン、印刷製造に伴うCO2が約1.9トンのカーボンオフセット相当と試算されています。ごみ袋は、HDPE100%の袋と比べて石油由来プラスチックが約27%、温室効果ガスが約23%減る見込みです。試算はTBMによるもので、製造条件で変わる点が注記されています。

参照:TBM「アレフ導入事例」(2026年2月17日公開)

LIMEXと同じ分野で素材の循環に取り組む企業

LIMEXと同じく素材から資源循環に取り組む企業を、社名の五十音順に4社紹介します。優劣を示すものではありません。

掲載は、各社の公式サイトで事業内容を確認できた企業に限っています。下の表は、TBMを含む5社を、各社の公式サイトに書かれている内容だけで同じ項目に並べたものです。公式サイトに記載がない項目は「公表なし」としています。

企業・素材取り組みの対象仕組み公表している実績開始年
TBM「LIMEX」紙・プラスチックの代替石灰石など無機物を50%以上含む複合素材LIMEXを採用した企業・自治体は1万以上2011年設立(特許出願も2011年)
カネカ「Green Planet」プラスチックの代替(生分解)植物油などを原料に、微生物が作るPHBH2017年に「OK Biodegradable MARINE」認証を取得(一部グレード)公表なし
JEPLANPETボトルとポリエステル繊維ケミカルリサイクル2026年のBRINGキャンペーンに6社8ブランドが参加公表なし
Spiber石油由来繊維の代替精密発酵で作るBrewed Protein繊維Goldwinの「REGENERATIVE CIRCLE」を量産条件下の初の製品と説明公表なし
バイオマスレジンホールディングス石油由来プラスチック原料の代替国産のバイオマス資源から樹脂原料を製造公表なし公表なし

カネカ|植物油から作る生分解性ポリマー「Green Planet」

カネカは、植物油などを原料に微生物が作る生分解性ポリマーPHBHを、Green Planetの名称で展開しています。

用途の例は、ストロー、カトラリー、レジ袋、食品容器、歯ブラシ、人工芝、医薬品の結束フィルム、釣り用ルアーなど幅広く、100%バイオマス由来で海水中でも生分解すると説明しています。分解の速さは水温などの条件で変わります。2017年に「OK Biodegradable MARINE」認証を取得しましたが、対象は一部のグレードです。写真で示す分解の経過はカネカの社内データで、分解を保証するものではないと明記されています。

参照:カネカ「PHBH」(2026年10月時点)

JEPLAN|PETボトルと繊維のケミカルリサイクル

JEPLANは、使用済みのPETボトルやポリエステル繊維を化学的に分解して原料に戻す、ケミカルリサイクルの会社です。

事業は、商用プラント、技術ライセンス、アパレル、ボトルの4分野です。衣料の回収ブランドBRINGは、2026年10月の3R推進月間に「Fukupon Campaign 2026」を実施し、6社8ブランドが参加して、着られなくなった繊維製品の返却にクーポンやポイントを付けました。LIMEXが素材を置き換える取り組みなのに対し、JEPLANはボトルtoボトルのように使用済み製品を原料に戻す取り組みです。

参照:JEPLAN公式サイト(2026年10月時点)

Spiber|精密発酵で作るBrewed Protein繊維

Spiberは、山形県鶴岡市に本社を置くバイオベンチャーで、精密発酵の技術で作るBrewed Protein繊維を開発しています。

公式サイトは、この繊維を循環型経済に向けた新しい繊維のカテゴリーと位置づけ、Goldwinとの「REGENERATIVE CIRCLE」を量産条件下での初の製品と説明しています。PANGAIAなどとの協業も紹介されています。素材の原料を石油から切り替える、という点でLIMEXと問題意識が近い企業です。

参照:Spiber公式サイト(2026年10月時点)

関連記事:Spiberとは?ブリュード・プロテインの特徴と新体制・製品

バイオマスレジンホールディングス|国産バイオマス由来の樹脂原料

バイオマスレジンホールディングスは、国内のバイオマス資源から作るプラスチック樹脂原料の製造・販売と、それを使ったマーケティングやエンジニアリングを手がける企業です。

コメ由来のバイオマスプラスチックRice Resin®と、生分解性のNeoryza®の製造・販売は、株式会社ライスレジンに移管されたと公式サイトに記載があります。米を原料にする点で、石灰石を使うLIMEXとは別の原料から石油由来樹脂への依存を減らす取り組みです。公式サイトには生産量などの数値が載っていないため、本記事でも数値は掲載していません。

参照:バイオマスレジンホールディングス公式サイト(2026年10月時点)

LIMEXが社会に与える良い影響|プラスチックと温室効果ガスの削減

LIMEXは石油由来プラスチックと紙の使用を減らし、使用済み品の再生にもつなげる素材だとTBMは説明しています。

国の廃プラスチックの量に並べて、横須賀工場の規模を見る

プラスチック循環利用協会は、2024年の国内の廃プラスチック総排出量を911万トン、有効利用率を89%と公表しています。内訳は、マテリアルリサイクルが20%、ケミカルリサイクルが3%、エネルギー回収が67%、単純焼却が8%(69万トン)、埋立が4%(32万トン)です。

