FRY to BLUEとは?日揮の廃食用油回収の期間と出し方

FRY to BLUEは、家庭や飲食店で使い終えた食用油を集め、国産の持続可能な航空燃料(SAF)の原料にするキャンペーンです。日揮ホールディングスが事務局を務めるFry to Fly Projectが、2026年10月20日に発表しました。回収期間は2026年12月9日から2027年2月28日までで、集まった油から作る国産SAFは、2027年3月19日のGREEN×EXPO 2027開幕日に行われるブルーインパルスの展示飛行で使われる予定です。回収場所は12月9日までに発表されるため、この記事では発表済みの内容と未発表の項目を分けて整理します。

この記事でわかること

  • FRY to BLUEの目的と、日揮ホールディングスの役割
  • 回収期間・対象の油・出し方と、回収場所がいつ分かるか
  • 廃食用油が国産SAFになりブルーインパルスの飛行に使われる流れ
  • 横浜市・名古屋市・坂出市の回収事例
  • 同じ分野で動くENEOS・岩谷産業・コスモ石油の取り組み
  • FRY to BLUEが社会に与える良い影響

FRY to BLUEとは?使った油でブルーインパルスを飛ばす企画

フライパンで食用油を使って調理する様子

FRY to BLUEは、使い終えた食用油を回収し、国産SAFの原料にしてブルーインパルスの展示飛行に使う企画です。

発表したのは、日揮ホールディングスが事務局を務めるFry to Fly Projectです。農林水産省、国土交通省、経済産業省、防衛省と連携して実施するとされています。合言葉は「使った油でブルーインパルスを飛ばそう」で、使い終えた油を指定の回収場所へ持っていくだけで参加できます。

項目内容
名称FRY to BLUEキャンペーン
実施主体Fry to Fly Project(事務局:日揮ホールディングス)
連携する省庁農林水産省、国土交通省、経済産業省、防衛省
発表日2026年10月20日
回収期間2026年12月9日から2027年2月28日まで
SAFを使う場面2027年3月19日のGREEN×EXPO 2027開幕日に予定されているブルーインパルスの展示飛行
Fry to Fly Projectの参加団体333の企業・自治体・団体など(2026年9月時点)

参照:日揮ホールディングス「あなたが使った油で、ブルーインパルスを飛ばそう。」(2026年10月20日)

FRY to BLUEの回収期間と油の出し方

回収期間は2026年12月9日から2027年2月28日までで、常温で液体の使用済み食用油が対象です。

回収の対象について、日揮ホールディングスは家庭や飲食店で使い終えた食用油、農林水産省と国土交通省は家庭から出る使用済み食用油と説明しています。出し方は、日揮ホールディングスが次の4ステップで案内しています。

  1. 油を十分に冷ます
  2. 天かすなど大きなごみを取り除く
  3. ふたがしっかり閉まる容器(ペットボトルなど)に移す
  4. お近くのキャンペーン回収拠点へ持っていく(持ち込み方法は拠点ごとの案内を確認)
確認したい項目発表されている内容状況
回収期間2026年12月9日から2027年2月28日まで発表済み
対象の油常温で液体の使用済み食用油発表済み
回収場所回収開始までに発表予定未発表
回収目標量2026年12月9日(回収開始日)に発表予定未発表

回収場所と回収目標量は、回収が始まる12月9日に発表される予定です。2026年10月24日時点で公表されていない項目は、この記事でも推測では書いていません。

参照:農林水産省「ブルーインパルスによる展示飛行に国産SAFを使用し、原料となる廃食用油を回収するキャンペーンを実施します」(2026年10月20日)、国土交通省 航空局「ブルーインパルスによる展示飛行に国産SAFを使用し、原料となる廃食用油を回収するキャンペーンを実施します」(2026年10月20日)

FRY to BLUEの回収場所はどこ?いつ分かる?

回収場所は回収開始日の12月9日までに発表される予定で、10月24日時点では公表されていません。

国は、回収場所などの詳細を農林水産省のホームページとFry to Fly Projectのホームページで発表するとしています。発表を待つ間は、お住まいの自治体がすでに設けている廃食用油の回収拠点を確認しておくと、キャンペーン開始後の動きが分かりやすくなります。実際の自治体の例は、後半の事例の節で紹介します。

