エコアクション21とは?費用相場と取得支援会社の探し方

エコアクション21は環境省が策定した中小企業向けの環境マネジメントシステム認証で、認証・登録料は2年分で最少50,000円(税別)、審査費用は審査人1人日あたり50,000円(税別)からと、国際規格のISO14001より低コストで始められます。全国で7,500社を超える事業者が認証を取得しており、初めて環境経営に取り組む中小企業の入り口として使われています。

この記事でわかること

  • エコアクション21の仕組みとISO14001との違い
  • 認証・登録料と審査費用の具体的な内訳
  • 認証取得までの流れと必要な期間
  • 認証取得を支援してくれる会社の探し方
  • 実際にエコアクション21を取得した企業の例

エコアクション21とは?

緑に囲まれたオフィスビル群、環境経営に取り組む企業のオフィス街のイメージ

エコアクション21は、環境省が策定した日本独自の環境マネジメントシステム(EMS)で、中央事務局である一般財団法人持続性推進機構が運営しています。国際規格のISO14001をもとに、中小事業者でも取り組みやすいよう要求事項を絞り込んで作られた制度です。

環境マネジメントシステムの構築・運用、環境負荷の把握(CO2排出量、廃棄物、排水、化学物質など)、そして取り組み結果を「環境経営レポート」として公表するところまでを、ひとつの制度でカバーしているのが特徴です。認証登録事業者は全国で7,500社を超え、そのうち約9割が従業員100人以下の中小企業です(出典は前述のエコアクション21中央事務局サイト、2026年3月時点)。

参照:環境省 総合環境政策(2026年8月時点)

業種別ガイドラインも用意されている

エコアクション21には共通ガイドラインに加えて、建設業者向け、産業廃棄物処理業者向け、食品関連事業者向け、地方公共団体向けの業種別ガイドラインが環境省によって公表されています。業種特有の環境負荷項目を踏まえた内容になっており、共通ガイドラインだけでは実態に即しにくい業種でも取り組みやすくなっています(前述のエコアクション21中央事務局サイトで公開されているガイドライン一覧より、2026年8月時点)。

  • 建設業者向けガイドライン:施工現場での騒音・振動対策や資材の廃棄量管理など、工事現場特有の環境負荷項目を反映
  • 産業廃棄物処理業者向けガイドライン:処理量の管理や適正処理の徹底など、業の許可要件と関わりの深い項目を反映
  • 食品関連事業者向けガイドライン:食品ロスの削減や食品リサイクルの推進など、食品を扱う事業者特有の項目を反映
  • 地方公共団体向けガイドライン:庁舎や公共施設の運用を対象に、自治体としての環境経営の進め方を反映

ISO14001との違い

最も大きな違いは認証・登録の有効期間です。エコアクション21は2年ごとの更新(1年目に中間審査、2年目に更新審査)である一方、ISO14001は3年ごとの更新(毎年の定期審査と3年目の更新審査)というサイクルになっています。また、ISO14001の審査では審査員が助言・指導を行えない決まりですが、エコアクション21では審査時に審査員からアドバイスを受けられる点も、初めて環境経営に取り組む事業者にとっての利点です。

エコアクション21に取り組むメリット

観葉植物を置いたオフィスの窓際、環境に配慮した職場づくりのイメージ

エコアクション21に取り組む最大のメリットは、環境負荷の把握と削減を通じて経営コストの見直しにつながる点です。電力使用量や廃棄物量を継続的に記録・分析する過程で、無駄なコストが可視化されやすくなります。

  • 経営コストの削減:エネルギー使用量や廃棄物量を毎年数値で追いかけることになるため、これまで感覚的にしか把握していなかった無駄な支出が可視化され、削減余地が見つかりやすくなります。
  • 組織の活性化:全社で環境目標を共有し、部署ごとに担当を決めて取り組むため、これまで接点の少なかった部署間でコミュニケーションが生まれるきっかけになります。
  • ビジネスチャンスの拡大:環境配慮への取り組みを環境経営レポートという形で対外的に示せるため、入札の加点対象になったり、取引先の与信評価で有利に働いたりする場合があります。
  • SDGsへの貢献:気候変動や資源循環に関する社会全体の目標と、自社の日々の環境経営の取り組みを直接結び付けて説明できるようになります。

