PR会社の費用相場を解説|料金体系別の目安と選び方のコツ

PR会社の費用は契約形態によって大きく異なり、月10万円台の顧問契約から、月30万〜100万円台のリテナー契約、50万〜300万円台のスポット契約まで幅があります。まずどの契約形態が自社の目的に合うかを決めることが、費用を適正に抑える近道です。見積もりを取る前に相場の全体像を把握しておくと、提示された金額が高いのか妥当なのかを判断しやすくなります。

この記事でわかること

  • PR会社の費用が契約形態によってどう変わるか
  • 見積もりに実際に含まれる費用項目の内訳
  • プレスリリース配信費用とPR会社費用の違い
  • 費用だけで選ばないための比較ポイント
  • 依頼で失敗しないための注意点
  • 実際にサービスを提供しているPR会社6社

PR会社の費用は契約形態で決まる

記者会見でPR会社の担当者が報道陣の取材に対応している様子

PR会社の費用は、月額で継続支援を受ける「リテナー契約」、単発案件の「スポット・プロジェクト契約」、助言のみの「顧問・アドバイザリー契約」の3つで大きく水準が変わります。同じ「PR会社に依頼する」でも、任せる業務範囲がまったく違うため、まず自社がどの形態を必要としているかを整理してから比較する必要があります。契約形態を決めずに複数社へ相談すると、ある会社はリテナー前提、別の会社はスポット前提で見積もりを出してくることがあり、金額の単純比較ができなくなる点にも注意してください。

リテナー契約

年間を通じて広報活動を任せる契約形態で、相場は月30万円〜100万円程度とされ、中小規模のPR会社であれば月30万〜50万円が目安です(出典:PRエージェンシーレポート、2026年8月時点)。戦略立案から日々のメディア対応、レピュテーション管理まで丸ごと任せたい企業に向いており、契約期間は年単位が一般的です。

スポット・プロジェクト契約

新商品発表や単発イベントなど、特定の案件だけを依頼する契約です。費用相場は50万円〜300万円程度で、案件の規模や記者発表会の有無によって幅があります(出典:株式会社ベートーベン、2026年8月時点)。継続契約を組む前に単発で試したい企業や、年に数回の大型施策だけを外部委託したい企業にも向いています。

顧問・アドバイザリー契約

実務の一部を自社で担いながら、戦略面だけ助言を受ける契約形態です。月10万円程度から受けているPR会社もあり、広報担当者がすでに社内にいて実行力はあるものの、外部の視点や記者とのネットワークを補いたい企業向けの選択肢です(出典:PRエージェンシーレポート、2026年8月時点。出典は前段のリテナー契約の項を参照)。

契約形態費用相場向いている企業・目的
リテナー契約月30万円〜100万円程度年間を通じた継続的な広報活動
スポット・プロジェクト契約50万円〜300万円程度新商品発表・イベントなど単発案件
顧問・アドバイザリー契約月10万円程度から社内に広報担当がいて助言のみ必要

同じ契約形態でも、対応する業種や案件の難易度によって金額は上下します。この表はあくまで目安として使い、実際の見積もりでは次の章で説明する費用項目の内訳まで確認してください。また、契約形態を問わず初月に戦略設計やヒアリングのための初期費用を別途設定しているPR会社もあるため、月額費用だけでなく初期費用の有無も見積もり時に確認しておくと、契約開始後の想定外の出費を防げます。

見積もりに含まれる費用項目の内訳

PR会社の見積もりは基本料金だけでなく、制作費・メディアプロモート費・外部実費・オプション費用を積み上げて提示されるのが一般的です。内訳を知らずに総額だけを比較すると、対応範囲の差を見落とします。

費目内容目安
基本料金戦略立案・進行管理などの基本業務リテナー費用に含まれることが多い
制作費プレスリリースや資料、LPなどの制作案件により数万円〜数十万円
メディアプロモート費記者へのアプローチ・配信サービス利用料配信のみなら15万円〜25万円程度
外部費用・実費会場費・印刷費・交通費などの実費精算案件により変動
オプション費用記者会見運営・インフルエンサー起用など依頼内容により個別見積もり