ブルーインパルスの展示飛行でSAFが使われる仕組み

青空を飛ぶ旅客機

回収した油は大阪府堺市の工場で国産SAFになり、2027年3月19日の展示飛行で使われる予定です。

SAFは「Sustainable Aviation Fuel」の略で、化石燃料以外の原料から作る航空燃料です。廃食用油は、その代表的な原料です。

廃食用油が国産SAFになるまでの流れ

FRY to BLUEで集まった油は、大阪府堺市のSAF製造工場で国産SAFになります。この工場は国内唯一とされ、2025年4月から生産を始めています。2025年4月の共同発表では、回収から製造、航空会社への供給まですべてを国内で行う体制として、次の流れが示されています。

  1. 岩谷産業などが国内の廃食用油の排出元を開拓する
  2. レボインターナショナルが排出元から廃食用油を収集し、堺市のプラントへ納入する
  3. SAFFAIRE SKY ENERGYが廃食用油を原料にSAFを製造する
  4. コスモ石油が航空会社へ販売・輸送する

この流れはFRY to BLUEの発表そのものではなく、国産SAFの供給体制について2025年に公表された内容です。FRY to BLUEで回収した油がどの事業者を通るかの詳細は、2026年10月24日時点で発表されていません。

参照:コスモエネルギーホールディングスほか「国産SAFサプライチェーン構築に向けた取り組みに岩谷産業が参加」(2025年4月4日)

関連記事:カーボンリサイクルとは?仕組みと企業事例をわかりやすく解説

展示飛行の日程と会場

展示飛行は、2027年3月19日(金)のGREEN×EXPO 2027開幕日に予定されています。博覧会は神奈川県横浜市の旧上瀬谷通信施設で、2027年3月19日から9月26日までの192日間開かれます。いずれも予定であり、飛行の時刻などは発表されていません。

項目内容
展示飛行の予定日2027年3月19日(金)
博覧会の会期2027年3月19日から9月26日(192日間)
会場神奈川県横浜市の旧上瀬谷通信施設
飛行する部隊航空自衛隊ブルーインパルス

Fry to Fly Projectとは?日揮ホールディングスの役割

Fry to Fly Projectは、日揮ホールディングスが事務局を務める、廃食用油SAFの普及プロジェクトです。

このプロジェクトは、家庭や店舗で出る使用済み食用油という国内資源を、SAFの原料として使うことを目指しています。活動は、廃食用油の回収、廃食用油を水素化処理して作るSAFの製造、船による全国の空港への輸送と航空機への供給、SAFを広めるイベントや学校でのSDGs学習まで回収から空の利用までの全体にわたります。

参加団体は、2025年3月末時点で212の企業・自治体・団体でした。FRY to BLUEの発表時点では333に増えています(2026年9月時点)。FRY to BLUEの期間中も、学校での出前授業や機運醸成のイベントが予定されています。

参照:Fry to Fly Project「Fry to Fly Projectとは」

自治体の回収事例|横浜市・名古屋市・坂出市

すでに横浜市、名古屋市、坂出市などが、家庭の廃食用油をSAFの原料として回収しています。

FRY to BLUEの回収場所は未発表ですが、同じ仕組みで動いている自治体はあります。各自治体と企業が自ら公表している内容を紹介します。

横浜市|JALと連携した家庭用廃食油の回収

横浜市は、家庭から出る廃食用油を回収し、SAFの原料として活用する取り組みを進めています。

2023年4月にFry to Fly Projectに参加し、2024年2月に日本航空と連携協定を結びました。2024年5月31日に家庭用廃食油の本格回収を始め、回収拠点は市内の食品スーパーなどへ広がっています。2026年9月には、保土ケ谷区のパレット境木ベースにも新たに設置されました。

回収は、専用ボトルで店頭の回収ボックスに流し込む方法が中心です。回収の対象は常温で液体の植物性油で、マーガリン、ラード、事業系の油は回収できません。

参照:横浜市「廃食油のSAF(持続可能な航空燃料)への利活用の取組」(2026年10月7日更新)

名古屋市|2026年度から家庭の廃食用油の一部をSAFへ

名古屋市は、平成21年度から家庭の廃食用油の拠点回収を行い、主にバイオディーゼル燃料として資源化してきました。

令和8年度(2026年度)からは、中部国際空港株式会社、日揮ホールディングス、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYと協定を結び、回収した廃食用油の一部をSAFに資源循環させ、中部国際空港で使う取り組みを始めました。2026年9月19日に愛知県上空で行われたブルーインパルスの展示飛行にも国産SAFが使われ、市が回収する廃食用油の一部が、そのSAFの製造工程で使われたとされています。

参照:名古屋市「ブルーインパルス展示飛行に廃食用油を原料とする国産SAFが使用されます!【県市同時発表】」(2026年9月11日)