認証取得までの流れ

認証取得は、大きく分けて「環境経営システムの構築」「審査」「登録」の3段階で進みます。構築段階を含めると取得までにはおおむね数か月単位の準備期間が必要で、コンサルティング会社を利用した場合の目安として、後述する支援会社の一つパデセアは6〜8か月程度としています。自社の体制やこれまでの環境データ整備状況によって前後します。

手順内容
1エコアクション21ガイドラインの入手・自社の現状把握
2環境経営方針・目標の設定、体制づくり
3環境負荷(CO2排出量・廃棄物・排水・化学物質等)の把握と削減計画の策定
4環境経営レポートの作成
5審査人による認証・登録審査(必要に応じて事前コンサルティングを利用)
6中央事務局への認証・登録申請、登録完了

なお、社内に環境マネジメントの知見がない場合は、審査を受ける前にエコアクション21審査員によるコンサルティング(有料)を受けることも可能です(エコアクション21中央事務局サイトより、2026年8月時点)。

エコアクション21の費用はいくら?

費用は「認証・登録料」「審査費用」「任意で利用するコンサルティング費用」の3つに分かれ、認証・登録料は2年分で従業員10人以下なら50,000円(税別)からという規模別の料金表が公式に定められています。

従業員数認証・登録料(2年分、税別)
10人以下50,000円
11〜300人100,000円
301〜500人150,000円
501〜1,000人200,000円
1,001人以上300,000円

審査費用は別途、審査人1人日あたり50,000円(税別)で、企業規模や業種によって審査工数(日数)が変わるほか、現地審査の場合は交通費が実費でかかります。追加の登録証が必要な場合は1枚3,000円(税別)です。

例えば従業員30人以下の事業者であれば、登録審査に必要な標準工数は2人日とされているため、審査費用の目安は50,000円×2人日=100,000円(税別)、認証・登録料は2年分で100,000円(11〜300人の区分)となり、コンサルティングを利用しない場合の合計は概算で20万円(税別)前後になります(前述のエコアクション21中央事務局 費用ページより算出、2026年8月時点)。ここに交通費実費や、任意で利用するコンサルティング費用が加わります。

社内だけで構築・申請まで進めるのが難しい場合は、認証取得を支援するコンサルティング会社を利用する事業者も多く、コンサルティング費用は依頼する会社や支援範囲によって数十万円規模で変動します(各社の料金は次章を参照)。

参照:エコアクション21中央事務局 費用ページ(2026年8月時点)

自治体の無料相談制度でコンサルティング費用を抑える方法もある

一部の都道府県・市区町村では、エコアクション21地域事務局と連携した無料コンサルティング制度を実施しており、対象になれば審査費用・登録料以外のコンサルティング負担を抑えられます。

例えば川崎市は、川崎信用金庫と連携した「自治体イニシアティブ・プログラム」として、エコアクション21の認証・登録取得までを地域事務局が伴走支援する無料相談を5回程度実施しています。同様の制度は大分県のエコアクション21地域事務局でも実施されており、審査費用・登録料以外のコンサルティングを無料で受けられる代わりに募集枠を数社程度に限定する運用となっています。募集人数や受付期間は年度ごとに変わるため、利用を検討する場合は自社が所在する地域のエコアクション21地域事務局や自治体の環境政策担当窓口で最新の募集状況を確認してください。

参照:川崎市 環境局(2026年8月時点)、大分県(2026年8月時点)

エコアクション21の認証取得を支援する会社

エコアクション21の認証取得を支援する会社にはそれぞれ得意分野があり、書類作成の代行範囲や模擬審査の有無、対応エリアを比較して選ぶことが重要です。以下は各社の公式サイトで支援内容を確認できる5社を、会社名の五十音順に並べたものです。掲載順に優劣の意味はありません。

比較する際は、料金の安さだけでなく、対応エリア(現地訪問が必要か、オンラインで完結するか)と、初回取得だけでなく更新審査への対応まで含まれるかを必ず確認してください。特に対応エリアを公式サイトで明示していない会社もあるため、問い合わせ時に自社の所在地で対応可能かを確認しておくと、契約後のミスマッチを防げます。