メディアプロモート費の目安は、プレスリリース配信のみを依頼した場合の相場(出典:PRONIアイミツ、2026年8月時点)を基準にしています。契約前に、どの費目が基本料金に含まれ、どこからがオプションかを見積書で必ず確認してください。特に記者発表会やインフルエンサー起用は個別見積もりになりやすく、リテナー費用の範囲内だと思い込んで後から追加請求に驚くケースが少なくありません。見積書を受け取ったら、費目ごとに「基本料金に含むか」「別途発生するか」を担当者に一つずつ確認する作業をおすすめします。

例えば月額40万円のリテナー契約でも、基本料金に含まれるのが戦略立案とメディアリスト管理だけで、プレスリリースの制作やメディアプロモートが都度の実費になっている場合があります。逆に月額60万円でも制作・配信・レポーティングまでワンストップで含まれていれば、実質的な負担は前者より軽くなることもあります。総額の大小だけでなく、その金額で何が完了するのかを基準に比較してください。

プレスリリース配信費用とPR会社費用を混同しない

プレスリリース配信サービス単体の15万円〜25万円という価格は配信代行のみの相場であり、戦略立案からメディア対応まで任せるPR会社のリテナー費用とは別物です。

「PR会社に頼めば数十万円で済む」と誤解して見積もりを取ると、対応範囲の狭さに驚くことになります。プレスリリース配信サービスは原稿を自社で用意し配信だけを依頼する形態で、出典:PRONIアイミツ(2026年8月時点、出典は前段の費用項目の内訳の項を参照)によれば中小規模のPR会社ほど配信のみのプランを安価に設定している傾向があります。戦略立案やメディアリレーション構築まで求める場合は、配信サービスではなくPR会社のリテナー契約かスポット契約を検討する必要があります。

逆に言えば、配信したいプレスリリースの原稿がすでに社内で作成できる体制であれば、配信サービスだけを利用してPR会社の月額費用を抑えるという選択肢もあります。何を自社で内製し、何を外部に任せるかを先に切り分けることが、費用を無駄にしないための第一歩です。

実務では、原稿作成は社内で行い、メディアへのアプローチや記者との関係構築だけをPR会社に依頼するというハイブリッドな進め方も広く採られています。この場合はリテナー契約よりも稼働時間ベースの部分委託や、月数回のメディアプロモートだけを対象にした縮小版のリテナーを提案してもらえるかを確認するとよいでしょう。すべてを内製するか、すべてを外部委託するかの二択ではなく、業務ごとに切り分けて依頼範囲を決める視点が費用を抑える鍵になります。

費用だけで選ばないための比較ポイント

担当者が資料を指しながら費用の内訳を説明している打ち合わせの様子

費用が同水準のPR会社でも、実績業種や担当者の専門性、報告体制によって成果は大きく変わるため、金額だけを基準に選ぶのは避けるべきです。

確認ポイント見るべきこと
実績業種自社と近い業種・規模のクライアント実績があるか
担当者の専門性提案が営業担当ではなく実務経験者によるものか
報告頻度・体制月次でどの指標をどう報告するか事前に取り決められるか
見積もりの透明性基本料金とオプションの境界が見積書上で明確か

ゴールを「メディア露出数」にするのか「商談数」にするのかで、適した会社もアプローチも変わります。露出数を重視するならメディアリレーションズに強い会社、商談数を重視するならBtoBマーケティングと連携できる会社というように、目的を先に定義してから見積もりを比較すると、費用対効果を判断しやすくなります。企業ブランディング全体の方針とあわせて検討したい場合は、企業ブランディングとは?初心者でもわかる基本から実践まで徹底解説もあわせて参考にしてください。

見積もりを依頼する際は、次の順番で進めると比較がぶれにくくなります。

  1. 自社の目的とKPI(露出数・商談数・採用応募数など)を言語化する
  2. リテナー契約かスポット契約か、契約形態の候補を絞る
  3. 同じ依頼内容・同じ条件で複数社に見積もりを依頼する
  4. 見積もりの内訳を費目ごとに突き合わせ、対応範囲の差を確認する
  5. 自社と近い業種・規模での実績を具体的に質問する

条件をそろえずに複数社へ相談すると、依頼内容の解釈が会社ごとに違ったまま金額だけを比較することになり、結局は総額の安さで選んでしまいがちです。同じ条件で聞くことが、費用だけで選ばないための最初の一歩になります。相見積もりは最低でも2〜3社に依頼し、金額の水準だけでなく提案内容の具体性も比較材料にしてください。