一方、TBMは横須賀サーキュラー工場の年間処理量を約12,000トン、処理能力を年間約40,000トンと公表しています。同じ「トン」で並べると、次のとおりです。

項目数値計算(編集部推計)
国内の廃プラスチック総排出量(2024年)911万トン基準値
横須賀工場の年間処理量(TBM公表)約12,000トン12,000÷9,110,000≒約0.13%(編集部推計)
横須賀工場の処理能力(TBM公表)年間約40,000トン40,000÷9,110,000≒約0.44%(編集部推計)

編集部推計では、工場の処理量は国内の廃プラスチック総排出量の0.13%、能力いっぱいでも0.44%にとどまります。LIMEX単体で課題が解決するわけではなく、素材の置き換えと回収の仕組みを、他の企業の取り組みと合わせて広げる必要があります。なお、協会は2024年版で使用済み製品の排出量の推定方法を見直しており、過去年との単純比較はできません。TBMの処理量は年次が明記されていないため、上の比較は目安です。

参照:プラスチック循環利用協会「2024年廃プラスチック総排出量は911万t、有効利用率は89%」(2025年12月24日公表)

水と電力|TBMが説明する製造面の取り組み

TBMは、LIMEX Sheetは製造に使う水の量が少ない素材だと説明しています。ただし、削減量の数値はこのページでは示されていません。事例では、リンガーハットが約70トン、アレフが約17トンの水の削減を見込んでいますが、いずれもTBMの試算を前提にした参考値です。

電力については、東北LIMEX工場と横須賀サーキュラー工場で、実質100%再生可能エネルギー由来の電気を使い、CO2排出係数はゼロとしています。LCAは2016年の東京大学との研究に始まり、2018〜2019年のJEMAIとの共同評価を経て、2020年からはSuMPOと継続していると公表されています。ISO 14001は2024年4月19日に4拠点で登録されました。

参照:TBM「サステナビリティ 環境」(2026年10月時点)

TBM自身の排出量とLIMEX販売による削減の推計

同じ環境ページで、TBMは2024年のスコープ1・2の温室効果ガス排出量を、2020年比で73%減らしたと公表しています。一方で、スコープ3(取引先を含む事業全体の排出)は2020年比で474%増えました。TBMは、生産量の増加と算定範囲の拡大が理由と説明しています。

項目(TBM公表、2024年)数値
スコープ1・2の温室効果ガス排出量(2020年比)73%減
スコープ3の温室効果ガス排出量(2020年比)474%増
LIMEX販売と資源循環事業による温室効果ガス削減への貢献(概算)11,494 t-CO2eq

削減の貢献量は、TBMが概算とし、算定方法が変わる可能性があると注記している数値です。排出量が増えた項目も含めて公表している点は、数値を読む側にとって判断材料になります。

よくある質問

LIMEXについて、よく検索される疑問に答えます。

Q
LIMEXとは何ですか?
A

LIMEXは、株式会社TBMが開発した、石灰石などの無機物を50%以上含む紙・プラスチックの代替素材です。ペレットとシートの2種類があり、名刺、メニュー、袋、容器などに使われています。

Q
LIMEXの値段はいくらですか?
A

LIMEXの値段は公式サイトに掲載されておらず、問い合わせで確認します。TBMは価格が安定していると説明していますが、金額は公表されていません。

Q
LIMEXは紙と何が違いますか?
A

LIMEXのシートは、耐水性と耐久性に優れた合成紙の代替として紹介されています。そのため、電飾看板用シート、屋外広告、園芸用ラベルなどに使われています。

Q
LIMEXは古紙回収に出せますか?
A

LIMEX製品は古紙回収には出せません。自治体の分別ルールでリサイクルできる場合はそれに従い、難しい場合は可燃ごみとして出します。

Q
LIMEXはリサイクルできますか?
A

LIMEXは既存のリサイクル設備を使ったマテリアルリサイクルが可能とTBMは説明しています。ただし、一般家庭の手元にある製品は回収が難しく、現状では可燃ごみになることが多いとされています。

Q
LIMEXは石灰石だけでできていますか?
A

LIMEXは石灰石だけでできているわけではありません。炭酸カルシウム(石灰石)などの無機物を50%以上含む複合素材です。

まとめ

LIMEXは石灰石を50%以上含む素材です。公表されている削減率は、前提条件を確認して読むことが大切です。

  • LIMEXは、TBMが開発した紙・プラスチックの代替素材で、シートとペレットの2種類がある
  • 値段は公式サイトに掲載がなく、用途、数量、加工方法を決めてから問い合わせる
  • 公表されている約83%と約43%の削減率は、PPとの比較でTBMが試算した参考値である
  • 事業者向けはマテリアルリサイクルが可能で、家庭では古紙回収に出さず自治体のルールに従う
  • 同じ分野では、カネカ、JEPLAN、Spiber、バイオマスレジンホールディングスなども素材の循環に取り組んでいる
  • 編集部推計では、横須賀工場の処理量は国内の廃プラスチック総排出量の0.13%にあたり、他の取り組みとの組み合わせが必要

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

企業の取り組み・サステナビリティ・社会課題をテーマにした編集チーム。 企業や自治体の情報を編集部が一社ずつ確認し、 独自の基準で比較・整理した情報をお届けしています。