会社名主な支援内容対応エリア特徴
アスループ体制構築・書類作成代行・模擬審査・環境教育全国(オンライン対応)書類作成まで含めた固定料金制
エコリーガル新規認証取得支援・維持審査対応・書類簡素化関東(千葉・東京・茨城・埼玉・神奈川)企業の実態に合わせた個別提案
オオスミ体制構築・方針目標設定・現状把握・レポート作成・従業員教育要問い合わせ7項目に整理した支援プロセス
環境コンサル行政書士法人相談・申請代行・認証後の環境負荷データ取りまとめ要問い合わせ行政書士法人による申請代行に対応
パデセア書類作成支援・体制づくり・模擬審査・環境経営レポート作成要問い合わせ低コスト・シンプルさを重視した進め方

アスループ

株式会社アスループは、プライバシーマークや環境マネジメントシステムの認証取得コンサルティングを手がける会社です。エコアクション21では新規認証取得の支援と、取得後の維持・更新の支援の両方に対応しています。書類作成の代行までを含めた対応が特徴で、社内の作業負担を減らしたい企業に向いています。新規認証取得支援は770,000円からの固定料金制、維持支援は月額33,000円からとなっており、社内工数を115時間以上削減できるとしています。

参照:アスループ公式サイト

エコリーガル

株式会社エコリーガルは、環境ISOおよびエコアクション21の取得・維持を支援するコンサルティング会社です。新規認証取得だけでなく、年次審査への対応や書類の簡素化提案まで行います。「企業の実態に合った提案・指導」を掲げ、中小企業向けの個別対応を重視しています。対応エリアは千葉・東京・茨城・埼玉・神奈川の関東圏で、担当者の急な異動・退職で取り組みが止まってしまった企業の引き継ぎ支援を行った実績も公式サイトで紹介されています。

参照:エコリーガル公式サイト

オオスミ

株式会社オオスミは、環境コンサルティングや各種分析サービスを手がける会社です。エコアクション21の認証・登録支援では、体制構築から方針・目標設定、現状把握、削減目標の設定、書類作成、環境経営レポート作成、従業員教育までを一連のプロセスとして提供しています。ISO14001と比較した低コスト・取り組みやすさを訴求ポイントとしています。分析機関としての知見を活かし、環境負荷の現状把握段階から具体的な数値データに基づいて支援する点も特徴です。

参照:オオスミ公式サイト

環境コンサル行政書士法人

環境コンサル行政書士法人は、産業廃棄物処理業の許可申請などを専門とする行政書士法人で、エコアクション21の認証取得についても相談・申請代行を行っています。取得後も環境負荷データの取りまとめなど継続的なフォローを行う点が特徴で、行政手続きに不慣れな事業者に向いています。産業廃棄物処理業の許可申請を専門とする体制のため、同業種で産業廃棄物処理業者向けガイドラインの適用を検討している事業者との親和性も高いと考えられます。

参照:環境コンサル行政書士法人公式サイト

パデセア

株式会社パデセアは、エコアクション21の新規認証取得を目指す企業向けにコンサルティングを提供しています。必要書類の作成支援、体制づくり、審査員による模擬審査、環境経営レポートの作成支援などを行います。「要求事項が少なく低コスト」というエコアクション21の特性を踏まえたシンプルな進め方を打ち出しています。料金は60万円からで、取得までの期間は6〜8か月程度が目安としています。

参照:パデセア公式サイト

エコアクション21を取得した企業の例

業種や企業規模を問わず、さまざまな事業者がエコアクション21を取得しています。以下は各社の公式サイトで認証取得が確認できる3社を、認証取得時期が古い順に紹介するもので、優劣を示すものではありません。

アイエイアイ

株式会社アイエイアイは、電動アクチュエータ「エレシリンダー」などを手がける産業用ロボットメーカーです。2010年10月にエコアクション21を取得し、その後2019年10月にはガイドラインの2017年版へ移行するなど、長期にわたり環境経営レポートを継続して公表しています。製造業として長年運用を続けている例であり、認証取得後の継続運用がどのような形になるかを確認する参考になります。

参照:アイエイアイ公式サイト

株式会社ケイ・ワイ

株式会社ケイ・ワイは、2022年8月1日にエコアクション21の認証を取得したことを公式サイトで公表しています。認証取得にあわせて環境経営レポートを作成・公開しています。

参照:株式会社ケイ・ワイ公式サイト

株式会社渡邊工務店

愛知県海部郡飛島村に本社を置く株式会社渡邊工務店は、注文住宅や社寺建築、公共建築、リフォームなどを手がける総合建設会社です。2026年6月24日にエコアクション21の認証を取得したことをプレスリリースで発表しました。建設業者向けガイドラインの対象となる業種が、実際に認証を取得した直近の事例といえます。