依頼で失敗しないための注意点

PR会社選びで多い失敗は、目的があいまいなまま契約し、費用に見合う成果指標を事前に決めていないことです。

  • 目的が曖昧なまま契約する:露出数・商談数など何を成果とするか決めずに依頼すると、後から評価軸がずれ、PR会社側の提案とも噛み合わなくなります。契約前に社内でKPIの合意を取っておくことが前提です。
  • 契約形態が自社のフェーズに合っていない:単発イベントだけなのにリテナー契約を結ぶと、稼働に対して費用が過大になりがちです。逆に継続的な露出が必要な段階でスポット契約を繰り返すと、都度の立ち上げコストがかさみ、メディアとの関係も一からの構築になります。
  • 社内にノウハウが蓄積されない:外注範囲と内製範囲を分けずに丸投げすると、契約終了後に広報機能が社内に残らず、次にPR会社を探すところからやり直しになります。定例会議の議事録や記者リストなど、成果物の形で情報を残してもらう取り決めをしておくと防げます。
  • KPI・予算を年間単位で設計していない:単月の成果だけで判断すると、メディアとの関係構築に時間がかかるPR活動の効果を正しく評価できません。少なくとも半年から1年のスパンで予算と目標を組んでおくことが重要です。

パーパスやビジョンの発信を重視する企業は、PR会社選びと並行して自社のパーパスを言語化しておくと、提案の質を評価しやすくなります。パーパスブランディングとは?効果・進め方・支援企業一覧を解説も参考になります。

PR会社6社一覧

複数の担当者がPR会社の比較について打ち合わせている様子

以下は、自社の公式サイトで支援内容を確認できるPR会社6社です。並び順は五十音順で、対応範囲や実績の優劣を示すものではありません。2026年8月時点で有償の掲載契約はなく、いずれも編集部が独自に選んだ紹介です。掲載にあたっては各社の公式サイトに掲載されている事業内容・沿革・実績のみを根拠にしており、第三者のランキングサイトの評価や順位は使用していません。

オズマピーアール

1963年創業、約60年にわたりPRサービスを提供してきた総合PR会社です。マーケティングコミュニケーションからコーポレートコミュニケーション、ヘルスケア領域まで17業種別のサービスメニューを備え、危機管理広報やメディアトレーニングにも対応しています。「新しい問いを立て、新しいあたりまえを創る」というコーポレートパーパスを掲げ、医療・食品・IT・金融など専門領域ごとの支援体制が特徴です。

参照:オズマピーアール公式サイト

共同ピーアール株式会社

1964年創業、独立系では国内最大規模とされる総合PR会社です。全国の記者クラブへの投げ込みなどメディアリレーションズを軸にした広報・PRコンサルティングを提供し、危機管理広報や海外広報、医療・医薬・ヘルスケア業界向けの専門チームも保有しています。グループ会社のインフルエンサーマーケティング会社やデータ分析会社と連携できる点も特徴で、東証スタンダード市場上場企業です。

参照:共同ピーアール公式サイト

サニーサイドアップ

「まだ知られていないモノ・コト・ヒトを世の中に伝える」をコンセプトに掲げるPR会社です。リテナー型の中長期PRからプレスリリース配信、記者会見プロデュース、危機管理まで一貫して対応できる体制が特徴で、メディアを熟知した専属チームによるパブリシティ獲得力に強みを持ちます。スポーツ選手や文化人のエージェント活動も手がけており、企業PRとタレントPRの両方のノウハウを持つ点が他社との違いです。

参照:サニーサイドアップ公式サイト

電通PRコンサルティング

電通グループのPR会社で、日本の大手PR会社の一角を占めています。120人以上のPRSJ認定PRプランナーを擁し、Fortune Global 500企業38社、日経225銘柄67社への支援実績を持つなど、専門性と実績の規模が特徴です。採用ブランディングからIR・IPO広報、グローバルPRまで幅広い領域に対応し、これまでに141件のアワード受賞実績があります。

参照:電通PRコンサルティング公式サイト

プラップジャパン

1970年創業、独立系の総合PR会社です。IT・テクノロジー、医療・製薬、自動車・モビリティ、不動産など幅広い業種に対応し、戦略策定からブランド開発、サステナビリティコミュニケーション、広報効果測定まで一気通貫で支援しています。DEI視点のコミュニティラボやAI最適化領域の専門組織を持つ点も特徴です。