坂出市|2026年9月に家庭向けの回収を8か所で開始

香川県坂出市は、2026年9月30日にコスモ石油などと協定を結び、同日から家庭の廃食用油の回収を始めました。

回収場所は、市役所本庁舎、生活環境課、市立体育館、南部公民館、西庄公民館、マルヨシセンター池園店、コープ坂出店、マルナカ坂出店の市内8か所です。集めた油はレボインターナショナルが収集・運搬し、堺市のSAFFAIRE SKY ENERGYのプラントで国産SAFの原料になります。ラードや牛脂などの動物性油、マヨネーズ・ドレッシング類、鉱物油、家庭系以外の油は対象外です。

坂出市学校給食センターの排出分は2023年8月からSAF製造に提供されており、2025年度は年間でおよそ4,500kgの廃食用油がSAF向けに使われたと公表されています。

参照:コスモ石油「坂出市と廃食用油の資源化促進に関する連携協定を締結」(2026年10月1日)

自治体回収の始まり回収の対象外として公表されている油
横浜市2024年5月31日に本格回収を開始マーガリン、ラード、事業系の油
名古屋市2026年度からSAF向けの回収を開始公表なし
坂出市2026年9月30日に開始動物性油(ラード・牛脂など)、マヨネーズ・ドレッシング類、鉱物油、家庭系以外の油

関連記事:WEAR SHiFTとは?洋服の青山の衣類回収で出せるもの

同じ分野で動く企業|廃食用油とSAFの取り組み

廃食用油などからSAFを作る国内の取り組みを、ENEOS、岩谷産業、コスモ石油の順で紹介します。

この節は、同じ社会課題に取り組む企業の紹介であり、順位や推奨の順ではありません。掲載順は、英字表記のENEOSを先頭に、社名の五十音順です。公式サイトなどの公表情報で確認できた3社のみを載せています。岩谷産業の公式サイトは2026年10月24日時点でメンテナンス表示だったため、共同発表資料に基づいて書いています。

下の表は、FRY to BLUEと各社を同じ項目で並べたものです。公表されていない項目は「公表なし」としています。

取り組み取り組みの対象仕組み公表している実績開始年
FRY to BLUE(日揮ホールディングスが事務局のFry to Fly Project)家庭や飲食店で使い終えた食用油回収拠点に持ち込み、堺市の工場で国産SAFにする参加団体333(2026年9月時点)。回収量は公表なし2026年(回収は12月9日から)
ENEOS廃食油、バイオマス、廃棄物輸入と国内製造の両面で供給体制を構築するSAF輸入を2024年度に開始し、10社以上の航空会社に供給公表なし
岩谷産業国内の廃食用油の排出元LPガス顧客網などで排出元を開拓し、レボインターナショナルが収集する公表なし2025年(調達支援の契約)
コスモ石油使用済み食用油堺製油所内のSAFFAIRE SKY ENERGYのプラントで製造し、航空会社へ販売・輸送する日本で初めてSAFの量産化を実現したと公表2025年(供給開始)

ENEOS

ENEOSは、廃食油、バイオマス、廃棄物を原料とする低炭素のSAFの供給体制づくりを進めています。

支援の範囲は、輸入と国内製造の両面です。特徴は、和歌山製造所で年間40万KLの量産供給体制を、三菱商事と共同で検討していることです。運転開始の時期は、公式ページに記載がありません。

参照:ENEOSホールディングス「SAF(持続可能な航空燃料)」

岩谷産業

岩谷産業は、国産SAFの原料になる国内の廃食用油について、排出元の開拓を担っています。

範囲は、全国約330万世帯のLPガス顧客網や、産業ガス・エネルギー事業のネットワークを使った排出元の開拓です。特徴は、2025年4月に廃食用油の調達支援業務委託契約を結び、Fry to Fly Projectにも参画したことです。回収した油の収集は、レボインターナショナルが担います。

コスモ石油

コスモ石油は、使用済み食用油を原料にした国産SAFを製造し、航空会社へ販売・輸送しています。

製造は、堺製油所内にあるSAFFAIRE SKY ENERGYのプラントで行います。同社はコスモ石油、日揮ホールディングス、レボインターナショナルが2022年に設立しました。特徴は、廃食用油由来のSAFでCO2排出量を84%削減できると公表していることです。この数値は、ICAO(国際民間航空機関)の算出に基づく同社採用の製造プロセスでの削減効果とされています。