認証取得の準備を進める際は、同じく中小企業の環境負荷削減を後押しする中小企業向け省エネ補助金もあわせて確認しておくと、設備投資と認証取得を同時に進めやすくなります。

参照:株式会社渡邊工務店 プレスリリース(PR TIMES)

認証取得後に必要な対応

認証は取得して終わりではなく、2年間の登録期間中に1年目の中間審査と2年目の更新審査を受け続けて維持する必要があります。取得後の運用まで見据えて準備することが、結果的に費用のムダを防ぐことにつながります。

  • 環境経営レポートの毎年の更新:CO2排出量や廃棄物量などの実績値を毎年集計し、環境経営レポートとして公表し続ける必要があります。
  • 中間審査・更新審査への対応:1年目の中間審査、2年目の更新審査それぞれで審査費用(審査人1人日50,000円が目安)が発生します。
  • 目標未達成時の見直し:設定した削減目標に届かなかった場合は、原因分析と翌年度の計画見直しを行う運用が求められます。

取得時だけでなく、こうした運用まで含めてコンサルティング会社に依頼できるかどうかは、支援会社を選ぶ際の比較ポイントの一つになります。初回の認証取得支援だけでなく、更新審査への対応や年次レポート作成の伴走まで対応範囲に含めているかを、契約前に確認するとよいでしょう。

よくある質問

エコアクション21について、検索でよく寄せられる質問をまとめました。

Q
エコアクション21とISO14001の違いは何ですか?
A

最も大きな違いは認証・登録の有効期間で、エコアクション21は2年、ISO14001は3年です。エコアクション21は国内独自規格として要求事項が絞り込まれており、国際規格であるISO14001よりも取り組みやすい設計になっています。

Q
エコアクション21の認証取得にかかる費用はいくらですか?
A

認証・登録料は2年分で従業員10人以下なら50,000円(税別)から、審査費用は審査人1人日あたり50,000円(税別)が目安です。企業規模によって審査工数が変わるほか、コンサルティングを利用する場合はその費用が別途かかります。

Q
エコアクション21の認証は更新が必要ですか?
A

はい、更新が必要です。認証・登録の有効期間は2年間で、1年目に中間審査、2年目に更新審査を受ける必要があり、更新を怠ると認証が失効します。

Q
エコアクション21はどんな企業が取得していますか?
A

認証登録事業者の約9割が従業員100人以下の中小企業です。製造業や建設業に限らず、サービス業や自治体でも導入が進んでいます。

Q
自社だけでエコアクション21を取得できますか?
A

制度上は自社のみでの取得も可能です。ただし審査前にエコアクション21審査員による有料コンサルティングを受けることもでき、初めて環境マネジメントシステムを構築する企業は支援を受けた方がスムーズに進められます。

Q
コンサルティング費用を無料や低額に抑える方法はありますか?
A

一部の自治体はエコアクション21地域事務局と連携した無料コンサルティング制度を実施しており、対象になれば審査費用・登録料以外の負担を抑えられます。募集人数や受付期間は自治体・年度によって異なるため、自社が所在する地域の地域事務局や環境政策担当窓口で確認してください。

まとめ

エコアクション21は、認証・登録料が2年分で最少50,000円(税別)から、審査費用も1人日50,000円(税別)からと、ISO14001に比べて低コストで始められる中小企業向けの環境マネジメントシステムです。自社だけで構築・申請まで進めることもできますが、体制づくりに不安がある場合は、書類作成や模擬審査まで対応してくれる支援会社を活用すると準備を進めやすくなります。費用をできるだけ抑えたい場合は、自治体の無料コンサルティング制度が利用できないかをあわせて確認するとよいでしょう。

環境経営の第一歩として、まずは自社の環境負荷の現状把握から始め、脱炭素の基礎知識CSR(企業の社会的責任)と合わせて取り組みの全体像を整理しておくと、エコアクション21で作成する環境経営レポートの内容もより充実したものになります。

この記事の執筆者

The Company Journal編集部

Webマーケティングを行う編集チーム。 サステナビリティ・社会課題・企業の取り組みをテーマに、 実務経験に基づいた情報発信を行っています。