参照:プラップジャパン公式サイト

ベクトル

1993年設立、2014年に東京証券取引所第一部に上場した業界最大手のPR会社です。プレスリリース配信プラットフォーム「PR TIMES」の運営や、HR事業・デジタルマーケティング事業を含む複数事業をグループで展開し、認知獲得から売上促進までを一気通貫で支援する体制が特徴です。PR TIMESの利用企業は10万社を超え、投資事業ではこれまでに32社がIPOを達成しています。

参照:ベクトル公式サイト

会社名主な支援領域特徴
オズマピーアールマーケティング〜コーポレートPR17業種別メニュー、約60年の実績
共同ピーアールメディアリレーションズ中心の総合PR独立系最大規模、上場企業
サニーサイドアップリテナーPR〜危機管理まで一貫対応メディア専属チームのパブリシティ力
電通PRコンサルティング採用〜IR・グローバルPR認定プランナー120人以上、大手企業実績
プラップジャパン戦略立案〜サステナビリティ広報幅広い業種対応、AI活用専門組織
ベクトルPR〜HR・デジタルマーケティングPR TIMES運営、業界最大手

よくある質問

PR会社の費用について、検索でよく見かける質問と回答をまとめました。見積もりを比較する前に、ここで疑問を解消しておくと相談がスムーズに進みます。

Q
PR会社の費用は最低いくらから依頼できますか?
A

プレスリリース作成やコンサルティングのみであれば15万円前後から対応する中小規模のPR会社もあります。契約形態や対応範囲によって最低費用は変わるため、まず何を任せたいかを明確にしてから見積もりを取ることが重要です。

Q
リテナー契約とスポット契約はどちらを選ぶべきですか?
A

年間を通じて継続的にメディア露出や広報体制を強化したい場合はリテナー契約、新商品発表やイベントなど特定の案件だけを依頼したい場合はスポット契約が向いています。まずは自社の広報活動が単発か継続かを整理してください。

Q
プレスリリース配信だけを頼む場合の費用相場は?
A

配信のみを依頼する場合の相場は15万円〜25万円程度です。これはPR会社のリテナー契約とは別の料金体系で、原稿を自社で用意することを条件に、より安価なプランを設定している会社もあります。

Q
PR会社の費用対効果はどう測定しますか?
A

代表的な方法の一つが広告換算で、メディアに掲載された記事を広告掲載料金に置き換えて算出します。単月の露出だけで判断せず、継続的な効果測定を契約時に取り決めておくことが重要です。

Q
中小企業でもPR会社に依頼できますか?
A

依頼可能です。中小規模のPR会社の中にはプレスリリース作成やコンサルティングのみで月15万円前後から対応するところもあり、大手PR会社のフルサポートだけが選択肢ではありません。自社の規模に合わせて契約形態と会社規模の両方を選ぶことができます。

まとめ

PR会社の費用は、リテナー契約なら月30万円〜100万円程度、スポット契約なら50万円〜300万円程度、顧問契約なら月10万円程度からと契約形態によって水準が大きく異なります。プレスリリース配信のみの15万円〜25万円という価格と混同しないよう注意し、見積もりの内訳と自社の目的を照らし合わせて契約形態を選ぶことが重要です。

費用の適正さだけでなく、実績業種や担当者の専門性、報告体制まで確認したうえで契約すれば、費用に見合った成果を得やすくなります。最初に「何を成果とするか」を決めてから見積もりを比較することが、契約後のミスマッチを防ぐ最も確実な方法です。サステナビリティ関連の情報発信を強化したい企業は、サステナビリティ・ブランディングで企業価値を高める方法|メリット・実践ステップ・成功事例を徹底解説もあわせてご覧ください。

初めてPR会社に依頼する場合は、いきなり年間契約のリテナーを組むのではなく、スポット契約や顧問契約で一度組んで進め方を確認してから、必要に応じてリテナー契約へ移行する進め方も選択肢の一つです。自社の広報体制がどの段階にあるかを踏まえて、無理のない契約形態から始めることをおすすめします。

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

Webマーケティング・SEO支援を行う編集チーム。 サステナビリティ・社会課題・企業の取り組みをテーマに、 実務経験に基づいた情報発信を行っています。