参照:コスモ石油「国産SAF」

FRY to BLUEが社会に与える良い影響

家庭の廃食用油を国内でSAFに変えることで、資源の有効活用と航空分野のCO2削減につながります。

FRY to BLUEの意義は、ブルーインパルスを飛ばすことそのものより、捨てられがちな家庭の油を資源として集める行動を広げる点にあります。ここでは、公的資料と各社の公表内容から、3つの影響を整理します。

捨てられがちな家庭の油を資源に変える

全国油脂事業協同組合連合会の推計では、国内の廃食用油は家庭系が年間約10万t、事業系が約40万tです(令和4年度の推計値で、環境省の資料に掲載)。家庭から出る廃食用油は、国内の廃食用油の発生量の2割を占めます。

編集部推計:家庭系10万t ÷(家庭系10万t+事業系40万t)=20%。同じ資料の同じ年度の推計値どうしで計算しています。

区分廃食用油の発生量(令和4年度の推計)
家庭系約10万t/年
事業系約40万t/年
事業系のうち国外へ燃料原料として輸出約11万t/年

家庭用廃食用油を分別収集している自治体は549で、全体の約3割にとどまります。FRY to BLUEが家庭の油を集める意味は、この回収の少なさを埋める点にあります。回収目標量は12月9日に発表される予定で、2026年10月24日時点で運営側が公表した数値はないため、目標量と家庭系10万tの比較は発表後に確認する必要があります。

参照:環境省「SAFの国産製造体制の強化に向けた環境省の取組状況について」(国土交通省のウェブサイトに掲載された資料)

航空分野のCO2排出量を減らす

SAFは、原料が100%廃食用油の場合、原料の調達から製造、燃焼までの全体で、従来の航空燃料より温室効果ガスを約80%削減できるとされています。この数値は、コスモ石油と日揮ホールディングスなどが2025年4月に公表したものです。Fry to Fly Projectも、従来の航空燃料と比べておよそ80%の削減と説明しています。

コスモ石油はICAOの算出に基づく84%という数値を公表しており、削減率は算出方法で異なります。日本では、2030年に航空燃料の10%をSAFに置き換える目標が設定されています。

関連記事:脱炭素とは何か?基礎から最新事例までわかりやすく解説

輸出に頼らず国内で資源を循環させる

廃食用油は、全体の3割が海外へ輸出され、割高なSAFを輸入している状態だと、コスモ石油などは2025年4月に説明しています。国内で集めた油を国内の工場でSAFにすれば、SAFの自給率を高め、資源を国内で循環させることになります。

個人にできる参加は、使い終えた油を冷まして容器に移し、回収拠点へ持ち込むことです。企業や自治体は、Fry to Fly Projectの参加団体として加わる方法があります。

よくある質問

FRY to BLUEについて、2026年10月24日時点の発表済みの内容に基づいて答えます。

Q
FRY to BLUEとは何ですか?
A

使い終えた食用油を回収して国産SAFの原料にし、ブルーインパルスの展示飛行に使うキャンペーンです。日揮ホールディングスが事務局を務めるFry to Fly Projectが、2026年10月20日に発表しました。

Q
FRY to BLUEの回収期間はいつからいつまでですか?
A

2026年12月9日から2027年2月28日までです。

Q
FRY to BLUEの回収場所はどこですか?
A

2026年10月24日時点では未発表です。回収開始までに、農林水産省のホームページとFry to Fly Projectのホームページで発表される予定です。

Q
FRY to BLUEで出せる油は何ですか?
A

常温で液体の使用済み食用油です。持ち込み方法は拠点ごとの案内で確認してください。

Q
ブルーインパルスの展示飛行はいつですか?
A

2027年3月19日のGREEN×EXPO 2027開幕日に予定されています。国産SAFを使う方針で、時刻などは発表されていません。

まとめ

FRY to BLUEは、使い終えた食用油を国産SAFにして飛行につなげる企画です。要点は次のとおりです。

  • 回収期間は2026年12月9日から2027年2月28日までです。
  • 対象は常温で液体の使用済み食用油で、回収場所と回収目標量は12月9日までに発表される予定です。
  • 国産SAFは2027年3月19日のGREEN×EXPO 2027開幕日の展示飛行で使われる予定です。
  • 家庭系の廃食用油は国内の廃食用油の発生量の2割(編集部推計)で、資源として活かす余地があります。

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

企業の取り組み・サステナビリティ・社会課題をテーマにした編集チーム。 企業や自治体の情報を編集部が一社ずつ確認し、 独自の基準で比較・整理した情報をお届けしています。